次回はなるはやの投稿になると思います。
空の科学館前
ここに、原寸大のダンガムの立像が展示されている。
しかも、からくり時計のように時間に合わせて
簡単だが動作するギミックまで仕組まれている凝りようだ。
アグアレスの陥落や冥界の損害を受け、人間界に亡命してきたシーグヴァイラ・アガレスは
これ幸いにとばかりに、この動くダンガムの立像を見に来ていたのだった。
「こ……これがダンガムの立像! アルトやヴァイスを作った時の事を思い出します!
あれらは残念な結果になってしまいましたが……
またもう一度、あのようなものを作れたら……」
さてこのダンガムの立像。実際にコクピット周りも再現されており
乗り込むことも可能という、観光の目玉としてはよくできた構成になっていた。
当然だが、このコクピットは作り物であり、ここから実際に操縦できるわけではない。
……ないのだが……
「――お次でお待ちの海東様、
お時間ですのでこちらにお並びください」
係員のアナウンスが入り、コクピット前に並び立つシーグヴァイラと
引率と言う体でやって来た海東。同伴しているのは悪魔としては人間界滞在歴が長いリアスと
その護衛係も兼ねているギャスパーだ。
ギャスパーが護衛と言うのは少々心許なく感じてしまえるが、これはギャスパーの立候補による。
勿論(イッセー以外の)誰も断る理由が無く
また事態は一刻を争うために手分けして行動しようという事になり
肝のシーグヴァイラと案内のリアス、その護衛のギャスパーに
悪魔達のブレーキ役としての海東、という形になったのだ。
因みにだが、予約も海東名義で取っている。
事実上の引率であり、「らしくない」とぼやいていたが、他に適任者は誰もいない。
もしこの場に海東をよく知る
そんな海東一行だが、傍から見ると美男美女が揃っているので目立つというものだが
その目立ち方もあまりいいものではない。何分、海東以外は悪魔なのだから。
「いいかい。くれぐれも言っておくけど、これ以上目立つ真似は止めてくれたまえよ。
ただでさえ、これから目立つことをするって言うんだから」
「今更なんですけど……展示してあるこのダンガム、勝手に持ち出してしまっていいんですか?」
「仕方ないじゃない。ダークブレイン? ってのに対抗するにはこのダンガムが必要なんだし
こいつの口車に乗せられた感じがして癪だけど、他に方法も無いし」
海東の作戦はこうだ。セージを取り込んだダークブレインを倒すために
ウルトラマン、仮面ライダー、ガンダムの三人のヒーローの力が必要である。
だが、この世界には仮面ライダーの力しかない。
そこで、ウルトラマンとガンダムについては代替品を用いて
ダークブレインに対抗しようというのだ。
その代替品の一つが、ここにあるダンガムの立像と言うわけである。
「それでは、ここから中にお入りください」
そんな海東のとんでもない作戦の事など露知らず
係員はシーグヴァイラをダンガムのコクピットの中に通す。
嬉々としてコクピットのシートに座るシーグヴァイラ。
その恰好は、いつの間にかダンガムのパイロットがよく着用するパイロットスーツとなっており
ある意味リアスにも引けを取らないボディラインがそこはかとなく浮き立つ形となっている。
係員も特にツッコむことはせず「気合の入ったお客さんだなあ」程度にしか思っていない。
「うんうん、やっぱこの恰好で座ると気分上がります!」
「……操縦法は知ってるんだろうね?」
「勿論です! 私が一番ダンガムをうまく操縦できるんですから!」
本来ならば中で何をしようが外のダンガムは勝手に動く。
何故なら、そう言う風にプログラミングされているから。
だが、そんな事を知らない子供達の間では、口々にこう噂される。
――自分達がコクピットに座って、実際にダンガムを動かしているのだ――と。
実際にはダンガムは比較的ハイティーン以上の年齢層のファンも多く
ここに来るのもそうしたファンも少なくは無いのだが、子供の噂と言うものは
時としてSNS以上の伝播力を発揮するものである。
そしてその噂通り、シーグヴァイラがダンガムの腕を動かそうとレバーを動かそうとした時。
――空の科学館上空に、転移反応が現れたのだった。
その中から現れたのは、ダンガムの立像の半分くらいの大きさである
スイカアームズ・ヨロイモードに
半年の間に量産体制が整ったのか、数を揃えだした等身大のゲシュペンスト。
そして、それらを従えるように半身が砂で出来たエジプト風の巨漢――デブデダビデ。
デブデダビデに至っては、ダンガムの立像と同じくらいのサイズである。
この想定外の来訪者に、途端に騒然とする空の科学館。
余談だが、この建物は十年ほど前にもテロによる火災に巻き込まれ
その後無事立て直された経緯がある。それを経ての今回の騒動だ。
「ぶふぅぅぅぅ~! 何処かで見たような紛い物だが
まさかそんなもので俺様を倒すつもりかぁ~?」
「紛い物だなんて失礼な! れっきとした元祖ダンガムに対して!」
ガンダムしか知らないデブデダビデと、ダンガムしか知らないシーグヴァイラ。
この二人の見解は永遠に交わることは無いだろう。
繰り返すが、この世界にガンダムは存在しない。
「ちょっと!? 大ボスじゃなくて部下の方が来ちゃったじゃない!」
「俺様は部下などではないぃ~! ダークブレイン様の最高幹部だあぁ~!!」
「……ま、考えられる範疇の出来事だね。悪いけど、こいつらは僕達で何とかするから
君達は避難誘導の方をよろしく頼むよ」
「わ、わかりましたっ!」
「ちょっ、勝手に決めないでよ!」
KAMENRIDE-DIEND!!
言うや否やディエンドに変身してコクピットハッチを勝手に開け、飛び降りる形で
デブデダビデの軍勢に挑む海東。
人の意見も聞かずに飛び出すのは
ギャスパーは海東の言う通り、空の科学館にやって来た来場者の避難誘導を始め
リアスも渋々それに追従する事となった。
デブデダビデはサイズ差の影響で如何にディエンドと言えど
直接相手取るには難しい相手であった。
そのため、デブデダビデはシーグヴァイラ――ダンガムに任せてしまい
自分はゲシュペンストやスイカアームズの相手をしようと言うのだ。
スイカアームズも巨大な相手だが、まだ何とかなる範囲だ。というのも――
「おあつらえ向きの戦力なら、こっちにもあるんだよね」
KAMENRIDE-ARC!!
KAMENRIDE-G4!!
どことなく擬人化された虫歯菌を思わせるような風体の巨躯を誇る仮面ライダー――アーク。
そしてミサイルランチャーを担いだ軍式パワードスーツを思わせる仮面ライダー――G4。
この二つの戦力を以て、スイカアームズやゲシュペンストに対抗を試みたのだ。
「あれが……仮面、ライダー……うっ!?」
「ぼさっとしてるとぉ、お前も部品にして俺様に組み込んでやるぞぉ~!!
そぉれぇ、サンド・ハンドだぁ~!!」
デブデダビデから繰り出される魔術で作られた砂の拳が
動き出したダンガムの立像を殴りつける。
その攻撃を受けて、バランスを崩してしまうシーグヴァイラ。
しかし何とか踏みとどまり、転倒による被害は出ずに済んだのだった。
「ダンガムを、あなたみたいな訳の分からない奴の部品になんかさせません!」
「ほざけぇぇ~! 俺様は一度ガンダムを部品にして取り込んだことがあるんだぁぁ~!!
そうでなくともぉ、そこの赤い髪のチビと違って
魔力も半端なお前如きが俺様に敵うものかぁ~!」
シーグヴァイラも大公家を背負って立つ悪魔である。サイラオーグと言う例外を除けば
72の家系を背負う悪魔は各々相応に魔力はあり
そのうちの一つ、アガレス家の名を持つ彼女もその魔力で以てダンプラを操ったりしているので
自分の持つ魔力に自信はあった。
しかし、目の前の巨漢は悪魔内でも魔力量だけは規格外に片足を突っ込んでいる
リアスでようやく一目置く、という扱いをしてきたのだ。
「あなたも魔力を使うのですか……!」
「そうだぁ~! お前達とは違う、グレイトな魔術だぁ~!」
「では、ゲシュペンストを操っているのも……?」
「アレは違うぅ~! マッドネットという、俺様の自信作だぁ~!
無機物に憑りつき、操ることができるのだぁ~!」
マッドネット。実際デブデダビデが使役しているので、自信作と言う表現は間違ってこそいないが
シーグヴァイラの指摘もまた、当たらずとも遠からずと言えるだろう。
デブデダビデの攻撃手段の殆どは、サンド・ハンドを始めとしてゴリ押しの物も多いが
その基盤は魔術である。
(無機物に……? なら、ダンガムが危ない!)
迂闊にも手の内をバラしてしまったデブデダビデに対抗すべく
ダンガムを覆うようにシーグヴァイラが魔力の結界を施す。
これにより、マッドネットによるダンガムへの浸食は防がれることとなった……だが。
「――しまった! まさかそんな隠し種を持っていたとはね……!」
ディエンドの召喚した仮面ライダー。これらは両方とも無機物であると言え
その起源は各々の世界においてアークの鎧と呼ばれる鎧に、自衛隊が開発したパワードスーツ。
マッドネットにとっては格好の獲物だ。
案の定マッドネットに感染してしまい、ディエンドに牙を剥く召喚ライダー。
「……中身まで本物ならともかく。
アメーバ風情に操られたライダーに僕がやられるわけが無いだろう?」
しかし、所詮はただの抜け殻と言う事か、あっさりとディエンドライバーで撃ち抜かれ
返り討ちに遭ったのであった。
「アメーバと病原菌は違うけれど、防疫のある奴で相手をするとしようか!」
気を取り直し、改めてディエンドは5枚のカードを取り出す。
順繰りにシアンの銃――ネオディエンドライバーに読み込ませ
再び仮面ライダーを召喚するのだった。
KAMENRIDE-EX-AID!!
KAMENRIDE-BRAVE!!
KAMENRIDE-SNIPE!!
KAMENRIDE-LAZER!!
KAMENRIDE-GENM!!
新たにディエンドが召喚したのは今まで召喚した仮面ライダーとは大きく異なる風体。
――二頭身の仮面ライダー。
しかし、この姿が持つ特殊能力は、唯一無二の特化能力として
戦力がインフレし続けた最終決戦においても有効に働いた実績があるのだ。
「え、SDダンガム!?」
「ぶふぅぅ~? 見覚えのある奴らが出て来たなぁ~?」
その特殊能力とは「
無論、ここで言う病原菌がマッドネットと同一であるはずも無いが
その応用として、能力と数の差を埋める形でディエンドは彼らを選んだのだ。
実際、今度は召喚された彼らの攻撃に対しスイカアームズもゲシュペンストも動きが鈍くなり
終いには、その機能を停止したように動かなくなったのだ。
ダークブレイン軍団が強奪したであろうゲシュペンストにスイカアームズ。
それらを動かしていたマッドネットが引き剥がされてしまえば
本来動かすべき装着者がいないそれらは、決して動くことはない。
二頭身故にその動きはコミカルそのものであったが
戦闘力自体はディエンドが今まで召喚した仮面ライダーに引けを取らないものでもあったのだ。
「ば、バカなぁぁぁぁぁ!?
俺様のマッドネットがこんなロアの出来損ないみたいな奴らにぃぃぃぃ!!」
「覚えておきたまえデブデダビデ。彼らもまた仮面ライダー……
君達ダークブレイン軍団が決して侮ってはならない存在さ」
「お、おのれぇぇぇ……ならばこのガンダム像だけでも持ち去ってくれるわあぁ~!!
そしてダークブレイン様のお力を完全なものとするのだあぁ~!!」
(……完全なものに? ダークブレインはまだ不完全だという事か?
ならば、こいつが出てきたのも頷けるか)
激昂したデブデダビデがダンガムを持ち去ろうと力任せに掴みかかろうとするが
ダンガムには既にシーグヴァイラの魔力結界が施されており、さらに戦線に復帰したリアスも
ダンガムの手の上に乗っていた。
独自解釈強めですねぇ……今更ですが
>パイスーシーグヴァイラ
いや多分それ位の事はしそうだな、という事で。
本家ガンダムのそれよりもむしろマヴラヴとか下手したら対魔忍とか
そっち系のじゃなかろうか、と邪推してしまえるのは多分あの世界のサブカル全般のせい。
全肯定派とされる彼女ですから、勿論元祖SDも履修済みでしょう。
当然、放送当時から鬼っ子呼ばわりされたあの作品についても……
>ディエンドの召喚
アークとG4はコンプリートフォームでの実績がありますが
レベル1ドクターライダーズは完全に個人的解釈。
やっぱネオディエンドライバー、2号しか呼び出せないっぽいですよねえ……
(玩具は一応1号どころか昭和も対応してるみたいですが)
マッドネットに弱い、は完全な海東の誤算。
(というか引っかかるライダーが多すぎる)
それに対抗するためにドクターライダーズ出しましたが
バグスター分離を拡大解釈しすぎた気もしないでも無く。
その気になれば悪霊退散とか悪魔の駒引っこ抜きとか出来そうですし。