中々思うように時間の取れない日が続いています。
「うおおおおおおっ!!」
「…………っ!」
紅い竜の気を纏った
やはりと言うか何と言うか、パワーでは圧倒的にあちらの方が上だ。
注意深く観察している限りだと、まだあいつは倍加をかけていない。
となると……倍加されたら勝ち目は無くなるだろう。
……それよりも。
「っ!?」
「取ったぜ!」
刹那、兵藤がマスク・ザ・ハチワレの手首を掴む。
確か、
となると……
「マズい、下がれ!」
「さあ、マスク狩りだぜ!」
SOLID-FEELER!!
俺は慌てて触手を実体化させ、思いっきり伸ばした上で
マスク・ザ・ハチワレを捕まえ、強引にタッチを試みる。
その上でリング外に放り出し、入れ替わると同時に兵藤に飛び蹴りを見舞う。
その甲斐あってか、洋服破壊の影響こそ受けたものの、マスクの下は見られずに済んだようだ。
「……コスチューム、気に入ってたのに」
俺もあれは気に入ってた。いや、変な意味じゃなく。変な意味も無いとは言わないが。
だからその意趣返しは、俺が存分にさせてもらうことにしよう。
「本当に俺の邪魔ばっかりしてくれるな、お前って奴は!!」
「お前が俺が邪魔しなきゃならないような事ばっかりするからだろうが」
SOLID-DEFENDER!!
ディフェンダーを装備しつつ、兵藤のパンチに対応する。
しかし、以前に戦った時よりも兵藤のパンチの威力が上がっている……気がする。
『まあ、訓練したかマグネタイトの供給を受けていたから必然的に強くなったか、だな』
アモンの見立てだが、俺も概ね同意見だ。
訓練は何だかんだこいつはそう言う事には余念がないタイプだ。
マグネタイトの供給を受けるにしても、その供給元は少なくとも二……いや三はある。
それだけあれば、そう言うパワーアップだって十分あり得るだろう。
パワーソースはともかく、パンチのキレも俄仕込み感が無い。
付け焼刃なら付け入る隙はあったろうが、こうなると本当に手強い相手だ……ならば。
DOUBLE-DRAW!!
FEELER!!-STRENGTH!!
SOLID-STINGER!!
少々脳筋戦法だが、触手の貫通力を高めて兵藤のパンチと打ち合う作戦だ。
普段の器用さに特化した触手と違い、破壊力に特化した触手の使い方。
兵藤に言わせば邪道かもしれないが、そもそも俺はそう言う意図でこれを使う気は無い。
……絵面としてはありかも、と思う時はあるが。
「て、てめっ……触手の使い方ならもっとこう……あるだろっ!?」
「言うと思ったが、ねぇよ」
ほら見た事か。
兵藤のパンチを牽制する形で、触手の一突きが兵藤に襲い掛かる。
しかし相手もボクシングでも習ったのか、ダッキングの動きで
こちらの触手の攻撃を躱しにかかって来た。
となると奴の事だから、こちらの懐に潜り込んで来るはずだから……
「もらったぜ、セージ!」
案の定。俺を一撃で昏倒させようと懐から顎目掛けてアッパーを狙ってきた。
ここは後ろに身体を引くのが定石かもしれないが、俺は敢えて身体を前のめりにする。
そのまま、逆に兵藤に対し膝を見舞ってやることにした。
「ごっ……!?」
実際、懐に潜り込み攻撃して来ようという兵藤の判断は正しい。
だが、俺と奴とでは体格差と言うものがある。
身長のみならず、肩幅も俺は奴より広い。
つまり、全体的にタッパはこちらの方が大きいのだ。
そんなものが、いきなり眼前に迫ってきたらどうだ。迫っていく、では無くだ。
いくら悪魔になり、かつマグネタイトを増幅させているとは言っても
持っている体格だけは一朝一夕でどうにかなるものじゃないし、するべきじゃない。
確かに春先レイナーレの罠に嵌っていた頃のこいつに比べると、それなりに成長はしている。
だが、それよりも俺の体格の方が恵まれていた、ただそれだけの話だ。
よく身体がでかい奴は小さい奴にやられる話が出回っているが、実際にはこうだろう。
勿論すべてが全てこうなる訳でも無いが、自分の持っている武器を十二分に活かす。
それが、物事を優位に進めるコツだと思うわけだ。
そのままディフェンダーで兵藤を殴り飛ばし、俺は距離を取る。
バカ正直にこいつと殴り合いなんぞしたくはない。
――だが、その判断は俺のミスであった事をすぐに思い知ることになる。
男子三日会わざれば刮目せよ。それは兵藤にも言えた事なのだ。
「……悪ぃな。もうその距離はてめぇの専売特許じゃねぇんだ。
ナイア先生に引き出してもらった俺の力、とくと思い知れ!!」
Cardinal Crimson Full Drive!!
『おい、セージ……思ったよりこれはヤバいのが来たぞ』
『俺を次元の狭間でお前に引き合わせた
これに対する抑止力として俺を派遣したといっても信じられるレベルだな』
今までの
そこに漂っているオーラも赤龍帝の鎧など、比べ物にならない程強いものになっている。
……だが、赤龍帝の籠手の進化した姿であるのならば……
COMMON-SCANNING!!
ERROR!! ERROR!! ERROR!! ERROR!! ERROR!! ERROR!!
……よ、読めない!?
あれはこの世界の理のものでは無いのか!?
ならばと、俺は
「ごふっ!?」
「これで意趣返しだ。おっとまだくたばるなよ?
お前には、アーシアに対する暴言や小猫ちゃんに対する非礼。
朱乃さんに暴行を加えたことや何よりも……
……リアスを泣かせてるんだ。その分全部返すまでくたばるんじゃねぇぞ」
なんだ。
今の攻撃がまるで見えなかった。何が起きたのか。
今置かれている状況は辛うじて分かるが、だが、これこそ一朝一夕で手に入る力の訳が無い。
俺がディス・レヴなんて厄モノを使っているからこそわかる。
これは……マグネタイトをかき集めさせて作った器に
何らかの方法で赤龍帝の力を乗せたものだ。
マグネタイトはわかる。だが、赤龍帝の力の出所は……本当にその籠手か?
「……代わってください、今のあいつは、危険です!」
「……くっ」
意地を張っている場合じゃない、とばかりに俺はマスク・ザ・ハチワレと交代を試みるが。
Star Sonic Booster!!
直線で逃げようとしたのがまずかった。
物凄い勢いで兵藤が先回りして、交代の進路をふさがれてしまったのだ。
で、その突進力が攻撃に転用されればどうなるか。
とんでもないGがかかった状態で、観客席を覆うバリアに衝突してしまった。
思わぬダメージを受けながらも、幸いマスク・ザ・ハチワレはその吹っ飛ぶ俺の身体に触れたことで
交代の条件を達成。俺の代わりにリングに上がることになったのだが。
「イッセー! その力にはまだ慣れていないでしょう?
そいつ相手にその力を使う位なら、ここは私が出るわ!」
「いいえ、部長は黙って見ててください!
俺は手に入れたんです、部長の……リアスの最強の剣であり、盾になれる力を!
ハーレム王を名乗っても恥ずかしくない、誰よりも強い力を!!」
あの力が永久機関だとしたら勝算は地に墜ちるが、そうでないなら目はある。
そもそも、赤龍帝の鎧が結構消耗的な意味も含めて時間制限のきついものだったはずだ。
それの進化系であろうあれも、その弱点が据え置きであるという楽観視に基づくもの故に
この作戦は危険だが……
「とにかく逃げるんだ! 今まともにぶつかって勝てる相手じゃない!
何か……何か付け入る隙はあるかもしれないが、今は逃げるんだ!」
俺のアドバイスに、マスク・ザ・ハチワレは頷く。
紅いフルプレートと覆面付きハイレグレオタード。
どう見ても、こっちがやられ役に見えてしまう。
だが、みすみす彼女をやらせるものか。
幸い、俺がセコンドに回った事で、遠慮なくこれが使える。
INFINITY-ARCHIVES DISCLOSER!!
FULL-SCAN!!
……読めたぞ。
そして、その出所がやはりろくでも無い事も同時に理解できた。
ろくでも無さでは、俺のディス・レヴもまあ大概だが。
――
歴代の赤龍帝所有者の負念の先にあるとされる、赤龍帝の鎧の進化形態。
「真『女王』」とも呼べる進化を遂げており、悪魔の駒の影響を強く受けている。
本来であれば「
その部分を飛ばした上、本来必要とされる詠唱も省略されるなど想定以上の進化を遂げている。
そこには、……――――……によって齎された……――――……由来の力が用いられ
本来辿るべき進化を遂げられなくなった赤龍帝に対する「修正力」として
……――――……の力が利用されたと思われる。
無限大百科事典で読めないとなると、その正体こそ不明だが
まあろくでもない物だというのは即座に理解できた。
それよりも、今までほぼ無かった「推量」の文章が出力された方が危険だ。
今まで読めなかった、読もうとして危険に陥ったのはクロスゲートの向こう側の情報や
布袋芙ナイア――ニャルラトホテプ絡みの情報だ。
その事を踏まえ、さらに奴と布袋芙ナイアの関係を鑑みるに……
だがもう一つ。本来あれは負念を超えた先にあるものとされているが
今回はその修正力として正体不明の力を使っている……つまり。
(歴代赤龍帝所有者の負念は、まだ赤龍帝の籠手に宿っているのでは?)
『おい。いくら何でもそれをディス・レヴで吸おうなんて考えるなよ』
『サイブレードで斬るのもやめた方がいいだろうな。
負念を斬るってのは奴らの負念を浄化させる。
つまり……本来辿るであろう進化の形を態々再現させることも無いだろう』
ディス・レヴで吸うは流石に俺も願い下げだ。
厄モノ抱えた奴の負念なんて吸ったらどうなることか。
今まで関わって来た負念でさえヤバいってのに。
(毎度の事だが、正体がわかっても対策が練られなきゃ何にもならないな)
『ま、脳筋だが正攻法だな。俺はいつでもいいぜ』
結局アモン頼りか。
まあ、今俺達の中で一番強いのは間違いなく魔神剛の鎧を纏ったアモンなのだから仕方ない。
そのため、俺はセコンドで魔神剛の鎧召喚の準備を進めつつ
交代が滞りなくできるように、リングを囲うロープに触手を這わせる。
今度は貫通力の高い方では無く、今まで使っていた方だ。
「イッセー! セージが何かしているわ、気を付けなさい!」
「まだ借りも返しきってないんだ、引きずり出してやるぜ!」
「……まだ、私の相手をしてもらいます!」
マスク・ザ・ハチワレが兵藤に組みかかろうとするが、やはりこうなってはパワーが違い過ぎるため
簡単にあしらわれてしまう。力があり過ぎるのか、洋服破壊以前に吹っ飛ばしてしまっている。
悔しそうにしているが、相手がアレでは仕方がない。
「もう十分だ、後は俺がやる!」
「……頼みます」
このまま戦わせては彼女が危険だと、這わせていた触手をこっそりタッチし、彼女に掴ませた上で
掃除機のコードを巻き取るように勢いよく触手を格納し、代わりざまにリングに飛び込む。
PROMOTION-BISHOP!!
QUINT-SPREAD SUMMON!!
SWORD!!
STRENGTH!!
CHARGE-UP!!
PLASMA-FIST!!
HEALING!!
「
輝く五芒星を突き破る形で、超魔合金Dを媒介に魔神剛の鎧が顕現する。
鎧の頂点に赤い光となったアモンが吸い込まれることで、アモンは魔神剛の鎧と一体化。
ここに、この世界では非ざる進化を遂げた紅い龍を食い止めるべく魔神剛アモンが顕現したのだ。
「お前は! 魔王様を狙う不届き物の悪魔!」
「サーゼクスの狗に、俺がやられるかよ!」
Solid Impact Booster!!
兵藤の奴は見るからにパワーに秀でた形態になった。
それを受けてアモンも手四つの状態で組み合う……が。
あ、この状況って。
「
「な、なにぃ!?
だが、この程度で押される俺じゃねぇぞ!!」
いきなり噴射されるアモンの両腕に面食らう兵藤だが、魔神激弩鉄拳をそのまま抑え込んでいる。
思ったより奴の力は強く、逆にアモンが後退してしまうが
それでもアモンは次の攻撃の構えに入っていた。
「
魔神剛の鎧の腹からミサイルを生成したアモンは、それを兵藤目掛けて発射する。
連射性こそ高いものの、弾速自体はそこまで早くない上に
ミサイルそのものも兵藤のパンチで悉く撃墜されている。
「フン、どうだ!」
「だが、その動きじゃこれは避けれないだろ……セージ!」
「……行け、ガン・レギオン!!」
アモンの合図に合わせ、俺はガン・レギオンを召喚する。
ガン・レギオン。これは俺の持つ攻撃手段の中では
自律行動が可能かつ機動力や小回りに特に秀でている。
その分攻撃の威力は強敵に対しては豆鉄砲程度にもならないし
まともに撃てば今の兵藤相手には全く歯が立たないだろう。
アモンの攻撃でさえ防がれているのだ……だが。
「ぐっ……こ、このっ、鬱陶しい奴!!」
「悪いな。俺がそう言う奴だって知ってるだろ」
ガン・レギオンの長所。それは数と精密性にある。
俺はガン・レギオンに鎧の関節部分を重点的に狙わせたのだ。しかも複数同時に。
さらにフェイス部分もその攻撃対象だ。今更顔を狙わない、なんて選択肢はあるまい。
今まで散々やって来たのだから。
「こ、こうなったら!!」
Star Sonic Booster!!
たまりかねた兵藤は、ガン・レギオンを薙ぎ払うと
今度は俺も面食らった突進力重視の形態になる。
だが、これは確かにスピードには長けるが、この形態は小回りが利かないみたいで。
「
しかも兵藤は俺では無くアモンに対し真っ直ぐに突っ込んでいた。
大方、その気になればすぐに倒せる俺では無くアモンを優先する算段だったのだろうが
正面に兵藤を見据えているアモンが、両手も使わずに使える攻撃方法は幾らかあった。
その一つが魔神の眼光だ。
光力ではないし、光力だとしても兵藤の鎧はドラゴンに由来するため有効性はそれほどないが
魔神剛の鎧の兵装はそんなもの知った事かとばかりの威力を持つものばかりだ。
魔神の眼光をまともに喰らった兵藤だが、それでもまだ健在であり
組み付いた上で再び重装甲形態になろうとしている、が。
「
アモンが両肩から剣を生成する。それを二刀流で構えたところに兵藤を鎧ごと切り裂かんとする。
それを下腕で受け止める兵藤だが、それを見越したのかアモンが魔神激弩鉄拳で加速をかける。
「赤龍帝だろうと何だろうと、俺に勝とうなんざ気の早い話だ!
まして、お前は赤龍帝の因縁に巻き込まれただけのガキだろうが!
その力を自分の力と勘違いするような奴に、俺は倒せねえ!」
勢いで吹っ飛ばされ、仰向けに倒れこむ兵藤。
魔神激弩鉄拳が元の位置に戻り、アモンは魔神切断刀を一本だけ残して、その一本を兵藤に突き付ける。
力を使い果たしたのか、赤龍帝の籠手はいつもの状態に戻ったようだ。
「く、くそぉ……だったら、赤龍帝の力に頼らない俺の力を見せてやる!!」
そう言うや、兵藤の「右手」から何やら赤いような、桃色のような煙が発せられる。
「またこのパターンか!」
「へへっ……ナイア先生のとは違うぜ……特にセージ! よーく思い知るんだな!」
そう言い放つ兵藤だが、周囲は瞬く間に視界が奪われ、またしても布袋芙ナイア戦同様
辺りは霧に覆われてしまった……のだが。
俺の心配は杞憂であったかのように、霧はすぐに晴れたのだった。
「……なんだ? 視界を奪うものでは無かった……って事か?」
『セージ。どうやら今のは仕切り直しの類かもしれねえぞ。魔神剛の鎧が消えやがった』
そうなのだ。その存在感のある魔神剛の鎧が見当たらず
その証拠にアモンは俺の内側から話しかけてきた。
『それに、何かやけに周囲が高くなってないか? ……いや、これは寧ろ』
とにかくこの場に立ったままではまずい。
そう思い、俺は後ろに飛びのこうとするが……うまくバランスが取れなかった。
『おい、転ぶような場所か?』
「いや、それが……うまく動けないんだ。体がマヒしたとかじゃないんだが……
何と言うか、体幹が狂ったと言うか、あるべきものが無くて
逆に無いはずのモノがあると言うか……」
ふと自分の両手を眺めてみたり、足を上げてみたりすると。
妙に服がダボついている。体が縮んだ……いや、違う。
あの霧の正体。あれは……「吸ったものを女にする効果のある霧」だったんだろう。
そしてそれは、とんでもない弱点を奴に晒すことになるのだった。
「対」は戦わない事に定評のある単語ですが
別にこれは東映まんが祭りでは無いので。
で、何の前触れも無く超絶パワーアップしたイッセーですが
まあ、彼のスポンサーが「アレ」なので、ぶっちゃけ何でもありだったりします。
今回はほぼ全盛期アモンがついていたので勝てたような形ですが。
逆に言えば、アモンがいないと負けてた可能性すら。
ディス・レヴやサイブレードは弱体化どころか懸念通り原作仕様にするだけですし。
ディス・レヴに喰われるのとずむずむいや~んするのとどっちがマシか、はありますが。
逆に言えば全盛期アモンいないとヤバいんじゃね?な相手が控えてる拙作パワーバランス。
何度も言うようですが本気サーゼクスやオーフィス(アインスト)とガチるルートはやはりまずかったかな。
でもやらないとこの世界人間が平和に暮らせない……(そう仕向けたのも私だ)
そう言えば、ゲ謎をようやく見れました。
……やってることが狂骨召喚同然なセージさあ。