ハイスクールD×D 学級崩壊のデビルマン   作:赤土

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お待たせしました。
多分今年最後の更新です。

そして「デビルマン」では初めての、通算でも本当に久方ぶりのイッセーパート。
書いていてモチベが下がったからと言う訳ではなく、単純に難産だっただけです。


Will38. 千日手のR / 俺のリビドー、魅せます!

SOLID-SWING EDGE!!

 

EFFECT-THUNDER MAGIC!!

 

案の定と言うべきか、こちらから攻め込もうにもシャドウは記録再生大図鑑(ワイズマンペディア)を駆使して

こちらの攻撃を的確に妨害してくる。

発動させないように距離を詰めようとしても

その前にこちらの行動をピンポイントで妨害してくるのだ。

 

……とはいえ、能力をかなぐり捨てての殴り合いに持ち込んでもただの消耗戦だ。

そうなればアモンに代われるこっちが有利、と言いたいところではあるのだが。

 

 

『セージ。俺は今回手は貸さないぞ。

 これはお前の戦いであり、お前が決着をつけるべきことだ。

 お前自身を決める戦いにまで手を貸してやるほど、俺はお人好しじゃない』

 

 

こうしてアモンには釘を刺されているのだ。

とは言え、俺も今回に限ってはアモンの力を借りるつもりは無かった。

いつぞや祐斗に釘を刺したが、今回ばかりは他人の事が言えない。

これだってこだわりと言ってしまえばそれまでなのだから。

 

SOLID-GYASPUNISHER!!

 

SOLID-SWORD MOUNTAIN!!

 

接近できないのならばと、ギャスパニッシャーの投擲で足を止めようとするが

それもコース上に設置された剣山によって勢いが殺がれてしまう。

さっきから、互いに決定打が打てない状態なのだ。

 

……相手も俺なのだから、ある意味においては当たり前の結果とも言えるが。

そのため、千日手になりながらもその間隙を縫って攻めなければならない。

 

SOLID-REMOTE GUN!!

 

SOLID-DEFENDER!!

 

シャドウももう悪霊達の機動部隊(ガン・レギオン)が使えないからなのか、触手砲を展開してこちらを狙ってくる。

その砲撃をディフェンダーで防ぎながらゴリ押ししつつ、何とか懐に飛び込もうとするも

足元から一本の触手が飛び出してくる。

 

「――くっ!」

 

飛び出してきた触手をディフェンダーの刃で切り落としつつ

今度はディフェンダーをシャドウ目掛けて投げつける。

ヴァーリに使った時同様、後から触手を出して軌道をコントロールする。

ギャスパニッシャーでは重すぎてできなかったが、ディフェンダー程度の重さならばやれる。

うまく軌道調整が効き、シャドウの頭上から直撃するルートでディフェンダーが飛び込む。

 

直撃コース。これで有利に立てるはず……なのだが。

 

 

EFFECT-MELT!!

 

 

「何っ!?」

 

なんと、シャドウは目の前でその身体を溶かして見せたのだ。

液状化した体には、ディフェンダーによる物理的な攻撃は完全に分散してしまっている。

確かに、あのカードには対象を溶かす力はあるが……まさか、「自分に効果を発揮させる」とは!

液状にその身体を変えたまま、シャドウは俺に絡みついてくる。

その身体が再び実体に戻った時、俺は完全に関節を決められていた。

 

「そうら、動けないままこれでも喰らうんだな!」

 

EHHECT-THUNDER MAGIC!!

 

「あがあああああああっ!?」

 

関節を決められたことへの痛みと、関節に流れ込んでくる電流のダブルパンチで激痛が走る。

はっきり言って、意識を飛ばしそうなほどの痛みだ。

シャドウが離れると同時に、俺は思わず倒れこんでしまう。

ついでに言うと、身体が痺れて動けない。

 

「あが……ぐ……!」

 

「おらぁっ!」

 

シャドウに蹴り飛ばされ、俺は泉の中へと落ちてしまう。

着衣水泳自体は経験があるし、泳ぎはどちらかと言えば得意な部類に入るのだが

それは体が五体満足に動く場合だ。痺れた体では泳ぐことなどままならない。

水に入る前には準備運動をしろと言うのは

水中で体が攣って動かなくなることを防ぐためなのだ。

 

そして、今俺は言うなれば全身が攣っていて、かつ水を吸う衣服を纏っている状態だ。

つまり……普通に溺れる。

 

「…………!!」

 

「そのまま水底でもがけ。水の恐怖、知らないなどとは言わせないぞ」

 

ここに来る前に鏡の泉が映した映像の中には、姉さんと川に行った出来事もあった。

そこで俺は、不意に川の石で足を滑らせて危うく流されかけたことがあった。

幸い何事も無かったが、それ位に水と言うものは恐ろしいものなのだ。

ここは流れの無い湖だが、その分深さは川とは比べるべくもない。

満足に動けず、重しを身に着けている状態では沈んでいくのは必定と言える。

 

 

――冗談抜きで、このままじゃ死ぬ!!

 

 

はっきり言って、レイナーレだのライザーだのがバカバカしく思えるほどに命の危険を察している。

身体へのダメージ云々じゃなく、途轍もない破壊力を見せつけられている訳でもなく。

 

ただ単に、身体が酸素を欲しているのだ。俺は古生代のミジンコでも、植物でもない。

地球上の生物なのだから、酸素は必要不可欠な物質だ。

それを求め、思わず口を開けてしまうが……ここは水の中だ。つまり……

 

「がぼっ……」

 

水を飲んでしまった。俺は陸上生物なのだから鰓呼吸なんてできない。体も動かない。

これは…………ダメかもしれない…………!!

 

俺の身体は、泉の水底へと沈んでいくようであった……

 

 

 

――

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

――

 

 

 

セージの偽者が呼び出した棺桶を背負ったバケモノと対峙する。

棺桶の中から出てきた女の子が小猫ちゃん達を一瞬にして倒してしまった。

その攻撃に気を付けつつ、俺は赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の力を使いながら

このバケモノを倒そうと躍起になっているが、こいつは今まで俺が戦ったどんな奴とも違う。

悪魔とも、堕天使とも、それどころかアインストとも違う。

強いて言うなら、訓練で戦ったナイア先生の神器(セイクリッド・ギア)に似ているけど。

 

ふと、俺は女の子の入っていた棺桶が半開きになっていることに気づく。

また棺桶が開いて、小猫ちゃん達を一瞬で倒したあの攻撃を出してくるんじゃないか。

その俺の予感通り、棺桶の中からは女の子が出てきた。

この女の子、かなり可愛いんだけど…………臭い。

おっぱいが無いのは百歩譲ってもいいとして(小猫ちゃんも無いし)、この臭いだけはだめだ。

まるで、壊れた冷蔵庫の中から出てきた食材みたいな臭いだ。

こんな臭い、冥界でさえ嗅いだことが無い。

 

クソっ、こんな時にヴァーリの能力があればなあ。

臭いを半減させられそうだってのに。

 

『そんなことに俺らの能力を使うんじゃねえよ。それより来るぞ!』

 

 

  死  ん  で  く  れ  る  ?

 

 

さっき繰り出した、あの攻撃だ。

まるで地の底に引きずり込もうとする、凄く嫌な感じの纏わりつく感覚。

 

……こんな、こんな気持ちの悪い攻撃にやられてたまるか!

俺がやられるのは、おっぱいの中だけだって決めてるんだ!!

こんな陰気な奴、俺のおっぱいエネルギーで消し飛ばしてやる!!

 

『え? おい、お前……』

 

BOOST!! BOOST!! BOOST!! BOOST!! BOOST!!

 

後ろでドライグが何か言っているが、知った事か!

俺はあの女の子にお仕置きすべく、伸びてきた触手を引きちぎりながら女の子に触れる。

……さあ、条件は整った!!

 

 

洋服破壊(ドレスブレイク)!!」

 

 

紫のワンピースがはじけ飛び、白い肌に瑞々しい身体。

そして小ぶりなおっぱいが俺の目の前に飛び込んでくる。

やはりナイア先生や朱乃さん、リアスほどのインパクトは無いがこれはこれでいい。

おっぱいに貴賤は無いのだ! 大は小を兼ねるけど!

 

『このバカやりやがった』

 

バカで結構、俺はお前にこの喜びを教えてやりたいくらいだぜ!

何なら、イリナや朱乃さんとヤってるときに代わってやろうか?

俺の身体ならバレやしないだろうし。

 

『……俺が言うのもなんだが、お前、ヤってから殊更に性格悪くなったな。

 増長が目に見えていると言うか、そんなところだ。

 ま、龍の神器を持っている以上大なり小なり増長するもんだ。

 慢心せずして何が龍か、とでも言っておこうか』

 

ドライグの言っていることが今一よくわからなかったが、バカにされた事だけはわかる。

なんで俺の周りにはロマンのわからない奴が多いかな?

ま、競争相手が少ないのはいい事だ。全部俺が独り占めできるんだからな!

 

(……この欲深だけは紛うこと無く龍だな。ま、龍は軒並みその欲深が故に倒されてるんだがな。

 こいつは、その欲深で自滅した龍の運命を変えてくれるのかね……)

 

ドライグが何か言っていた気がしたが、俺にとってはどうでもよかった。

それより、棺桶の女の子は可愛い悲鳴を上げながら棺桶に引きこもってしまった。

……繋がれてる、身体の一部って訳じゃないから棺桶は洋服破壊で壊せそうにないな。

寧ろ、バケモノの一部って方がしっくりきそうだし。

 

ならばとばかりに、俺は力づくで棺桶を引きはがして女の子と対面しようと考え、組み付いたが

ふと、相手の抵抗が弱くなったような気がした。

なんだかわからないが、弱体化したならチャンスだ! 一気に押し込んでやる!!

 

(……成る程な。あのバケモノ、怨念なんていうデストルドーの塊で動いていたんだ。

 こいつのリビドーで、デストルドーが相殺されたってところか。

 

 ……ただ、別の負念は増したようだがな)

 

別の棺桶から、また別のバケモノが飛び出してきた。

こいつらは女の子でも何でもないから、問答無用でドラゴンショットで正面からぶっ飛ばす!

ナイア先生に教わったアレを試してみたいけど、それをやれるほどまだ倍加が出来てない。

アレを使うと、俺も動けなくなるし。

 

……それにしてもこいつら、鬱陶しいな!

赤黒いボロコートのバケモノに、返り血を浴びたような短ランのバケモノ。

見ていて不愉快になるから、さっさと帰れってんだ!

 

(さっき霊魂のが戦っていた時よりもこいつらの攻撃の激しさが増しているな。

 やはり、リビドーでデストルドーは抑えられても、そのリビドーを向けられたことに対する

 不快や嫌悪による憎しみから生まれた負念が、デストルドーの代わりをしているみたいだな。

 デストルドーはあくまでも「死へと向かう想念、死んだ奴の思念」だから

 生に根差す思念であるリビドーで相殺できるのはそこまでだ。

 リビドーじゃ、憎しみは消せやしない。そもそも、憎しみもまた生きる糧になる力だ。

 それどころか、破壊衝動って意味じゃデストルドーと性質は同じだしな)

 

バケモノが繰り出してくるパンチやエネルギーは、受け止めるだけでも不快感を催す。

うまく言えないけど、俺の中にまとわりついてくるようなもやもやした感覚だ。

勿論、パンチは普通に痺れたりする程度には痛いけれど

それ以上にねちねちと嫌味を言われているような不快感が込み上げてくる。

 

……なんなんだよ。何なんだよ、こいつら!

 

(奴らの攻撃の源は憎しみ、恨みと言った負念だ。

 それを打ち消したければ、お前の中にあるありったけの正念をぶつけるしかないぞ)

 

正念? それなら、俺の中にはいくらでもある!

そうだ、ありがとうよドライグ!

俺のおっぱいへの、ハーレムへの想いがこんな訳の分からない恨みや怨念に負けてたまるか!!

 

 

BOOST!! BOOST!! BOOST!! BOOST!! BOOST!! BOOST!! BOOST!! BOOST!!

 

 

「うおおおおおっ!! 爆発しろ、俺のおっぱいパワァァァァァァァァ!!!」

 

 

(……状況打開のためとはいえ、こうでもしないといけないとはな。

 霊魂のが分身を寄越してくれれば対処できたかもしれんが……

 

 

 ……さっきから、霊魂のの気配を感じないな。あそこにいるのは……違うだろうしな)

 

自分でやって驚いたが、俺のドライグの力も込めたおっぱいオーラでバケモノが消し飛んだ。

どうだ、俺だってセージがいなくったってこれ位出来るんだ!

それに、こいつはセージだって苦戦した奴だ! それを俺が倒したんだ!

 

それを自慢するために、俺は泉の畔にいるセージに駆け寄って行った。

 

「へへん! どうだセージ! あのバケモノは俺が――」

 

『!! バカ、よせイッセー! そいつは――』

 

 

セージの肩を叩こうとした瞬間、衝撃と共に目の前の景色がぐるりと回転したのだった。

俺の赤龍帝の籠手と同じくらい――いや、寧ろ血のような色を湛えた瞳で

こっちを嘲笑っているのだけは、その寸前にはっきりと見えた。




リビドーとデストルドーの関係。
実はこれこそが怨念≒デストルドーに対抗する手段の一つでした。
そう言う意味ではイッセーは怨念特効持っていることになるのですが
それと同時にこのように不快感を与えてしまって
別の負念を生み出すことになるわけでして……
それにリビドーは別に性欲だけじゃないですしね。

そしてせっかくディス・レヴ攻略法が見つかったのにその情報を会得していないセージ。
シャドウに負けて溺死させられそうなところで引き。
でも大丈夫、水落ちは特撮での生存フラグなので。

>アリスに洋服破壊が効いた理由
某Bismarck級な聖槍騎士団には効かなかった洋服破壊ですがアリスには有効。
そもそもこのアリス「メガテンのアリス」に極めて近い存在です。
なので「少女の思念が肉体を得た」アリスには有効です。
聖槍騎士団はガワはBismarck級っぽくても中身が……なので。
某eraじゃ女性って噂流せますけどね、奴ら。

>アナザーなイザナギとアルセーヌ
赤おじと黒おじの役割も少しだけ持たせてます。
色合いはイザナギはともかくアルセーヌは元ネタ意識してますけど
赤おじ黒おじは単なる偶然。
ベリアルもネビロスもめんどくさい役でD×D出演済みですが
当然、無関係です。
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