ハイスクールD×D 学級崩壊のデビルマン   作:赤土

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お待たせしました。
久々にヴァーリ動かしてるので「誰てめえ」感が出ないように意識はしてるつもりですが……




Will23. 意外な邂逅 Bパート

珠閒瑠(すまる)市・平坂区にあるラーメン店兼居酒屋、しらいし。

そこでハイカラなラーメンを食されていた天照様と思わぬ謁見をしたと思えば

さらに驚くことに、ここではあのヴァーリ・ルシファーが働いていたのだ。

曰く、ラーメンに嵌ったらしいのだが……

 

しかし、間の悪いことに俺と出くわしたことでかつての約束――俺との戦いを思い出し

俺に対し勝負を挑んできた。

そんな一触即発の状態の中、険悪な空気を切り裂く奇声が木霊した。

 

「ホォォォォォウ! ここ平坂区は、ボクのホームプレイスさ!

 そこで喧嘩とあっちゃ、黙って見過ごせるわけにはいかないねぇ。ヤングメェーン?」

 

その奇声を発したのは、青い頭に白い顔のあからさまなⅤ系の男だ。

年のほどは顔のせいでわかりにくいが、多分周防巡査と同じくらいだろう。

 

「栄吉ィ、喧嘩の仲裁でもしてくれるのか~い?」

 

「あのさオバチャン、俺もミッシェルって名前でそれなりに売れてきてるから

 この格好の時はそっちの名前で呼んでくんない?

 

 ……っとと、待たせちまったな。喧嘩の審判ならこのミッシェル様がやらせてもらうよ?

 近くに坂上ビルって廃ビルがあるから、やるならそこでやんな。警察には連絡しとくからよ。

 こう見えてボク、警察にはコネが……」

 

「あ、周防警部ですか? 宮本です。

 すみません、平坂区の坂上ビルって廃ビルの辺りの道路封鎖をお願いしたいんですけど……

 ええ、ええ……白龍皇と遭遇してしまいまして。

 珠閒瑠市ではどこで戦っても被害が免れないと思いまして。蝸牛山まで移送しようにも

 今自分らがいるところが平坂区なので……はい、はい。

 それならいっそ、道路封鎖なりなんなりかけた方が……と思いまして。

 なので急ですみませんが、よろしくお願いします」

 

彼の言葉を待たずして、俺の方から周防警部に話を振ることにした。

話を遮られたこのミッシェルとか言う化粧の濃いバンドマンは……何者なんだろう。

 

「ちょっ、ボクが話しようと思ってたのに……

 ……って周防? キミ、あの周防警部と知り合いなのかい?」

 

「ええ、一応。警察に道路封鎖もお願いしたので、これで大丈夫なはずです」

 

「…………そうかい。世間は広いようで狭いもんだねぇ……

 って、感傷に浸ってる場合じゃなかったな。ヘイ、エブリバデ! ついてきな!」

 

 

――――

 

 

栄吉と呼ばれた、自称ミッシェルと言うバンドマンの案内に従い

俺達は平坂区の外れにある坂上ビルと言う廃ビルまでやってきていた。

ここなら、多少暴れてもいいだろうという事らしいが。

 

「ここは近々解体が入るって話らしいからねぇ。

 遠慮なくやっちゃってくれ、アンダスタァン?」

 

「そう言う事か。それは願ってもないことだ、感謝するぞ!」

 

……あのさ。俺ら解体業者じゃないんだけど。

まあ言っても仕方ない、奴の気が済むまで暴れさせてやるか!

ぶっちゃけ、そのエネルギーはアインストやインベスと戦うのに向けて欲しい気はするけどな!

 

『セージ、代ろうか?』

 

「いや、一応向こうは俺……とフリッケンがご指名らしい。

 気は進まないが、付き合ってやらないとな」

 

『ああ、全く面倒な話だ』

 

BOOT!!

 

左手に記録再生大図鑑(ワイズマンペディア)、右手に紫紅帝の龍魂(ディバイディング・ブースター)を実体化。

いきなり禁手(バランスブレイカー)で飛ばそうかとも思ったが、前に戦ってから時間が経っている。

ある程度検索かけながら戦った方がよさそうだ。

 

「それじゃあ、用意はいいかいヤングメン!

 

 …………3、2、1…………」

 

 

――アアアアアアアアオゥ!!

 

 

奇声をゴングに、俺は突撃をかけるが、ヴァーリは白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)で飛び上がる。

屋内とは言え、天井が高かったが故に上を抑えるのは有効打と言えるだろう。

だが、この程度は予測の範囲内だ。

 

SOLID-REMOTE GUN!!

 

俺自身は明後日の方角を向いているが、触手砲はヴァーリを狙っている。

いくら天井が高いって言ったって、屋内で縦横無尽に飛べるかと言うとそうではあるまい?

 

「小癪な!」

 

まして触手砲は悪魔特効。半分とは言え悪魔のヴァーリには、効果覿面だろう。

そうなれば――

 

「俺に『白龍皇(ディバイン・ディバイディング)の鎧(・スケイルメイル)』を使わせるつもりだろうが、そうはいかんぞ!

 舞え! 『白龍皇の光羽(ディバイディング・フェアリー・ドラゴン)』!」

 

くっ、新手か!

ヴァーリは背中の白龍皇の光翼から白い羽根を撒き散らしたと思ったら

その白い羽根は小型の白い竜へと姿を変える。竜型のエネルギー砲的なもの……じゃない!!

 

白い小型竜の砲撃から身を守るべく、俺はディフェンダーの実体化が間に合わないと判断し

記録再生大図鑑を盾替わりに防御に徹した。のだが――

 

『セージ! 敵機直上、急降下!』

 

「上――!?」

 

フリッケンの警告に上を向いた俺の眼に映ったのは

こっちに真っすぐ向かってくる小さな白い竜。

その顎には、青白いエネルギーが蓄えられている。これが意味するものは――

 

――間に合わない!!

 

ビルの床をぶち抜くんじゃないかって位の威力で放たれたエネルギーブレス。

その直撃をもろに受けることになった俺は、敢え無く吹っ飛ばされてしまう。

屋内にも埃が舞っており、周囲の視界は悪い。

 

ふとミッシェルさんの方を見ると、その背後には三角柱の頭をし、盾らしきものを掲げた異形が

煙を打ち払っているのが見えるが、あれってもしかしてペルソナ……?

 

――って! ミッシェルさんの事は後回しにしないと!

ヴァーリの新手の攻撃「白龍皇の光羽」は小さな飛竜を複数召喚し

こちらにアウトレンジ攻撃を仕掛けてくるもの、みたいだ。

 

……あれ? これって前に……

 

MEMORISE!!

 

記録した? さっきの飛竜か? ぶっつけ本番だが、やってみるか!

そう思い、俺はカードを出してみることにしたのだが――

 

 

――あ、あれ?

 

『セージ、ぼさっとするな!』

 

「わかってる! だけどさっき記録したカード、何も描いてないんだよ!」

 

記録エラーか? 白紙カードが何の効力も発揮しないのは知っている。

だが、記録しておいて白紙ってのは初めてだ。

ここに来て記録エラーが起きたのだろうか。わからん。

この期に及んで、使えない手札を寄越されても……まして、強敵相手の時に!

 

「どうした紫紅帝龍(ジェノシス・ドラゴン)! 貴様の力、こんなものか!」

 

――好き勝手言ってくれる。こっちは予定にないアクションだってのに!

とは言え、どこかでこいつとも戦わなきゃならなかったことを考えると

問題の前倒しと言ったところか。やらなければならないのならば、やるしかない、か!

 

 

――――ぞくり。

 

 

なんだ? 背筋と言うか、俺の内側から何か薄ら寒い、何か嫌な感覚が……

ふと、右手にある白紙のカードを見ると、そこには禍々しいデザインの

白骨でできた鳥を思わせる飛行機――戦闘機? が描かれていた。

 

嫌な予感がするが……打開策になるのならば!

 

 

『…………おい、セージ。この力、あまり使うな。天照や大日如来が危惧した力そのものだ』

 

やはり。あの寒気、そっち由来のものか。アモンは察したようだが。

しかし天照様や大日如来様が危惧したという事は言うまでもない……ディーン・レヴか!

そう言えば、沢芽市からクロスゲートで逃げてきてから以来

ディーン・レヴから薄ら寒い気配を感じてはいたが……もしや。

 

クロスゲートで、何か嫌なものを拾ったか……?

 

「考え事か、紫紅帝龍!」

 

『セージ、奴の言う通りだ! 考え事なんかしている暇は無いぞ!』

 

そうだ。考え込んでる場合じゃない。

危険な力だが、ヴァーリの猛攻を凌ぐには今はこれしかない!

意を決して、俺は白骨を思わせる戦闘機の描かれたカードをかざした。

 

 

SOLID-GUN LEGION!!

 

 

普段の音声とはまるで違う、音割れの酷い音声ガイダンスと共に

俺の中――と言うよりは、ディーン・レヴの力を使いそれは顕現した。

 

――ガン・レギオン。

 

俺の中から浮かび上がった赤黒い光は、散らばっている瓦礫を媒介に

白骨化した鳥を思わせる姿を象り、赤黒い光を纏いながらヴァーリの呼び出した竜と

空中戦を繰り広げていた。

 

「この力……貴様、どこでこんな力を!?」

 

「言う気はないし、言う意味もないな」

 

飛竜と俺の呼び出した骨の鳥が空中戦を繰り広げる下、俺達は接近戦にもつれ込んでいた。

だが奴に接触は禁じ手だ。一度半減されたら、勝ち筋が見えなくなる。

そのため、俺はギャスパニッシャーを用いて武器を使った接近戦を挑んでいる。

 

確か奴の効果の発動は向こうからの接触がフラグだから、こっちから接触する分には

何ら問題は無いはずだが、カウンター喰らったら目も当てられない。

案の定ギャスパニッシャーでも時間を止められない相手なので、ほぼ単純な質量武器だ。

 

……それに、俺は兵藤やこいつと違って徒手空拳それほど得意じゃないし。

中~遠距離で戦うか。幸いさっきの竜はガン・レギオンが押さえてくれている!

 

「だああああああっ!!」

 

「ぬんっ!」

 

――っ!? なんて奴!

こっちが倍加していないことを考えると、地力はやはり兵藤以上か!

ギャスパニッシャーを真っ向から受け止めたか!

ならば、ここはこうだ!

 

SOLID-FEELER!!

 

ヴァーリの足元に触手を巻きつかせ、転倒させることを試みる。

しかし、一気に攻勢に出ることを狙って仕掛けたこの一撃だったが、完全に悪手だった。

何故なら、バランスを崩したヴァーリが倒れまいと俺につかみかかってきたのだから。

 

「抜かったな紫紅帝龍、取ったぞ!」

 

DIVIDE!!

 

――やられた!

だが、一度の半減ならこれで!

 

BOOST!!

 

倍加をかけ、力を元に戻したと同時に俺は俺を掴んでいるヴァーリの手に

霊力を集めた手を伸ばし、スタンガンの代わりにする。

その刺すような痛みに、ヴァーリは一瞬顔を歪め俺から手を放す。

こんなのが有効打にはなるまいが、俺の目的は果たせた。よし!

いつぞやと違って、今度は本気だ。ヴァーリの手が外れさえすればいい。

捕まれたままだと、次の半減を喰らったら本当にアウトだからな。

 

『残機1……ってか』

 

「喰らっても打開が難しくなるだけで死ぬわけじゃないけどな。

 それにしても、こいつに決定打――」

 

『一応言っとく。アキシオン・バスターは使うなよ』

 

廃ビルとは言え外は普通に市街地だ。ぶっ放せるか。

しかし、そうなると本当に決定打が無い。白龍皇の鎧を使う前に、戦闘不能にできればいいが

それが罷り通る相手でもあるまい。至近距離から滅びの魔力でも当てるか?

 

……しか、なさそうだな。

 

SOLID-DEFENDER!!

 

「ぬぅん!」

 

ディフェンダーを実体化させ、おもむろに唐竹割りの要領で振り下ろす。

当然、こんな大振りの攻撃なんてヴァーリには避けられるが。

 

「そんな攻撃が当たるか!」

 

「――そこだ!」

 

避けた先に、俺はディフェンダーを投げつける。

案の定、これもヴァーリに躱される。だがそんなのは想定済みだ。

明後日の方角に飛んでいくディフェンダーを見ながら、ヴァーリは勝ち誇っているようだが。

 

「俺の見込み違いか紫紅帝龍。戦い方もまるでなっちゃいない!

 あの骨の鳥を生み出せたのは驚いたが、それが精いっぱいのようだな!

 出し惜しみをしているのならば、遠慮せずに出したらどうだ!」

 

――お前だって、禁手を出し惜しみしているだろうが!

 

その明後日の方角に飛んで行く投げつけたディフェンダーを、触手を使ってつかみ取る。

そのままヨーヨーや鎖分銅の要領で振り回し、ヴァーリにディフェンダーをヒットさせた。

この変則的な動きには、対応できなかったようだ。

 

「うぐっ……!」

 

「どうだ!」

 

しかもうまい具合に、光力を帯びた刃の部分が当たってくれた。

悪魔でもあるヴァーリには、いくらか効いているみたいだ。

 

だがこの戦法、広範囲を薙ぎ払うという関係上

ビルの方にも被害を及ぼしてしまったのだった。

そうなれば、ビルの構造上……

 

「オゥ、ジーザス! 柱を巻き込むとか正気かい!?

 そりゃ喧嘩なんてバーリ・トゥード(何でもあり)だけどさ!」

 

「派手にやってくれるな、紫紅帝龍! 自ら用意した舞台を崩すとは!」

 

ただでさえ脆くなっていた廃ビルの天井は、呆気なく崩落した。

俺達は落ちてくる瓦礫に飛び乗りながら、2階の床部分に穴をあけ

そこから2階へと移動することとなった。

俺が柱を崩したことで、ビルそのものが崩落しやすくなっている。この床だっていつ抜けるか。

そんな不安定な場所で、俺たちの戦いは第二ラウンドへと移行するのだった。




Cパートに続きます。

>霊撃スタンガン
R-18パートでちら見せしたものの逆輸入。
あちらでは比較的平和的な使い方(?)してましたが
今回は手加減の理由が無いのでガチ。相手が相手なのでスタンガン以上の威力はやはり出せませんが。

>白龍皇の光羽
本来ならばイッセーが発現させるはずだった「白龍皇の妖精達」が
ヴァーリが発現させた形になります。
パワーソース考えれば出来ないことではないでしょう、と。

ただ、現状立ち位置としては以前戦ったルーデル閣下もどきとほぼ変わらない
(セージがほぼ言及してる)のが……
イッセーが出したやつがリフレクタービットに対して、こっちは完全にファンネルですし。
スツーカがキュベレイ位の威力に対して、こちらはα・アジールやνガンダム位の威力と位置付けてはいますが。

>ガン・レギオン
で、それをセージがコピーしてディーン・レヴをパワーソースにして出したものがこちら。
名前元ネタはベルグバウやディストラ(とR-GUNリヴァーレ)のガン・スレイブ。
現時点ではご存じの通りセージはゴーストではありませんが、パワーソースがパワーソースなのでレギオン(悪霊)です。
レギオン(兵団)とのダブルミーニング。
デザイン元ネタは深海棲艦艦載機。お陰でガメラのレギオンにも近くなってしまったような。

なんか、ディーン・レヴと銘打ってますがかなりディス・レヴに近くなってますねこれ……
あるいは浄化前のリチュオルコンバーター。
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