ハイスクールD×D 学級崩壊のデビルマン   作:赤土

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かなり、お待たせしました。
思いのほか多忙でして……

https://twitter.com/deep_sea60/status/1277574356491624448?s=20

ペル2罰20周年を祝うタグでなぜか石踏氏の垢が。
関係ないでしょお!?


Will17. 暴かれつつある虚憶 Aパート

駒王警察署に現れたデーモン族。

奴らが狙っていたのは、案の定避難所の人達だった。

辛うじて、待機していた超特捜課の人達と、援護にやって来たゼノヴィアさんと光実(みつざね)のお陰で

撃退することができた……うん? 光実?

 

そういえば戦っている最中、アモンの力が抜けて危うく墜落しそうになったが

反対にアモンの声は聞こえるようになった。一体何なんだ。

これは暫く、アモンの力を使うのは様子を見ながらの方がいいかもしれないな。

一時的なものかどうかさえ分からない。本番で不具合起こされても困る。

ディーン・レヴじゃあるまいし。

 

考えを纏めていると、俺を呼び寄せた霧島巡査が驚きを隠せない様子で俺に問いかけてきた。

おいおい、呼んだのはそっちだろうが。

 

……だが、その驚きの理由を考えれば納得がいく。沢芽(ざわめ)市から駒王町は

あ嚢な限りのショートカット、法定速度ギリギリといった道交法を遵守した上で

バイクで一時間以上はかかる。高速道路は封鎖されていて、使えないし。

 

こんなに早く、しかも別の場所からバイクも使わずに駆けつけてくるはずがないというのだ。

いや、飛んではきたが。しかしそれも、駒王駅前で既にデーモン族と一戦交えた上での話だ。

それは向こうだって知っている。長々と語ったが、要するに時間が合わないのだ。

 

「宮本君、確か連絡を入れてから一時間するかしないかの時間しか経ってませんが

 本当に沢芽市からどうやって帰って来たんですか?」

 

……どう考えなくても、クロスゲート潜って来た影響だよな……

隠してもしょうがないので、俺はその件に関しても包み隠さず話すことにする。

 

「戻る途中、ユグドラシルのアーマードライダーに襲われましてね。それとフリード。

 それで死に物狂いで逃げる際に、無我夢中で飛び込んだ先がクロスゲートで……

 気づけば、駒王駅前でした。それがついさっきの出来事です」

 

俺の話した内容に、その場にいた全員がざわめく。

俺の身の安否を気にかけて来るのはもとより、ユグドラシルのアーマードライダーの件に

クロスゲートを生身で突破して、かつドンピシャでこっちに来た件。

時間のずれがある以上、完全なドンピシャとは言い難い気もするが。

 

「……確かに人間が生身でクロスゲートを通った、というケースについては前例を聞いているが。

 その……大丈夫なのか? 後遺症とか」

 

蔵王丸(ざおうまる)警部もあからさまに腑に落ちない感じで、俺に質問攻めをしてくる。

あの、それなりに俺疲れてるんですが。

とはいえ、一応の上司なので無碍にもできない。いくら外部協力者とはいえ、こればかりは。

 

「時差ぼけについては何とも言えないですね。体調面については……

 自覚範囲の中では、特に何も」

 

自覚している限りでは、わからんのだ。ディーン・レヴの異常反応とかはあるが

超特捜課にもまだディーン・レヴについては話していない。

ここから話すとなると、少し面倒だ。

怒られるかもしれないが、こうなったら……

 

「警部、すみませんが俺も長旅で疲れてます。後日リアス・グレモリーらにも

 今回俺が得た情報を伝える予定ですので、その際に一緒に説明したいのですが、いいですか?」

 

「それはいいが、予定はいつだ?」

 

「明後日です、学校があるので、その後になりますが」

 

俺が取った方法。それは、超特捜課にも俺が得た情報を話し

グレモリー先輩らとの情報の共有を図るというものだ。

デーモン族などという、悪魔と切っても切れない関係にある相手が出てきた以上

少なくともグレモリー先輩とは情報を共有すべきと思ったが……

向こうの保有している情報が少なすぎる――寧ろ、ない――ので

結局俺が一方的に話すことになるかもしれないが。

 

「しょっちゅう呼んでおいて言うのもなんだが、お前も忙しいな。

 わかった、今日明日は休んどけ。警備については俺らが何とかする。あてもあるしな」

 

蔵王丸警部との話にケリがついたと思ったら、後ろから光実に声をかけられる。

……う、さっきアーマードライダーの話を出したのが仇になったか……?

 

「成二さん、さっきアーマードライダーに襲われたって……それは本当なんですか?」

 

「残念だけど、事実だった。国際指名手配犯のフリード・セルゼンと組んで俺を狙ってきた。

 後は……信じられないかもしれないが、戦極凌馬(せんごくりょうま)っていうユグドラシルの偉い人らしいのも

 俺――というか、俺に憑いているもの(フリッケンやアモン)を狙ってきた。聞いたことあるか? 戦極凌馬って名前」

 

俺の発言に、光実は明らかに顔色が変わった。

少なくとも、俺を狙ってきたアーマードライダーは、タワー前で攻防戦に参加していた

アーマードライダーじゃなかった。光実にとっても、やはりアーマードライダーってのは

一枚岩どころかかなり分かれている存在みたいだ。

 

「聞いたも何も、アーマードライダーシステムを作った張本人ですよ。

 僕の龍玄(りゅうげん)も、貴虎(たかとら)兄さんの斬月(ざんげつ)や斬月・真も、ひいては黒影(くろかげ)

 全部彼の製作です。彼専用のロックシードがあるって噂には聞いてましたが、本当でしたか……

 しかし、それより解せないのは国際指名手配犯と行動を共にしていたって点ですね。

 正直、戦極凌馬って人間には不可解な点も数多くありますが

 国際指名手配犯とつるんでいるってのは、殊更に不可解ですね」

 

国際指名手配犯とつるむ奴なんて、そうそういない。

というか、そもそも黒影は台湾マフィアである天道連(ティエンタオレン)に横流しされている。

そのことを考えれば、戦極凌馬がフリードと繋がっていても別段不思議ではないが……

とはいえあれは寧ろ、戦極凌馬と繋がっていたというよりは

ディーラーのシドのつながりと言った方が正しい気がするが。

 

「僕も聞いたことはあります。アーマードライダーシステムの不正利用の件については。

 しかし、性質の悪いことに量産型の黒影を使用しているため、足取りが追えなかったんです」

 

なに? おいおい、それが本当なら相当なザルか、意図的に情報を隠蔽されているかだな。

俺でさえ既に黒影が天道連に利用されているという事を知っているというのに。

或いは、内側だとわからないこともあるという事か?

これは隠すべき情報ではないと思い、俺は光実に黒影の行方を話すことにした。

 

「黒影が……台湾マフィアに? 本当だとしたら由々しき事態ですね。

 わかりました、この件は僕の方から兄さん――呉島(くれしま)主任に伝えておきます」

 

「そのことなんだが、俺達警察のお墨付きも加えていいか?

 沢芽市の警察が何やっているのかは情けない話だが知らんが

 少なくとも俺ら駒王警察署……っつーか警視庁だな。

 俺達は天道連が特別な装備を運用していることを知っている。

 その件について、ユグドラシルに事情聴取を行いたいからな」

 

蔵王丸警部からのお墨付きも出てしまった。確かに大企業の開発したものが

反社会組織に横流しされ、運用されているというのはよろしくない事態だ。

というか、あれだけの事態が起きていてまだ事情聴取すら

満足に行われていなかったことの方が驚きだが。

ユグドラシル、やっぱ色々とヤバくない?

 

「……警察に支援に来ていて言うのもなんだが、私はあまり警察にいい思い出がないな……

 いや、今にして思えば自業自得なのはわかるんだが」

 

「ああ、そういやお前は公務執行妨害でしょっ引かれたんだったな?

 せっかくだからこの光実ってガキに語ってやれ、お前の武勇伝を」

 

一方、警察に来ていたゼノヴィアさんだが

以前やったことがやったことなだけに肩身が狭そうだ。

安定して安玖(あんく)巡査が煽ってるし……おまけに振られた光実もリアクションに困ってるし。

 

「よさないか安玖。今のは普通に訓戒ものだぞ」

 

蔵王丸警部の注意が入る程度には、やはりまずかったらしい。

悪びれる様子もなくアイス齧ってる安玖巡査もだが、この人本当に警官なのか? と気にはなる。

ただ、言っちゃなんだがこれも超特捜課の日常っぽく思えて、ある意味落ち着く。

こういうやり取りで平穏を感じるってのも、どうかと思うが。

 

ふと、警らに出ていたと思しき警官がやってきて蔵王丸警部と何か話している。

俺は確かに警察協力者だが、それは超特捜課絡みの件のみだ。

通常の警察業務に関しては、俺の立場は一般市民のそれと変わらない。

なので、足早に出て行った蔵王丸警部が何の用事で出て行ったかはよくわからない。

 

……が、おそらくは以前裏道使ってイギリスから来たルフェイとかいう子に関してだろう。

そういや、あの一件どうなったんだろうな。

沢芽市じゃアーサーって奴の話は聞かなかったし、聞くにしてもなんだかんだで

俺は会場でも北欧神話の神々とは対話していない。話したのはお忍びの天照様くらいか。

偶然出くわしたような天照様は兎も角、北欧の神々は俺が関われる相手じゃない気もするが。

アーサーとか言う英雄派に出奔した男の話を思い出していると、また別の警官が駆け込んできた。

 

「警部! 大変です!」

 

「タイミング悪ぃな。蔵王丸のおっさんならさっき出て行ったぞ。

 只事じゃなさそうだが、何があった?」

 

この場にいない警部に代わり、安玖巡査がぶっきらぼうながらも応対をしている。

促される形で答える警官によれば、テレビでなにやら大変なニュースを流しているとのことだが……

話を聞いた俺達は、部屋にあるテレビをつけてみることにした。

 

『――沢芽市のユグドラシルタワー爆破事件に関する続報です。

 

 ユグドラシル・コーポレーションは、先の事件に際し実行犯と目される

 自称テロ対策チーム『D×D』メンバーの映像、顔写真を公表しました。

 また、犯行の瞬間の映像がこちらになります。ショッキングな映像を含んでおりますので

 視聴の際には、十分なご配慮をお願いいたします』

 

そうして流された映像。ユグドラシルタワーの監視カメラであると明記されている。

映像は白黒で不鮮明だが……確かに、魔力のようなエネルギー的なもので

タワー内部で破壊活動を行っている風に見える。

 

だが、この服は……パッと見、駒王学園の制服のようにも見える。

それに、女子の制服だ。これ、もしかしなくても……

 

そもそも、駒王学園の女子で、直近にユグドラシルタワーに行った奴なんて限られてる。

このタイミングでとなればほぼ確定だろう。

ここから導き出される情報は――

 

 

――リアス・グレモリーらこそがD×Dであり、テロリストであるかもしれない――

 

 

「マジかよ……これ、駒王学園の……!」

 

「ああ……間違いない。リアス・グレモリーだ」

 

「場所もユグドラシルタワー内部で合ってますね。

 まさか、僕があそこで戦っていた裏でこんなことを……!!」

 

当たり前だが、見知った者がテロ行為を働いている、その映像にはショックを隠し切れずにいた。

特に光実はショックが酷いようで、酷く動揺している様子が見て取れる。

その衝撃は、次に公開された顔写真でさらに加速度的に増すのだった。

 

『続きまして、ユグドラシル・コーポレーションが監視カメラに収めた映像から割り出された

 D×D構成員の顔写真になります』

 

『これは……みんな少年少女じゃないですか。

 少年兵によるテロリズムとは、到底許せるものではありませんね。

 以前お話していた李氏の懸念が、的中してしまった形になるのでしょうか』

 

コメンテーターが何か言っているみたいだが、正直俺の耳にはあまり入ってこなかったし

ゼノヴィアさんや光実の狼狽具合が酷く、そっちの方が気がかりだった。何せ――

 

 

リアス・グレモリー

 

姫島朱乃

 

アーシア・アルジェント

 

木場祐斗

 

そして……呉島光実

 

彼らの写真が、D×D構成員として公表されてしまったのだ。

実際のところ、犯行現場に光実は映っていなかった。

しかし、その前に他の4人と行動を共にしていたところを目撃されていた。

それが決定打となり、D×D構成員と見做されてしまったようだ。

 

「バカな……僕が……テロリスト……!?

 しかも、ユグドラシルが僕を……!?」

 

「アーシア……いや、アーシアがテロリズムに身を窶すとは思えん。これは何かの間違いだ。

 ミツザネ、お前の写真も何かの間違いだろう。私には、そうとしか思えん。

 

 ……リアス・グレモリーと姫島朱乃については、私も擁護できんがな……」

 

ゼノヴィアさんの意見には同意だ。擁護できない点も含めて。

付け加えるなら、祐斗もテロリストに加担するとは思えない。

それくらい、この報道には違和感を覚えてならないのだ。

 

『……セージ、これは何か恣意的なものを感じるぞ』

 

『俺も同意見だ。いくら民衆が仮想敵が欲しいっつったって、チョイスが限定的過ぎる。

 まるで、こいつらを陥れるために誰かが仕向けたか

 あるいはサーゼクスの野郎を煽ってるとしか思えんな』

 

さっきまでの穏やかな雰囲気が一転してどよめく超特捜課内部。

そんな中、光実のスマホに通話が入ったみたいだ。

 

「もしもし……兄さん!? ……うん、僕は今のところ無事だよ。

 ああ、僕はそんなことをしていないし彼らと関わったのだってあくまでも企業見学の体だ。

 それ以上は何も関わっていない。

 幸いにして、こっちの警察は話が通じそうだからね……

 

 ええっ!? 沢芽市は今そんな状態に……?

 ……となると、今僕が沢芽市に戻るのはあまり得策じゃないか……

 大丈夫、僕だって呉島の男だ。これ位の逆境は乗り越えて見せるさ……うん。

 兄さんも気を付けて。藤果(とうか)さんにもよろしくね。それじゃ……

 

 ……兄さん――呉島主任からだ。

 さっきの報道で、沢芽市は少なくない混乱が起きているみたいだ。

 何せ、ユグドラシルの関係者が自社ビルを爆破する手引きをしたようなものだからね」

 

今の報道で、期待の新人が一転してテロリスト扱いになったってわけか。

その辺は、何か冥界でも似たような事例が起きているような……?

その冥界の期待の新人(?)に関しても、続く報道でついに語られることとなった。

 

『そして、こちらが「D×D」の首謀者と思しき者の写真です。

 赤い鎧に身を包み、その素顔は今もって不明のままです……』

 

『おや? これは……かつて駒王町で暴れまわった赤い怪獣に酷似しておりますね?

 あれも「D×D」の送り込んだ生物兵器的な何かなのでしょうか?』

 

……確かに、あの赤い鎧は「赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)」に酷似している。

だが、あれの宝玉は緑だったはずだ。金色じゃない。

しかし、それに気づくのは精々実際に戦った俺らだけだろう。

おまけに、大々的な騒動を起こした覇龍(ジャガーノート・ドライヴ)と結び付けられようとしている。

そうなってしまったら、少なくとも一般向けに説明するのは難しいんじゃないか?

 

――報道されたD×D首魁と、兵藤一誠が同一人物とは限らない――なんて。

 

これは、かなりマズいかもしれない。

この場合、兵藤が動くパターンはおおよそ三通り考えられる。

 

一つ。我武者羅に報道を否定する。

 

二つ。報道に我関せずの態度を通す。

 

そして三つ。開き直り、テロリスト紛いの行いに走る。

 

どう動くにせよ、気を付けなければならないかもしれない。

なまじ、力だけは強いのだ。それが何の制御、統制もされてないとなると……

安全装置のない核兵器みたいなものだ。

兵藤を殺すとかじゃなく、ドライグの力だけ引っこ抜くとか出来ればいいんだが……

今俺ができる方法じゃ、兵藤ごと殺しかねない方法だけだ。

命に別状なく、神器(セイクリッド・ギア)だけを引き抜く方法なんてものは、無い。

悪魔の駒(イーヴィル・ピース)ならいざ知らず。

 

全く、D×Dか……面倒なものが出てきてくれたもんだ……




警察署のデーモン族はダイジェストにすらなりませんでしたが
概ね前回戦ったのと同じです。
避難所の住民のMAG吸おうとしてました、そういう意味では前回よりヤバいです。

>セージ過労気味
そりゃ退院して襲撃されてクロスゲート潜ったらデーモン族と戦って……
ちょっとブラックじゃないですかね?

>ザルドラシル
割と原作再現でもあります。
泳がせてたビートライダーズから機密漏れてるなんて茶飯事ですからね。
アングラから軍事機密が漏れるとは言われますが、それにしたって。
あと沢芽市警とも普通にずぶずぶでしょう。

>D×D
ついに顔写真発表されました。前回は名前だけ出ただけですが
とうとう顔写真と映像の公表。しかもユグドラシルから。
警察ではなくユグドラシルがやったというあたりが……

そして首魁として公表されたのは偽(?)イッセー。
完全にこれ狙ってますよね。何する(させる)つもりなのやら。


※7/1追記
アモンの状態について追記しました。ご指摘ありがとうございます。
それとタイトル誤字修正。辞書登録すべきかな……

>アモン
作中通り、元に(?)戻ってます。
表に出ることは可能ですが、どうなるかわからない状態なので様子見、といったところです。
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