ハイスクールD×D 学級崩壊のデビルマン   作:赤土

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祝え!
人の心の海の力を受け継ぎ、20世紀から令和の世にその存在をしらしめるペルソナ使い。
その名も周防達哉と天野舞耶。
ねんどろいどとして誕生を約束された瞬間である。
https://twitter.com/gsc_kahotan/status/1491938829988958209?s=20&t=aiF1JDc3et0UC7cEyXfD8A

因みにキタローもあるでよ。
なおりん……


Will41. 公安調査対象

敵を連れてきた。

そう言う祐斗の後ろからは、警官隊がなだれ込んできた。

一瞬、超特捜課(ちょうとくそうか)かと思ったが……それにしては、様子がおかしい。

それに……一般の警察官とは、装備があからさまに違う。

超特捜課の新装備……じゃない! これは……SAT(特殊急襲部隊)だ!!

 

しかも、その後ろからは見慣れない黒いパワードスーツまで来ている!

これは祐斗の言う通り、完全にこちらを攻撃するつもりの布陣。

流石に問題だと思い、俺はダメもとで警察手帳を提示してみるが――

 

「待ってください! 俺は超特捜課特別課員の宮本です!

 誘拐事件についてはこの通り被害者を保護、犯人は既に鎮圧しました!

 犯人は怪異由来のものであり、超特捜課事案としてたった今……」

 

しかし、俺の言葉を意に介さず足元に威嚇射撃を受けてしまう。

おいおい、俺が言うのもなんだが何時から警察はこんな横暴な組織になったんだ!?

 

「誘拐事件は我々の管轄外だ。我々は警視庁公安部。

 テロリスト集団『D×D』! 扇動罪及び国家反逆罪の容疑で

 貴様らの身柄を拘束する!」

 

D×D!? グレモリー先輩らはともかく、俺は違う!

いや……「俺がD×Dの6人目」って噂は既に流れていた……

公安が真に受けたか、現実化したか!?

この噂の現実化って奴は、当人の意思お構いなしか!

 

「既にお前達は完全に包囲されている。無駄な抵抗などせず、我々と来てもらおうか」

 

(どうする、セージ?)

 

(相手が冥界の連中とかならいざ知らず、流石に警視庁と事を構えるのは……

 向こうはD×Dに用事があるって言っているんだから、俺一人出向したところで

 事態は解決しないだろうしな……)

 

人間の俺が人間の世界、しかも自分が属する国の警察機関と事を構えるとか

犯罪者になるだけだ。唯一抜け穴があるとするならば、この行使が不当な事由によるものだが

D×Dを引き合いに出されている以上、それも無い。

そのD×D自体が正体不明の組織だったりするのが問題っちゃ問題ではあるんだが。

 

この場にいる中でD×Dに関係が無い人は…………いた。

 

 

「ま、待ってください! そこの銀髪の子と藤色の髪の子はD×Dとは関係ありません!

 せめて、彼女達だけでも……」

 

「断る。こうして貴様らと行動を共にしている時点で重要参考人だ。

 構成員でなくとも、活動の幇助を行っていた可能性もある。

 よって、容疑ではなく重要参考人として我々と来てもらう事に変わりはない」

 

ダメだ。白音さんとバオクゥだけでもと思ったが、取り付く島も無しとはこの事か。

この場を切り抜ける方法を、と思ったがここまでとなると思い浮かばない。

そりゃ姿を消すなりなんなりで逃げる方法はあるかもしれないが、実力行使は最後の手段だ。

と言うか、相手が相手なのだから実力行使は愚策も愚策だ。使うべきじゃない。

容疑を現行犯にするわけにもいかないし。兵藤? あいつは誤認逮捕になったとは言え犯罪者だ。

俺が頭を下げたのはあくまでも自分を棚上げして糾弾したことだ。

罪をはぐらかす行為にどうして頭を下げなきゃいけない?

 

次の手を考えていると、ふと警官隊の中に見覚えのある金髪の目つきが悪い人がいた。

安玖(あんく)巡査!? どうして公安に……!?

 

「あ、安玖巡査!?」

 

「宮本か。悪ぃがこう言う訳だ。税金で給料もらってる以上、泥棒するわけにもいかねぇからな。

 こういう時、宮仕えはつれぇよな」

 

って事は……後ろのパワードスーツの中身は……!!

 

「……宮本君。すみませんが、大人しく我々に従ってください」

 

「氷上巡査!? そのパワードスーツを操縦しているのは、氷上巡査なんですか!?」

 

「そうだ。俺がいること。

 そして、このパワードスーツ――ゲシュペンストを氷上が操縦している。

 これらのことから、超特捜課は公安の直属になったってわけだ。

 それに伴って、宮本。お前は――」

 

「――そこから先は、私が言いましょう」

 

警官隊をかき分けるように、やたら偉そうなスーツの男が出てきた。

この人は初見だ。って事は、超特捜課じゃなく公安に元々いた人間って事だろうか。

 

「私は警視庁管理官の黄蟹雅史(こがにまさし)と言います。

 宮本成二君。君の活躍はテリー警部や蔵王丸(ざおうまる)警部から聞いていますよ。

 それとありがとうございます。君のお陰でテリー警部を左遷出来たようなものですからね。

 これで、あの若造にでかい顔をされることも無くなりました。感謝していますよ」

 

「なっ……!?」

 

黄蟹と言うこの男が宣ったのは、絵にかいたような権力欲の権化とも言うべき言葉だった。

管理官という事は左遷される前のテリー警視とそう変わらない立場のはず。

それを俺がやらかした(って事になるんだろう、一応)せいで

こんな奴がのさばる羽目になったのか!

もしかして、須丸清蔵(すまるせいぞう)の横槍もあるけれど

こいつもこの警察の横暴に一枚噛んでいるんじゃ……

 

……須丸清蔵に取り入って甘い汁吸ってるだけかもしれないけど。

 

「お陰で超特捜課の力も、こうして行使することが出来るようになったんです。

 神器(セイクリッド・ギア)とやらには恵まれなかった私ですが、こうして上に立ちその力を自在に操れる。

 クセになりそうですよぉ!」

 

その言葉に、安玖巡査は苦虫を噛み潰したような顔を隠していない。

氷上巡査も、表情は伺い知れないが同じことを思っているかもしれない。

くそっ、ここに来てなんでこんな奴が陣頭指揮を……!

 

「ですが。君の本分はあくまでも学業。

 こうしてゲシュペンストも南条コンツェルンのお陰で完成を見た今。

 もはや君に出張ってもらう必要もありません。

 こんなご時世でもありますし、君が態々戦地に赴くことなんかありません。

 今までご苦労様でした。退職金を……と、言いたいところですが……」

 

そう言うや否や、SATの一部が俺に銃口を向けたまま両脇に付く。

明らかに、ねぎらいが目的ではないことくらいはわかる。

 

「君にもテロ組織『D×D』への関与が疑われていましてね。

 全く学生が武装集団だというのでも問題なのに、よりにもよってテロリズムに傾倒するとは。

 しかも国際テロリスト『禍の団(カオス・ブリゲート)』と『D×D』には関連があるそうじゃないですか。

 名目上は争っているように見えても、その実繋がっていれば疑惑を向けざるを得ない。

 言いたいことが……わかりますね?」

 

(狡兎死して走狗煮らるとはよく言ったな、こりゃ)

 

アモンが感心したようにつぶやくが、こっちは生きた心地がしない。

D×D相手を想定しているって事は、恐らくだが装填している弾は神経断裂弾だろう。

そんなもの、いくらマグネタイトで補強しているからって生身で受けて無事で済むわけがない。

そもそも撃たれて無事で済むとかありえないし。

気休めだろうが、仕方なく両手を挙げて降参の意思表示をする。

 

「せっ、セージ!?」

 

「仕方ないだろ。相手は曲がりなりにも警察だ。俺の立場上、事を構えるわけにはいかない。

 ……日本国民じゃないあんた達なら、まだしもな」

 

……くそっ。何で俺はこいつらに逃げるヒント与えてるんだよ。

そりゃあ、D×Dなんて訳の分からない組織の一員に勝手にさせられて

そのままあれよあれよと言う間に指名手配……じゃあ、納得も出来なかろうが。

 

ハナっから日本国籍なんか有していないであろうグレモリー先輩にアーシアさんとかはいいだろう。

祐斗だって言っちゃなんだが国籍不明だ。木場祐斗って名前がグレモリー先輩が勝手につけた名前だとしたら。

姫島先輩は少し怪しい。兵藤も……勘当されたらしいが、それでも戸籍が抹消されたわけではないだろう。

光実は言わずもがな日本国籍を有している。恐らく、立場的には今の俺と一番近いかもしれない。

 

「……仕方ないですね。弁護士は付けてもらえるんですよね?」

 

「光実君まで!?」

 

俺に続く形で、光実も抵抗する素振りを見せずに両手を挙げる。

祐斗が驚いているが、この状況では仕方ない。お前の言いたいこともわからんでもないが……

クソっ、どうすればいいんだよこれ。

 

俺と光実を拘束するために、SATの一部が俺達への対応に集中する。

その間に、後ろでグレモリー先輩が何かして……

 

 

……あれは、転移魔法陣!?

そうか! いくら警察でも、自力で冥界に行く技術までは無いはずだ!

クロスゲートとかでも使わない限り、冥界にこっちから乗り込む手段は無いはずだ!

確かに、これならば……逃げる形にはなるが……

 

 

「セージ、付き合う必要は無いわ! こっちに来なさい!」

 

「ぶっ、部長!? なんでセージの奴を……!?」

 

俺を呼び寄せるグレモリー先輩の態度に、兵藤が面食らっている。

そりゃあ、あいつにしてみれば俺はグレモリー先輩にとっての不倶戴天の敵だし

正直、それは俺もそうだとは思っている。だから、何故グレモリー先輩が俺を呼んだのかが

今ひとつ解せなかったりもした。

 

だが、この場で捕まるよりは逃亡した方がマシかもしれない。

逃走は罪が重くなるかもしれないが、そもそもD×Dって集団の正体がまだわかってない。

その正体を突き止めない事には、おちおち捕まってもられないだろう。

 

「光実君も! ここで警察に捕まっても、事態は好転しないよ!」

 

「し、しかし……」

 

一方、逡巡するのは光実。祐斗の言葉にも、踏ん切りがついていないようだ。

そりゃあ、光実は冥界に行ったことが無いのだから無理もないか。

 

「光実、ここは思い切って冥界に行くしかない。

 このまま、身に覚えのないテロ疑惑をかけられたままでは泥沼だ!」

 

「……しか、ないみたいですね……」

 

「他のみんなも来なさい! 纏めてグレモリー領まで飛ぶわ!」

 

グレモリー先輩の言葉に、ゼノヴィアさんとバオクゥも魔法陣に飛び込む。

動作を始め、光り出した魔法陣。俺と光実が入り込もうとしたその瞬間。

 

「あ、あれは何なんです!? SAT部隊、彼らを逃がしてはなりませんよ!

 超特捜課も! こういう時のためにあなた方がいるんですからね!」

 

その情けなさがにじみ出ている黄蟹管理官の号令に対し

渋々と言った様子で安玖巡査は氷上巡査に頷き

パワードスーツを装着したままの氷上巡査もそれに対し頷き返す。

直後、俺達を追い抜きかねない勢いで二人は魔法陣の中に入り込んできたのだ。

 

「給料泥棒になるから、逃がさねぇって言っただろ」

 

「皆さん、大人しくしてください!」

 

 

明らかに魔法陣の中に入るには定員オーバーともいえる人数が強引に入り込む。

安玖巡査と氷上巡査を追い出そうと兵藤が攻撃を加えようとするが、俺は何とかそれを制止する。

 

「このっ、何するんだよ!」

 

「よせ! 公務執行妨害の現行犯が付くぞ!」

 

俺が兵藤を抑え込んでいる間にも、魔法陣は俺達を冥界に飛ばそうと動作を続けている。

しかし、そんな中洞窟が揺れ始めたのだ。

 

 

――違う。洞窟が、ではない。

 

 

洞窟の空気そのものが、揺れ始めたのだ。

 

 

 

「こ、これは……」

 

「……地震?」

 

「ま、まさか魔法陣の定員オーバーでは……?」

 

 

戸惑う俺達だったが、それは警察の側も同じだったようだ。

足並みが、見るからに乱れ始めていた。元々、あの黄蟹管理官って人物に

指揮能力がそれほど備わってないのもあるとは思うが。

 

「う、狼狽えるんじゃありません! 足を止めた今こそ、彼らを捕まえるチャンスですよ!」

 

「し、しかし管理官! 揺れは……揺れはどんどん酷くなっています!」

 

そうなのだ。揺れはおさまるどころか、どんどん大きくなっている。

下手をすれば、立っている事すら覚束なくなるような状態だ。

地上でもこれだけの地震は不安を覚えるが、それ以上に今は洞窟の中だ。

落盤なんて起きたら、洒落にならない。

 

「あ……ああっ! セージさん、あれを!!」

 

……のだが、もっと洒落にならないものが俺達の目の前に現れたのだ。

 

「あれは……まさか!」

 

「地上にあったものが……転移したのか!?」

 

 

――クロスゲート。

 

ここで転移魔法陣を起動させた影響か何か知らないが、鏡の泉の水面上に浮かぶような形で

それはこの場に顕現したのだ。揺れの正体は、これだったのかもしれない。

そして、そのクロスゲートはリングの中から青い光を放っていた。つまり――稼働状態だ。

 

 

次の瞬間。クロスゲートから放たれた光は俺達を包み込み

光に呑まれる形で、俺の意識は遠ざかっていくのだった――




>黄蟹管理官
公安の指揮を執ってる人。元ネタは仮面ライダー龍騎から須藤雅史。
「黄金」の「蟹」だから黄蟹。
龍騎組は捩った名前ばかりですが、彼に関しては須藤姓が使えないという理由もあります。

「須藤、だと? どうやらその苗字は命名神様がいかんと言っておるようだ。すまんが別の苗字にしてはくれまいか?」

……いやだって悪徳政治家だったり電波ばいきんまんだったりで使われてる苗字ですし。

立ち位置としてはペルソナ2罰の島津管理官。
SAT率いてる辺りそんな感じですが、俗物っぽさはかなりマシマシ。
そのうち食われるかもしれません。

>人間が持つ転移装置
一応、人間製だとデヴァ・システムやクラックの制御装置
そしてパーソナル転送システムとかがあるのですが
パーソナル転送システムはアーマードライダーのアームズ転送を疑似再現した一方通行型。
デヴァ・システムやクラック制御装置は警察に採用されていないという事で
こうして冥界とかに逃げられたら打つ手が無くなります。要は高飛びされるわけですね。

デヴァ・システムもプチ・デヴァから10年が経過しているので
さらに小型化されていてもおかしくは無いのですが……

>D×D
完全にこの世界ではテロ組織扱い。曲がりなりにも原作じゃテロ対策チーム謳っているのに……
しかも自分達が知らない間にテロ組織として名前だけが伝わり、知らない間に一員にされている。
ある意味で仮面党であり、身に覚えのない「ヒーローごっこ」のおとしまえを付けさせられている状態。
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