ハイスクールD×D 学級崩壊のデビルマン   作:赤土

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ここまでやりたかったがだけのCパート。


Decisive Deadline Cパート

右手首の装置が冷たい光を放ちながら。

精一杯のやせ我慢と根性だけで立っている状態のセージ。

 

――「人間のまま」あなたを私のものにする!!

  それが、私の認めたあなたを魔王様に殺させない最善の方法よ!!

 

リアスの今さっき切った啖呵。

正直に言えば、とんでもない自惚れであり

自分の立場を最大限活用した我儘に他ならないのだが

彼女の中では、それが最善なのである。

 

だが当然、それは「リアスの中で最善」なのであって

セージにしてみれば、最悪とまでは言わないにしても下の下、以下の愚策である。

 

――だからあんたは、自惚れ屋なんだ。

 

それがセージの答えである。

そして同時に、彼女が導き出した答えである

「実は自分はイッセーとは似た者主従である」という答え。

それを以て、彼女は自分の(シャドウ)を見つめた……のではないか。

それもまた、セージの懸念であった。

 

もしそうだとしたら、何もわかっちゃいねえ。

実際に己の影と対峙したセージは、小声で零す。

(這い寄る混沌)が齎す影の試練は、その場にいるすべてが対象なのだ。

彼との絆を紡いだとしても、それが試練として牙を剥いてくることなど容易に想像できる。

内容までは、流石に想像できないが。

 

そもそも、不仲に陥っていたとはいえ彼自身イッセーとの絆を利用されもしたし

試練に引きずり出されたのだって白音を餌にされたからだ。

そして、ひた隠しにしていたかった絆さえも暴かれた。それが、あの試練だったのだ。

 

リアスと向き合いながら、セージは評する。

「……まだ、この様子では奴の試練には耐えられないかもしれない」……と。

自分でさえ、次うまく行くかどうかわからない。そう言う類の試練だ。

 

「私達オカ研の、眷属との絆はわけもわからないものに破られるほど柔じゃない!

 今は迷っていても、いつかは必ず……」

 

「その楽観は足元を掬われるぞ!」

 

今現在その訳の分からないものの侵略を受けているだろうが。

リアスの放った滅びの魔力弾を、セージはスライディングで突っ込む形で回避。

意図せずしてリアスの足元を狙う形になったセージの行動は

図らずも言葉通りに足元を掬ったのだ。

 

思わずすっ転んだリアスは、ブーツの埃を払いながらも立ち上がる。

事ここに至っても、劣勢が決定的になっても。

セージは尚もリアスに戦いを挑むのを辞めようとはしない。

もはや、見る人が見れば無謀とすらいえよう。

 

「その闘志、そのポジティブさ、本当に認めざるを得ないわ……

 

 ……と言いたいとこだけど、いい加減にしなさいよ」

 

ブーツのヒールをわざと鳴らしながら、両手を組んだ状態で

足を肩幅に開き、スライディングから立ち上がる途中のセージを睨みつけながら

リアスはぴしゃりと言い放つ。

神器(セイクリッド・ギア)を封じられ、アモンにも頼れないセージのまだ折れない闘志に向かって

更なる言葉を投げかけて来たのだった。

 

「私は赤髪の滅殺姫(ルイン・プリンセス)! 対してあなたはマグネタイトで強化したとは言っても

 神器も使えない、悪魔の力も借りれない普通の人間!

 何処に勝つ要素があるのよ!! あれだけ現実主義気取っておいて

 ここに来てこの絶対的現実から目を背けているんじゃないわよ!!」

 

「……ここに来て、結局ダダこねか。

 一応情報共有はしたはずだけどな。俺が今までどんな状況でどんな奴と戦ってきたか――」

 

「それが気に入らないのよ! 今までがうまく行ったからって

 イッセーはあなた自身の力で倒したわけじゃない!

 そして目の前にいるのは私!

 確かに赤龍帝みたいなものはあなたにはついていた!

 でも今回はそれすら無いでしょう!?

 いいから、私のものになりなさい! それが一番誰も傷つかずに済む方法なの!!」

 

突然飛び出したリアスの「素」に、観客も、両サイドの選手も開いた口が塞がらない。

ここに来てようやく医務室で目を覚ましたイッセーも、こうしてブチ切れるリアスを

モニター越しで見て、またセージへの敵愾心を向上させたが

首の痛み故に起き上がることは許されないのだった。

そんなある意味「いつも通り」なリアスに、思わずセージは噴き出した。

 

「ぷくく……」

 

「何がおかしいのよ!? 状況わかってるの!?

 あれだけ大口叩いて、散々悪魔に嘗めた態度を取ったあなたが負けたら

 人間がどうなるかなんて私にもわからないわ!!

 でもここであなたが私のものになるというのなら、人間だって悪いようにはしないわ!!」

 

「ああ。やっぱそうだな。あんたはそうだった」

 

「何がよ!」

 

「人間との共存を謳っておきながら、その人間の事なんざ何にも考えちゃいない。

 なんだよその家畜か資源に対するものみたいな発言は。

 悪いようにしないって言ったって、それを決める権利があんたにあるのかよ。

 無いからこそ、こんな茶番もいいとこな決闘ごっこ(レーティングゲーム)に興じてるんだろうが」

 

図星である。そもそもリアスは、今回に関しては流れでセージと戦っている。

無論、彼女自身にセージと決着を付け、その上で改めてセージを占有したいという

気持ちがあることは否定できない。そもそも、ハーレムを持ちたい欲求と言うのは

セージに言われて自覚してしまったのだ。

 

「あ、あなた本気なの!?

 ま、魔王様に意見するなんて……」

 

「その魔王が人間に何するかわかったもんじゃない悪魔を放置してる現状で

 その魔王を支持する悪魔に与する理由なんざ、何処にも無いって事なんだ!

 そこに俺が負けそうだとか勝ち目がないだとか、そんなの理由になる訳が無い!

 

 ……少なくとも、それに関しちゃフェニックスに挑む前の兵藤も

 似たようなことを言ったと思うぞ」

 

サーゼクスを説得する算段すらない状態で俺を自分のものにするとか言い出していたのか、と

半ば呆れながらもリアスにツッコミ交じりの啖呵を切らざるを得なくなったセージ。

啖呵が終わると同時に、赤い靄に包まれた左手を掲げる。

当然、神器たる記録再生大図鑑(ワイズマンペディア)は動かないし、禁手化(バランスブレイク)もしない。

 

「ほら見なさい! 神器も無い、フリッケンも、アモンも無い!

 まさか、その身一つで上級悪魔たる私に挑むというの!?

 それは勝つとか負けるとか以前の問題よ、気を確かに持ちなさい、セージ!」

 

「あんたが……言うなぁぁぁぁぁァァァァッ!!」

 

態勢を低くしたアメフトタックル。セージの体躯でそれは完全に凶器であり

そこには神器も、魔力も関係ない。生命力を賭したアメフトタックルが

リアスを正面から撥ね飛ばす。絵面的にはとんでもないものだが

生身の人間が悪魔を撥ね飛ばすというのは、いくらマグネタイトを絞り出した状態と言っても

とんでもない番狂わせに映っているだろう。

 

――そのマグネタイトに、異物がかなり紛れ込んでいるのもあるだろうが。

 

ともあれ、リアスが撥ね飛ばされた隙を突いて左手首の腕輪に手を添えるセージ。

 

 

――コード、クリア!

  メインターム、アクセス。モード……アクティブ!

 

セージの左手にあるのは、今は記録再生大図鑑だけでは無かった。

セージの声に合わせ、碧く光る腕輪。

その様は、間違いなく何らかのデバイスであり、それをリアスが知る由は無いが……

 

……セージは、人間チームは、このメカニズムは十二分に理解していた。

 

「鬼が出るか蛇が出るか……バーナゥ・レッジー・バトォォォォォォォォォッ!!」

 

左腕を掲げ、叫びと共にセージの身体を天から降り注ぐ光が包み。

 

そこから現れたのは、超特捜課の秘蔵兵器であり、先刻朱乃に破壊されたはずのゲシュペンスト。

……によく似た、別の機体。

 

全体的に黒いボディはゲシュペンストそのものだが、アーマーが全体的に小型化されており

特に胸部、両肩、両腕、両足部分は赤いため、寧ろ「赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)」さえも想起させる。

しかし全く違うものであることを物語っているのは、その頭部。

頭頂部から後部にかけて、青いエネルギーが逆立った頭髪のように放出されており

ゲシュペンストの眼とも言える赤いゴーグルアイは

黒縁の眼鏡を思わせるツインアイ構造になっていた。

 

「な……な……まだそんなものを持っていたというの!? あなたは!!」

 

「諦めないのには、それなりの理由があるんだよ。

 氷上巡査、薮田先生……使わせてもらいます。

 

 行くぞ、悪魔退治だ! ゲシュペンスト・タイプFR(ファイター・ロア)!!」




前回アンケートの結果、長らくお待たせいたしました。
このように「セージがアモンも神器も(フリッケンも)使えなくなった時の最後の切り札」の
候補を決めるためのアンケートでございました。
……そりゃまあここで戦極ドライバーとかオーバーロード化の懸念もあるっちゃある。

……しかし、ここまで色々クロスオーバーして、しかも厄モノをアレコレ取り入れている以上
何をどう弄ってもヤバいものの因子は揃ってしまうものでして……
(実はこれでも因子揃ってます。何がとは言いませんが)

Q:映司バースみたくゲシュペンストをそのまんま使えばOKだったのでは?
A:(今回の因子の都合上、どっち道因果律紡がれちゃうので)ダメです

Q:またこの赤髪ヒスってる
A:今回は割と真面目に(?)ヒスってます。一応元ネタはスパロボV通常ルートのネバンリンナ。
別にリアスの元ネタ疑惑のある美神令子の中の人繋がりとかは無いです

今回で書き溜めブーストが切れたのでまたしばらく先になります。
理想は今月中にもう1~2話投稿したいところなのですが。
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