やたら矢面に立たされて色々小火騒ぎの起きてる原作ですが
まあ、うちがやる事は変わらないです。
それに対し、俺は
その直後、兵藤はまた別の力を使ってきて――
――俺は、女性の身体にさせられていた。
「幽体離脱や肉体喪失なら経験があるが、性別変換は初体験だぞ……
したいと思った事なんざ無いが」
『肉体喪失経験済みもどうかと思うがな』
当たり前だが普段と見える景色も力の入り方も異なるため、うまく歩けなかったが
漸く身体を普通に動かすコツが掴めてきた。
どうやら、表層的な見た目だけを変える力では無く
完全に内蔵、骨格レベルで作り変えてしまう技のようだ。
生物相手にモーフィングを試みた俺が言えた義理では無いが
こんな無体な技を一体どこで手に入れたのだか。
記録再生大図鑑を予め構えておけば対処が出来たかと言うと、実際のところかなり怪しい。
そもそも、あれは知識こそ得られるが対処法は自分で考えなければならない。
完全初見に対しては、そこまで有効な対策とも言えないのだ。
一応再検索をかけてみるが、どうやら時間経過で元には戻れるらしい。
……まさか、俺の
アイツが妙な方向で器用なのは今に始まった事でも無いし。
……洋服破壊?
今、俺の頭に一瞬だが嫌な予感が走った。
まさか、あいつもそこまで女体に飢えているはずがない。
い、いや……だがこと性欲に関しては底が抜けているアイツの事だ。
万が一、万に一つの可能性もゼロとは言い切れない……!
『考え込むのはいいがなセージ。そろそろ奴が来るぞ』
「――――っ!!」
アモンの指摘に、思わず身が竦む。
普段ならば無いはずの反応をしてしまったが、奴がどう出て来るかだ。
俺の思い過ごしであってほしい。
あの鎧は破壊できたのか、兵藤は左手だけを赤く染めていた。
だがその目は……妙に血走っている。
た、頼む……俺の嫌な予感が当たらないでくれ!
「――――んで」
「……?」
「なんで冗談半分で出した技が綺麗に決まって!!
しかもこんなに上等な成果上げてるんだよォォォォォ!!」
は? 冗談半分? しかも上等な成果って……まさかまさかまさか!?
「どことなくあいつの面影が残ってるのは仕方ないにせよ!
なんでリアスや朱乃さんみたいなおっぱいつけてるんだよ!
しかもそんなにパッツンパッツンに主張して!
お前はどうしようもない悪党だが、そのおっぱいは尚の事けしからんじゃないか!!」
「ひ…………っ!?」
思わず、口から悲鳴が零れた。
中身は俺だってのは向こうだってわかってるはずだ。
それにどうやら、服装までは変化させることは出来なかったらしい。
確かに言われてみれば、さっきから胸が窮屈だ。
それもあってか、俺が中身だというのに奴の目には情欲の混じった色が入っている。
少なくとも、俺自身にそう言う性的嗜好は無い。
見る分、それも白音さんと黒歌さんがどういう経緯かで裸に近い恰好で抱き合ってるとか
そう言う場面を見てしまった際に、思わず反応してしまったとかそういうのはあるにせよ、だ。
こうなったら、奴は間違いなく洋服破壊を狙ってくるだろう。
俺の悪い予感が、ここまで正確に当たるとは思わなかった。
「そもそもお前だって、お仕置き目的の洋服破壊にはゴーサイン出したじゃないか!!」
……あの守銭奴アイス売り妖精の話か。
確かにゴーサインというか、黙認はしたが。
それがこうして自分に跳ね返ってくるとはどうしたことだ。
人を呪わば何とやら。そう言う事か。
……って、納得してる場合じゃない! 何とかこのクソッタレを接触させないようにしないと!
SOLID-FEELER!!
何とか近づけさせまいと触手を展開するが、俺も焦っていた&兵藤が余計な妄想を掻き立てて
気力を上げてしまったせいか、全く足止めにならなかった。
触られたら終わりだ! 何とか奴を吹き飛ばさないと!!
EFEFCT-THUNDER MAGIC!!
「朱乃さんに鍛えられてるんだ! そんな雷、効くかよ!!」
となれば、同一条件ならばオリジナルには及ばないのが記録再生大図鑑で再現できる能力。
強化や訓練の度合いが同じならば、俺の雷撃が姫島先輩の雷撃に及ばないのは自明の理だ。
そしてそれに鍛えられた兵藤に、俺の雷撃は効果が薄いだろう。
一応どんな形であれきちんと訓練はしてたんだな、と妙な納得はしてしまったが。
……だ、だったらこれだ!!
SOLID-DEFENDER!!
「く……往生際が悪いぞテメェ!!」
せ……セーフ。
辛うじて、兵藤が伸ばしてきた手をディフェンダーで受け止めることが出来た。
身体に触れられたわけじゃないからセーフ……
……そう、俺は思っていた。思っていたのだ。
次の瞬間。
兵藤が手を高く掲げ、指を鳴らす。それはつまり…………
「…………へ?」
圧迫されていた俺の胸周りと、腰から下、臀部のあたり。
その辺りが自由を得たとばかりに飛び出し、冥界の決して心地よくない空気や風が
俺の全身をくまなく包み込む。
風呂に入る前後の解放感。それは決して、今体験するはずが無い、あってはならない感覚。
「お、おおおおおおおおおおっ!!!!!」
「へぇ……意外と」
兵藤の歓声。リアス・グレモリーの感嘆の声。
それと同時に、観客席に響き渡る物凄い声。
俺はその原因を理解するのに、少しばかりの時間を要した。
それ位、その時の俺は何が起きていたのか理解できなかったのだ。
そして、理解した。理解してしまった。
「い…………」
羞恥。恥辱。好奇。視姦。
「いやああああああああああああっ!!!!」
俺にできたのは、身体を抱え込み、その場にうずくまることだけだった。
「あらあら、いい悲鳴ですわね。さすがイッセー君」
遠くで姫島朱乃が何か言っているが、俺にはその内容が届かない。理解したくない。
『お、おいセージ! 気を確かに持て!!』
「い、いやぁ……やだぁ……助けて……『お姉ちゃん』!!」
この場にいるはずもないけど、俺は……僕はお姉ちゃんに助けを求めずにはいられなかった。
あの時も、お姉ちゃんがいてくれなかったら僕はどうなっていたか。
友達になろうと嘯いてくる奴らに捕まり、「面白いものを見せろ」と言われ
結局、その場で服を脱がないと解放してくれなかった。
その時お姉ちゃんが助けてくれたのだから、僕は思わずまたお姉ちゃんに縋ってしまった。
こんなんじゃ、お姉ちゃんに嫌われちゃうのに……
でも……怖い! 痛い! いやだ! 助けて!!
――――
◇◆◇
――――
洋服破壊。
最初にその技の概要をセージに聞いた時は、何の冗談かと思った。
その下卑た人間の道楽のような技に過ぎなかったであろうそれは。
今こうして、セージの心に牙を剥いたのだ。
(アモン! この間みたくセージを強引に動かすとか出来ないのか!)
無理を言うな。あの時もセージの自我はほぼ喪失していたが
あれは自己嫌悪に根付くもの、いわば一応の理性は保っていた状態だ。
その上でああだったのだから、それはそれであいつにとっては救いが無いんだがな。
翻って、今こいつの自我は崩壊しかけている。
そんな状態で俺が表に出てみろ。確実にセージの心は俺に上書き、よくて身体から追放されるぞ。
そうなれば
今セージに消えられると、俺が困る。
まだもう暫くは、こいつに主導権を握ってもらわないと俺が困るんだ。
……だが、それだと俺達は動けない。
魔神剛の鎧をもう一度出そうにも、肝心のセージはこれだ。
鎧を出すどころか、立ち上がることさえ困難だろうな。
――お姉ちゃん、お姉ちゃ~ん、だってよ!
――赤龍帝に息巻いて挑んだくせに、こんな無様晒してやがるぜ!
――いっそおっぱいドラゴンの生贄に捧げちゃえばいいんじゃない?
ほら、ずむずむいや~んしがいのあるでかいのだけはぶら下げてるし。
……それにしても。
サーゼクスの野郎は魔王として何をやっていやがった。実質見捨てた俺が言えた事じゃないが
悪魔ってのはこんなに醜い連中だったか。
いや、醜い連中だからこそ人の心なんてものとは真逆に位置しているのか。
贔屓目かもしれないが、デーモンの方がよっぽど筋が通ってやがるぜ。
時代遅れのデーモンか、歪な新世代の悪魔か。
……フン、サーゼクスが魔王でなくとも、悪魔の未来はどの道翳ってやがったか。
リゼヴィムが要らん事吹き込んだか、ゼクラムが停滞させたか。
或いは悪魔って種族が生まれた時から持ってた宿命のようなものか。
まあ、今となっちゃどうでもいいがな。それよりなにより……
…………セージ。しっかりしろ。
お前の言う姉ちゃんは、お前が助けに行かないといけない状況なんじゃなかったのか。
そこで震えていても、事態は何一つとして解決しないぞ。
「な……何だよ。何そんな大げさにわめいてるんだよ」
「やだぁ……来ないで……あっち行って!!」
「チッ……やりにくいなぁ。今まで洋服破壊喰らわせた子はそんな反応しなかったってのに
お前だけそうやってわめいていれば、助けてもらえるとか思ってんのか!?」
(誰の受け売りか知らないが、よくそんな事を言えるな……!)
全くだ。フリッケンの呟きに完全に同意できる俺がいる。
あの赤トカゲの端末小僧はセージと一緒にセージの過去の凡そを見てきたんだろうが。
それを見た上でそう言うリアクションが取れるってのは、ある意味才能だよ。
悪魔の俺が言うんだ、間違いねえよ。
……だが、その肝心肝要のセージがこうでは、いずれ戦意喪失による敗北は必定。
交代をしようにも、今ここはほぼ中央部。手は届かねえ……
万事休すか!
――聞こえますか、聞こえますか! セージ先輩、こっちまで来てください!
この声は……リング外からか!
そうだな、あのハチワレの……白猫の嬢ちゃんならこういう時はそう動く!
後は……何とかその声の主のところまで、こいつを運んでやることだが……
……俺が入ったんじゃ、その拍子にこいつの元々の魂を追い出しちまう。
そうなったら、もうこいつが帰って来た時の手は使えない。
悪霊を使って戦ってきた奴が、悪霊の仲間入りしちまう寸法だ。
そもそも俺は、こいつがどんな思いで自分の身体を取り返したのかを知っている。
その思いを無碍にすることなんざ、俺にはどうしても出来ん。
(手だけとか、声だけとか、そういう部分的な憑依は出来ないのか?
俺はこいつを止める際に、一時的に力を抜くとかそう言う事は出来るが)
あん? そういや、俺がこいつに憑く時には全部動かすつもりでやっていたことが殆どだし
部分的に動かす、なんて発想は無かったな。声だけは何度かあるが
あれは憑依してるなんて発想自体が無かった。声だけなら割と自由だしな。
そしてフリッケン。お前今いいこと言ったぞ。ひらめいた。
(あるんだな? 手が)
ああ。要は奴らのチームとの戦闘状態を維持できさえすればいい。
だから、白猫の嬢ちゃんに代わることさえできれば、何とかできるかもしれねえ。
だから、とりあえず今はこうするのさ!
『弱い者いじめしかできないヘタレ腰抜けめ、とどめの一つもさせねえのかよ!』
「何だとテメェ! 老害悪魔が何抜かしてやがる!」
よし、いいぞ。
セージの記憶も覗いたが、あいつは色々な意味で頭に血が上りやすい。
だからこんな簡単な挑発にも乗るんだ。
後は俺の思惑通り、あいつに攻撃させてやれば……
――フリッケン。知っての通り、俺が本気で今のセージに憑依した場合
あいつを追い出しちまって、宮本成二って存在は消え去り
アモンって悪魔人間が生まれるだけだ。
だから、部分的に微弱な憑依を行い、後はそれをお前が強化するんだ。
そうして強くなった部位を、俺が動かす。
……俺達がこの状況を打開できるのは、それしかない!
(そう言う事か。大体わかった)
「だったらお望み通り、そこから転げ落とさせてやる!
観客の悪魔に何されたって、俺は知らねぇからな!!」
「ひっ…………!!」
頭を抱えうずくまりながらも、ふと顔を上げて周囲を見渡したセージに
妙に血走った観客の悪魔の姿が映る。
変わったのは外見だけで、中身が本質的に変わっていないのならば
今のセージは無防備なマグネタイト貯蔵庫だ。
木っ端悪魔がそれを狙わないわけがない。
ましてや、バオクゥとかってジャーナリストの話じゃ
昨今の悪魔は昔より力関係が明白になり過ぎて
下級悪魔は何時でも下剋上を狙っている。
それをレーティングゲームって言うなればの法律で縛り付け
下級悪魔は抑圧された感情を抱えながら生きている……らしい。
だからJOKERなんてのが流行ってるし、そんな奴らの前に今のセージを放り出すのは
飢えた猛獣の前に新鮮な生肉を置くが如き行いだ。
「た、助けて……助けてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
「お姉ちゃんじゃないですけど、助けはいます! だから!!」
セージの声に怒りが達したのか、端末の小僧はドラゴンショットを脅しで
セージの傍に撃ちつけてくる。それがうまい具合に着弾し、セージは爆風で吹き飛ばされた。
……今だ!!
俺は吹き飛ばされたセージの左手に意識を集中させ
その部分だけ俺の意思を介在させて動かせるようにし
それをフリッケンが力を加え、左手をセージの意思には背く形にはなるが、動かさせる。
そして、その伸びた左手は……
……白猫の嬢ちゃんの手が、確かに掴んでいた。
「暖かい……手……?」
「セージ先輩、もう大丈夫です。
アモンさん、フリッケンさん、ありがとうございました」
白猫の嬢ちゃんに引っ張ってもらい、ハグを受けながら安全な場所まで運ばれる。
九死に一生だが、これで何とか戦闘は続行される形になった。
正直、白猫の嬢ちゃんに今のあの端末小僧の相手が務まるかと言うと怪しくはある。
何せ、俺が今さっきぶつかった魔神剛の鎧とあの見たことの無い赤い鎧がほぼ互角だったんだ。
自慢じゃないが、今の魔神剛の鎧はかつての俺の全盛期に匹敵できる。
それと互角となれば、大した奴だ。腐っても赤龍帝か。
そうなると、真正面から戦っても奴には勝てないだろう。
一体、どうするつもりだ。
セージも少し落ち着いたのか、リングサイドから舞台に登る白猫の嬢ちゃんの後ろ姿を
俺達と共に、黙って見つめていた――
ほらまたこういうことする。
洋服破壊を筆頭とするセクハラの被害をどうすれば生々しく描けるか。
その答えが「主人公を被害者にしちゃえばいいじゃない」でした。
セージは幸か不幸かノンケの男なので性別変換ってワンステップ入れる形になりましたが。
そしてここでフィールド魔法「クロスオーバー」の効果発動!
「パンツ番長(ペルソナ2)の悪名」の効果を発動!
これにより罠カード「お姉ちゃんとの思い出のトラウマ」が発動!
セージは戦意喪失し幼児退行する!
……ってのはノリですが、実際セージが受けた虐めはパンツ番長の悪行をどこかからか聞いてきた悪ガキがやった、のも含まれてました(岩戸山ではいちいち書きませんでしたが)
一応栄吉との面識のあるセージですが(珠閒瑠市来訪時参照)、そんなのは知りません。
で、これまた原作のチェックが甘かったらごめんなさい案件なんですが
女体化木場がセーフだったってことはセージもセーフになりかねない話ですし(見た目だけなら)
洋服破壊でここまでガチで泣いた子ってのもいなかった気が。
この原作でセクハラの被害を生々しく書くなって言われると
そうかな……そうかも? 程度にしか思いませんが
じゃあ何だったらセクハラの被害を生々しく書けばいいんですか? とかなりません?
二次創作ですんな、って言われても鴨志田やエンブリヲって原作からしてガチなケースがあるんでそれは……
こう書くと表現奇声を声高に上げるXのアレなのと同類扱いされそうで辟易としますが。
自分のなけなしの名誉のために言っておくと、アレは流石に無いわ、とは思ってます。