そして、社会見学のユグドラシル編終了です
「そこまでだ。君たち二人が争っても何にもならないだろう?」
空からやってきた青いスーツに黄色の鎧を纏ったアーマードライダー。
祐斗の話が正しければ、デュークというとんでもなく強い奴らしい。
スイカアームズが無くなったというのに、また新手か。
これは、一体どうすればいいんだろうな。
「プロフェッサーか? チッ、なんだよわざわざこっちに来て。
俺の仕事を取りに来たって言ったなら、流石に怒るぞ?」
不機嫌そうに戦闘態勢を解く二人。
……この時点で俺の目論見が外れたって事で雲行きがまた怪しくなったのに
祐斗の話ではデュークはかなり手ごわい相手だという。
スイカアームズが抜けて、デュークが来た。
数は兎も角、あまり状況は変わってない気がしてならない。
「君とは初めましてだね、フリード・セルゼン君。私は
ユグドラシル・コーポレーションでロックシードの開発をしている。
君が使ったロックシードは、全部私の製作で、私の趣味だ。いいだろう?」
「けっ。初めましてならその面妖なマスクを取りやがれってんだ」
「これはすまない。だが、この辺りで不穏な反応が検出されたからね。
万が一にも備えて、防護服という意味でも
アーマードライダーシステムは使っておきたかったのさ」
フリード。こいつは言動こそエキセントリックだが時折こうして真っ当なことを言いやがる。
もしかして、環境がアレだったこうなっただけで、元来の性質は……
いや、それよりも今デュークが気になることを言っていた。
不穏な反応? 俺のディーン・レヴのことだろうか?
「で、シド。私はそこに転がっている宮本誠二の身柄拘束を依頼したはずだがね?」
「仕方ねぇだろ。そこにいるフリードが邪魔しやがったんだからよ」
「……チッ!」
ばつが悪そうにフリードが舌打ちしている。流石に状況は読めるらしい。
だが、俺の状況は一転どころか悪化した気がする。
スペックがシグルドと同等で、祐斗の話によれば特殊能力持ち。
人間の道具だから聖槍で封じることもできない。
……あ、これダメな奴かも。
「まぁいいさ。私自身彼――と言うか、彼の
彼に
私の友人が『こいつを引き渡せ』って煩くてねぇ。引き渡す前に実験くらいはできるだろうから
一刻も早くデータを取っておきたいんだよ」
戦極凌馬……確か、魔王とつながりのある人物だったはずだ。
となると、この場合引き渡す相手ってのは間違いなく、魔王絡みだろう。
そうなれば、当然俺は生きては帰れまい。ここでつかまるのは、終わりを意味する。
……だが、この戦力差をどう覆す?
『万事休すか。だが……
……セージ! 気をつけろ、何かが来るぞ!』
アモンの呼びかけに何かってなんだよ? と疑問に思う間もなく
俺達の背後に現れたのはクロスゲート。
ユグドラシルタワーの上空にあるんじゃなかったのか!?
しかも、稼働している……!
いや、確かにクロスゲートは自律移動の可能な建造物ではあるが――!
「ビンゴだ! やはり私の見立ては間違っていなかった!
このクロスゲート、過去に
クラックとも違う次元転移装置と聞いて、私が目を付けたのはデヴァ・システム!
これだ! これならば、クロスゲートの研究も大きく進む!
やはり私の見立てに間違いはなかった! 私の研究こそが、世界を大きく変えるんだ!」
デヴァ・システム? 聞いたことのない装置だが……それ以上に!
クロスゲートが現出した以上、いつアインストかラマリスが出てきてもおかしくない!
状況を顧みず、俺は思わず立ち上がった。
フリードやシグルドは、面食らっているようだが……好都合!
「クソ悪霊! てめっ、まだ生きてやがったのか!?」
「今はお前らに構ってる暇はない!
アインストかラマリスが出てくる前に、クロスゲートを何とかしないと!」
フリードを無視し、俺はクロスゲートに向き直る。
後ろではシドがデュークに詰めているが……相手している暇もない。
「どういうことだよプロフェッサー! これ、一体何なんだよ!?
クラックとはどう違うってんだよ!?」
「まあまあ落ち着き給え。クロスゲートはあらゆる次元、時空をつなげる門。
ヘルヘイムの森にしか繋がらないクラックよりも、より多くの可能性を秘めたものさ。
そこから生まれる力は、クラックの、インベスのものとは
多様性という意味で比べ物にならない。
私はゆくゆくは、このクロスゲートの力を用いたロックシードを開発しようと思っているのさ。
その試作品、ぶっつけ本番だが試してみるとしようか」
そう言うと、デュークはゲネシスドライバーを外し変身を解除する。
そこに現れたのは、白いメッシュの入った白衣に黒いパンツを履いた長身痩躯の男。
こいつが、戦極凌馬か!
「旧式の戦極ドライバー対応のロックシードでしか性能を発揮しきれないのは
今後の研究課題だが……まあ、いずれ改良すればいいことだ」
〈ビルド!〉
〈ロック・オン!〉
「変身!」
空に開いたファスナーから現れたのは果物――ではなく
ウサギと戦車を象った眼をした赤と青の頭。
頭が落ちてくるってのはかなりシュールだが……
なんだか、どこか面ドライバーに似てる気がする。あるいは、アーマードライダーの頭とか。
〈カモン! ビルドアームズ!〉
〈ボトル・オブ・ジーニアース!〉
「クロスゲートから得た力で生成したロックシード。その名もビルドアームズ。
知ってるとは思うが、ビルドとは『作る、創造する』という意味のビルドだ。
どうだい、私にふさわしいだろ?
即ちこれは、アーマードライダーデューク・ビルドアームズってところだね」
「……見てくれは変だが、自分から身体張るなんざいい度胸してやがるぜ。
少なくとも、実験用の人間を集めるだけだったバルパーのクソジジイや
教会のクソッタレどもに比べれば好感は持てるぜ、てめぇ」
ハンドサインでフリードの口の悪い賞賛に答えながら、デューク・ビルドアームズは
ドリルを模した剣でこちらを狙ってくる。くそっ、やっぱり狙いはこっちか!
相手は試作品とはいえ万全、こっちは満身創痍。正直どう考えなくとも不利だ。
辛うじて、回復のカードを切ることで態勢の立て直しは図れているが。
というか、クロスゲートから何かが出てくるかもしれないって時に
何考えてるんだ、こいつらは!
斬りかかってくるデューク・ビルドアームズの攻撃を往なすが
俺は逃げるので手一杯だった。そもそも、クロスゲートが稼働状態であること自体
好ましい状態とは言えない。どうすればいいんだ!?
「ハハハハハハッ! どうやら、フリード君やシドとの戦いで相当消耗したようだね。
これでは私の満足いくデータ収集はできそうにないな?
まだ、リアス・グレモリー君の方が頑張ってくれていたよ?」
クッ、祐斗の話は本当だったか。別に疑っちゃいなかったが……これは。
しかも悪いことに、デュークの力は祐斗に聞いていたからある程度検索しなくともわかるが
こいつは……わからん。ダメもとで検索をかけてみるか!
ERROR!!
――検索できない!? 検索できないほどに消耗しているつもりは無いが……っ!
二度目はあるまい。
『恐らくだが、あのロックシード……クロスゲートの向こう側の力で作られている。
いつぞやのシスターと同じだ。クロスゲートの向こう側の存在は
あの人と? ならば合点は行くが……
うん? となるとアインストは? あれもクロスゲートの向こう側から来たんじゃないのか?
過去アインストは何とか検索出来ていたはずだが。
もしかして、アインストって本当は……
「さて、こっちも長い間の変身は機材に負荷がかかるのでね。これで終わりにさせてもらうよ!」
〈ビルドスパーキング!〉
複雑な数式の嵐と共に、こちらに攻撃を仕掛けてくるビルドアームズ。
流れてくる数式は正直よくわからないが、それより攻撃がヤバそうだ。
これしかないと判断し、カードをリロードしてディフェンダーを再生成したが
当然、ガードは遅れるわけで……
「はっ!」
「うわあああああああっ!!」
――クロスゲートの手前まで吹っ飛ばされた。ディフェンダーも取り落とした。
ダメージが大きすぎて、うまく動けない。次の攻撃は恐らくまともに避けられないだろう。
こ、今度こそ本当にダメか……!?
「んー、やっぱ調整が甘いな。狙いが僅かにずれてしまったよ。
ま、クロスゲートの研究はあてができたからゆっくり進めればいいか」
「プロフェッサー、いつの間にこんなロックシードを作ったんだよ?」
変身を解いた戦極凌馬と、シドがなにやら話している。
フリードだけは俺を睨みつけているので、隙を突くのも難しい。
『セージ。俺に代われ。この場を突破する方法ならある』
(アモン、お前に代わったらフリードが……)
『俺の魔力ならたんまりある。モーフィングはできるだろう?
モーフィングで隙を突くくらいはできるはずだ。フリード一人くらいならな』
そうか、モーフィングで煙幕なりなんなり焚いて、その隙に逃げるわけだな。
よし、なら早速アモンに代わろう、頼むぞアモン!
「……ふぅ。やっと俺の出番か。逃げるだけってのが引っかかるが
俺もこいつもここでやられるわけにはいかねぇからな……っと!」
「あっ! てめぇ!」
モーフィングで砂煙を煙幕切り替え、それに気づいたシドと凌馬が反応するも、時すでに遅し。
いち早く反応したフリードも、煙幕に視界が遮られている。
ここさえ振り切れば、何とかなる。
……だがアモン、どこから逃げるつもりだ?
「よし、ここを通って逃げるぞ!」
そう言ってアモンが突っ走ってる先は――クロスゲート。
ま、まさかここから逃げるってのか!? 無茶が過ぎる!
(無茶だ! どこに出るのかもわからないルートを通るなんて!)
「正攻法じゃ奴らは振り切れねぇ! 飛んだところでフリードに撃たれる!
ならこっちから逃げた方がいい!」
『……大体わかった。セージ、腹くくれ』
フリッケンは納得している。おい、俺は納得してないぞ!
だが、アモンの言うことも一理あるといえばある。逃走ルート確保してないし。
まして相手が本気で狙ってきてる――少なくとも、俺にはそう見えた――以上
正攻法の逃走を図るのは正直無理だろう。
それに、シグルドやデュークまで追跡に来られたら、まず間違いなく勝てない。
……やるしか、ないのか!
「……まさか! フリード君、シド、奴を逃がすな!
奴め、クロスゲートから逃走を図ろうとしている!
クロスゲートから逃げられたら、追跡は不可能だ!」
「逃がすかよ、クソ悪霊!」
シドがけしかけたインベスや、フリードの銃撃を掻い潜りながら
俺たちはクロスゲートに突っ込む形になる。
輪をくぐった時点で、景色が大きく歪む。
まるで、果てのない大きな穴に落ちたように。
これに似た感覚は、過去体験している。
白金龍と出会う、その少し前に次元のはざまに落ちた時だ。
「うおおおおおおおっ!!」
「野郎っ!」
後ろの方で声が聞こえる。フリードの叫び声と、諦観したような凌馬の声。
だが振り返っても、顔を見ることはかなわない。なぜなら――
身体の自由が利かず、ただ自由落下に任せている形だからだ。
――――
「無茶させちまったな……悪ぃ」
(全くだ。ここからどうやって出るんだ)
『彷徨っているうちに出口には出るだろう。あれだけクロスゲートが開いているんだ。
どこかしらには出られるはずだ』
事態は、とんでもない方向に進んだとしか思えない。
だがあのまま捕まっていれば戦極凌馬のモルモットにされた後
魔王に身柄を引き渡されていた。
そうでなくとも、フリードの私刑を受けてただでは済まなかっただろう。
そういう意味では、まだ未来に進む道があるだけマシということか。
――だが、それは俺の大きな楽観視だった。
クロスゲートに漂っているものが、ディーン・レヴに大きく影響を与えていることを。
そして、俺自身や、アモンにも影響を及ぼしていることを。
その時の俺たちは、知る由もなかったのだ――
逃走にクロスゲート使うとか確か第三次αかムゲフロであったような、なかったような……
今回はOG設定兼ねてるのでえらいことになってると思います。
>ビルドアームズ
都合上レジェンドロックシードはドライブまでしかありませんでしたが
ゴースト、エグゼイド、ビルドとそれ以降のロックシードがあれば
こうなったかな、というifの産物です。
音声は洋風音声(レモンアームズが洋風音声なので)です。
二人とも天才だけどベクトルは全然違いますよね(同じだと困るけど)。
必殺技はボルテックフィニッシュ風。ジオウビルドアーマーみたく
「よくわかんない数式」にはなってません。セージが変身した場合なるかもしれませんが。
(というかソウゴが特別アレでなくとも、戦兎クラスを高校生でってのは色々無茶が……)
>クロスゲートとデヴァ・システムの繋がり
強ち的外れでもないと思ってます。
どちらも強い念に影響を受けるようですし。
デヴァ・システムはお粗末とはいえ世界一個作れるほどヤベー代物です。
一応、作ったのは(ニャル様の入れ知恵があった可能性は高いですが)人間ですし
これで人間側からクロスゲートへの干渉のカギがこれで出ましたが
見つけたのがよりにもよって凌馬である以上、ろくなことにならなさそうな……
でも各神話勢力・三大勢力共にクロスゲートへの有効な対処法がまだない以上
これで人間リードしちゃうんですよね……
それが後々酷いことにならなきゃいいんですが。
>クロスゲートの中に漂っているもの
OGMDでは、これでサイバスターがえらいことになったりしてますが
(より正しくは積んでるもののせいですが)
今のセージもこれに近い状態ではあります。