避難所として開かれていた駒王学園。
異界化したアグアレスからの帰還を果たしたリアス達は
そこで通りすがりの仮面ライダー――海東大樹と出会う。
海東の口から語られた、オーバーロード……否、ダークブレインと言う名前。
その名前に聞き覚えの無い一同だが、
「やはり、僕の知っているオーバーロードではなかったわけですか。
しかしダークブレインと言う名前もどこかで……いえ、直接聞いたことはないはずですが
ユグドラシルの……いえ、アーマードライダーのかなり深い部分にその名前を見たような……」
「そりゃそうさ。ダークブレインは僕達仮面ライダーとも因縁深い存在だからね。
まあ、僕も直接会ったわけじゃないんだけど」
「……で、結局そのダークブレイン、ってのは何なんですか?」
ダークブレイン。
海東に曰く、全ての悪の元締めとも呼べる存在。
より深掘りして言えば、闇黒の思念集積体。
負の感情を起源とするが故に、正の感情とは対立する定めにある存在。
(……まるでニャルラトホテプですね。
案外、化身の一つ――それも、より「本体」に近いところにある存在ですね。
ただ……あれと比べたら対立する者の点で「悪」に寄り過ぎている印象は受けますが)
海東の説明でも要領を得ない者が多い中、薮田はある一つの「答え」から
ダークブレインと言う存在にある程度、納得が出来ていた。
だが、それは彼が既に「ニャルラトホテプ」という存在を知っているからこその答えであり
それを知らないものは、ダークブレインとはアインストやインベス、JOKERとも異なる
ぽっと出の怪異の一つに過ぎなかったのだ。
「で、なんで急にそのダークブレイン? って奴は出てきたんだい?」
「さっきも話した通り、ダークブレインは負の思念が寄り集まって形成される存在だ。
だが、それにはそれを纏め上げる器が必要になる。
恐らく、誰かがその器を用意したんだろうね。誰か、までは僕も知らないけど。
ただ……器とされる存在には、既に目星がついている」
ここで再び海東のダークブレインに関する説明が入る。
ダークブレインはあらゆるものを見透かす「暗邪眼」とあらゆる知識を集積し操る「開明脳」の
二つの要素に無数の負念が寄り集まって出来た存在である、と。
「ここで鍵になるのは『暗邪眼』と『開明脳』だ。この二つの能力が……」
「もったいぶらずにさっさと言うにゃん」
「やれやれ、揃いも揃ってせっかちだね。皆して口に出てなくても目でそう言ってるよ。
…………宮本成二。まさかこの名前に聞き覚えが無い、なんて言わないよね?」
その名前が出た時、皆一様に衝撃が走る。
カドゥム・ハーカームを止めるために異界化したアグアレスに残留したセージ。
それが今や、ダークブレインの器になっているかもしれないというのだ。
「……十分に考えうる話ですね。彼の
負念を集めてその気になれば、代用をさせることも不可能では無いでしょう。
そして……残念ながら、さっきまでの彼には負念が蓄積されていましたし
そうでなくとも、クロスゲートを通ったりすれば……」
「そ、それでセージにそんなことをさせて最終的にどうしようって言うのよ!?」
「誰が彼をダークブレインに仕立て上げたのかわからない、って言ったはずだけどね。
ただ……ダークブレインと言う存在が必要だって事だけは、間違いないね。
でなければ、こんな混沌とした世界にこれ以上混沌の種を蒔く必要が無い」
ダークブレインと言う存在。それは負の思念が寄り集まって形成された
「悪」の擬人化とも呼べる存在である。
混沌を極めたこの世界に、悪の擬人化を顕現させる意味。
アインスト、インベス、JOKER、黒の菩提樹、ラスト・バタリオンに
ディアボロス・クロニクルや新生悪魔政府、細かなものでは反社組織。
こうした(一般人にとって)悪と呼べる組織はごまんとある。
「この沢山ある組織を纏め上げでもするつもりなのだろうか?」
「それは無いと思うよ。少なくとも、Dプレイヤーに関してはJOKERの類縁みたいなものだし
そのJOKERは性質上、アインストやインベスと組むとは思えない。
それに、僕達が最初に出会ったスカルナイトとデブデダビデは、アインストとは敵対していた。
猫も杓子もダークブレインの傘下に置くとは、考えにくいね。利用はするかもしれないけど」
否。如何にダークブレインが悪の元締めとも言える存在であろうと
今この世界で跋扈している悪と呼べる存在は多岐にわたる。
その全てを掌握するなど、土台無理な話である。
……掌握ではなく滅亡ならば、世界諸共と言う形で不可能ではないかもしれないが。
「そうだヴァーリちん。さっき言ってたクリスタルドラグーンっての?
そいつは何のためにあんたと接触したの?」
「俺がここでラーメンの仕込みをしていたら、近辺を飛んでいる奴を見つけてな。
追いかけたら、インベスと交戦中だった」
「で、喧嘩売ったと」
喧嘩を売った、という黒歌の指摘にバツが悪そうに頭を掻き毟るヴァーリ。
避難所近くを普通に飛ぶクリスタルドラグーンにも非があるとはいえ
ヴァーリの迂闊さの方が勝っている出来事であると言えるだろう。
「その時、そいつ何か言って無かった?」
「『白龍メ 私ヲ狙ウノハ 筋違イダ』とか『我ガ主ノ命ニヨリ 無駄ナ殺生ハ行ワヌ』
……などと言っていたな」
黒歌も、そしてヴァーリも、クリスタルドラグーンの残した言葉が引っかかった。
ダークブレインの存在理由を考えれば、避難所こそ攻撃のターゲットになりそうなものだが
その実行われていたのはインベスやアインストへの攻撃である。
「もしかして……もしかしてだけど。
……セージはまだ、ダークブレインってのに完全に取り込まれて無いんじゃ?」
「楽観論だな。だが、
しかし取り込まれて無いとしても……時間は無いと思うぞ。
紫水晶の龍のようなものを他にも2体も生み出しているとなると
力を取り戻しつつあるだろう……ダークブレインとしての、な」
ヴァーリの見解に、黒歌は押し黙る。
アインストやインベスを容易く蹴散らせる奴を3体も従えているという事は
ダークブレインとして遠くないうちに対峙する事になるだろう。
それがヴァーリの見解、であった。
「……だったら、今のうちにダークブレインを確保すれば」
「残念だけど白猫ちゃん、それは無理だと思うよ。
配下の三体の事もあるし、それ以外の奴らの事もある。
今の僕らには、ダークブレインを確保するどころか、倒す……
いや、出くわす事すら難しいんじゃないかな。
……だけど、ダークブレインを倒す鍵になるものなら、心当たりがある。
この世界だとそうだな……本物が一つ、代替品が二つ……ってところかな」
「それがあれば、セージを助け出せるのね!?」
白音の問いに、海東は渋々と言った形で答えるが
その渋々の回答に、リアスが食いつく。
「一つ注意しておきたまえ。
ダークブレインを倒すのと、宮本成二を助け出すのはイコールじゃない。
宮本成二ごと、ダークブレインを倒す……なんて結果にもなりかねないんだ。
ま、僕はそれでも構わないけどね。
彼が持ってるのは、ディケイド――
僕が探してる士そのものじゃない……
けど、このまま放置していたらダークブレインがディケイドの力を使いかねない。
僕としては、それだけは絶対に避けたい結末なんだ。だから君達に力を貸すという訳さ。
ただこの現状は、いっそ士本人に来てもらいたい案件であることに間違いはないけどね」
肩を竦めながら、海東はため息交じりにリアスに返答する。
現段階で倒してでも止めるという話が出るという事は
ダークブレインからセージを解放するのはそれほどまでに難しい、という事である。
「セージの力にはそんなものもあったのか……
それはそうと、その倒す鍵とは何だ?」
「ああ。かつてダークブレインと戦った三人のヒーロー……の系譜さ。
一つは僕達仮面ライダー。あとの二つは……君達に言っても通じないかもしれないが
ウルトラマンって光の巨人とガンダムって機動兵器さ。
奴は悪の元締めだから、あらゆる善とされる存在と戦う宿命を帯びているから
本当は他にもあるのだけど、特にこの三つが強い繋がりがあってね。だから三つさ」
今度はゼノヴィアからの質問。ダークブレインを倒す鍵。
それは三人のヒーローに連なる者達の事である。
だが、光実以外誰もそれらの名前に心当たりなど無かったのだ。
「悪魔が悪の元締めと戦う……ね。悪魔が善を成す、ってのも今一ピンと来ないけど」
「でも部長さん、契約者さんの願いをかなえるのもある意味では善なんじゃないんですか?」
善悪の逆転。数奇な縁の一つとも言われるそれに先天的な悪魔であるリアスは
釈然としないものを感じていたが、後天的な悪魔であるアーシアはすんなりと受け入れていた。
「うん? 悪魔の身分にもかかわらず、正義のために戦った悪魔の話は
僕でも知ってるくらい有名だと思ったんだけどな。
当の悪魔が知らないってのは……ま、どうでもいいけど」
海東が指しているのはアモンの伝説の事であるが
冥界ではそのアモンの伝説は焚書されてしまっている。
故にリアスも当人に言われるまで知らなかったのだ。
その当事者もこの場を離れているため、特に指摘されること無く話は進んで行った。
「それよりも機動兵器は……超特捜課のゲシュペンストとは違うのかい?」
「ゲシュペンストも繋がりがあるっちゃあるけれど……倒す鍵になるかと言うと
寧ろ逆効果になるかもしれないね、あれは。
現に、ここに来るまでに奴らに操られたゲシュペンストと戦う羽目になったよ。
ああ、言い忘れてたけど奴ら、どうも無人機を乗っ取って手下にしてるみたいだ」
「……となると、スイカアームズとかが乗っ取られている可能性が高いですね。
よりにもよってな物が……参ったな」
先に言いなさいよ、と黒歌の指摘を流しつつ、白音がウルトラマンとガンダム。
この二つの名前から、二つの「この世界で」よく知る存在の名前を挙げる。
「……アルテルマンやダンガムなら聞いたことありますけど」
「……見事にそれっぽい名前だね。まあ、気づいた人もいるかもしれないけど
その二つが僕が言う代替品さ。ウルトラマンとガンダムのね」
この世界の住人からすれば、アルテルマンとダンガムこそが世界的に有名な存在であり
ウルトラマンとガンダムなどと言う名前は聞いたことすらない。
仮面ライダーと言う名前だって、海東が名乗らなければ知る由もない名前なのだ。
面ドライバーや、アーマードライダーと言う類似した――後者はれっきとした仮面ライダーだが――
名前の存在はあるのだが。
「……詰んだな。その二つはどちらも架空の存在だ。
ダンガムのプラモデルを攻撃に使った悪魔はいるが、その悪魔とは音信不通。
アルテルマンに至っては、ただの着ぐるみ……」
「さすがの僕も、着ぐるみやプラモデルでダークブレインに勝てるとは思って無いよ。
だから、今回は僕が協力しようって訳さ。
出来れば、ユグドラシルから救援呼んでもらえると助かるけど」
「あの時みたいに召喚はしないので?」
光実は海東が様々な仮面ライダーを召喚したのをその目で見ていたし
何なら、自身もその召喚されたライダーと戦った事さえある。
それもあって、癖の強すぎるユグドラシルの――特にゲネシスドライバーを用いた――
アーマードライダーに協力を仰ぐのは、及び腰になっていた。
唯一頼めそうなのは、実の兄である
「傀儡じゃダークブレインに対抗するには限度があるさ。
あ、もしかして……素直に協力するタマじゃない、って事を危惧しているね。
それならチームバロンやシャルモン辺りに頼んでみればいい。
……チーム
残念ながら、この世界じゃ君の他にはいないみたいだしね」
「……とりあえず兄さんには話を振ってみます。
荒唐無稽過ぎて、断られると思いますし
この混乱が駒王町だけでなく、
恐らくそっちの対応に追われているでしょうから……期待はしないでください」
そう言うや、光実はスマホを取り出して兄である貴虎に連絡を試みた――のだが。
……案の定、沢芽市にもアインストやインベスはおろか、JOKERやDプレイヤーまで参戦し
インベスゲームの意味が変わる位のインベスゲームブームとなっていたのだ。
しかも、そんな情勢にも関わらず相変わらずDJサガラはインベスゲームを煽っている。
おまけに、治安維持のために出動させたはずのアーマードライダーまで暴走する始末であり
それらの対応に追われており、とても駒王町に応援を出せる状態ではない、とのことだったのだ。
「……思ったより酷い状態でした。元から兄さんに頼るつもりは無かったですけど」
「沢芽市も大変みたいだね……」
「暴走ってのは、さっき言ってたダークブレインが乗っ取った無人のアーマードライダーか」
何だかんだで統率の取れている新魔王軍。
共通の敵がいるため倒すメリットの薄いラスト・バタリオン。
未だ戦力の底の知れないアインスト。
個々の力はともかく、繁殖力の強いインベス。
力こそ無いが、生活に密着しているため迂闊に手を出せない反社勢力。
組織としての正体が未だ不明で、教化と言う洗脳に対する情報も少ない黒の
散発的に現れるため、却って対処しづらいJOKERやDプレイヤー。
……ダークブレインを相手取るリスクは、これらに比肩する程度にはある。
だがこちらはラスト・バタリオンと違い、難しいがセージ救出と言うメリットもある。
まずはダークブレインを何とかしよう、そう結論付けようとした矢先。
「……ダークブレインを倒すのなら、僕達も協力しよう」
言うや否や入って来たのは、連絡の途絶えていた布袋芙ナイアと兵藤一誠。
二人とも、怖い位にやる気に満ちた表情をしていたのだった。
ロスヒやグレバトフルブラスト(とバトルドッジボール3)ではニアミスだったディエンドとダークブレイン。
一応仮面ライダーって因子のお陰でダークブレインにワンチャン対抗できるかな、程度です。
……あの3人のヒーローがいなかったからOGダークブレインがクソ強かったんだよ、多分。
ロアも直接対決はグレバト2からだし(バトルコマンダーはどうだったかな……?)
それより因子集めまくってたのはセージ。
・ロアの力使った(因縁&ロアはダークブレインに作られた説あり&洗脳受けた実績あり)
・神器(暗邪眼・開明脳の代わり)
・ディス・レヴ(負念集積器)
悪気はないのにどうしてこうなった
ダークブレインがディケイドの力使うとか普通にヤバいので今回海東がガチなのはそう言う理由。