さて、どれだけの人が妄想したシチュエーションか知りませんが
実際に起きると、ちょっと洒落にならんですよね。
……どこぞの国では、起きてるらしいですし。
突然の出来事に、教室の中は騒然としたのだった。
「や、やっば~い! みんな、机の下に隠れて!」
授業を受け持っていた
俺は特別製の警察手帳を出し、事態の解決に向けて動くことにした。
「先生、俺は警視庁超特捜課特別課員でもあります。
今回の爆発事件、解決のために自分が動きます」
「やっば~い! 噂には聞いてたけど初めて見た~!
で、でも私だけじゃ決められないから、
この時間は職員室にいるはずだから!」
一応、自由行動の許可は得た。
とは言えやはりここの先生にも話を通さないと、学生でもある以上マズかろう。
「後、駒王学園の薮田先生にも話を通します。俺の素性を知ってますし。
先生はこの教室をお願いします。
……祐斗も若流先生のフォローに回ってくれ。あまり集団でウロチョロするのはマズい」
「わかったよ。セージ君も無茶しないでくれよ」
「そうそう! ケガとかしたらやっば~い、じゃすまないからね?」
とりあえず、俺は職員室へと向かうことにした。
教室を後にする際に、小声で「お、お、俺が、か、カッコよく、で、出るはずだったのに……」と
聞こえた気がしたが……気のせいだろう。
……にしても、何でまたこんな何の変哲もない学校を?
駒王学園なら、悪魔の本拠地みたいなもんだからわからんでもないが。
七姉妹学園でそういう話は聞いたことが無い。
精々、中庭に駒王学園の校庭で出土した要石の片割れが鎮座していたくらいだ。
確か、
等と考えていたら、早速不審者(?)に出くわした。
四本足を生やした四角いマシン? これは超特捜課の物でも、ユグドラシル製でもなさそうだ。
今まで見たことの無い、新手だ。一応調べるか。
COMMON-SCANNING!!
――メタル・ツェンタオア。
「機械のケンタウロス」を意味する、ナチスが設計した機動兵器。
機関砲「ブライコンツェルト」や毒ガス噴霧器を搭載し
動力は可燃性が高く、緊急時には自爆するようプログラミングされている。
第二次世界大戦中には完成しなかったが、終戦後潜伏したナチス残党が秘密裏に完成させ
当該モデルは近代化改修が施されているものである――らしい。
……明らかに学校に配備したらヤバい奴だこれ!
放置するわけにはいかない、確実に破壊しないと!
例え標的が三大勢力関係者だけだとしても、流れ弾やら何やらで被害が出るのは想像に難くないし
そもそも毒ガス標準装備してるような奴が徘徊していること自体、ヤバい。
EFFECT-THUNDER MAGIC!!
機械には雷、そういう単純な理屈で雷魔法をぶっぱしたが……はずした。
思ったより、相手の機動力は高いみたいだ。こっちがノーコンてのもあるかもだが。
少々危ないが、接近して電気を流し込めば――
SOLID-PLASMA FIST!!
EFFECT-HIGH SPEED!!
迎撃のブライコンツェルトを掻い潜りながら、マシンに体当たりをかまし、転倒させる。
多脚型は一度転倒すると弱い。ひっくり返った裏側にプラズマフィストを叩きつけ
そのまま電流を流す。
確かに電撃には弱いが、内部メカに直接与えているわけではないので少々、効きが鈍い。
構成材が何なのかまではわからなかったが、一応絶縁素材ではなさそうで助かった。
電流を流していると、突如警報が流れ出す。ま、まさか!
慌てて飛びのくと、さっきまで俺がいた場所のリノリウムの床は、真っ黒に焦げていた。
辺りには機械部品が散らばっており、自爆したのだと断言できる。
毒ガス積んだ奴が自爆して、その毒ガスが飛散していないのは
随分なご都合主義だと思うがあれか?
ナチスの科学は世界一ィィィィィィ、って台詞をどこかで聞いたが。
一応、メタル・ツェンタオアの部品と思しき機械部品を拾い集める。
鑑識に回して如何こうなるものとも思えないが、念のためだ。
有益な情報が手に入れば、儲けものだし……ハードディスクやメモリ的な部品が見当たらないから
その可能性は限りなく低そうだが。
COMMON-RADAR!!
伏兵がいないかどうか確かめつつ、校舎の廊下を歩く。
それなりの数の兵士が入り込んでいるようで、何度か遭遇戦を繰り広げながらも
無事に職員室までたどり着くことができた……のだが。
「……うん? 鍵が……
すみません、駒王……じゃない。警視庁超特捜課特別課員の宮本です。
扉を開けてもらえますか?」
「宮本君ですね? わかりました、今開けましょう」
中から薮田先生の声がして、鍵が開く音がする。
周囲を確かめながら、安全を確保して速やかに中に入り、鍵をかけなおす。
奴らが本気を出せばこの程度の鍵どころか扉ごとぶち破ってきそうだが、念のためだ。
「君なら動き出すと思っていましたよ。ところで、駒王学園の生徒会の皆さんは見ましたか?」
「正規の職員じゃないとはいえ、ここにいる警視庁関係者は今自分だけでしょう。
やらないわけにはいきませんよ。
生徒会組については、俺のクラスにはいなかったのでさっぱり。
真っすぐ職員室まで来ましたからね。
……ところで、麻生先生はどこに?」
「あーそう。君が噂に聞く警視庁関係者ね。
でも同時に駒王学園の生徒でもあるから、私のところに話をつけに来たと、あーそう。
警察手帳は……これね。それじゃ公務執行妨害にならないように
私は君に探索や行動の許可を出すと。
駒王学園の薮田先生も承認済みと、あーそう。じゃ、気をつけなさいよ」
素直に喜んでいいものかどうかわからない信頼を向けられながら
俺は麻生先生に行動の許可を得る。
薮田先生がいれば要らない気もするが、けじめは付けなきゃなるまい。
若流先生だけに話を通す、ってのもアレだし。
「宮本君。既に気付いているとは思いますが、ここを襲ったのはフューラーの部隊です。
それから、何人か
「神器持ち?
「残念ながら、今
この霧を何らかの形で消さない限り、珠閒瑠の外部からの応援は呼べないでしょう」
やはり。この霧は人工的なものだったか。
神器でフューラーの手助けをするって事は、どう考えなくても
それがどうして、七姉妹学園を襲っているのかはわからんが。
「神器封じ持ちが神器持ちと組んでいる、と言うのは考え方によってはかなり厄介です。
宮本君、くれぐれも気を付けてください。
……ところで、他のみなさんは?」
生徒会以外の他の……という事は、祐斗や
同じクラスで受けていた祐斗には若流先生の補佐として教室に残したが……
他のメンバーはわからないな。3年組やギャスパーはもっとわからん。
「……よりにもよって木場君ですか。もしかすると失策かもしれませんよ。
なにせ、彼もテロリストとしての嫌疑がかけられていますからね。
パニックを起こした生徒が、何をしでかすか……
仕方ありません。私も教室の見回りを行いましょう。
麻生先生、今から我々は外に出ますので、そうしたら鍵をかけてください。
校内に入り込んだテロリストを撃退するまで、決して開けないようにお願いします」
「あーそう。ここは私達で何とかするので、外は薮田先生にお願いしますよ、と」
素っ気ない対応を取っている麻生先生だが、この場に残して本当に大丈夫なのか?
薮田先生がここを離れたらこれ幸いとばかりに制圧されないか?
気になった俺は、薮田先生に小声で聞いてみたが――
「宮本君。こうなった以上、生徒の安全確保を優先すべきです。それが教師と言うものですよ。
本当なら、あなたにも待機を命じたいところですが……そうも行きませんからね。
それと、人手が無いからと言って分身を使うのはやめた方がいいですね。
さっきも話しましたが、相手に神器持ちがいる以上撃破されるリスクも背負うべきですよ。
それに、フューラーの兵士に後詰めがいないとも限りませんし。
では、私は3年の様子を見ます。宮本君は1階の様子を」
言うや否や薮田先生は突き当りの昇り階段を上がっていこうとする。
そこで俺は奴らの兵器の部品を拾ったことを思い出し、薮田先生に渡すことにした。
「……これを鑑識に、ですか。わかりました。ですが宮本君も持っていてください。
片方にだけ集中させると、万が一が起きた時にいけませんからね」
薮田先生と別れ、俺は下の階段を下っていくことにした。
――――
1階に降りた途端、外から爆音と共に物凄い揺れが走った。
まさか、校舎に攻撃しているのか!?
レーダーに反応は……確かにある。外からの攻撃のようだ。
こりゃ、ギャスパーより先にこっちを何とかしないといけないか?
ギャスパーは確か……1-Aにいたはずだ。白音さんが同じクラスだったはずだし。
俺は1-Aの扉の前で、ギャスパーを呼び出してみる。
「ギャスパー、いるか?」
「その声は……宮本先輩!? い、一体何が起きてるんですかぁ!?」
「フューラーの部隊の襲撃だ。外から攻撃してくる奴がいるみたいだ。
俺はそっちを叩くから、お前はこの教室を守ってくれ。出来るな?」
俺の問いかけに、扉の向こうからは声が震えながらも応じる返事が返ってきた。
他の教室も気になるが、こんな中でおちおち避難させることも難しいし
1-Aに固めるのもそれはそれで危険だ。体育館は離れだから、もっと危ない。
となれば、さっさと表から攻撃してくる奴を何とかしないといけない。
決心を固めて、俺は校庭に飛び出した。そこには――
――2メートル以上はあろうかと言う、筋骨隆々の巨漢がいた。
「……お? なんか虫けらが来たなあ?」
「今の爆発、お前の仕業か?」
まあ、他にいないし犯人として見るには妥当だろう。聖槍騎士団が長距離射撃してきたり
スツーカ爆撃やってきたり、ってんなら話は別だが。
俺は相手に悟られないように
「ああ、そうだ。この『
お前は……赤龍帝の片割れ……いや、アモンか」
「人間だよ。お前こそ人間の癖に、フューラーに与して、人間に害をなして何とする?
転生悪魔じゃないってのは、見ればわかる」
――出力された。
相手はヘラクレス。あのギリシャの英雄ヘラクレスの魂を受け継いでいるというが……
正直、見てくれだけしかそうだとは思えない。
悪魔がありなら、英雄の生まれ変わりもありかもしれないが……
一昔前に流行った、自称英雄の生まれ変わり、って奴か?
神器「
禁手「超人による悪意の波動」で広範囲を焼き尽くすこともできる。
見た目通りの頑強さを誇り、女子供相手でも容赦せず破壊の限りを尽くしている――か。
……全く、テロリストらしい奴だよ。で、目的は何なんだ?
「いるんだろ、この学校に。悪魔がよ」
「……そのために無関係の人も巻き込むとか、何考えてるんだ」
狙いはやはりオカ研か。だが、それならオカ研だけを狙えばいいはずだ。
態々七姉妹学園を、珠閒瑠市を攻撃する理由がわからない。
「俺も難しいことはわからねえ。でもそこにいるんなら、攻撃しない理由にはなるめえだろ?」
くっ、なんてはた迷惑な!
それがテロリストのテロリストたる所以かもしれないが!
とにかく、オカ研はどうあれこいつはここで倒さないと七姉妹学園が危ない!
「そうかい。じゃあ、こっちとしてもお前を撃退する十分すぎる理由があるが、いいな?」
「アモンは標的じゃねえんだがなあ。まあいいや。邪魔するんなら、てめえも潰れちまえ!!」
「……フン、ならば自称ヘラクレス! 広域破壊の現行犯としてお前を逮捕する!!」
桜の代紋を掲げながら行った俺の宣言をゴングに
ヘラクレスは「超人による悪意の波動」をしまい、こっちに向かって突っ込んできた。
見てくれ通りのパワーファイターか、ならば――
―こっちに来る前に、カードはリロード済みだ!
EFFECT-HIGH SPEED!!
ヘラクレスの剛腕から繰り出された拳を難なく躱したが
俺がさっきまでいたところはクレーターが出来ている。
まるで、さっきのメタル・ツェンタオアの自爆のような威力だ。
「ちょこまか動いたところで、俺からは逃げられねえぞ!」
今度はヘラクレスの拳が空を切る。拳圧による攻撃……かと思ったら
こっちに向かって爆発が起きた。これは流石に想定外!
SOLID-DEFENDER!!
「くっ……!」
爆発自体はディフェンダーで防げたが、爆風で舞い上がった砂煙で視界が遮られている。
つまりこっちの姿が隠れてしまっているので
相手が見えないって意味では相手も同条件だと思うが……
「見えないなら、纏めて吹っ飛ばしゃいいんだよ! 『超人による悪意の波動』!!」
「なにっ!?」
無差別攻撃にも程がある! 確かこの攻撃はミサイルサーカスによるものだ。
ならば、これで迎撃するしかない!
SOLID-REMOTE GUN!!
視界は遮られているが、触手砲は自律して攻撃できる。
相手をミサイルに絞り、これ以上爆撃による影響を出さないようにしなければならない。
だが触手砲の展開は、自分の位置を教えることでもあった。
「そこかあ!!」
「――っ!!」
いつの間にか突っ込んできたヘラクレスの剛腕に、危うく押しつぶされるところだった。
これ、気配を殺されてたらやられていたな……
だが、砂煙の隙間から見えるヘラクレスの拳が地面に突き刺さったのと同時に――
――目の前が、真っ白になった。
セブンス、10年前も軍隊が来たり殺人犯が入り込んだり
エルミンや軽子坂程じゃないですがかなりヤバいことになってますよね。
まあ、夜中に塔になる月光館も大概ですが。
>毒ガス積んだ兵器の自爆
いや、これは本当にご都合主義って事で……
ゲームで広範囲攻撃だしたときの影響とか、その辺考えだしたらキリ無いですし。
>駒王の生徒会
……原作で影薄いのもむべなるかな、って扱いになっちゃってます。
匙は出したら話ややこしくなりそうですし、他生徒会役員はぶっちゃけ掘り下げる必要を拙作ではあまり……
幽霊時代のセージが花戒に相性悪かったかも、程度のお話ですし。
それに七姉妹の生徒会はもっと影が薄い。
>木場を残したのが失策
全国ネットで顔割れてますし。
同様の理由でリアス・朱乃・アーシア・光実がヤバい。
その点生徒会は動きやすいんですが……
草加先生「そうかー! 君達がこの事態に対応してくれるそうなのか―! でも外は危険だから、この教室で大人しくしているんだぞ! そうかー! わかってくれたかー!」
ソーナ「いや、あの……」
>ヘラクレス
そういや、自称英雄の生まれ変わり、ってどこかで聞いたようなと思ったら、罪本編にいましたわ。
転生戦士イシュキック。
こちらただの痛い(1999年当時でも)コスプレ少女で
ムーで実際に流行ったとされる「戦士の生まれ変わり」を妄想しているだけ(それをジョーカーで叶えてますが)。
罰の彼女みたくヘラクレス他英雄派もただのキャラ作りコスプレイヤーだったら、平和だったんですがねえ……
因みにwikiに曰く確保後「幼稚園で警護してる」らしいんですが
仮にも子供乗せたバス襲った奴をその役職に就けて大丈夫なんですかね。
セキュリティの問題じゃなく、心情の問題として。