ハイスクールD×D 学級崩壊のデビルマン   作:赤土

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間が空いて申し訳ありません。
諸々は先送りにするなどして安定してますが、筆のノリとはまた話が……


と、ここで一つ言っておきます(改めて活動報告でも声明出しますが)

昨今、twitter等で少年漫画等の性的描写を過剰に規制しようとする輩が散見されますが
当方としましては「言いたいことはわかるが、支持はしない」スタンスです。

そもそも、この作品のアンチ・ヘイト描写も「しでかしたことに対する制裁が少なすぎる」とか
「自分たちの悪事はいい悪事、寧ろ悪事を悪事と思っていないのでは?」という
個人的不平から生まれたアンチ・ヘイト描写ですので
別に性的描写そのものを否定したりすることはありません。
悪事にはそれ相応の制裁が加えられる、を是としておりますので。
因果応報、信賞必罰。この精神を大事にしていきたい所存です。

……twitterの垢でも呟いたことですけどね。


Will12. 「かつて」に挑む「創世」 Bパート

「――……る、湊はその少年を」

 

「わかりました、主任」

 

遠くで聞こえていた声が、段々とはっきり聞こえてくる。

はっきりとしない意識も、徐々に戻ってきている。

 

……まいったな、行動を起こす前に気絶してたのか。

アモンも行動を起こさなかったのか? 動けない事情でもあったのかもしれないが。

 

ふと、腰――と言うか、腹のあたりに何かを巻きつけられる感じがした。

何を、しようというんだ……?

 

〈ロックオン!〉

 

これは……ロックシードを嵌めた音……?

何か、動かした音がするが……

 

回らない頭で考えていたが、急激に体の奥から力が戻ってくる感覚に襲われた。

一体、俺の身体に何が起きたって言うんだ?

 

(アモン、もしくはフリッケン。何かしたか?)

 

『やってねぇ。俺が身体を動かしてるときは神器(セイクリッド・ギア)使えねぇのは知ってるだろ。

 いや、俺が主導権握って体勢を立て直そうとも思ったんだが……

 見かけないアーマードライダーが二人やって来てな』

 

『で、そのアーマードライダーがアインストを蹴散らした後

 お前に戦極(せんごく)ドライバーを巻きつけてロックシードを開錠させはしたが』

 

おい!? それってかなり大事じゃないか!

となると俺はアーマードライダーに変身……

 

 

……してないな。

傍らに立っているアーマードライダーを一瞥した後

自分の両手を見てみるが、特に変化はない。

と言うか、そのアーマードライダーが桃みたいな頭で

鎧やスーツもどピンクで派手派手しいという印象が強く

正確な現状把握が出来てないのもあるが。

 

『……セージ。何考えたのか知らないが、俺はピンクじゃなくてマゼンタだぞ』

 

何も言ってない。体を起こし、そのピンクのアーマードライダーに礼を述べた後

状況の説明を求めることにした。きちんと答えてくれるか?

 

俺のその心配は杞憂だったらしく、アーマードライダーはロックシードを外しながら

俺に説明をしてくれた。のだが……

 

「社外秘ではあるのだけど、応急処置として使わせてもらったわ。

 そのベルトには、その取り付けた錠前の力で体を回復させる作用があるの。

 あなたも今日見学できた駒王学園の生徒なら、プロフェッサーから聞いていない?」

 

あ、これ勘違いしてる奴だ。

俺は超特捜課での外部活動を行う際には、身分証明の制服と言う事で

駒王学園の制服をそのまま着用している。

ところが、今回はそれが仇になったようだ。

目の前のアーマードライダーは、俺の事を企業見学に来た生徒だと勘違いしてる。

説明めんどくさいが、これは説明した方がいいかもしれないな。

 

……まさか警察の制服着るわけにもいかないし。

 

「申し遅れました。俺は今回警備のために警視庁超特捜課から来た

 宮本成二と言います。駒王学園の生徒には、違いありませんけど」

 

「警備の? 確かに今日会談の警備のために警察が来るという話は

 呉島主任から聞いていたけれど……まさか高校生が来るとは、思わなかったわね」

 

目の前のアーマードライダーの女性(だと思う、凰蓮(おうれん)軍曹と違って声がきちんと女性のそれだし)は

至極当然の感想を述べ、俺からおもむろに戦極ドライバーを外そうとする。

 

「おわっ」

 

「身体に異常は無さそうね。このまま下がって、この医療機関で検査を受けなさい」

 

……取り付く島も無さそうだな。だが、命令系統外から指示されてもなぁ……

それに、向こうで戦っているような音が聞こえるという事は

まだアインストの侵攻は止んでないという事だ。その状況で、戦える状態で撤退ってのもなぁ。

 

「すみません。一応、上官に確認を取りたいのですが」

 

「……仕方ないわね。警視庁の担当に言えばいいのかしら」

 

目の前のアーマードライダーは、左耳に手を当てて通信を行っているようだ。

便利なもんだな、アーマードライダーシステムってのも。

等と考えていると、話が終わったようだ。

 

「……あなた、神器持ちだったのね。事情は分かったわ。

 出来れば今検査を受けてもらいたいところだけど……

 

 見ての通り、黒影以外のアーマードライダーが私を入れて三人いても

 アインストの侵攻を防げるかどうかって状態なの。

 それに、クラ……インベスも現れ始めたわ。人手は全然足りない状態。

 病み上がりで悪いのだけど、手を貸してもらえない?」

 

目の前のアーマードライダー――マリカの示す通り、アインストの数は一向に減らないし

地上にはアインストに混じってインベスも来てるし

アインストがインベスの出したドラゴンアップルを食って強化されてる。

どう考えなくても、ヤバい。

 

「わかりました。手薄なところを防ぐ形でいいです?」

 

「そうね、現地の人の支援をお願いするわ。

 大物は私や呉島(くれしま)主任が何とかするから

 タワーにアインストやインベスを入れないようにだけ注意して」

 

勿論、そのつもりだ。俺は改めてマリカに頭を下げ、指し示された方角へと向かう。

そこには、上空から次々とアインストが現れていた。

俺が相手取っていた奴なんて、氷山の一角にも満たないと思い知らされた。

現地の黒影(くろかげ)と協力し、アインストを相手取ることとなった。

 

……ついこの間戦った相手と協力する、ってのもこのご時世よくあることなのかもしれないが。

ま、この黒影は中身が違うけど。

 

黒影との共同戦線は、思いのほかうまくいっていた。

こっちに黒影のデータがあるって事と、黒影自体の拡張性の高さだ。

長槍、影松による接近戦が主体だが、火炎放射器など携行武器も問題なく運用できる。

 

ナイトファウルを複製して運用してもらおうと思ったが

そもそもナイトファウルは初見で使うには難しいし

ナイトファウル本体ではなく装填している弾丸であるアルギュロスの方が

アインスト特効なので、あまり意味がない。

弾丸の複製は出来ないし、数もあまり持ってないし、アモンでモーフィングするにも

アモンによるモーフィングでアルギュロスの精製には成功したことが無い。

以上の観点から、携行武器については現状維持としてもらう事にした。

 

「二時方角からクノッヘンタイプ、数は5!

 上空から来るので、対空警戒を厳となしてください!

 

 ……次、9時方角からグリートの砲撃! 散開してください!

 グリートの攻撃の着弾後にゲミュートが来ます、警戒を!」

 

……数が多いって事は、レーダー手に回らざるを得ないって事だ。

幸い、アインストも記録再生大図鑑(ワイズマンペディア)のレーダーに映る。今のところは。

今後、進化してレーダーに映らない奴とか来るかもしれないが……

いや、今後を気に掛けるよりも今襲ってくる奴だ!

 

ひっきりなしに襲ってくるアインストの大群。

上空からはクノッヘンに加えてアインストリッターが出現。

それに呼応するように、地上にはアインストアイゼンが現れた。

 

……マズい! この二体に連携させたらマズい!

 

「灰色の奴と赤い奴には気を付けて! 連携攻撃を仕掛けてきます!」

 

ナイトファウルで援護射撃をしながら、前線で戦っている黒影隊に指示を飛ばす。

だが、黒影隊の展開も限界があるのか徐々にアインストの軍勢に押され始めてきた。

特にアインストアイゼンの突破力は、黒影の得物とは相性が悪いみたいだ。

仕方ない、こうなったら分身出して援護に回るか!

 

DIVIDE!!

BOOST!!

 

分身を出したはいいが、アインストアイゼンの装甲を突破するには威力が足りない。

辛うじて、ギャスパニッシャーでダメージは与えられているようだが。

それでも、怯ませられる程度だ。トドメを刺すには一撃何かが足りない。

 

(こういう時、兵藤みたく一撃が重い奴は楽なんだろうけれど……!)

 

無いわけではない。コピーした滅びの力とか、分身総がかりでの集中攻撃とか。

だが、相手が大軍である以上集中攻撃はなかなか難しい。

おまけにそうやって倒したとしても、すぐに次がやって来る。キリがない。

 

 

……はっきり言おう。黒影では数はともかく

個々の力でアインストに対抗するにはやや不足気味だ。

いや、無尽蔵に出てくることを考えると数でも不利だ。

こうなれば、個々の質に期待するしか……どうやって?

 

〈ブドウスカッシュ!〉

 

〈メロンエナジー!〉

 

悩んでいると、オレンジ色と紫色のエネルギーがアインストの集団に撃ち込まれる。

この攻撃は……?

 

「主任だ、主任が来てくれたぞ!」

 

光実(みつざね)ぼっちゃんも一緒だ!」

 

どうやら、ユグドラシルのお偉いさんが来たようだ。

ふと見ると、さっきのマリカに近い弓手風の鎧を着た白いアーマードライダーと

緑色の中華風の鎧を着たアーマードライダーがそれぞれ弓や銃を構えていた。

あの武器、相当な威力があるな……記録は出来ないみたいだけど。

 

『……セージ。恐らくだが、アーマードライダーの武器や鎧は記録できないぞ。

 原理は不明だが、コピープロテクトみたいなものがかけられている。

 

 にしても……やっぱりあのアーマードライダー、どこかで見たぞ……?』

 

フリッケンの言葉に引っ掛かるものを感じたが、今はそれよりアインストだ。

 

「皆、よく持ち応えた。既に他のエリアに出現したアインストは撃退した。

 インベスも現れ始めているが、警察や自衛隊との協力、そして……」

 

Bonjour.(御機嫌よう) 流石はユグドラシルの装備と言ったところかしらね。

 ボウヤも、あれだけの戦力比の中でよく持ち応えたわ。そこは認めてあげてもよくってよ」

 

その緑色のとげとげモヒカンな鎧を纏ったアーマードライダーからは、凰蓮軍曹の声がした。

い、いつ凰蓮軍曹が変身したんだ!?

 

「凰蓮軍曹!? その恰好は……」

 

「ああ、気になるわよね。

 ワテクシも、使い慣れない装備をぶっつけ本番で実践投入なんて

 アマチュアの考える下手な作戦以下の仕事だと思ってるわ。

 

 ……けれど妙なのよ。このアーマードライダー――ブラーボの事は

 ワテクシ、よく知っている気がするの。

 実際、変身してからすぐにワテクシの身体に馴染んだしね。

 おかげで、インベスやアインストに引けを取ることなく戦えたわ」

 

そう言って、凰蓮軍曹はくるくると小型ののこぎりのような剣を振り回していた。危なっかしい。

しかし、これだけ援軍が来たのならば、ここの守りも確実なものになるだろう。

そう思い、俺は場所を移動しようと提案しようとしたが――

 

――けたたましく、展開しているレーダーが鳴り響いた。

 

上空を見ると、クノッヘンやリッターの他に……黒い翼を生やしたアインスト……?

 

……い、いや! あれは堕天使だ! 何で堕天使がここにいるんだ!?

しかもあの様子は、クロスゲートから出てきた風にも見える! なんでだ!?

 

『堕天使だぁ? 一体どうなってやがんだ? クロスゲートから出てきたようにも見えるが』

 

『……大体わかった。あれは堕天使であって堕天使じゃない』

 

フリッケンの言葉が、それこそ大体わかった。

……うん? だが以前アザゼルは、アインストは初めて見るみたいなことを言ってた気が?

まぁ、堕天使領に襲撃してきたアインストの影響を受けたって考えるのが妥当か。

 

……だが、それに加えて!

 

『セージ。地上も見てみな。インベスだ。しかも生やした実をアインストが取り込んでやがる』

 

アモンの指摘に、今度は地平線を注視するとそこにはインベスの大群がいた。

インベスも、最近は灰色の甲虫みたいな奴に限らず鹿みたいな角を生やした奴に

ライオンみたいな顔をした赤い奴など、様々に種類が増えている。

しかも総じて、甲虫型よりも能力が高いと来た。

その上奴らが繁殖させたドラゴンアップルを、アインストがコアに取り込んでいる。

そうなれば、アインストは強化されさらに手ごわくなる。

 

「……心しろ! このエリアに来た敵の勢力は、今までとは比べ物にならないぞ!」

 

nous faisons!(上等じゃない) 民間人を守るのが軍人の役目よ!

 メロンの君、ワテクシは最後まで戦い抜きますわ!」

 

「僕も、こんなところで負けるわけにはいかないね」

 

やって来たアーマードライダー達の戦意は高い。

それに呼応するように、黒影も劣勢でありながら士気は衰えていない。

 

……ならば、俺も!

 

「ボウヤは帰りなさい……って言いたいとこだけど、敵の数が半端じゃないわ。

 ワテクシ達の背中、預けてもEst-ce que je peux(よろしくて)?」

 

俺は力強く頷き返す。

インベス・アインスト連合軍と、アーマードライダー軍団の総力戦の火蓋が切って落とされた。

 

 

……だからこそ、俺は注意が逸れていた部分もあった。

高揚していた気分で、堕天使の側への注意が僅かに逸れていたのだ。

この時、後方にいた堕天使の相手に向かっていれば。

 

 

 

――姫島朱乃が、あんなことにならずには済んだのかもしれなかったのに。




というわけで遅れましたがBパートも完了です。
本当はブラーボ初変身は別のエピソードでしっかり描こうかと思いましたが……

>ブラーボ
感想欄でご指摘された通り、凰蓮軍曹の性格上「慣れない武器は使わない」と思います
(劇中慣れないロックシードでインベス出したはいいけど暴走させましたしね)

ですが今回は「妙に馴染んだ」のですんなり進んでます
さてこれは「虚憶」なのかそれとも……

>マリカ
冒頭にセージを治療した後どっか行きました
ドサマギでプロフェッサーに合流しているのでしょうけれど。
或いは、別のところで黒影隊の援護をしているか。

余談ですが、登場当初の湊さんを見て「プロフェッサーの指示が無いと何もできない人」と感想を抱いてました。
終盤はまた別の印象が生まれましたが。
別にその観念が反映されては無いと思います。

>戦極ドライバー
これも劇中主任が回復した機能の拡大解釈。
拙作風に言うなら「治療系神器のデータを基に、ロックシードに反映させた」ってとこでしょうか。
つまり黒影トルーパーは回復アイテム対応です。この辺警視庁開発装備にはない強み。
アインストに苦戦してるのは回復量以上のダメージ受けてるとかそんな感じ。

>〆のモノローグ
原作時系列ではバラキエルと和解出来たあたりですが
拙作では和解フラグ全然立ってませんからね。
クロスゲートがあって、アインストがやって来て、這い寄る混沌が現れても
異界の神である乳神の顕現は期待できません。寧ろいります?
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