ハイスクールD×D 学級崩壊のデビルマン   作:赤土

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引っ越しは無事に終わりました
twitterでは毒吐きまくってます

ゲームは嫌いじゃないけど、プレイヤーが本当に嫌いすぎる
リアイベ行けばそんなプレイヤーと嫌でも顔を合わせることになる
でもリアイベは金の許す限り行きたい

ままならぬものですな


Will15. 境界線上の遭遇戦 Aパート

大日如来様、天照様の二柱から声をかけられた俺は、沢芽市のフルーツパーラー、ドルーパーズにいた。

そこで俺はアキシオン・バスターの危険性と黒の菩提樹についての情報を聞くこととなった。

世界には、今なお暗雲が立ち込めている。

 

ドルーパーズを後にした俺の下に、霧島巡査から電話がかかって来た。

そう言えば、あの人も同伴していたはずなんだが配置場所の都合上

会う機会が無かったな。一体今頃なんだろうか?

 

『宮本君? まだ沢芽(ざわめ)市にいるの?』

 

「え? ええ、もうじき駒王町に戻りますが……」

 

『今すぐ戻ってきて! 駒王町のクロスゲートが動き出したの!

 私達と神仏同盟、駒王学園の生徒で対処に当たっているけれど

 クロスゲートのアインストの他にも、見た事のない悪魔が出て来て……!』

 

電話越しの声は、かなり切迫していた。

クロスゲートが動いたというのも大事だが、それ以上に見たことも無い悪魔とは何だろうか?

俺の知っている限りでは、悪魔と人間の見た目の差は殆どないように思えるが……

 

そりゃあ、わかりやすくデフォルメすれば人間とはかけ離れた姿になる事例もあるが

そういうのは、大体はぐれ悪魔だ。

いくら何でも、はぐれ悪魔を未確認の悪魔なんて言うまい。

 

『……まさか、アーキタイプの悪魔……「デーモン族」じゃねえだろうな?』

 

「デーモン族?」

 

アモンが聞きなれない単語を発した。

デーモン族? はて、俺も悪魔の駒(イーヴィル・ピース)の調査のついでにいくらかの冥界の、悪魔の歴史は調べたが

デーモン族なるものについては一切触れられていなかったが……

 

『ぶっちゃければデーモン族も悪魔も同じだ。人間に類人猿、原人とかがあるように

 悪魔にとっての原人がデーモン族って訳さ。俺も分類上はデーモン族になるな。

 ああ、サーゼクスの野郎は違うけどな』

 

「ちょっと待てアモン。今の人類の直接の祖先は既に地球上から姿を消している。

 悪魔は、祖先に当たる存在がまだ生き残っているのか?」

 

人間を基準にするなら、当然の疑問を俺はアモンに問いかけた。

ヒトにせよ、その他の生物にせよ今に至るまでの進化途上の生物は現存していない。

アンモナイトだの言った深海甲殻類の類が生きた化石と言われる所以は

そこにあると思っているのだが。

 

『悪魔ってのは存外進化を是としない生き物だ。

 今の時勢はどうだか知らんが、ゼクラム・バアルって奴の

 シンパにはデーモン族に近い悪魔も少なくなかったはずだぜ』

 

バアル……サイラオーグさんの親戚筋か?

ともかく、意外とデーモン族ってタイプの悪魔は多いのだろう。

そのあたりは、寿命の違いだとかそういう問題が浮き彫りになっている感じだな。

 

『だが、俺も今憶測でものを言ってるからな。駒王町に出たって言う、見慣れない悪魔が

 デーモン族かどうかの判断はまだしかねる』

 

『同族だろう、戦えるのか?』

 

もし駒王町に出たって悪魔がデーモン族だった場合、一番肝要な問題だ。

フリッケンが単刀直入にアモンに聞いていた。

 

『デーモン族ってのは共食いだろうとやってのける種族だ。今更デーモン族同士で争ったところで

 何ら問題にもなりゃしねぇよ……だから滅亡の危機に瀕して

 今の悪魔が生まれるきっかけにもなったんだがな。

 つーかよ、それは人間に一番突き刺さる話じゃねぇのかよピンクの』

 

一説には、原人も食人習慣はあったらしいしカニバリズム習慣は今でもある場所にはある。

その事を考えれば、デーモン族に共食いの習慣があること自体は何ら不思議でもない。

それに、アモンが言う通り同族争いは人間の十八番だと言えるくらいには

人間同士の争いに関しては枚挙に暇がない。

 

……ここまで話を聞いて、俺はデーモン族に近しい存在を思い出した。

 

――はぐれ悪魔。

 

その姿形、習性などは話に聞いたデーモン族と極めて酷似している。

そこに、悪魔の駒の性質だ。これは……

 

『セージ。今はデーモン族についてあれこれ考えるより駒王町に急いだほうがよくないか?』

 

「確かに。土産も買ってあるし、あとは帰るだけだ。頼むぞフリッケン!」

 

PROMOTION-KNIGHT!!

 

騎士(ナイト)」のカードで悪魔の駒の騎士の力を行使し、フリッケンを召喚、バイクに変形させる。

本家本元の悪魔の駒にそんな力はないらしいので

これは俺がフリッケンと共に編み出した力といえる。

ともあれ、これのおかげで長距離移動もできるし

免許もとったからこっちでの移動も十分できる。

 

フリッケンが変形したバイク――マシンキャバリア―で、俺は一路駒王町へと急ぐのだった。

 

 

――――

 

 

沢芽市を出ようと、橋のあたりに差し掛かった際にレーダーに反応が出る。

このレーダーは、悪魔だの神器(セイクリッド・ギア)持ちだのと言った怪異に対して反応する。

勿論、交戦経験のあるアインストやインベスといった怪異や

一部のアーマードライダーさえもレーダーの認識対象として登録されている。

そのレーダーに反応する、ということは……

 

『寄っていく時間は……微妙だな』

 

「だが、背後から撃たれる危険性も生じる以上はここで始末した方がいい気もするが……」

 

そう遠くない場所なので、寄ろうと思えば寄れる場所だ。

だが、今は急ぎだ。なるべく寄り道は避けたいところではある。

しかし、急いで背後から奇襲を受けては元も子もない。

 

『現着と同時に分身を展開して一気にケリをつける方向で行くぞ』

 

「それがよさそうだ、行くぞフリッケン!」

 

マシンキャバリア―を横道に走らせ、レーダーに反応があった地点へと急ぐ。

遠目に見えるのは……あいつは確かフリードと、錠前ディーラーか!

こりゃあ、こっちに寄ったのは正解だったか?

 

SOLID-SWING EDGE!!

 

奇襲を仕掛けるにはマシンキャバリア―はエンジン音的な意味で向かない。

そのため、俺は出会い頭の攻撃を繰り出すために刃付きの触手をいつでも出せるようにする。

マシンキャバリア―に積んでいる単装砲を撃ちたくなったが、道交法の都合上出来ない。

使えないものは仕方がないので、すれ違いざまにこれで切り裂く算段だ。

 

「テロリストにかける情けなんかない、ふん縛って連行するぞ、フリード!」

 

「いきなり出てきてなんなんだよ!?」

 

触手を使ったのは、相手を捕縛できるメリットも兼ねてだ。

刃付きになったことで、精密作業には向かなくなったが縛るくらいはできる。

まして、丁寧に扱わなくてもいいフリードが相手だ。乱暴に扱っても問題あるまい。

元々射殺許可出てるって話らしいし。

 

「……けどな大事なこと忘れてねぇかクソ悪霊よ?

 初っ端の必殺技は失敗フラグだってなぁ!」

 

別に必殺技のつもりはないが、フリードの言う通り触手は奴の召喚した魔獣に

あっさりと千切られてしまった。

おまけに展開した分身も、残り二体の魔獣に抑えられてしまっている。

仕方なく、俺は分身を消して攻撃を仕切りなおすことにした。

向こうもいきなり三体同時召喚とか、大盤振る舞いだな。

短期決戦なら、望むところだが。

 

「久々に随分な挨拶をかましてくれた礼によ、俺も面白いものを見せてやるぜぇ……?

 来いよ菫の猛毒蛇(パーピュア・サイドワインダー)鈍色の鋼皮角(アイゼン・シュラオペ)朱の空泳魚(ロッソ・スティングレイ)!」

 

フリードの号令で、奴の魔獣が集結する。

こいつら、気のせいか戦うたびに連携が取れてきているような気がする。

このままでは……まずいかもしれない。

こいつらも、なるべく早いうちに処理しておかなければならないかもしれないが……!

 

「見せてやるよ……こいつらの新しい力をなぁ!」

 

フリードの号令で、三体の魔獣が光り輝く。

次の瞬間、その三体が……

 

……合体、したようだ。

 

鈍色の鋼皮角(アイゼン・シュラオペ)の胴体に角、朱の空泳魚(ロッソ・スティングレイ)の鰭を翼にし菫の猛毒蛇(パーピュア・サイドワインダー)の尾と頭。

合成獣(キメラ)。この単語が一番ふさわしい相手だろう。

 

帰結する殺戮者(ユナイト・ジェノサイダー)……ってところだな。こいつの力、とくと味わいやがれ!」

 

今度の大型魔獣、動きは鈍重だがパワーもリーチも今までの比じゃない。

幸い、エイヒレの羽は飾り以上の意味をなしていないようだが……

そもそも、こんなのがついているんじゃ本体たるフリードをまともに攻撃できない。

大型魔獣が、うまい具合にフリードの攻撃を防いでいるのだ。

 

魔獣製造(アナイアレイション・メーカー)もいい仕事しやがるな。これだけの戦力が手に入るなんてよ!

 これさえあればヴァーリやイリナの抜けた穴が十分に埋められるぜ! それに加えて……」

 

〈コネクティング〉

 

フリードの持っていたロックシードが起動すると同時に、どこからともなく緑色の鎧武者のような巨大ロボや

二足歩行の大型マシンなどが群れを成してやってきた。

ロックシードで起動させたってことは……インベス、いやロックビークルか!?

 

『数が多い、分身しろセージ!』

 

「ああ!」

 

DIVIDE!!

BOOST!!

 

DIVIDE!!

BOOST!!

 

分身を生成し、数に対処できるように立ち回ろうとする。

のだが、相手がザコばかりならばいざ知らず、初見の大型魔獣や

それなりに腕の立つフリードもいる。

こうなると、立ち回りは慎重にいかなければならない。

手札を活用し、かけられるだけの手札バフをかけた上で切り込むが

やはりというか、なんというか鎧武者や大型魔獣の装甲は厚い。攻撃が通りにくい。

 

〈ジャイロモード〉

 

おまけに鎧武者は変形して空まで飛んでくる始末。

一体にかかる費用が半端なさそうだが

これを量産するとかユグドラシルは本当に何考えてるんだ!?

インベスやアインスト対策だと思いたいところだが……

そもそも国の、防衛省の許可は下りたのかよ!?

 

「おうおう、景気よくぶっ放してるねぇ……

 お得意さんなら、俺もサービスさせてもらうかな、っと!」

 

さらに、フリードと話していた錠前ディーラーもその手にロックシードを握っていた。

黒影とは違うタイプのベルトを着けて。あれは……

 

……斬月・真と同じタイプのベルトだ!

 

〈チェリーエナジー〉

 

「変身!」

 

〈ロック・オン! ソーダァ……〉

 

〈チェリーエナジーアームズ!〉

 

錠前ディーラーがサクランボを被って変身した姿は、北欧のバイキングを思わせる角兜に毛皮。

左側を重点的に防護した赤い鎧を纏ったアーマードライダー。

得物として斬月・真と同じ弓を携えている。

中身はともかく、外側のスペックは斬月・真と遜色ないとみるのが自然だろう。

つまり、手ごわい。

 

「プロフェッサーはこれの事をアーマードライダー・シグルドなんて呼んでたなぁ。

 俺がシドって呼ばれてるからって名付けたんじゃないだろうな?

 ま、なんにしてもてめぇも運がなかったな。取引現場を見なかったことにしてれば

 命だけは助けてやってもよかったんだがよ」

 

「……気に入らねぇ名前だな。俺はディーラーの旦那と違って、生かして返すつもりは無いぜ」

 

「……まぁそういうこった。運がなかったと思って諦めなクソガキ!」

 

囲まれた上に、相手はそのほとんどが初見だ。

これは、記録再生大図鑑(ワイズマンペディア)では苦しい展開になるかもしれない……!




シド参戦。
シグルドって名前にフリードが反応しているのは原作ネタ。

ジェノサイダーとゲネシスライダー、無人スイカアームズの同時相手とか
なんでこうセージの前には強敵かついやらしい組み合わせばかり出てくるん?

>フリードの魔獣
あれだけ王蛇ネタ使えば、合体させないわけにもいきますまい。
というかフリード自身がよく無事に帰ってこられたような。

原作ではキメラにされたフリードですが、こちらではキメラを使役する側です。
この辺も意識しておりました。

>フリードの言及していたこと
イリナは既にイッセー(というかナイア)の手に堕ちているため
もう禍の団も天使もどうでもいい状態です。
イッセー(というかナイア)を妄信した狂信者となり果ててしまってますので
今時分テロリストに手を貸すなんてこともないでしょう。

ヴァーリは……原作以上に迷走してるかも、こいつ。
いやだってセージとは全然因縁ないし。
家庭の事情持ち出されても「知るかボケ」で一蹴されそうな世界ですし。

>シド
何気に台湾マフィアだけじゃなくてテロリストとも取引してることが発覚。
グレーどころか真っ黒ですが、ユグドラシルが既に……なので。

パーソナル転送システム(ゲシュペンスト)と戦極ドライバー(黒影)、使うならどっち?

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