作品ですべてを語れないのは私の至らなさです。
少し予定を変更して本編投稿させていただきます。
(実はセージがダウンロードした動画の内容を番外編に投稿するつもりでした)
また、アンケートを再び取らせていただきます。
概要は活動報告
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=245950&uid=87099
にある通りです、ご協力いただけると幸いです。
いよいよ、
ほぼ全員が参加するという事で、バスの量も半端ない……
……かと思いきや、思ったほどではなかった。
俺達が知らなかっただけで、実際にはかなりの被害が出ていたのだ。
そう、とても遠距離移動に耐えうる状態ではないという。
インベスにドラゴンアップルを植え付けられたもの
アインストの支配下に置かれ、やむなく昏睡状態にさせられたもの
デーモン族にマグネタイトを吸われたもの
そして、混乱に乗じて火事場泥棒を働いているはぐれ悪魔や純血悪魔と
その契約者の人間や眷属の転生悪魔の毒牙にかかったもの
これら被害者の数は、思った以上に多かったのだ。
当たり前だ。超特捜課だって展開には限界がある。
自衛隊だって四六時中駒王町内を回っているわけにはいかないし
さっき挙げた連中は世界各地どこにでも現れている。日本も例外じゃない。
「……これだけの人数だから珠閒瑠市も受け入れできた、ってのは考え過ぎか」
「……わかりません。ですが最近また襲撃の頻度が酷くなってる気がします。
セージ先輩のお母さんは姉様に任せましたけど、やはり心配です」
デーモン族が出てきた辺りから、俺にかかるスクランブルも増えていた。
幸か不幸か
それでも白音さんの言う通り、母さんは心配だ。
一応2泊3日――これ以上は向こうの宿泊施設が確保できなかったらしい――で
こっちに戻ってくる予定は立てているのだが。
生徒たちを乗せたバスが出発する。途中まで自衛隊の車が随伴するそうだ。
ご時世的に仕方ないよな。
で、それなのに何で俺達はこんなところにいるかというと――
「セージ先輩、来ました。オカ研のマイクロバスです」
「わかった。白音さんもいつでも乗れるようにしてくれ」
そう。オカ研も今回の合同学習会に参加するのだ。
しかしオカ研は全国ネットで顔出し――それもテロリストとして――されているため
混乱を避けるため、別ルートで珠閒瑠市入りすることになっている。
なんだか、この間の
そしてもう一台、バラを象った意匠の入ったバイクが別の方向からやって来た。
あれは確か……
「セージさん、白音さん。お待たせしました」
俺はあまり面識が多いとは言えないが
祐斗が割と親しげに話しているところを度々見かけている。
確か、オカ研の企業見学の際にガイド役を担ったらしいが、そのせいで彼も……
「おはよう光実、今しがたオカ研のバスも来たみたいだ。同乗するのか?」
「……一応、そういう風に言われてますからね」
不服そうだ。そりゃそうか。俺も多分同じような境遇になったら同じようなことを言う。
光実は乗ってきたバイク――ローズアタッカーをロックシードに戻し、しまい込む。
そして開いた扉から、光実は渋々といった感じで乗り込んでいった。
沢芽市から来たと思ったらこれだ。難儀ではあるよな。
まあ今は世界中どこもかしこもこんな感じかもしれないが。
ふと、オカ研のマイクロバスと一緒に来た車のドアが開いたことに気づく。
また誰か来たのか? と思ったら、そこにいたのは奈良だったか京都だったかに
配属になっているはずの、
「周防警部? こっちに来てたんですか?」
「ああ。珠閒瑠市は僕が巡査部長していたころに配属になっていたからね。
その縁もあって、今回の監視は僕がやることになった。よろしく頼む。
ところで、そこの女の子は?」
「……白音です。よろしくお願いします」
その名前を聞いた途端、驚いたような表情を一瞬見せた周防警部だったが
すぐに納得したようにサングラスを直した。あ、そういえば。
「宮本君。君もなかなか悪魔に好かれる体質みたいだね」
「……一応、彼女は
なんだかんだで、人外の知人も多いですし」
「君の肝が据わっている理由がわかったよ。じゃあ、そろそろ出発だ。
僕がバスの前を走るから、宮本君はバスの後ろから来てくれ」
配置を話し合い、周防警部は車へと戻り
俺は展開させておいたマシンキャバリア―の横車部分に白音さんを乗せ、跨った。
白音さんを乗せている都合上、単装砲は使えないがどの道だ。
発進前に、マイクのテストだけ行っておくことにする。
「こちら宮本。周防警部、聞こえますか?」
『周防だ。聞こえているよ、宮本君』
「了解です。それではこちら宮本、バス聞こえますか?」
『こちらバスの運転手の
通信で失礼するよ。初めまして宮本君、僕がオカ研の顧問の布袋芙ナイアだ。
よろしくお願いするよ』
マイク越しに聞こえる声に、何か背筋が凍るものを感じながらも俺は受け答えをすることにする。
しかしこの布袋芙ナイア、どっかで……? いや、そんなはずはないか……
「よろしくお願いします。ではそろそろ出発しましょう。周防警部、お願いします」
『了解した。僕が先導し、宮本君が殿を務める。珠閒瑠市までの間、よろしく頼む』
3つのエンジンの音が、駒王学園を後にする。
バックミラーに映るのは、静寂に包まれた駒王学園。
そして静まり返った駒王学園の校庭に、2つの要石は太陽の光を反射して佇んでいた。
それぞれ
同じものと思われるそうだ。検証に立ち会った
この2つの石は、まるでこれからを暗示するかのようにただ静かに太陽の光を受け輝いていた。
それは輝かしい未来か、はたまた絶望への斜陽か。
あたかも嵐の前の静けさのように、駒王学園は静寂に支配されていた――
――――
珠閒瑠市までの道。高速道路は主に自衛隊などの物資輸送専用として割り振られているため
こうした状況においても一般には開放されていない。仕方ないと言えば、仕方ないが。
一般のバスから離れた俺達は、なるべく目立たないように……とはいうものの
マシンキャバリア―はどうしても目立って仕方がない。これ以上は無理だ。
「セージ先輩、やっぱりマシンキャバリア―で隠密は無理があるんじゃ……」
「そうは言うけどさ。緊急事態に即座に対応できるのがこれなんだよ」
信号待ちの時に、白音さんが俺に聞いてくる。ごもっともな疑問だよ。そう、これがあるのだ。
別行動と言えば聞こえはいいが、要は体のいい護送だ。マイクロバスは言うなれば護送車である。
そして俺達はその護送車の警備。事態が起きないように行動する必要がある。
その行動をするにあたって、性能はともかくマシンキャバリア―は車体の色と言い
備え付けの武器――記録再生大図鑑から出してるものだが――と言い
あまり警備には向かない。姿は一応消せるが根本的解決じゃないし
貰い事故を防ぐためにもそれはできない。
『宮本君、あまり派手に落とし過ぎない方がいい。いざとなれば僕がペルソナで対応する。
両手がふさがっていても、ペルソナは使えるからね』
「すみません。ですがお互い安全運転で行きましょう。
警察関係者が交通違反とか洒落になりません」
『そうだな、赤色灯もつけていない以上はな。お互い気をつけよう。
――よし、青になったから進むぞ』
周防警部の発進に合わせ、マイクロバスと俺も発進する。
珠閒瑠市は、まだしばらくかかりそうだ。
レーダーも反応が無い。あまりにも暇なので、どうしたものかと思ったら
急にマイクから音声が入る。マイクロバスからだ。
『暇そうだね、セージ君。せっかくだから僕がバスの中の様子を教えてあげようと思ってね』
「勘違いされてるかもしれませんが先生、俺一応仕事中なんですけど」
『そう堅いことを言うなよセージ君。生徒同士の交流も健全な高校生活には必要さ』
「白音さん同乗させてるので間に合ってます」
我ながらけんもほろろな対応だと思うが、こっちも遊びでやってるわけじゃない。
一応警察から手当ては貰ってるんだ。いい加減なことはできない。
そりゃまあ、バスの中の様子が気にならないと言えばうそになるが。
特に光実や祐斗、アーシアさんの心配という意味で。
「今思い出したが白音さん、ギャスパーは来たのか?」
「……いえ。でもかえって安全だったかもしれません。今にして思えば」
確かに、アインストだインベスだって
グレモリー邸で引きこもっている方が安全なのか?
いや、だが聞けば冥界は冥界でアインストが出るらしいし……
ま、今いない奴の事を気にしても仕方がないか。
珠閒瑠市、か。確かバオクゥが向かった先でもあったな。
事前情報を調べる一環で連絡を取ってみたが
どうやら立て込んでいるみたいだったのが気にかかる。
どうして立て込んでいたかってのは、確か…………
…………あ。
「周防警部! 緊急です! 珠閒瑠市ですが、クロスゲートが顕現しています!
場所は蓮華台のアラヤ神社境内!
自分が情報を仕入れた段階では稼働しておりませんでしたが、現状では全く分かりません!」
「ええっ!? セージ先輩、それは本当なんですか!?」
『なんだと!? わかった、直ちに港南警察署に連絡を入れる!』
とんでもないことを思い出した俺は、思わずマシンキャバリア―を路肩に止める。
俺の状況を察して、周防警部も車を路肩に止め
つられる形でマイクロバスも路肩に止まる。
バカバカバカバカ! 俺のバカ!
なんでこんな肝心なことを忘れていたんだ! しかもクロスゲート絡みは前にやらかしてるだろ!
俺が沢芽市に行く前にバオクゥから連絡が来たじゃないか!
――珠閒瑠市にも、クロスゲートが顕現した、と。
『宮本君、そのクロスゲートの情報を得たのは何時頃だい?』
「……お恥ずかしながら、自分が沢芽市に向かう前……
つまり、一月近く前になります」
……自分の連絡ミスとは言え、これは……
俺の連絡に、白音さんも祐斗みたいな驚き方してるし。
これは、ちょっと洒落にならんポカだ。
疎開先でクロスゲートが稼働していて行ったらアインストの巣でした、は最悪だ。
『……そうか。それなら、まだ恐らく珠閒瑠市は無事なはずだ。
僕も昨日、現地にいる知り合いに連絡を取ったんだ。
その時、普通に連絡が通じたからね。その知り合いも、クロスゲートの事は知っていたらしく
アラヤ神社に不穏な動きは見られない、ってさ』
「……そ、そうですか……
連絡が遅れてしまい、すみません……」
周防警部が言うには、現地は無事らしい。
だがクロスゲートがある以上、いつ何時何が起こるかわからない。
現に沢芽市のクロスゲートは稼働し、インベスに加えてアインストが現れたんだ。
……そういや、あの時現れた堕天使って……
『あまり気に病むな。だが、珠閒瑠市にクロスゲートがあることは間違いないだろう。
となると、珠閒瑠市も決して安全とは言えなくなった。
いや、今や世界中のどこにも安全な場所なんてないのかもしれないが……
宮本君、大変かもしれないがどうか挫けないでほしい』
「……わかりました」
さっきから俺達は路肩に寄せたまま全然進んでいない。
そして緊急連絡という事もあり、しばらく止まらざるを得ない状況であった。
そんな状況に痺れを切らしたのか、マイクロバスから連絡が来た。
マイクロバスには、どうして止まっているかの理由は話していないし。
『……セージ君。そろそろいいかい? どうやら立て込んでいたようだけれども』
「すみません、お騒がせしました。詳細は現地で話します。行きましょう」
『そうだな、それでは車を出そう。布袋芙先生、お願いします』
なんか色々申し訳なくなったので、唯々謝ることしかできなかった。
とりあえず、今回の合同学習会が無事に終わってくれることを祈るしかない。
そのために、俺は少し「駒王学園生徒の宮本成二」から「警視庁超特捜課特別課員の宮本成二」
になる必要がありそうだが。
『ああ……ふふふ、またあの地で物語が紡がれるか。
面白そうだ、実に面白そうだ。やはりここに来て正解だったよ……
……さあ、出発だ。待たせてしまったね皆。バスを出すよ』
マイク越しの布袋芙先生の声は、何か不敵な含み笑いを含んでいるように、俺には聞こえた。
そして、ここからではマイクロバスの中の様子も、周防警部の顔色もうかがい知ることはできない。
クロスゲート。それは沢芽市の時と同様、災厄を齎すのか。あるいは……
現地のバオクゥについたら改めて連絡を取ろうと決心し
俺達は着々と珠閒瑠市へと近づいていくのだった。
最近セージポカ多くない?
>現状
いやだって。
テロ行為ってだけでも大変なのに、そこに普通に人間襲う怪物が3種類
いや4種類もいれば……ねえ。
>ミッチ
今回別にミッチ悪いことしてないのになぜか黒フラグが立ちかねない扱い。
祐斗と仲良くなってるのがせめてもの救い……救い?
ヒロインと違ってイッセーの影響受けにくいのがここに来て功を奏した?
>周防兄
弟は別件です。
何気に怨敵とニアミス、でも今回その怨敵保護者役だしなあ。
保護者の皮被った前例はあるけれど。
連絡とった知り合いは想像通りという事で。
より詳しくは番外編のプルガトリオ参照。
>ナイア先生
その怨敵。
本当に何でもできるけれど、薮田先生をして「個人情報改竄されてた」と言わしめたくらい
混沌の塊なのでさもありなん。
ところで、本文中ではセージが確認取らなかったので触れてませんが
マイクロバスには運転手含めて「7人」乗っています。
そしてギャスパーはいませんし、ゼノヴィアは一般のバスに乗ってます。
白音はサイドカーですし、となると……