ハイスクールD×D 学級崩壊のデビルマン   作:赤土

163 / 178
そう言えば、アンケートの項目4ですが、私に改定案を送らずに
「投票内容、比率を知りたい」も有効とします。
その場合は無効票と言うよりは「他アンケートの結果を全面的に支持」と解釈させていただきますが。


Decisive Deadline Bパート

(この場に来て回復……いや、違うな……マズいセージ! ガン・レギオンを戻せ!!)

 

『今度は僕が行きます! いつまでも泣いて、引っ込んでばかりの僕じゃない!!』

 

突如として眷属――木場の力を駆使しだしたリアスが次に得た力は、ギャスパーの力。

吸血鬼になったわけでは無く、リアス自身の身体を無数の滅びの力を纏った赤い蝙蝠へと変化させ

セージが召喚したガン・レギオンを各個撃破にかかったのだ。

 

ここで今一度ガン・レギオンの構造について説明する。

まず土塊などを材料に、そこに所持している、もしくは漂っている負念を封じ込めることによって

骨だけの鳥のような、不気味な戦闘機や攻撃機、爆撃機を模した言わばゴーレムを生成する。

その際使われた負念は、戦いが終わることで解放され、浄化される形となるのだが

これが逆に撃墜されるなどして目的を果たせずに戻ったりした場合

負念はより強力になって戻ってしまうのだ。その戻る先が負念の持ち主だった場合

当然、ダメージは持ち主に帰るという流れになっているのだ。

 

「がっ……ぐくっ……

 なるほどな……今俺の目の前にいるのは『リアス・グレモリー』だけじゃなくて

 『リアス・グレモリーとその眷属達』ってわけか……げほっ、げほっ」

 

ダメージにより、セージの「騎士(ナイト)」への疑似昇格が解けてしまい

フリッケンもマシンキャバリアーの姿から元あるべき位置に戻っている。

 

EFFECT-HEALING!!

 

回復しながらも辛うじて立ち上がるセージだが

記録再生大図鑑(ワイズマンペディア)」のカードコストの方がもう限界である。

何だかんだ、今まで戦ってきた消耗がここで響いてきたのだ。

リロードで回復させない限り、セージの神器(セイクリッド・ギア)は使えなくなる。

コストを度外視する神滅具(ロンギヌス)無限大百科事典(インフィニティ・アーカイヴス)」も、今のセージの体力では使いきれない。

 

「あなたが独りで戦っている訳ではないように、私にも眷属がいるのよ」

 

もう一つの「僧侶(ビショップ)」の駒――すなわち、アーシアの力を使い

リアスも回復を済ませた上でセージを見下ろす形でぴしゃりと断言する。

セージがフリッケンとアモンの、そして他の仲間達によってこの場に立ったように

リアスもまた、ここに来て眷属と力を合わせセージを倒しに来たのだ。

 

(その眷属に、裏切り者がいるようにも俺には見えるがね……)

 

消耗しても尚、闘志は失わないセージ。

ここに来るまでに戦ってくれた、立たせてくれた、連れてきてくれた多くの人達の存在。

リアスに眷属がいるように、セージにも苦楽を共にした仲間が、確かに存在したのだ。

中には、利害の一致というビジネスライクにすぎないものもいるかもしれない。

中には、成り行きでそうなっただけに過ぎないものもいるかもしれない。

 

――それでも。そんな関係でも。

今この人間にとって心細い冥界と言う異界では、かけがえのない仲間なのだ。

 

だからこそ、セージは戦う。記録再生大図鑑の力を、もう一度取り戻すべく

ふらりと立ち上がり、咽込みながらも記録再生大図鑑を構える。

 

「げほげほっ……ま、まだ俺は終わっちゃいない……! リロー……」

 

「させないわ! あなたの弱点はもう見切っているのよ!!」

 

セージがリロードを試みた瞬間。

不意に飛んできた魔力弾を、思わず記録再生大図鑑でガードしたセージ。

 

……しかし、それがまずかった。

なまじ、小型のシールドとしても優秀であり、実際にそう言う使い方を

ディフェンダーを得る前は使っていたセージだからこそ

そう言う風に体が反応してしまったのだ。

 

リアスの魔力弾が着弾した結果。

記録再生大図鑑は赤い靄のようなものに覆われ

カードを引く事も戻す事もできなくなってしまった。

おまけに、ひそかに仕込んでおいた身体へのバフも消え

記録再生大図鑑で及ぼした全ての影響が消え去った形となったのだ。

 

「参考にしたのが聖槍騎士団の『聖槍(ロンギヌスコピー)』、ってのが気に入らないけれど……

 これが私の滅びの力の『応用』よ。本来なら、こういうのを専門にする悪魔もいるのだけど。

 ものは考えようよ。私にだって、滅びの力を応用すれば出来ないことは無いわ」

 

ここに来て。セージは虎の子を封じられてしまったのだ。

今使えるのは、マグネタイトで補強し、かつ紫紅帝の龍魂(ディバイディング・ブースター)こと

フリッケンで強化した一撃を加えるしかない。

しかしこれは、今のセージには出来ない。紫紅帝の龍魂が機能不全を起こしたわけではない。

フリッケンがそもそも、記録再生大図鑑と紐づけされた存在であるため

記録再生大図鑑が封じられた今、フリッケンの力も実質封じられている。

おまけに先程のイッセーとの一戦で大きく精神力を削られ

それが生命力たるマグネタイトに悪影響を及ぼした上に

そのガン・レギオンを迎撃された事でそれに加えたダメージも負っている。

そもそも、今ここに立っているのだってかなり無理をした状態なのだ。

 

「……俺の不調もあるとは言え、ここまであんたがやるとは思わなかったよ。正直、万事休すだ」

 

「いいえ。あなたは本当によくやったわ。ある意味イッセーよりもね。

 こんな戦い方は、異能を封じなければ悪魔や妖怪とまともに戦えない人間のやるべき戦いよ。

 そう言う意味では、あなたは私に勝ったわ。勝負で勝って、試合に負けた……って奴よ。

 そこでどうかしら。改めて聞くけど、私のものになる気は無い?

 ああ、もちろん悪魔の駒(イーヴィル・ピース)なんて使わないわ。多分通用しないだろうし。

 そうね……今まで通り過ごしてくれればいいわ。

 ただ、身体のどこかに私のものと言う紋は付けさせてもらうけど。

 だってあなた、イッセーと違ってハーレムとかじゃ靡きそうにないし。

 当然、小猫――白音や黒歌の件も、私からは口を出さないわ。

 アモンも……あなたの付き合いという事で、大目に見てあげる」

 

事ここに及んで、リアスが持ち出してきたのは「勧誘」。

しかも、以前セージに対して行ったそれよりもかなりセージに対し「譲歩」が行われている上

形はどうあれ、リアスとセージが共に過ごしてきた時間が

リアスのセージ評を改めさせる結果となった。

これが、セージをしてリアスの「勧誘」が魅力的に聞こえる甘言となってしまったのだ。

 

「……………………」

 

(おいまさか! 乗るつもりじゃねぇだろうな!? 相手はサーゼクスの妹だぞ!?)

 

勧誘を持ち出したのはリアス……つまり、サーゼクスの妹であるため

そのサーゼクスに対し恨み骨髄で、そもそもサーゼクスを倒すためにセージと契約したアモンは

冗談じゃないとばかりに声を上げる。

 

セージは驚きを隠せない。しかし、ここで動揺すれば相手に隙を見せる形になる。

悪魔との交渉において隙を見せる事は厳禁である。これは今まで彼が関わった悪魔――

バオクゥやリー、アモンにそしてユーグリットといった悪魔達との対話を経験した上での結論だ。

悪魔交渉に一日の長がある者達からも聞き及んだことである。

故に、セージは必死にポーカーフェイスを演じながら、辛うじて沈黙を返答としていたのだ。

 

「知ってると思うけど、私気が短いの。沈黙は肯定と受け取るわよ」

 

「……焦るなよ。慌てる乞食は貰いが少ないぞ」

 

「私は公爵家令嬢よ!」

 

焦るな、って言ってるんだ。とやはり日本語――(ことわざ)に疎い部分を見せてしまったリアスに対し

冷静にセージが突っ込むことで、少しだが会話のアドバンテージも取り戻しつつあった。

可能性の一つとしてあり得たかもしれない再勧誘。

それも今までに類を見ない破格の好待遇。

それを前に、セージは今一度冷静に己を見つめ直していた。

悪魔の手を取ることと、悪魔の甘言に乗ることの意味の違いを。

 

今や宮本成二の周囲にも人外の存在はおろか

彼の主張としては敵対しているはずの悪魔の協力者も少なくない。

それでも、宮本成二のパーソナリティは人間のままである。

それを捻じ曲げてしまうのが、悪魔の駒と言うセージや黒歌にとっては忌むべき道具なのだ。

そんなものがちらつき、あまつさえ放置されているとなれば……答えは絞られる。

 

「これはハッキリさせたい。あんたのモノになったら、俺は人間じゃなくなるのか?」

 

「いいえ。さっきも言ったけれど、悪魔の駒は使わないわ。

 今更かもしれないけど、私はあなたそのものを評価したわ。

 そう……人間でありながら、私の知らない方法で悪魔と手を取り

 そして今、人間の身でありながらここまで戦い抜いた、あなた自身を。

 そうね……まどろっこしいのは嫌いだからこう言うわ。

 

 『私は人間としての宮本成二、あなたが欲しいわ』」

 

この爆弾発言には、流石のセージも面食らった。ギリギリのところで無表情を装っているが

外見的には美人の部類に入り、セージの性的嗜好的にも外れていない

 

――つまり、それ以外がてんでダメなのだが――

 

リアスから告白紛いの爆弾発言を受けたことで、セージの心は乱れていた。

それが故に、引っ張り出せた言葉は普段よりもキツイものとなっていた。

 

「……今ようやく得心が行ったよ。あんた……いや、あんた『も』ハーレムが欲しいんだろう?

 慈愛の悪魔等と名乗っちゃいるが、それは全て自分の好きなものを囲い

 寵愛を与え、自らを満たしてくれる存在が欲しいだけ……違うか?

 

 少なくとも、俺が兵藤から見たハーレム論と比べると、少しマシ程度の違いしか感じないが。

 というか、仮に俺がそれを飲んだ場合、兵藤は納得するのか?

 俺には、トラブルの種にしかならないと思うんだが」

 

告白への返答としてはあまりにもあまりな、セージの切り返し。

自分でも言い過ぎたと思ってはいるが、吐いた言葉は飲み込めない。

心身共に余裕を失ったセージでは、これが限界だったのだ。

 

 

「……ふふっ。なるほど、そっか。そう言う事だったわけね……

 私がイッセーを評価していた理由。今ようやく自分で納得できたわ。

 そうね……私とイッセー。『似た者主従』だったのよ。

 

 あ、一応言っておくけど私はイッセー程おっぱいに執着したりはしないわよ。

 ハーレムの性別は問わないし、ハーレムメンバー同士で仲良くしてくれる分には

 のけ者にされない限りは私にとっては願っても無い事だから

 そこはイッセーとは違うと断言しておくわよ」

 

前否定してた気がするが、やっぱこいつサキュバス(色魔)の類なんじゃなかろうか。

そうセージが疑問に思っていると、リアスも自分の中の心のつかえがとれたのか

晴れやかな顔で、改めてセージを見遣って来た。

 

「改めて礼を言うわセージ。似た者主従であるという事は

 同時に醜い姿を見せつけられている、と言う訳よね。

 それを教えてくれたあなたにはお礼を言わなくてはね。

 だけどそれとこの試合は話が別。そこは覚悟して頂戴。

 で、私の質問への答えは?」

 

「どういたしまして。ってのと、そう言う結論を導き出したんなら

 あんたへの正式な回答の前に俺から一つだけ忠告しておく。

 

 ……『本気で自分と向き合うってのは、そんなもんじゃすまないぞ』」

 

まず間違いなく、リアスのシャドウもいると見越した上でのセージの忠告。

そして、己のシャドウには散々煮え湯を飲まされた上に

またいつ出て来るかわからない。奴らはそう言う代物なのだ。

だからこそ、立場も何もかなぐり捨てた上で、リアスに本心からのアドバイスを贈ったのだ。

 

「……覚えておくわ。その時、頼りになる味方としてあなたが隣にいてくれるためにも。

 ここで、今! 私は完膚なきまでにあなたを倒す!!

 そして、『人間のまま』あなたを私のものにする!!

 それが、私の認めたあなたを魔王様に殺させない最善の方法よ!!」

 

「……勝手に決めんなよ。だからあんたは、自惚れ屋なんだ!!」

 

記録再生図鑑もフリッケンも封じられ、アモンは「これは人間と悪魔の戦い」として手を貸さず。

体力も精神力も大きく削られた状態のセージに対し

まだまだ勘違いはありながらも、気迫十分のリアス。

 

……それでも、それでも。セージの目から闘志は失われておらず。

その証拠に、赤い靄のかかった記録再生大図鑑とは別に、セージの左手首には

なんらかの装置が、冷たい光を放っていた……




ちょっと……いや、かなり急展開です。
リアスがここで示しているのは原作でもイッセーに対しても割と中盤までそれだった「独占欲」に基づく欲求。
その対象がここに来てセージになっただけですね。
要するに「やっぱこいつ殺すには惜しすぎる。だから意地でも手に入れる、方法は倒してから考える」です。
だから今回やけにモチベ高いんですよね、リアス。
スパロボ的に言えば気力130はかたい状態のリアスに対して
セージは気力100前後でHPもENもSPも武器もかなり減ってる状態。
しかももう(第三者の)増援は来ない。

……こう書くと過去最大級にヤバい戦いになってる。

で、私の独自解釈とも言える「リアスも、寧ろリアスがハーレム欲しかったんじゃね?」
木場やギャスパーの存在もそうなんですが、慈愛を謳っているのは(登場頻度の都合上仕方ないとはいえ)親兄貴より寧ろリアス。
で、その慈愛ってのも見方を変えれば……ってワケでして。
それがなんでかイッセーとウマが合ってしまった。
……まあ、私がリアスってキャラに「ハーレムで寵愛を受ける側」よりも「ハーレムに君臨して侍らせる側」のが似合ってそう……と思ってるのはあるんですが。

拙作設定を考えると下手すりゃあいつに目つけられてたのリアスの方だったかも……
それ以上にイッセーがスキだらけだったのでイッセー確定だったんですが。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。