ちょっと最近何事にもモチベが上がらない状態ですが
ロシアの戦艦とドイツの重巡とイタリアの駆逐艦は来ました。
「ようこそ、ベルベットルームへ……」
鼻の長い主人との挨拶もそこそこに、俺は悪魔絵師に話を聞いてみることにした。
そう言えば、女教皇のカードがやけに力を帯びているような気がするが……
あれ? そう言えば天照様と大日如来様は?
などと思う間もなく、悪魔絵師の話は始まったが。
「……そうか。やはり、ディスは目覚めようとしているか。
僕の知っている話では、それは黒き銃神の力の源だった。
確かに、ディス・レヴは輪廻から落ちた魂――まつろわぬ霊の力を基に動く。
より正確には、魂が輪廻から外れる際に生じる力を変換しているらしいが。
ああ、らしいというのは僕もメカニズムはわからないからね。
言い伝えは聞いていても、メカニズムは僕の専門外さ」
「魂そのものを力にしている訳じゃない……?
しかし、俺はこれを使った際に言いようもない不快感を覚えたのですが。
それこそ、物凄い負念に支配されてしまいそうな」
俺の言葉を聞いて、悪魔絵師のサングラスの奥の眼の色が変わった……気がした。
口元も、普段のクールな笑みを崩してやや真剣な表情に変わった風にも思える。
「もしかしてだが……君、あの
僕もあの地獄門を詳しく知っている訳じゃないが、あの中には負念が渦巻いているらしい。
最も、僕の知るものとは違っているようではあるけれどもね」
「入りましたが……何か、それが原因で不具合でも起きましたか?」
俺の答えに、確信を得たかのように悪魔絵師は頷いていた。
不可抗力とは言え、やっぱクロスゲート入ったのはマズかったか……?
「僕もここで聞いた噂に過ぎないが、ディス・レヴには類似した性質を持つものがあるらしい。
それは別なる世界で生み出されたものだが、かなり近い世界でもある。
その近い性質を持った物と、惹かれ合ったのかもしれないな。
また、黒き銃神は様々な世界を渡り歩く。君に宿るマゼンタの光のようにね」
『…………世界の通りすがりか、或いは因果律の番人か』
黒き銃神とその操者がこの世界に顕現するには因子が全く足りていないようだが。
と付け加えた上で悪魔絵師は話していた。
フリッケンとも関連があるかのような話しぶりだが、これは多分フリッケンそのものじゃなくて
フリッケンの在り方についての関連性だろう。
フリッケンも「自分は通りすがりだ」って言ってるし。
「だが、君がディーン・レヴをディス・レヴにすることで
君はその黒き銃神の代行者となる資格を得ることになる。
彼の者が顕現できずとも君が近い力を揮う事は、出来るはずだよ」
「……力を得られたのはありがたいのですが、俺はそこまで大それたことは……」
嘘偽りのない本音だ。正直、
これ以上の力をどうしろと言うのだ。そりゃまあ、オーフィスとかと戦うのなら
必要な力かもしれないが……オーフィスを、俺に如何こうできるとは思えないし
そもそも、そこはもう俺の出る幕ではないような気もする。
「で、話を戻すがそれは恐らく地獄門に漂う負念を多く取り込んだが故に起きた事象だろうね。
それによって、まだ目覚めこそしてないが今のディーン・レヴは
限りなくディス・レヴに近い性質を得てしまっている。
今取り込んでいる力を出し切れば元に戻るかもしれないが、それでも浄化は必要だろうね」
浄化? 出来るのか? 確かにあんな危険なものをそのまま扱うよりは
安全性を増して使う方がいいに決まっている。結果威力が落ちても、安全性には代えられない。
危険な力で暴走して自滅するだけならまだしも、それで周囲を巻き込んでは洒落にならない。
そう考えていると、後ろから声をかけられた。
「少しよろしいですかな? 力とは、心があって初めてその真価を発揮するものです。
あなた様が思っておられるほど、力とは恐ろしいものではありません。
ですがその慎重さは、あなた様がこれから手にするであろう力を扱う際には
必要になることかもしれませんな」
慎重……じゃないと思う。かなり思い切った事をしたし。しかもついさっき。
俺の力……俺だけが強くなっても仕方ないだろう。
それに、ただ力を手に入れただけで強くなるんだったら苦労はしない。
俺は単純に機能拡張すれば利便性を増す道具じゃないんだ。
それをどう使うか、そこまで含めての力だろう。
「さて、それはそうと。少し女教皇のカードを見せてはくれないか?」
「え? あ、はい」
悪魔絵師に言われるがまま、俺は絵柄のない、番号だけが振られた女教皇のタロットを差し出す。
まじまじとそれを眺める悪魔絵師。一体何だろう。
「なるほど。真なる絆を得たというわけではないけれど、力の方向性は決まったようだね。
ラフでよければ、このカードに絵をかかせてもらってもいいかな?
完成させるには、まだ少しばかり力が足りないみたいだ。
……それに、この絆の力はもしかするとディス・レヴへのカウンターにもなるかもしれない。
そのためにも、僕としてはラフで申し訳ないけれど一度絵を描かせてもらいたいのだが」
ディス・レヴへのカウンター……本当になるかどうかはわからないが……
物は試し、か。やってみよう。
……にしても、本当に天照様と大日如来様はどこに?
「わかりました、お願いします……しかし、このカードは貴重なのでは?」
「心配はいらない。昔は何百枚と同じものがあったし、何百枚と描いたこともあるからね。
そのことを思えば、簡単なものさ。だから、僕の保管用と合わせて2枚描くことになるけれど。
ああ、僕の保管用は僕のフリータロットを使うから、安心してくれ」
女教皇のカードを悪魔絵師に渡すと、彼はそのカードをキャンパスに見立て、絵を描いていく。
手際の良さは、まるでどこかのイラストレーターのようだ。
瞬く間にカードに全体像が浮かび上がった……
のだが、それはモノクロのラフスケッチだ。完成には程遠い。
確か
しかし、そこに描かれていたのはまるで違う。
太陽を象った冠をつけたポニーテールの女性が天を指差している。
この顔つきはアジア系のそれだ。ヨーロッパ系のヨハンナとは全然違う。
……あれ? この絵のモデルに、ポーズのモデルって……
「これは驚いたな。これならば、このカードを媒介にして俺達の力を行使できる」
「そうですね。些か、私の力の方が強く出てしまっていますが……」
そうなのだ。このカードの絵のモデルは天照様。
ポーズは恐らく、事あるたびに天を指し「お釈迦様は言っていた――」と仰っていた
大日如来様のものだろう。
……って、突然した声に驚く。お二方今までどこに?
「お二方? 今どちらに?」
「……案内してもらって悪いんだが、どうも俺達はこの空間じゃうまく顕現できないらしい。
今はこのカードがあるお陰でお前と意思疎通が図れるようだが」
ベルベットルームでは顕現できない?
まあ、この部屋自体かなり不可思議な場所ではあるし……そういうもんか。
納得している俺に、悪魔絵師が語り掛けてくる。絆……か。
正直、未だにピンと来ていない。
「絆は、特定の個人にだけ生じるものじゃない。集団に対する関連性もまた、絆の一種だ。
絆は得てして不可視のもの。それを具現化し、力に変える手助けを僕らは執り行っている。
イゴール老人から、説明があったとは思うけれどね」
つまり、今回は集団――神仏同盟を代表して天照様をモデルに。
そこに大日如来様の要素が加わった感じか。
確か、神仏習合で同一視されてもいたんだっけか。
「出来れば、真なる絆を以て完成させたいところだったけれど
今の君のディーン・レヴの様子を見ていると、そう悠長なことを言っていられないようだしね。
ただし、何度も言うがそれはあくまでも未完成品だ。僕にも絵師としてのプライドがあるし
是非、そのカードを完成させるためにももう一度ここを訪れてほしい。
なに、気長に待たせてもらうよ。ここでは、時間は意味を成さないからね」
俺はラフの描かれた女教皇のカードを受け取り、改めて記録再生大図鑑にセットし直す。
少し、力が強くなった感じはするが……今一よくわからない。
「
ここで試すわけにもいかないが。特に後者。
「さて。そちらの用事が一段落してすぐで恐縮ではございますが……
改めまして、カードを拝見させていただいてもよろしいですかな?」
「あ、どうぞ」
改めて、俺はイゴールにフリータロットを提示する。
確か前回は女帝と皇帝……あいつらに関する絆が絶たれているような事を言われたんだっけか。
「ふむ……やはり。人は生きる上で、様々な絆を紡いでいきます。
それは積み上げられ、時には崩れ、その繰り返しで大きく広がっていくものでございます。
さて、今のあなた様のご様子は……
……『3』番――女帝のカードに力が戻ったようでございますな。
後はご存じのように『2』番――女教皇。そして『5』番――法王、『11』番――正義。
さらに『8』番――力に進展を感じます。ですが……
……『4番』――皇帝は変化が無く、『10』番――運命も
いずれ大きな分岐点を迎えるやもしれません」
……察しのついた女帝と皇帝、今回判明した女教皇以外はほんっとうにわからないなこれ。
まあわかったらわかったで、力目当てに人付き合いをするって事になりかねないから
それは人付き合いとして何かおかしい気がするし。
しかし……女帝、つまりグレモリー先輩との関係が改善された?
そりゃまあ、昔ほどの嫌悪感は感じなくはなったけれども。
だからって別に仲良くするつもりは無いんだけどな。
……そもそも、住む世界も、何もかも違う。白音さんや黒歌さんにも言えることなんだが。
「ふむ。改善に思う所がおありのご様子。それも無理からぬことですな。
しかし絆とは、何も近くにいなければ育まれるものではありませぬ。
絆の形は千差万別。連綿と続く心こそが、絆を体現するのでございます」
……うん。俺も記録再生大図鑑使ってる関係上頭は自分で言うのも烏滸がましいが
悪くはない、寧ろいい方だとは思ってる。だけどこの爺さんの言う事はやはりよくわからん!
「今、現世を覆わんとしている昏い影は、一人一人の影や悪意そのものの雛型ともいえる存在。
それに立ち向かうには、誰か一人の力ではどうにもなりませぬ。
あなたにおかれましても、一人で戦っているわけではないという事を
努々、お忘れなきよう……」
……なるほど。ディーン・レヴにせよ、ペルソナにせよ
積極的に力を集めているのはニャルラトホテプを相手にすることを想定しているな。
俺に言わせば、力で制圧されるのも、内側から制圧されるのもどっちもヤバいと思うが
内側はまあ、対処が難しいだろうしな。だが、内側――ニャルラトホテプを相手取るのに
ディーン・レヴみたいな単純な力でどうにかなるものなのか?
「強い力を、正しく扱えてこそ強い心は育まれます。
強い心が無ければ、強い力は扱えませぬし、そもそも力を持つ前に
その強い力に己が取り込まれてしまうでしょうな。
荒療治かもしれませぬが、かの悪意に一度は膝を屈した前例を我々は知っております故
此度はこうした荒療治を執り行わせております」
なに? ニャルラトホテプに……負けた?
よくこの世界は何事もなかったもんだ。或いは、もう既に何か起きているのか?
……いや、そりゃ起こり過ぎてるくらい色々起きているが
周防巡査が言うにはニャルラトホテプと戦ったのは軽く見積もっても十年前には一度あった事柄。
イゴールの言う事が事実だとすると、その時に負けた? だが、周防巡査は現に健在だし
この世界だって別段どうかなったわけでもなく、そもそも十年前は俺とて生まれてる。
そんな世界的大事件があった記憶はない。ない……はずだ。
まあニャルラトホテプの不滅性を考えるとそれ以前に起きた話という仮説が十分成り立つし
今回その件について考えるのはやめよう。
そもそも、周防巡査はニャルラトホテプに勝ってるんだ。
「では、その荒療治の一環として俺にディーン・レヴを?」
「そうなりますな。しかし現時点でこれほどまでとは我々としましても想定外。
今後とも、出来うる限りのサポートはさせていただく次第でございますので
以後よしなに……」
納得はいくけどさ……なんで俺なんだ、って疑問は未だにある。
とは言えそれを気にしてもどうにかなるものでもないし
まかり間違って兵藤とかにディーン・レヴが渡ったらそれこそとんでもない話だ。
持たされたからには、責任持たなきゃなるまい。それが勝手な期待だとしてもだ。
「さて……前回ナナシとベラドンナが忠告しておりましたが
いよいよあなた様も大きな試練を迎える時が来たようです。
油断されることの無いよう、お気を付けくださいませ……」
前の忠告……「俺が敵として俺の前に現れる」だったか?
前は眉唾物だと思っていたが、再度こうして言われるとなると……
…………マジ、なんだろうな。
どう、戦えばいいのか。
自分の手札はわかっているから、そこを把握すれば……だろうが
ここで態々忠告されるって事は、そう言うただの戦いではあるまい。
まあ、不安にばかりなって尻込みしていても仕方がないし、そんな暇もあるまい。
無意識で俺は左手を擦りながら、イゴールの言葉に耳を傾けていた。
「さて……そろそろお時間のご様子。
では、また新たな絆を育むまでの間、しばしの別れですな……」
目の前の空間が歪み、青い扉が開いたと同時に、俺は外に放り出されていた。
今回は直接来たからか、意識を飛ばすようなことは無かった。
一応両手の掌を見ながら無事を確認したり、周囲を見回しているが
ここは確かにカメヤ横丁だ。後ろの扉は、綺麗さっぱり消えているが。
念のため、俺は記録再生大図鑑に収納されているフリータロットから一枚抜いてみる。
女教皇のカードだ。
確かに、ここには今までなかったラフスケッチが描かれている。
これだけで、実際に起きた出来事であるという事の証左となるはずだ。
つまり、あの警告も本当の事なんだろう。手の打ちようが無いが、今更だ。
「セージ! ここにいたのね!」
声のした方を振り向くと、グレモリー先輩が駆け寄ってきていた。
他に誰もつれていないところを見ると、一人で来たのか?
あんた顔写真付きで報道されてたのに、よくそういうことするよな。
今回ばかりは認識阻害魔法も大目に見るけどさ。
……しかし、やけに慌てた様子だな。何かあったのか?
「……何かあったので?」
「やはり。その様子じゃ、小猫――白音には会っていないようね」
は? 俺はヴァーリとの戦いの後に神仏同盟のお二方に呼び出し喰らって
その後ベルベットルームに入って、今出てきたところだ。
この一連の流れの中で、白音さんも白猫も見てない。
「白音さんがどうしたので?
……もしかして、俺を迎えに来ていたとか?」
「そうよ。事態が落ち着いたからあなたを迎えに行ったはずなんだけど……
だけど入れ違いになったとしても、帰ってくるのが遅すぎるわ。
いくら土地勘のない
「……ちょっと、由々しき事態ですな。
グレモリー先輩は先にホテルに帰っててください。俺が探してきます。
いくら認識阻害魔法使ってるだろうからって、あまり動かれても目立ちますんで。
市民はともかく、
その見てくれのせいでな、とはさすがに言わないでおいた。
それに、探し物なら俺の得意分野だ。俺も土地勘は無いけど。
そのこともあって、俺は念のために周防警部にも連絡を入れておいた。
……しかし、その結果は手掛かりゼロ。
日も暮れてホテルに戻った俺を待っていたのは、白音さんがまだ帰ってきていないという
事実の突き付けだった……
ほらフラグ回収しちゃう。
>ディーン・レヴに近いもの
魔装機神Fより、リチュオルコンバーター。
或いはスパロボOGMDより、イミテイション・リチュオルコンバーター。
セージの現状的には後者のが性質は近いです。
>因子が足りない
来なくていいです。
のはさておき、いくら何でもこの世界にバルシェムもイングラムもユーゼスもアストラナガンも持ってくるのは……
なので来なくていいです。たぶん。
>負念の浄化
これが無いと感想欄で指摘のあったセージ闇堕ちフラグになりかねないのがまた。
返答では無いと言いましたが、フラグになりそうな要素は結構あるんですよね……
>フリータロット
罪罰原作とは仕様が異なってます。
既に魔術師~世界の番号は振られている仕様で、セージの行動に応じて力が集まっていく仕様です。
で、それに合わせて悪魔絵師が絵を描いて完成。こんな流れです。
……原作で場合によっちゃ一度に何百枚と描いた金k……悪魔絵師マジスゲー。
4コマでもネタにされてたけど。
>女教皇
天照様はいいんですが、大日如来様は絶対違うアルカナなのはわかってますが
神仏同盟って括りで見ると……
多分今後こういうのが出てくると思います、悪しからず。
現時点では能力ブースト(パッシブ)とカード能力強化(パッシブ)って感じですかね。
あとクロックアップ。
>イゴールの言ってること
まあ、P5みたく……ってなことはありませんので。
彼に限らずなんですが、ベルベットルームの住人の言葉は大体抽象的過ぎて。
3以降の力の管理者組もぶっ飛びすぎですし。ドアボーイの弟が良心位ですかねあれ。
>ニャルに負けた?
P2履修済みならば言わんとすることはお判りでしょうが
この世界でそれが起きたかどうかと言うと……?
だけど、世界はこうして存在しているし、セージもそんな記憶はない。
だけどナチスが昔来た話もあるし……
セージは「それよりもっと前」と解釈しているようですが
それでもニャルに負けた=世界滅亡となると矛盾が。
>シャドウ
一応認識はしてますが、正体もわからない、ただ漠然とあるという事だけしか教わってません。
これだけでもかなり大きなヒント貰ってるんですが……
>曹操英雄派
触れてませんが、遠回しに警告してます。
あの場で「曹操英雄派が潜伏してる」なんて言っても
リアスが興奮する可能性があったので。敢えて遠回しにしか言ってません。