ハイスクールD×D 学級崩壊のデビルマン   作:赤土

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少し間が空きましたが、投稿させていただきます。

私事(引っ越し)が間近のため、戦々恐々としております。
……データ、飛ばなきゃいいなぁ……


Return to Kuou city. Aパート

ユグドラシルで行われた神仏同盟と北欧神話の会談は、途中怪生物の妨害が入るも

ユグドラシルで開発されたアーマードライダーと、警察、自衛隊の活躍により

妨害を排斥、無事に終了することが出来た。

 

会議の議事録には、こう記されていた。

 

――クロスゲート、未だその全貌は明らかにならず。されどここより出ずる生命体、危険なり。

  禍の団(カオス・ブリゲート)、これを力の源とし移動手段として用いている様子が見受けられる。

  早急な対処を行うべきであり、可能であれば破壊も辞さない。

 

世界各地に現れた謎の環状建造物、クロスゲート。

異なる時間、異なる世界を繋げる門とも呼ばれるそれは

不定期に開閉を繰り返し、その門を通りアインストと呼ばれる怪物が現れる。

 

現在、三大勢力のみならず各国の神話体系はもとより

人類も軍や警察も挙げての防衛を行っている。

そのお陰か、一応の平穏は保たれてはいるのだが……

 

 

――――

 

 

――AM 10:26

  沢芽(ざわめ)市・洋菓子店シャルモン

 

 

検査入院を終え病院を出たセージは、帰宅の支度をしつつシャルモンでケーキを眺めていた。

その眼差しは、戦いの時とは違う意味で真剣であった。

 

「災難だったなぁ、入院なんてよ。体は大丈夫なのか?」

 

少々やんちゃな雰囲気の青年――初瀬(はせ)がケーキを物色しているセージに話しかける。

彼はここシャルモンのパティシエ見習い。オーナーである凰蓮(おうれん)・ピエール・アルフォンゾに

師事しており、セージにとってはある意味の兄弟子である。

 

「ただの検査入院ですので……チョコの無い奴でお勧めってあります? 出来ればフルーツ系」

 

「まあ、大事に至ってないようで何よりだよ……クルミとフルーツのタルト。

 秋も近いからおすすめだぜ?」

 

眼鏡の青年、城乃内(じょうのうち)から季節のおすすめを紹介され、セージがそれを選ぼうとする。

しかし、彼が食べるためではない。お土産だ。チョコが苦手な同居人――同居ネコ?――のために

チョコのなるべく使っていないものを選んでいたのだ。

 

「色々ありましたけど……凰蓮軍曹やお二人には、色々お世話になりました。

 ……あ、フルーツって言っても柑橘系は無しでお願いします」

 

「凰蓮さんほど俺ら何もしてねぇよ……にしても注文多いな。

 城乃内、他になんかいいの無いか?」

 

「メロン系は予算的に辛いだろ? だったら用意できるのってさっきの奴しか無いって」

 

世間話をしながら、ケーキを物色している姿はいかにも一般市民である。

ここが高級洋菓子店であることを加味すれば、さながら金回りのいい

いいところのボンボンにも見えるだろう……少々、ボンボンにしてはガタイはよいが。

 

そして、ガタイのいいのはここのオーナーも同じであった。

 

Chut(静かに)! お客様への応対中に、無駄口をたたかない!

 ボウヤは確かにワテクシの弟子だけれど、今はこのシャルモンのお客様として来ているのよ!」

 

凰蓮の叱責で、少々緩い雰囲気だった初瀬と城乃内はプロとしての表情に戻る。

彼らもシャルモンで凰蓮に鍛えられている……のだが

何故だかパティシエになってしまっている。精神修行の一環、らしいのだが。

 

「……なぁ城乃内。俺達、パティシエ修行初めてそこそこ経つけどよ。

 本当にこれでいいのかよ?」

 

「いいも何も無いって初瀬ちゃん。

 凰蓮さんの言う通り、手に職つけた方が色々いいのは事実だしさ。

 そりゃまあ、チームのみんなが気にならないわけでも無いけどさ……」

 

初瀬と城乃内の二人は、元々ビートライダーズとしてストリートダンスに明け暮れていた。

そこを凰蓮に半ば強引に弟子にさせられた形だ。

その為、言うなればパティシエとビートライダーズの二足の草鞋に近い状態である。

とは言え、凰蓮のシゴキは厳しく、ビートライダーズの情報を集められる状態にはいない。

少なからず、それは彼らにとってフラストレーションとなっていた。

 

「……ふぅ。あの子たちにも困ったものね。あんなアマチュアの遊びのどこがいいんだか。

 またみっちりしごいてやる必要があるわね。

 

 ……にしても、ちょっと惜しいわね。ボウヤも今日駒王町に帰るんでしょう?

 明日はお店がお休みだから、あの子たちのスペシャルメニューに

 ボウヤも参加させてあげたかったんだけど……仕方ないわね」

 

そう言って凰蓮がセージに寄越したメモには、トレーニングメニューが記されていた。

中身は、セージがこの一週間凰蓮軍曹に叩き込まれたメニューである。

 

「メニューを書いておいたわ。駒王町に帰っても、サボるんじゃないわよ」

 

「……あ、ありがとうございます」

 

少々顔を引きつらせながら、セージはメモを受け取った。

中身は基礎訓練ばかりであるが、プロでありフランス外人部隊所属経験のある

凰蓮が記したものであるため、その効果は期待できるものであった。

ただし、セージ向けに記されているためこれを他の者に適用させるのは

少々厳しいものがあるかもしれない。

 

「念のため言っとくけど、そのメニューはボウヤ向けのものよ。

 お友達とかが同じメニューをやったところで、効果が出るとは思わない方がいいわ。

 と言うか、止めときなさい」

 

「……あの、俺より華奢で体力が少なめの人……っつーか、悪魔向けのは……」

 

「あのね。ワテクシはパティシエであって、ジムのインストラクターでは無くてよ?

 誰だかわからない相手のために、トレーニングメニューなんて立てられないわよ。

 そ・れ・に。ワテクシがプロフェッショナルだという事を忘れてなくて?

 プロはいい加減な仕事をしないものよ。

 どうしても欲しければ、その子をワテクシの前に連れてきなさい。話はそれからよ」

 

戦力の底上げのために、セージは木場を鍛えようと思い

木場用のトレーニングメニューが作れないかを凰蓮に聞いたが、その返答は素っ気なかった。

 

しかし、筋は通っている。凰蓮はパティシエとしても、軍人としてもプロフェッショナルだ。

そんな彼が、見ず知らずの木場のためにトレーニングメニューを作ることは無いだろう。

そもそも、見ず知らずの相手のトレーニングメニューは、合理的とは言い難い。

 

「……すみませんでした、忘れてください」

 

「……まあ、ボウヤ自身だけが強くなるんじゃなくて

 チームで強くなろうという気持ちは大事よ。

 

 ただ、ボウヤは後ろで指示を出したり情報を纏めるのは得意みたいだけれども

 前線で誰かと協力して戦うのは不得手みたいね。この間の戦いで、そんな感じがしたわ」

 

図星であった。実のところ、確かにセージは神器(セイクリッド・ギア)のお陰で

情報をまとめ上げるのには長けている。それを活用して指示を出す

所謂司令塔的な役割には向いている。

 

だが、前線で協力して戦うのは、どちらかと言えば不得手――慣れていないのだ。

なまじ分身に頼ってしまっているために、意思疎通の楽な自分との協力に慣れてしまい

他人と協力プレイをするという事態に慣れていないのだ。

 

事実、先日のアーマードライダー部隊との共同戦線はセージの指示自体は的確だったものの

黒影(くろかげ)はおろか、代表である斬月・真(ざんげつ・しん)にも「確かなのだな?」と

何度も念を押されてしまっていた。

 

とは言えこれは、まだ未成年であり実績の少ないセージなのだから

ある意味仕方のないことではあるのだが。

 

(……参ったな。そういや誰かと協力して事に当たるってのは苦手なんだよな……

 今までがうまく行き過ぎていたけれど、今後それが通用する保証は無いしな……

 多分うまく回せそうなのは白音さんや祐斗位か。神器が便利すぎるのも考え物だな……)

 

記録再生大図鑑(ワイズマンペディア)紫紅帝の龍魂(ディバイディング・ブースター)

この二つが噛み合い、途轍もない拡張性を実現させているが

それはあくまでも自分一人での力――フリッケンという外部要素はあるが――だ。

アモンというもう一つの要素もあるが、彼は先述の二つの力と

競合関係にあるため今回は考慮しないものとする。

 

「そうね、追記事項が出来たわ。ボウヤはチームプレイの特訓もしなさい。

 スタンドアローンの兵士にどうにかできるほど、今回の件は甘くは無いわね。

 だからこそ、特訓しなさい。ボウヤの苦手分野は間違いなくそこよ。

 ……勿論、神器とかは禁止よ。最初に言ったと思うけど

 力を使って楽しようなんて考えは捨てなさい」

 

見透かされていた。なまじセージに分身などの能力が備わっているのだから

セージはそれを多用し、賄ってしまっているのだ。

だが、いざそれが使えなくなったとしたら。そうなれば、単独行動していない限りは

チームプレイでの戦いを余儀なくされる。その時に、苦手だからという言い訳は通らない。

 

「わかりました。当てはあるので、何とかやってみます」

 

Faites de votre mieux(頑張りなさい). さてと、注文のケーキが用意できたわ。

 ……ってOh là là(あらやだ). ワテクシとしたことが、無駄口を注意しておいて

 自分が余計なおしゃべりをしてしまったわ」

 

代金を支払い、ケーキを受け取るセージ。

その後ろでは、城乃内と初瀬が微妙な顔をして凰蓮を見ていた。

 

Oh, mince(ああもう)! アータ達、手が止まっていてよ!

 明日の特訓は厳しくいくから、覚悟なさい!」

 

「「ちょっ、そりゃないっすよ凰蓮さん!?」」

 

チームシャルモンの平和な日常。だが、そこにはちょっとした喧騒もあった。

その喧騒に巻き込まれてはかなわないと思ったセージは

買ったケーキを手にそそくさと店を後にするのだった。

 

 

――――

 

 

 

――AM 11:24

  沢芽市・ビートライダーズダンスステージ

 

セージはここで、ビートライダーズの様子をスマホのカメラで記録していた。

連絡先を交換した、城乃内と初瀬に送るためである。

 

(そういや、ここで姉さん見かけたんだよな……)

 

DJサガラに出くわす前、セージはここで憧れの人であり

実質想いを寄せているに等しい存在である女性、牧村明日香の後姿を見た。

見かけたのは後姿であり、顔を確認したわけではないのだが

その後、その後姿が彼女自身のものであるという確証に近い証拠を見つけている。

沢芽市にいれば、彼女にまた会えるのではないか。わずかだがセージはそうも考えていた。

 

だが、その後彼女には会っていない。

発見した証拠によれば、彼女はユグドラシルの試薬モニターに参加している。

試薬モニターとは言っても、入院の必要があるものではなかったのだろう。

だから、入院していたセージと出会うことは無かったのだと、セージ本人は思っている。

……あるいは、別の施設でモニターが行われるため

彼女はそっちに移動しているのかもしれないが。

 

(……姉さん、無事だといいけど……うん?)

 

物思いに耽りながら、撮影をしているセージにふと背後から肩を叩かれる。

振り向いた時そこにいたのは俳優の天道寛(てんどうひろ)――神仏同盟の大日如来と、天照大神であった。

 

「うぇええ!? だっだだだだ……」

 

「静かにしろ、騒ぎになっては敵わん。一応、俳優業としてここに来ることにはなっているから

 そっち方面でごまかしが効くと言えば効くがな。

 

 ……だが、今話したいのはそこじゃない」

 

「私達から、あなたに聞きたいことがあるんです。場所を移動しませんか?」

 

話がある。そう促され、セージは二柱と共に

フルーツパーラー、ドルーパーズへと向かう事となったのだ。




思ったより長くなりましたが、まあCパートまではやらないです。
ただ、タイトルに反してセージが帰るのが遅くなりそうな感じはしてますが。

久々の日常パートに近い流れが出来ました。
この世界では初瀬ちゃんはヘル実食ってないですし、イナゴ怪人もとりあえずいません。

>木場のトレーニング計画
打診しますが、至極当然の理由から却下されてます。プロは技術を安売りしません。
まあ、セージが心配してますが彼らとて特訓していないことは無い……はず……

……仕方のないことなんですが、イチャコラしてる場面しか見えないので
訓練とかどうしてんの? って気になっちゃいます。

木場やギャスパーと言った面子ばっかり特訓して、当のイッセーはイチャコラばっか……
なんて、ゲスの所業も勘ぐれてしまうのは……うーん
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