ハイスクールD×D 学級崩壊のデビルマン   作:赤土

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お待たせしました。
思いのほか筆が進まない&スランプ気味でして。

……違うネタが浮かんでくるのは、どうしたもんでしょうかね。

※3/18追記
誤字報告ありがとうございます。
ですがこれ誤字じゃないんですよー
ヘラクレス、ドイツ語表記だとヘアクレスらしいので(googleの発音もそう聞こえます)。
予め言っておくべきでしたね、失礼しました。


Will28. 「かつて」ですらなく Aパート

「世界を……静寂なる……世界を……」

 

禍の団・英雄派のジャンヌが変異したアインストヨハンナ・ニヒトの繰り出す

刃のついた触手――シュヴェールト・ギーセンによってゼノヴィアは接近戦を挑めずにいた。

それならばと光実(みつざね)が変身したアーマードライダー龍玄(りゅうげん)がブドウ龍砲で射撃を試みるが

その攻撃は前に躍り出たヘラクレスの変異したアインストヘアクレス・ニヒトの

鋼鉄の如き表皮によって阻まれる。

 

「クッ……手強い!」

 

「バラバラに攻めてもダメだ、ゼノヴィアさんはデュランダルでヘラクレスの足止め

 光実はジャンヌの触手を撃ち落としてくれ!」

 

EFFECT-CHARGE UP!!

 

俺はゼノヴィアさんと光実にバフをかけつつ、後方支援に徹する。

それと言うのも――

 

『セージ、6時方向上空から高速飛行物体が来るぞ!』

 

「あれは……多分この間襲ってきたスツーカとフォッケウルフか!

 かなり厄介な奴らだぞ!」

 

後ろを振り向くと、スツーカのサイレン音のような飛行音が響く。

ディフェンダーが間に合わなかったので、記録再生大図鑑(ワイズマンペディア)でガードするが

やはり、これでは完全には防げない。スツーカの爆撃で舞い上がった土煙の向こうから

フォッケウルフが機銃を撃ちながら突っ込んでくる。

 

「ぐぅっ……!!」

 

攻撃に思わず怯んでしまい、防御態勢を崩されてしまう。

ここをスツーカで狙われたらたまらないぞ!

だが、ここでこいつらを食い止めないと、スツーカやフォッケウルフに

ゼノヴィアさんと光実の頭上が押さえられる。それは避けたい。

そう危惧していると、意識しているのとは別の方向に体が動いた。

 

『おわっ!?』

 

「悪ぃなセージ、だがここは俺にやらせてもらおうか!」

 

体勢を立て直そうと四苦八苦している間に体が勝手に動く。

アモンが強引に俺の体のコントロール奪いやがったな。

……ま、この状況じゃ文句言ってる場合でもないが。

 

斧のような真紅の悪魔の翼(デビルウィング)を広げ、空中から超音波の矢(デビルアロー)

スツーカやフォッケウルフを狙おうとするが……

向こうの操縦技術がかなり高いのか、全く当たらない。

 

「くそっ、当たりさえすりゃ一発だが……まるで当たらねぇ!」

 

『おいアモン、このまま空飛んでたら向こうの的だぞ!』

 

そうなのだ。地上にいれば急降下爆撃と超低空飛行による掃討射撃。

空中に出れば高高度爆撃にドッグファイト。

あの二つの機体の操縦者として有名なあのパイロットは

経歴が嘘だか本当だかわからないって話だ。

それを再現されたとあっちゃ、こんなデカブツは的にしかならない。

 

魔力障壁を張りながら、アモンはフォッケウルフを掴もうとするが

これもうまくいかない。幸いなのは、この二種の機体はこっちの攻撃に集中しているらしく

ゼノヴィアさんや光実の方には向かっていないという事くらいか。

 

「…………チッ」

 

地上に降りるなり舌打ちをしながら、アモンが引っ込む。

あれだけの機動力に対抗するには、俺の手札の中にはもうこれしかなかった。

 

SOLID-GUN LEGION!!

 

「ぐっ…………!!」

 

戦闘機には戦闘機だ。ギャスパニッシャーで止めて各個撃破しようにも

ギャスパニッシャーでとらえる前に逃げられる。それ位、相手は素早い。

正直に言えば、これはパワーソース的な意味でアキシオン・バスターとあまり変わらないので

なるべくなら使いたくはないのだが。

 

校庭の砂利を媒体に、周囲を漂う負念が集まってくる。

負念は俺の体から抜け出た赤黒い光と結びつき、骨で出来た鳥を形作っていく。

どうもこの辺に漂っている負念では足りないらしく

俺の中にあった負念を増幅させて賄っているようだ。

正直、俺の中にどんどんどす黒いものが積み重なっていく感じがして、気持ち悪い。

 

しかし、そんな俺の異変を察知したのかスツーカもフォッケウルフも標的を俺から

向こうでアインストと戦っているゼノヴィアさんや光実に変えたらしく

俺から離れるように飛び去って行こうとする。マズい!

 

「くっ……ガン・レギオン、シュート!!」

 

スツーカとフォッケウルフを追撃する形でガン・レギオンが飛び

ほどなくして上空ではドッグファイトが繰り広げられた。

ドッグファイトの舞台となったのはジャンヌやヘラクレスの頭上。

それが鬱陶しいのか、ジャンヌは触手を振り回し、ヘラクレスは爆発で上空を攻撃しているが

ガン・レギオンにも、スツーカにも、フォッケウルフにもあたっていない。

 

……あれ? あいつら、どっちの味方なんだ?

 

「セージ、これは一体……!?」

 

「わからない、だが今がチャンスだ!」

 

いずれにせよ、このチャンスを逃す手は無い。

ゼノヴィアさんと光実に攻撃を指示し、俺もナイトファウルを改めて携え

アインストとの戦いに参加する。勿論、アルギュロスは装填済みだ。

 

「騒々しい……我らは……混沌は……望まぬ……!!」

 

「ヒトも……混沌も……静寂へと……帰れ……!!」

 

 

――お前らも……人間だろうが!!

 

 

人はその身に余る力を持てない。力を持て余した瞬間、人は人でなくなる。

少なくとも、今まで見てきた中では俺はそう思っている。

奴らはさながら、神器(セイクリッド・ギア)と言う己の力に溺れて、人の道を踏み外した挙句が

ああしてアインストへと変貌した、といったところだろうか。

スツーカとフォッケウルフの意外な支援攻撃によって

奴らの攻撃の隙が出来たことで、俺達は一気に攻め込んだのだが

奴らの攻撃の手が止まったわけではない。

相変わらずジャンヌの触手は攻撃の足を止めて来るし

足止めを喰らったところにヘラクレスの爆撃が来る。

 

爆撃自体はゼノヴィアさんがデュランダルで相殺しているが

そうなると攻撃できるのは俺と光実だけだ。

俺のナイトファウルはコアを狙わないと装甲の厚いヘラクレスはおろか

見た目的にはそこまで硬くなさそうなジャンヌにも有効打にならない。

光実――龍玄のブドウ龍砲もあまり有効打にはなっていないようだ。

 

「くっ……攻め込むなら、接近戦用のアームズが必要ですね……

 今持っている僕のロックシードなら……あれなら行けそうだ!

 セージさん、飛び道具はセージさんに任せます!」

 

「あっ、おい光実!」

 

間合いを取り、光実が戦極(せんごく)ドライバーのロックシードをはずす。

そして、また別のロックシードを取り出し、新たに填め直す。

 

 

〈キウイ!〉

 

〈ロック・オン!〉

 

――鳴り響く銅鑼と二胡のメロディ。

龍玄の頭上には、空間に穴が開いており、そこから――

 

 

――キウイが、落ちてきた。

 

〈ハイーッ!!〉

 

〈キウイアームズ!〉

 

〈撃! 輪! セイ! ヤッ! ハッ!〉

 

銅色の鎧に、輪切りのキウイを思わせるチャクラムを両手に携えた姿。

遠距離主体のブドウと違って、近~中距離戦に主眼を置いた装備のようだ。

なお、やはり記録は出来ない。

 

「これで触手を食い止めます、その隙にもう片方を!」

 

「わかった!」

 

なるほど。確かにあれだけ幅広の刃を振り回せば、触手のようなものなら容易く斬れる。

その証拠に、ジャンヌの触手を光実は舞うように回りながら切り裂いていく。

これなら、ガン・レギオンに援護させるだけでこっちは大丈夫そうだ。

スツーカとフォッケウルフは、形勢が不利と見たのか離れている。

あるいは、積んでいる燃料が無くなったか?

まあいずれにせよ、流れはこっちに来始めた。

 

「ガン・レギオン! 光実を援護しろ!

 ゼノヴィアさんは俺がヘラクレスの装甲を脆くするから続いてくれ!」

 

確か腐食剣はアインストゲミュートにも効いた。

ならば、このアインスト化したヘラクレスにも効くだろう。

奴の肉体が変異したものだから、確実なことは言えないが。

正直、扱いにくいナイトファウルを振り回すよりはこれで有効打を与えるのが先だろう。

そもそも、ナイトファウルの真価を発揮するにはコアを狙う必要がある。

 

「やれるんだな?」

 

「――やるさ!」

 

SOLID-FEELER!!

 

ヘラクレスに触手を巻きつけ、奴の巨体を軸にする形で一気に距離を詰める。

途中、ヘラクレスが触手を千切ろうと掴もうとするが

その一瞬を見逃さず、紫紅帝の龍魂(ディバイディング・ブースター)に宿っている白龍皇の力を発動させる。

 

DIVIDE!!

 

元が大きい力だからか、相当弱体化したようだ。

しかし、それでも巻き付けた触手が千切られるのは時間の問題に思えた。

そこで、俺は奪い取った力を利用して地面を蹴る。

若干のクレーターを作りながら、ヘラクレスの懐に潜り込む。

 

――今だ!!

 

SOLID-CORROSION SWORD!!

 

ナイトファウルを一旦仕舞い、腐食剣を実体化させる。

まずは足だ。これだけの巨体を支える足を崩せば、相当無力化できるはずだ。

少なくとも、体勢は崩せるだろう。

 

切れ味の鈍い腐食剣が、鈍い音を立ててヘラクレスの硬質化した足に当たる。

向こう脛にあたる部分を叩いているのだが、特別悲鳴を上げていない。

今更だが、アインストって本当に人間とは違う構造してるんだな。

 

「ゼノヴィアさん!」

 

「おおおおおおおおおっ!!」

 

大振りに振りかざしたデュランダルが、脆くなったヘラクレスの足を切り裂こうとする。

しかし、突進するゼノヴィアさんの前にヘラクレスの拳が迫る。

しまった! 手が足りなかったか!

 

「くっ……!!」

 

「潰えよ……静寂を乱す者……!!」

 

この位置からではゼノヴィアさんは勢いを殺せないし、防御したら攻撃のチャンスが無くなる。

俺は慌てて巻き付けていた触手をヘラクレスの攻撃を食い止めようと

ヘラクレスが振りかぶった拳目掛けて伸ばすが、やはり、一歩遅い。迂闊だった――!!

 

「――なめるな、その程度で私を止められるか!!」

 

――しかし、ヘラクレスの攻撃はゼノヴィアさんの遥か頭上で爆発する形で終わった。

おかしい。あの位置なら爆発に巻き込ませるよりは殴った方が早い。

アインストだから人間とは戦法が違うのかもしれないが、それにしたって。

 

だが、それはこちらにとっては好機だった。なにせ、攻撃の勢いをほとんど殺がれていないのだ。

腐食剣で脆くなった部分を、的確にデュランダルが砕く。

轟音を立てて、ヘラクレスの巨体が傾く。

 

「……おのれ……混沌め……我らに……下りながら……

 我らに……楯突くか……!!」

 

よく見ると、ヘラクレスの右腕には砲弾――徹甲弾が突き刺さっていた。

恐らく、どこかから砲撃されたものだろうが……

天照様? それとも聖槍騎士団? このどちらかしか、この攻撃は出来ないはずだ。

 

 

……いや、今はそれについて考えるのは後だ!

崩れ落ちたヘラクレスのコアを狙おうと、腐食剣をナイトファウルに持ち替えようとするが。

 

『セージ、今は腕を封じろ。また攻撃されたら敵わん』

 

……それもそうか。俺は狙いを左腕の関節部分に変え、飛び上がって関節に腐食剣を叩きつける。

それを見ていたゼノヴィアさんが、続く形で関節をデュランダルで切り裂く。

 

EFFECT-RUIN MAGIC!!

 

そして、切り口に滅びの魔力を叩きこむ。こうすれば再生もするまい!

目論見通り、再生能力を滅ぼされたことで新しい腕が生えてくる気配も

切り落とされた腕を再接続しようと触手が伸びてくる気配もない。

これでヘラクレスの攻撃は殆ど封じた。と思っていたのだが――

 

(なんだ? レーダーに熱源? ヘラクレスのエネルギーが上昇してる……?

 何か行動するつもりだろうが、その前にコアを叩けば!)

 

体勢を崩し、コアが露出し、それを防ぐための腕も片方しかない。

ナイトファウルでコアを狙うなら今だと判断し、ヘラクレスのコア目掛けて突撃するのだが。

 

「セージ! ヘラクレスの様子がおかしい!

 

 …………背中だ! 背中が隆起して……何か撃ち出すつもりだ!!」

 

ゼノヴィアさんの指摘に、俺はヘラクレスが何をしようとしているのかを察知した。

尚の事、攻撃を急がなければならない。まだ何かしでかすつもりか!

 

COMMON-SCANNING!!

 

だが、焦ってもどうにもならない。せめて攻撃の正体は把握しておきたい。

そう思って検索をかけたのだが……

 

……この野郎! 最後になんてもの出しやがったんだ!!

なにせ、撃ちだそうとしているものが――

 

 

 

――核ミサイルと遜色ないものだったのだ。

 

 




手を組んだはずの聖槍騎士団が英雄派であるはずのジャンヌやヘラクレスを妨害するような行動。
これは彼らがアインストと化したからなのか、それとも。
ヘラクレスにスポットを当てたため、ジャンヌの影が薄いですがまあいずれ。

>キウイアームズ
本編では黄泉に改造された疑惑のあるアームズ。
触手相手ならブドウより優位に戦えるかな、とチョイス。
ヘラクレス相手ならパインの方がいいかもしれませんが
そっちは腐食剣とデュランダルの合わせ技になりました。

>ヘラクレスの最後の技
イメージは山のバーストン。
と言うか、原作ヘラクレスも割と山のバーストンっぽい感じがしなくもなく。
流石に核ミサイルはぶっぱしてない……はずですが。
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