ハイスクールD×D 学級崩壊のデビルマン   作:赤土

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あれこれ悩みに悩んだネタを入れたり
今まで浮かばなかった分を入れたり
スランプ打破のためにいろいろ試した末を入れてみたり

そうした結果、少し長めになりました


Final game

レーティングゲーム。

悪魔同士が切磋琢磨し、その実力を誇示するための手段――

 

 

――などと言えば聞こえはいいが、結局はただの貴族の道楽である。

 

 

レーティングゲームにおいて重要視されているのは、主たる「(キング)」の資質よりも

その王が抱えている眷属の質によるところが大きい。

これは強さのみならず、眷属の希少性も含まれているところに悪魔の悪魔たる所以がある。

……要するに、品評会ついでに闘犬も行っていると言える。

闘犬に限らず、闘鶏などの動物を戦わせる娯楽は洋の東西を問わず何処にでもある。

だからそれ自体は別に文化の一環だろう。野蛮とついて回るかもしれないが。

 

 

……だが、だがもしも。

そこで闘う土佐犬や軍鶏に知恵や文明なんかがあったとしたら。

自分達を戦わせる人間に反旗を翻さないなどと、どうして言えようか。

 

人間が人間を戦わせたコロッセオはただのブームの衰退で無くなり

行動を起こしたが鎮圧され、為政者の発言の道具にされたスパルタクスだって

元をただせばこうした文化への反逆だ。

後世の人間は如何様にも好き放題に言えるが、スパルタクスは確かに

人間の――剣奴達の自由と平和のために戦ったのだろう。

 

 

……その精神を、眷属悪魔達が持っていたとしたら。

こう言う考えは杞憂なのかもしれないし

そもそもそう考えるセージがイレギュラーなのかもしれない、が。

 

 

――悪魔の市民達は、呑気に競技を愉しんでいる場合では無いはずだ。

 

 

――――

 

 

物思いに耽るセージの意識を呼び戻したのは、会場に響き渡るアナウンス。

 

ギャスパー、アーシア、木場、朱乃、ナイア、イッセー、そしてリアス。

 

このようにフルメンバー揃っているグレモリーチームに対し、人間チームはと言えば。

 

 

……ゼノヴィア、氷上、光実(みつざね)、そしてセージ。

 

 

負傷したマスク・ザ・ハチワレ、迷子保護のために席を外した安玖(あんく)

行方不明のカムカム・ミケ、そしてサイラオーグの騒動やサーゼクスの監視のために

動くことが出来ないでいるビナー・レスザン――もとい、ユーグリット・ルキフグス。

 

ユーグリットの協力を受ける条件――どんな形であれ、グレモリーを倒す。

それを果たすためにも、この戦いは引き下がることが出来ないのだ。

悪魔の言いなりになっているとも取れる状況ではあるが

これについてはただ単に「今のセージ達にとって、ユーグリットはまだ話せる相手」であることと

アモンがいる都合上、サーゼクスに協力を仰ぐことが出来ない事情もある。

 

……尤も、セージやマスク・ザ・ハチワレこと黒歌の心情的に眷属悪魔を迎える体制である

悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を推進するサーゼクスに協力を仰ぐなど、到底できるものでは無いという事情もある上

そのサーゼクスの方針の後始末を、人間達ははぐれ悪魔という形でさせられているのだ。

アガレスからの指令で、はぐれ悪魔の始末に現地の悪魔が動いている、などと言っても

事件に対し手をこまねいていては、それは警察への信頼の失墜となる。

どの道、人間は人間で動かなければならないのだ。その答えが、超特捜課であり

ユグドラシルで製造されたロックシードに因むアーマードライダーなのだ。

 

つまり、何をどうしようとこの戦いは避けられない。

人間が人間であり続けるために。悪魔が新しい道を進むために。

この衝突は、避けられないものとなったのだ。

 

「セージ。今からでも遅くは無いわ。この試合を降りなさい。

 あなたの実力は知らないわけじゃないわ。だけど、これはあまりにもあなたにとって不利。

 ソーナの敵討ちとか、悪魔としての誇りとか以前に

 一方的にあなた達を(なぶ)るような戦いはしたくないだけ。

 だから……」

 

試合開始前のリアスの降伏勧告を、セージは一笑に付す。

リアスの言っていることは概ね事実であり、各々の実力が伯仲していると仮定した場合

数的不利が明確なセージにとって、これは苦しい戦いを強いられることとなる。

 

……しかしそれでも、セージは不敵に笑って見せたのだ。

 

「フッ、ご冗談を。ここで逃げだすようなら、初めからこんな茶番じみた戦いに参加していない。

 そもそも、俺はお前達悪魔のその上から目線が気に入らないんだ。

 一体何の権利があって人間の世界で好き勝手やってるんだ。

 愚かな人類を自分達が導こう、とでも考えているんなら……

 

 ……今お前達が繰り広げている文化や政策。

 それらすべて、人間の模造品だし……ものによっちゃ、何百年も前の遺物だ。

 そんなものを有難がっている奴らに、人間の世界を好き勝手させない。

 人類は明日に向かって一歩ずつ歩いているんだ。文明の逆行など、到底看過出来るものか」

 

「あなたのそのへし折ってくださいと言わんばかりの鼻に、他の人達を巻き込むというの?」

 

「いいや? これは凡そ俺達の総意だ。

 超特捜課は人間社会での悪魔や堕天使とかの犯罪を抑止したい。

 ゼノヴィアさんはそもそも悪魔祓いだ。

 光実だって、悪魔対策でアーマードライダーシステムを作ってるユグドラシルの人間だ。

 この場にいないが黒歌さんだって、はぐれ悪魔の処遇を見ればわかるだろう。

 

 ……そして俺は今言った通り。悪魔を狩るのは天使でも、堕天使でもない。

 悪魔に抵抗する――俺達人間だ!」

 

セージの切った啖呵に対し、会場がどよめく。

何せ、言葉の内容はほぼ人間の悪魔に対する宣戦布告なのだ。

 

――人間如きが。

 

会場の悪魔のほとんどが、内心こう思っていた。

これまで悪魔にとって人間などと言うものは、契約のために利用する存在であり

あるいは珍しい神器(セイクリッド・ギア)を持っていたとするならば

口八丁で眷属として迎え入れたりすればいい方で

悪魔にとっての栄養素とも言えるマグネタイトの優秀な供給源であったり

とかく多岐に渡って有用な資源としての存在価値しかなかったのだ。

丁度、19世紀~20世紀初頭にかけての鯨と似たようなものである。

今半端に保護政策が打ち出されていることも、かつて人間が行った鯨の乱獲と

それにまつわる様々な事例が被っていると言えるだろう。

 

「……わかったわ。やはりあなた達は人間チームなどと嘯くだけはあるわね。

 人間界に住むすべての人間があなた達のような存在ではないと信じているけれど……

 私は、悪魔と人間の平和のためにその思い上がりを打ち砕くわ!」

 

「どっちが思い上がりだ!

 人間がお前達悪魔に全面的に隷属し、争いが起きなければ確かに平和かもしれないさ。

 

 ……だが、そこに自由は無い! 平和は、自由の先にあるべきものだ!

 不当に人間を支配せんとするお前達のやり方から解放するために

 ここでお前達悪魔にいち人間の立場から異議を突き付ける!」

 

 

両者の啖呵が、このレーティングゲームの事実上の決勝戦の引鉄となった。

 

 

――――

 

 

第一試合。

アーシア・アルジェント 対 ゼノヴィア・伊草。

 

かつては魔女と蔑まれながらも、彼女は信仰を曲げることなくその信仰を貫き通し。

神の影武者をも唸らせた信心を持ち、従えた龍もその信心に応えるかのように新たな力を得て。

 

対する聖剣使いもまた、何のために剣を揮うかを人間の立場から今一度見つめ直し。

神のためではなく、人を護るための剣へと昇華した聖剣使い。

 

互いに信ずるものは違えども、揺るがぬ信心とそれを成す力を持ち。

同じ神を信奉しながらも、道を違えた者同士の戦い。

 

「ゼノヴィアさん。私達が戦う理由は……無いと思うんです」

 

「私もそう思う。確かに君と戦う理由はないが……リアス・グレモリーや

 ひいては今の悪魔を指導する四大魔王と戦う理由なら、私にはある」

 

戦いを躊躇うアーシアに対し、ゼノヴィアはデュランダルを構え、いつでも切り込める体勢だ。

 

「君の方こそ、ここを退け。もう私には、君を斬る理由がない。

 かつては君を魔女と蔑み刃を向けたが、君が何を思い動いているかを知っている今

 君個人を斬る理由が、私には無い。

 

 悪魔に身を窶したというのならば、確かに魔女の定義には当てはまるかもしれないが

 たったそれだけの理由で、君のような信心深い者を斬るのは躊躇われる。

 信仰に関してだけ言えば、君はそこらの敬虔な信徒をも超えている。悪魔でありながら、な」

 

「……それでも、私は退けません。あなたに言っても信じてもらえないかもしれませんが

 私は部長に……リアス・グレモリーに光を見出しました。

 それは今にも消えてしまいそうなか細い光ですが

 その光は部長自身を、ひいては悪魔をも救ってくれるものと私は信じます。

 そしてそれは、あなた達が目指す未来にもきっと繋がる……

 だからそれを護るために、私はここで戦います」

 

アーシアも負けじと、ゼノヴィアを見据えたまま動かない。

傍らに控えているライリィの眼光が、鋭くゼノヴィアを貫き通している。

アーシアにとってはライリィこそが、有事における彼女の剣であり盾なのだ。

 

「言いたいことはわかった! だが、そんな朧気なもののために、人々を危険には晒せない!」

 

「あなたが人々を護るように、私は悪魔と人間の全面戦争を避けるために戦います!」

 

アーシアの言い分は正しいのだろう。だが、無限に近い寿命を持つ悪魔の未熟を矯正するうちに

人間は一体どれだけの代を重ねなければならないのか。

そもそも、人間自体が種としては未熟と言わざるを得ないのは、論を()たない。

 

議論は終わりだとばかりに怒号と共に切り結ぶのは

ゼノヴィアのデュランダルと、ライリィの鋭い龍爪。

アーシアからの魔力供給を受けているためか、ライリィの能力は上がっている。

彼も使い魔――紫電龍(パーピュラー・ドラゴン)である以上、マグネタイトは必須なのだ。

 

そして、ゼノヴィアもデュランダルこそあれども、それを揮うゼノヴィア自身は生身の人間。

如何にマグネタイトで補強しているとは言えども、悪魔やドラゴンを相手取るには

地力の面で少しばかり、力が足りない。

ライリィの龍爪が、じわじわとデュランダルを押し出していく。

 

「ライリィ君、そこです!」

 

「くっ……だが、私もまだ負けてはいない!」

 

ついにはパワー負けし、デュランダルを手放す形で距離を取るゼノヴィア。

しかしそれでもその瞳の闘志は消えるどころか益々激しく燃え盛っており

その証拠に、さっきまでデュランダルを握っていた右手にはプラズマフィストが握られていた。

 

プラズマフィストと言えば、最大五億ボルトと言う

自然の雷にも匹敵する高電圧を発生させることすらできる

警視庁超特捜課が対怪異用に開発した装備である。

超特捜課発足初期に作られたものであり、後発のナイトファウルやゲシュペンスト等に比べると

作りの粗い部分が散見されるが、今ゼノヴィアが持っているものはそれを改修したものである。

 

そもそも、電撃を見舞うという点において、プラズマフィストは紫電龍と言う雷を武器とする

ライリィに対して効果が薄いという事は、ゼノヴィアもわからないわけではない。

それなのにプラズマフィストを持ち出したのは、彼女がそれしか持っていない。

……と言うのもあるのだが。

 

「ガアッ!?」

 

プラズマフィストを装備した右手から繰り出されたゼノヴィアのパンチ。

そこから放たれたのは、電撃ではなく空気を圧縮した衝撃波だった。

改修の結果、電撃のみならず衝撃波も繰り出せるようになったのだ。

 

(怯ませは出来るが、やはり決定打にはならないか)

 

ライリィが怯んだ隙にデュランダルを回収するが、これは単に仕切り直しただけである。

まだライリィがパワーで優位に立っていることに、変わりはない。

リーチの長さも、依然としてライリィが優位だ。

彼は世間一般のドラゴンほど体躯が大きいわけではないが

彼の放つ雷のブレスは前方に対して比類なきアドバンテージだ。

特殊強化スーツの性能である程度耐えられるとは言っても、真正面から挑んでも撃ち負ける。

それが理解できる程度には、ゼノヴィアも露骨な脳筋思想ではない。

かと言ってアーシアを狙おうにも、ライリィががっちりとガードしている。却って難しい。

 

(……私らしくないが、奇を衒う!)

 

睨み合いの末、意を決したゼノヴィアは彼女らしくデュランダルを手に真っ向から突っ込んだ。

それを迎え撃たんと、ライリィが息を吸い込む。龍爪ではなく、ブレスを選んだのだ。

しかしそれは、ゼノヴィアにとっては僥倖だった。

 

(……今だ!!)

 

ライリィがブレスを吐き出す瞬間、ゼノヴィアはデュランダルを投擲する。

投げた先は、ライリィの喉元。

勢いはついているため、突き刺さればライリィの鱗を貫くことも出来るだろう。

だが、僅かにライリィがブレスを吐き出す方が早かった。

ゼノヴィアを雷が直撃する寸前。

 

――ライリィ目掛けて飛んだデュランダルが、加速したのだ。

 

ゼノヴィアはライリィ目掛けてデュランダルを投げた直後、プラズマフィストを握り直し

デュランダル目掛けて衝撃波を放ったのだ。

当てるタイミングや位置がずれれば、デュランダルの刃ではなく刀身がぺちんと当たる形になり

繰り出した攻撃の一切が徒労に終わってしまう。

しかし、うまく噛み合えば投擲したデュランダルは衝撃波で加速され

勢いよくライリィを捉える。

 

これにはライリィも、アーシアも目を丸くする。

その驚きの瞬間こそが、ゼノヴィアの見出した好機に他ならなかった。

ゼノヴィアに雷が当たると同時に、ライリィの喉元から血飛沫が走る。

 

ライリィにデュランダルが勢いよく突き刺さったことによる

激痛からの悲鳴で、アーシアは我に返る。

治療を試みようとライリィに接近を試みるが、デュランダルが刺さった場所が悪かった。

それは喉元であり、正面から接近しないと

聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)」による治療がままならない位置なのだ。

しかも、痛みからライリィは暴れまわっている。尚の事接近は難しい。

ゼノヴィアへの攻撃ならいざ知らず、仲間であり主であるアーシアまで巻き込みかねない。

 

偶然だが、この喉元と言う位置。東洋の龍ならば逆鱗と呼ばれる個所であり

ここに触れることは偉大な存在の怒りを買う事であり、言わば命知らずの代名詞とも言える。

より正確には顎の下なのだが、それ以前にライリィの形状は西洋竜である。

逆鱗と呼べる部位があるのかは定かではないが

現にこうしてライリィは痛みから暴れ狂っている。

 

「ら……ライリィ君!」

 

やむを得ずライリィを戻そうとするアーシアだが、その寸前に暴れ回るライリィの尾が

アーシアに直撃してしまい、使い魔の帰還魔法がキャンセルされてしまう。

しかもその一撃で、アーシアは戦闘不能扱いされて退場と言う形になった。

 

ところが、それでもリングの上に紫電龍は残ったままである。

帰還魔法がキャンセルされた際に、使い魔の帰還手続きがうまく行かず

紫電龍だけが取り残される形になってしまったようだ。

結果、アーシアと言う制御を失い暴走を始めてしまう。

 

その様子から、大会運営委員会は試合続行に値すると見做したようだ。

あわよくば引き分けに持ち込もうとする浅はかな意思もあるかもしれないが。

 

「アーシア! くっ……!」

 

暴走する紫電龍を止めようとするゼノヴィアだが、そのための得物のデュランダルは

紫電龍の喉元に突き刺さったままだ。プラズマフィストでは、紫電龍を止めるには力が足りない。

この戦いを観戦している両チームだが、やはりこの状況には各々動いていたようだ。

 

まずグレモリーチームだが、アーシアが紫電龍の暴走に巻き込まれたことでイッセーが逆上。

紫電龍を倒そうとリングに上がろうとしているところを木場やリアスに抑えられ

朱乃やナイアに宥められて何とか踏みとどまっている。

 

一方の人間チームでは、セージがこの光景に既視感を抱いていた。

より正確には、グレモリーチームの木場も既視感を抱いていたのだが。

 

あの時とは、暴れている相手の大きさが違うだけで、やる事は変わらないのではないか?

そう思い立ったセージは、ゼノヴィアに向けて声を上げた。

 

「ゼノヴィアさん、足を、爪先を狙うんだ!

 神経の集中しているところを叩く! 暴走を止めるために他を暴走させる形だが

 今ライリィの動きを止めるには、足を狙うしかない!」

 

他にも神経の集中しているところはあるが、そこは狙いにくい。

代表例たる顔は無意識に紫電龍が両手で振り払おうとする。

尻尾も四足歩行の哺乳類ならば神経が集中的に通っているが

今暴れまわっている紫電龍はどちらかと言えば爬虫類だ。

場合によっては自ら切り離す事さえできる尻尾である。

しかも、尻尾は薙ぎ払う武器になる程度には肉が詰まっている。

部位破壊による解体ならまだしも、動きを止めるための攻撃目標には適さないだろう。

 

その点、今セージが述べた足、爪先を狙うというのは

生物において、足の爪先と言う部位は凡そ神経が集中している個所である。

不意に爪先にモノを落とした際に、大きな痛みを感じるのもそのためである。

そして、セージはかつてそれを戦闘に利用したことがある。

コカビエルがギリシャから無断で持ち出した、ケルベロスとの戦いの際だ。

その時も、巨大なハンマー――ギャスパニッシャーを、ケルベロスの爪先に振り下ろすことで

強烈な一撃を与えていたのだ。

 

今、ゼノヴィアの手元にハンマーは無い。だが、同じような働きの出来る武器ならば、ある。

 

「プラズマフィストだ! それでライリィの爪先を思いっきり殴るんだ!」

 

「……わかった!」

 

暴れ回る紫電龍の隙を突き、プラズマフィストの衝撃波が至近距離で爪先に叩き込まれる。

その結果、紫電龍はただでさえバランスの取りにくい二足歩行と言う体勢も相俟って

足に受けた衝撃から仰向けにひっくり返ってしまう。

その際、頭を打ち付けたことで紫電龍も昏倒。戦闘不能になった事で、使い魔帰還の条件を満たし

漸くリングアウトする形になったのだ。

 

トラブルこそあったが、辛うじてゼノヴィアが勝利を収めることが出来た。

しかし、紫電龍――ライリィが制御を離れていたからこそ対処が出来ただけと言う

薄氷の上の勝利であり、これが場慣れした指揮官の下で的確に行動されていたら

ゼノヴィアに勝ち目は無かったかもしれない。

 

余談だが、戦闘中ゼノヴィアは雷のブレスをまともに受けていた場面が幾度かあった。

しかし、多少服装が焦げた程度で、致命的なダメージには至っていなかった。

それと言うのも、特殊強化スーツの大部分を占める部分の素材が

絶縁性の強いラバーを基にしていることに因む。

開発にあたって教会の戦闘服を基にしたためか、ボディラインが浮き出る上に光沢が強く出るため

公的機関の制式装備にしては、少々フェチシズムが強すぎる特殊強化スーツであったが

今回に限ってはそれが功を奏したと言えるだろう。

 

リングアウトしたアーシアやライリィも、目立った後遺症もなくすぐに回復することが出来た。

それが故に、自分の力不足をまざまざと突き付けられる形となってしまったが。

しかし、先述の通り、今回の戦いはゼノヴィアの側も辛勝であった。

アーシアやライリィが弱点を克服した暁には、また結果はわからなくなるだろう。

 

いよいよ幕を開けた人間チームとグレモリーチーム、ひいては悪魔との決戦。

その一回戦は、辛うじて人間が勝利を収めることが出来たのだった。




なんか最終シリーズじみた展開ですけど、まだもうちっとだけ続きます

アーシア(と言うかライリィ)対ゼノヴィア。
そう言えば、原作ではあれだけ魔女だ魔女だと揶揄してたのに
いつの間にかなあなあになってません?
修羅場が嫌いなのはわかりますが、けじめを放棄していいかと言うと
それはまた違う問題だと思うんですがねえ……
そもそも、狂信者すれすれどころか向こう岸の初期ゼノヴィアがアレすぎるのも抜きにしても
よくアーシアは自分の命を狙ってきた相手を赦してるなあ、と。
ここまで来たら自分に執着していないのでは? とか思えちゃったりします。
で、個人的意見ですが自分に執着しない人間が他人を愛せるかと言うと……
祈る人の中身はただのエゴイスト、よく言ったもんです。

ライリィ戦はどことなく「ゴースト」時代のケルベロスの焼き直しじみてしまいました。
前回召喚イクサやシャドウ成二相手に善戦しましたが
今回はそうもいかず。ゼノヴィアがとんでもないことするから……
デュランダルみたいな大剣を投擲するって、結構ファンタジーじみてますが
その後に衝撃波で加速させるって時点でさらにファンタジー。よい子は真似しないように。
雷耐性は警視庁謹製特殊強化スーツの素材で確保。
そりゃ教会みたいな組織から作られた戦闘服がただのスケベ装備なわけもなく。
公的機関で採用される装備と言う意味ではツッコミどころ不可避ですが
西○貴教だって似たような恰好してますし。

……ただあの世界の天使の生態考えると、あのスケベ装備でも大真面目に作った可能性が否定しきれないんですよね……

※24/09/12追記
木場が抜けてたので追記。
あれ、7対4とか本当に洒落にならない……
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