ハイスクールD×D 学級崩壊のデビルマン   作:赤土

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斬月の舞台の感想は活動報告に挙げてあります。
結構マジで拙作で拾える設定がありすぎて驚きですよいやほんと。

……流石にセージをトルキア共和国に送るのは難しいと思いますが。
パスポート作らないといけませんし。


Will3. にじり寄る黒影と白猫の気持ち

エアバイクの追撃を振り切りながら、俺はマシンキャバリアーの後部についている

連装砲で反撃を試みる。勿論、郊外に出てから発砲しているが。

だが、向こうの速度は飛行していることもあってか

マシンキャバリアーとほぼ同等のスピードで迫ってきている。

ここが公道なので、こちらも全速力を出せないって事情もあるんだが。

 

『セージ、先に開けた場所がある、そこで一旦迎え撃つぞ』

 

「わかった!」

 

フリッケンに促されるまま、俺はマシンキャバリアーを走らせる。

言われた通りの開けた場所に出た時、マシンキャバリアーから降りて

待ち伏せの戦法に出たのだ。

 

SOLID-FEELER!!

 

SOLID-REMOTE GUN!!

 

多少の自立稼働が出来る触手砲を展開させ、追撃してくるであろうエアバイクに備える。

待つこと数刻、俺を追ってきた謎のエアバイク軍団は上空から砲撃してきた。

それを迎え撃つように、触手砲がしなり、ビームで反撃する。

傍から見れば、ロボットアニメのワンシーンっぽく見えるが

当事者としてはそれどころじゃない。

いくら触手砲がある程度自律で動くとは言っても、コントロールフリーではないのだ。

おまけに、エアバイクは空から攻撃してくるため、全周囲に気を配らなければならない。

まぁ、レーダーは稼働させているからその辺は抜かりない、はずだが。

 

思惑通り、突っ込んできたエアバイクに対して触手砲の迎撃が作動する。

勝手に迎撃してくれるとは言っても、それなりに意識は向けてないといけないので

見当違いの行動をとるわけにはいかないのが辛いところだが。ある程度数を減らさないと

相手の検索もできやしない。

 

『調べずに叩き潰してもいいんじゃないか?』

 

「いくら何でもそれはまずいだろ。正体不明の装備で挑んできている以上

 相手の手が読めないのは単純に脅威だし、同じのが複数出ているってことは

 相手は量産型ってのは容易に想像がつく。正体不明の装備かつ量産型ってのは

 早めに調べておいて手を打てるようにしておきたいんだよ」

 

アモンの脳筋な提案を蹴っ飛ばし、記録再生大図鑑(ワイズマンペディア)で実体化させたディフェンダーを使いながら

触手砲の迎撃を掻い潜り迫ってくるエアバイクや黒い足軽兵のような鎧の相手をする。

戦いながら記録再生大図鑑を動作させてもいいのだが

それをやるにはエアバイクの足が速すぎるし、相手の持っている長槍のリーチが長い。

長槍の相手自体は経験があるのだが。

 

しかし、相手取っているうちに手の内はある程度読めてきた。

エアバイクは機首部分のビーム砲以外に目ぼしい兵装は無く

操縦者の黒鎧も長槍以外に武装は無さそうだ。

 

それよりも、俺は相手の話している言語が気になった。

 

对方强大(奴は強いぞ)!」

 

围住、攻击(取り囲んで攻撃だ)!」

 

……イントネーションから、中国語らしいって事はわかるんだが。

中国語は俺も授業で習ってない。それを言ったら聖槍騎士団のドイツ語もなんだが。

そういえば、あいつらドイツ由来の軍団の癖に日本語話してることが多いような?

とにかく、今の俺には悪魔の駒(イーヴィル・ピース)による言語翻訳機能は備わっていない。

こればかりは便利だと思うが、これのために人間やめるかと言われると……

 

『……気をつけろ。あいつら、こっちを包囲するつもりだぞ』

 

「翻訳ありがとうよ、アモン」

 

悪魔の駒による言語翻訳機能こそ無いが、憑いているアモンにしてみれば

言語翻訳など造作もないらしい。便利なものだと思いながらも迎撃を続行する。

だが……見るからに戦国時代の足軽な鎧なのに、喋っている言語は中国語?

その噛み合わなさが、俺に妙な違和感を覚えさせた。

まさか、アレが中国産なわけがなかろう。中国産ならもっと妙に派手派手しい外見のはずだ。

……と言うのは、偏見だろうか。

 

EFFECT-INVISIBLE!!

 

相手が包囲網を敷くというのなら、こっちは姿を消して応対だ。

見えない相手を取り囲むことは出来まい。

十分に引き付けたタイミングでINVISIBLEのカードを発動させ、姿を消す。

そのまま包囲網を脱出し、包囲の手薄な場所の背面に回り込み、攻撃を加える。

 

不看得见敌人(相手が見えない)!?」

 

对方去了哪里(奴はどこに行った)!?」

 

言ってることはわからんが、混乱しているのはわかる。

その隙を見逃さず、触手砲の火力を一点に集中させ

エアバイクに乗った黒い足軽鎧の集団の数を一気に減らすことに成功した。

 

『セージ、あれを見ろ』

 

「なに……?」

 

フリッケンに指し示された方角を見ると、倒れた足軽鎧の鎧が解除され、中から人間が出てきた。

と言うよりは、変身が解除されたような印象を受ける。

まるで、面ドライバーで攻撃を受けて変身が解除されたような、そんな感じだ。

ともあれ攻撃も止んだので、こいつらの正体や装備の出所等を

記録再生大図鑑で調べてみることにした。

変身の解けていない鎧も倒れたまま動く気配がないので、まずこちらからだ。

 

「……アーマードライダー黒影(くろかげ)。ユグドラシル・コーポレーションが開発した

 量産型のアーマードライダーシステム。警視庁や自衛隊の装備よりも高性能で

 身体能力の強化に加え、軽量・強固なマツボックリアームズの鎧と

 長槍・影松(かげまつ)を用いた近~中距離戦を得意とする……

 

 ってユグドラシル!? オンラインゲーム出すってだけでも驚きなのに

 なんだってこんなもん作ってるんだよ!? あそこ医療・福祉の企業じゃないのか!?」

 

『人間の会社の事まで俺は詳しくないが、この数はつい最近製造開始したもんじゃないぞ』

 

『だな。セージ、もう少し奴らを調べてみるぞ』

 

アモンの言う通りだ。一体どんな技術でこれを作っているのかは知らないが

超特捜課(ちょうとくそうか)の装備だって、こっちに回っているのは先行試作品と言う扱いだ。

アインストとの戦いで活躍したナイトファウルだって

今はメンテのために警視庁に戻されている。それ位、装備の正式配備には時間がかかるはずだ。

だというのに目の前の黒影は量産され、しかもそれがこうして

徒党が組める程度に配備されているのだ。

かなり前から、このアーマードライダーシステムってのは開発・配備がされていたに違いない。

 

それに、だ。これが量産型と言う事は試作型も当然存在するだろう。

試作型のデータ集めと、量産型へのフィードバックの事を考えれば

下手すれば年単位前の時期からこんなものを製造していた可能性が高い。

冥界や天界由来なら「奴らならやりかねない」で済ませられるが

これを作ったのはおそらくだが人間だ。

……俺は、ユグドラシルと言う企業が少し怖くなった。

 

COMMON-SCANNING!!

 

恐怖心を抑えながら、俺はもう一度記録再生大図鑑を向ける。

 

「……天道連(ティエンタオレン)。十年前に珠閒瑠(すまる)の事件で暗躍していた台湾マフィア。

 須藤竜蔵(すどうたつぞう)に利用され、口封じのために主要人物である殺し屋、云豹(ユンパオ)が殺害されたことで

 日本から手を引き、台湾に潜伏していた……

 

 ……うっ、かなりヤバい相手じゃないか。とにかく警察に連絡しないと……」

 

地面に突っ伏した天道連の連中を触手で縛り上げながら、俺は警察に連絡を入れた。

こういう時、超特捜課の特別課員と言う肩書は便利だが……

……今回、それ適用されるか?

 

いくら相手が台湾マフィアで得体のしれない装備を使っていたって言っても

相手が人間であることに変わりはない。人間相手で、特に超常的な力のない場合

超特捜課の出る幕ではないはずだ。どこの担当になるんだ?

 

頭を抱えているうちに、警察の人間がやって来た。

案の定、超特捜課の人間ではない……が、確認のために蔵王丸(ざおうまる)警部が来てくれた。

蔵王丸警部との付き合いは短いが、顔見知りが来たというのはそれだけでもありがたい。

蔵王丸警部を通して、俺は警察に天道連がアーマードライダーシステムを使って

下校途中の俺を狙ってきた、と言う事を伝えることにした。

 

「……わざわざお前をか? いくら移動に目立つバイクを使っていたって言っても

 それだけの理由で天道連がお前を襲撃するとは思えない。

 しかも、自分たちだってそれ以上に目立ちかねないエアバイクや鎧を使っているんだ。

 宮本。お前天道連に狙われるような身に覚えがあるか?」

 

「あるわけないでしょう。冥界じゃ一部地域で指名手配受けてますけど

 こっちでは超特捜課に協力している以外は

 一応普通の高校生で通してるつもりなんですよ、警部」

 

何で俺が台湾マフィアなんぞに狙われなけりゃならないんだ。

台湾マフィアに喧嘩売るようなことをした覚えはない。

三大勢力相手なら、いくらでも心当たりがあるというのが我ながら恐ろしいところだが。

 

「警部殿。こいつらはいわゆる実行部隊――鉄砲玉ってところですね。

 とりあえず連行した上で吐かせますが……

 自分も、なんで今時分天道連が活動を、しかも日本でってのは気になりますね」

 

「全く……三大勢力や国際テロ組織だけでも厄介だというのに

 そのうえ今度は台湾マフィアか。人間同士の内ゲバをやっとる場合でもないと思うんだがな」

 

肩を竦め嘆息する蔵王丸警部に、向こうからやって来た警官が何かを伝えに来た。

話の内容までは聞こえなかったが、何かマズいことが起きてるような気もする。

 

「……宮本。お前帰れ。こっから先は警察の――大人の仕事だ。

 なに、これから相手取る奴は三大勢力や禍の団(カオス・ブリゲート)でも神器(セイクリッド・ギア)持ちでも

 ましてやアインストでもインベスでもねぇ。

 ガキが争いごとに首突っ込むのだけでも論外だが、それが人間同士となっちゃもってのほかだ。

 さっさと帰って、明日の学校の支度でもしとけ」

 

蔵王丸警部は俺を追い立てるようにこの場から帰そうとする。むぅ。

一応は上に立つ人なので、訳もなく逆らうのはまずい。

そうでなくとも、警察ってのは縦社会だ。俺は好きじゃないがそうも言ってられない。

ここで蔵王丸警部の意向を無視して捜査に付き合うのもなんか違う気がするし

そもそも俺は追われてこんなところにやって来たのだという事を思い出し

言われた通り、俺は家路につくことにした。

 

――――

 

家につき、テレビをつけるとニュースで指定暴力団組織曲津組(まがつぐみ)の後継組織――

八十曲津組(やそまがつぐみ)の事を言っていた。

もしかすると、これの相手のために蔵王丸警部は俺を帰したのかもしれない。

ディオドラとの戦いのときは有耶無耶になっていたが

俺が直接曲津組と戦った記憶はそういえば、無い。

まぁ、高校生が暴力団の逮捕に関わるってのもなんか違う気がするし。

 

目ぼしいニュースを見終えて、晩飯の支度を始める。母さんの帰りは今日は遅い。

そうなると……台所に一人で立っていると黒歌さん(うるさいの)が来るのが最近の常なのだが

そのうるさいのも看病についているのだろうか。静かだ。

 

蓮根や椎茸、人参、鶏肉を入れて筑前煮を作る。

調味料は目分量だが、大体うまくいく。まぁ今回は病人がいるからやや薄味にしているが。

味見をしながら出来具合を確認し、「ここだ」と思った段階で火を止める。

最初は鶏肉のを親子丼にしようかと思ったが、玉ねぎがネックになるのでやめた。

火を通せば問題ないらしいが、やはり猫魈(ねこしょう)にネギはキツイらしい。

そもそも猫魈じゃない、普通のネコにネギはダメだ。これは火を通してもダメだ。

俺はネギ属の野菜は大体好きなので、食べ物の好みではその点でずれが生じてしまっている。

そんなわけで、白音さんの体調が優れない今ネギを用いた料理は避けたのだ。

 

おかずは出来た。あとはご飯が炊けるまで待つだけだが……

まだおかゆを作るべきだろうか。その確認だけ白音さんに取ろうと思ったが……

 

ちょっと、迂闊だった。

 

「……俺がこうして仰向けになって寝ている理由を教えてもらえないか?」

 

白音さんの部屋に入るなり、誰かに押し倒されるような形で仰向けになり

俺は天井を見上げていたのだ。

一瞬の事だったので、俺も応対が出来なかった。

まさか、自宅でフリッケンやアモンの力をフル稼働させて行動するような愚は犯したくない。

 

「……ごめんなさい、セージ先輩。でも、でも、私……

 姉様も席を外している今だから……」

 

ん? 黒歌さんがいない? 看病ほっぽり出してどこ行ったんだ?

などと言う思考を遮るように、上気しきった表情で俺の顔を覗き込んでくる白音さん。

昨日の今日でこれか? いや、流石に昨日一晩アレしたくらいでどうにかなるほど

簡単な問題でもないと思ってたし、体格差と耐久力の問題から根本的解決は避けたんだった。

 

……黒歌さんが言うには、こっちも心身ともに白音さんの行為を受け入れない事には

気の吸収がうまくいかないとのことだ。いや、今手は空いているけど

いつ母さんが帰ってくるか……

そんな心配をよそに、と言うかする間もなく白音さんは俺の服を脱がせにかかってくる。

 

……これは、昨日の続きをしろって事か。

なるべく白音さんの眼を見ながら、俺は白音さんが服を脱がせようとするなら

やりやすいように体をよじる。一応制服は帰って来た時に脱いで部屋着に着替えていたので

多少しわになろうが知ったことではない。

粗方脱がし終えたところで白音さんも自分のキャミソールを脱ごうとする。

いつぞや使い魔の森で事故的に見てしまった水玉模様のそれとは違い

黒に白のフリルが入ったやや透け感のある薄手の生地、ともすればセクシーさの入ったデザイン。

なんつーか……結構、理性的な意味でヤバい。特にキャミソールからのびる細身の手足と

俺にもたれ掛かろうとしてくる小さな体。

 

……あれ? 昨日見た時に比べて、心なしか肉付きがよくなったような……わけないか。

 

「……そんなに食い入るように見て……気に入ったんですか?

 でも、恥ずかしいので……あまりじろじろ見ないでください……」

 

そう言われて、俺は思わず目を背けた。

そんなにガン見してたのか、俺。こっちも少し恥ずかしくなった。

反射的に目を背けたのは、多分図星ってのもあるんだと思う。

すると、白音さんはキャミソールを脱ごうとしていた手を止め、俺の胸に顔を埋めて来る。

う……っ、息遣いが、結構……いや、昨日も体験したんだが……

 

「……あのさ。着替えはしたけど、シャワーとか浴びてないしさ……

 一応外でドンパチもしたし、さっきまで手は洗ったけど飯は作ってたしで……」

 

「……いいんです。この方が、匂いと温もりをしっかり感じられて、落ち着きますから」

 

そう言われて、俺はまた顔が熱くなるのを感じた。

どう見ても素面で言っている言葉じゃないのはわかる。まぁ、素面じゃないなら……

それなりに、付き合うべきだろう。どの道放置すると体に悪いんだ。

なので、俺は顔を埋めている白音さんの頭を撫でてやることにした。

文字通りの猫撫で声をあげながら、彼女は体をよじる。

そうなれば、太腿が俺の身体にも触れて……くすぐったい。

 

「……あ」

 

いつの間にか、俺の両手は白音さんを抱き寄せていた。

多分、本能的な行動だろう。知識があろうがなかろうが、本能である程度カバーが出来る。

……身に覚えが、あるような気がする。

なるべく肌を触れ合わせ、甘く、引き寄せられるような匂いを吸い込む。

これが発情期特有のフェロモン的な何かなのかどうかはわからない。

だが、俺の側も彼女の匂いと温もりが、悪いものではないと脳が身体に訴えていた。

寧ろ、もっと要求しているようにさえ思えた。

そんな俺の心を見透かしてか、白音さんの側も俺に体を預けて来る。

 

……時計を見る。まだ母さんが帰ってくるまでは大丈夫そうだ。

黒歌さんもどういうわけだか見当たらない。アモンとフリッケンは黙ってろ。

まぁ、昨日も黙っていてくれたが。

 

……つまり、正真正銘、ここには俺と白音さんしかいない。

これが治療行為であるという事は、もしかすると俺の頭から飛んでいるかもしれなかった。

最悪、姉さんの事さえも頭から掻き消えていたかもしれない。

 

けれど、目の前の少女が何を望んでいるか。

そのことを考えると、俺が四の五の言っていられる状況は当の昔に通り過ぎた。

俺がやらなければ、どうにもならないという事態だろう。

 

「……白音」

 

「……セージ、さん」

 

……なら、俺にできることならば全力で当たるだけだ。

 

――――

 

……そこから先の事は、思い出すだけで顔が熱くなる。

最後に、白音さんが赤い瞳で妖しく微笑んだのははっきり覚えているが。

多分、朝の事を顧みるに向こうも顔が熱くなるのは同じだと思う。

 

「……タオル、用意しておかないとな。その後でシャワーか」

 

微睡んでいる白音さんを布団に寝かせ、清拭用のタオルを用意しに風呂場に向かう。

一応病人の白音さんを無理にシャワーを浴びせるわけにもいかない。

なので、温めたタオルで体を拭ってやり汗を拭きとり、寝間着に着替えさせる。

……母さんが持ってる、介護マニュアルの見様見真似だ。

 

「……あ、セージ先輩。ごめんなさい、私……」

 

「いい。体の具合はどうだ? 辛いようなら、飯はお粥にするが……

 そろそろ母さんも帰ってくる頃だろうし、俺も飯にするが……降りてきて喰うか?

 それともまだ寝るか?」

 

俺の問いに、白音さんは首を横に振る。目の焦点もはっきりしている。

さっきまで、やや焦点が合っていない部分はあったことを考えると少し良くなったんだろう。

あんな方法でも、治療にはなるんだな……マジかよ。

正直、黒歌さんに話を聞いても半信半疑だった。

 

「……ご飯は、普通に食べます。今日は何ですか?」

 

「筑前煮だ。口に合えばいいが」

 

嬉しそうな顔をして、白音さんは布団から起き上がろうとする。

手を取り、白音さんを立たせてやって部屋の外に出ようとした矢先で黒歌さんと出会う。

いや、どこ行ってたんだよ。妹の看病ほっぽり出して。

 

「ん、その様子じゃ白音も落ち着きつつあるみたいね」

 

「……妹の看病ほっぽり出してどこ行ってたんですか」

 

「怖い顔しないでほしいにゃん。白音の治療にはセージが必要不可欠って話はしたじゃん?

 で、治療に集中できるようにお膳立てして私はちょっと陰に隠れてたってわけ。

 勿論、一部始終は見てたけど……まあまあ良くやった、65点ってとこかにゃん」

 

思わずぶん殴りたくなるのをこらえて、俺は黒歌さんを睨みつけていた。

白音さんも冷たい目で見ているように見えた。まあ、アレを一部始終覗かれてたってのは……

 

家族でさえこれなんだ。あのバカのやらかしたことはどれだけだよ。

いや、家族だからこそダメージあるのかもしれないけど。

 

「にゃん、だから怖い顔しないでほしいにゃん二人とも。

 それよりそろそろお母さん帰ってくる頃だし、ご飯も炊けたにゃん。

 おなかすいてると思うから、配膳は……」

 

「俺がやります。またせっかく作った飯を台無しにされたら困る。

 そうでなくとも今日は俺がそれなりに本気で作ったってのに」

 

その言葉に目を輝かせる白音さん。どうやら、いくらかよくなったのは間違いなさそうだ。

黒歌さんは納得いかない顔をしているようだが、知ったことか。

けしかけたのはあんたでしょうが。それに配膳だって

どういうわけだか黒歌さんがやったら爆発したし。

その日の晩飯がカップ麺に化ける程度には被害が出たし。

 

結局、その日は無事に家族四人で晩飯をとることが出来た。

なお、夜寝ようとした矢先に黒歌さんが布団に潜り込んできたのはまた別の話だし

これについてはなるべくなら話したくないことも付け加えておく。




【朗報】まだ平和

「ゴースト」時代が嘘みたいにイチャコラしてます。
こいつ本当にセージか?

>黒影
斬月の舞台では終ぞ出番のなかった黒影。仕方ないね。
拙作では量産型が天道連に横流しされ、こうして戦力として運用されてます。
台湾マフィアがアーマードライダーの力を使う……ヤベーイ!

>天道連・八十曲津組
原作では絶対に相手しないような軍団だと思います、マフィアや暴力団なんて。
大体裏に悪魔がいて、その裏で糸引いてる悪魔倒して終わり、な予感。
もしくは関与さえしない。まぁ「ゴースト」の時もそんなノリでしたが。

蔵王丸警部の言う通り「人間の、しかも高校生が暴力団絡みの事件に首突っ込むな」
ここに帰結すると思うんです。セージはなんだかんだ言っても神器持ってるだけの
ただの人間ですし。なおアモン。

>帰宅後のセージの動向
大体こんな感じ。白音絡みが無かったら、別の事やってたと思います。
夜は夜で黒歌に言い寄られている模様。こんな生活、いつまで続くやら。

パーソナル転送システム(ゲシュペンスト)と戦極ドライバー(黒影)、使うならどっち?

  • パーソナル転送システム(ゲシュペンスト)
  • 戦極ドライバー(黒影)

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