五月病気味で筆が鈍ってました。
アイデアとかは浮かべども、筆が進まない。そんな状態でした。
今回短いのはそれもですが、区切りの関係もあります。
縛り上げたJOKERはパオフゥさんとうららさんによってベルベットルームへと運ばれ
一応の措置は済ませられたそうだ。
その一連の作業が終わる頃にはフューラーの部隊も引き上げており
一応、俺は駆けつけてきた周防警部から聴取を受けてはいるが。
「……芹沢君や、パオフゥからの口添えもあった。
僕自身、JOKERとは因縁もあることだし
今回の君の行動に関しては超特捜課の行動として適切であったと報告しておくよ」
「ありがとうございます」
やはり、こうして説明の速い大人がいてくれるのは助かる。
そういう意味では、俺の方こそ権限を笠に着て好き放題してるのかもしれないな。
……かつて、グレモリー先輩に揶揄したことではあるのだが。
そう考えていると、周防警部から妙な話を聞かされた。
「……今から話すことは、決して他言無用で頼む。
今、下手に噂が流れてしまうと取り返しのつかない事態を招きかねないからね。
それは、君も過去の事件を聴いているから知っていると思うけれど」
「何か、あったんですか?」
周防警部から聞かされたのは、驚くべき話だった。と言うか、耳を疑った。
何せ――
――俺が、D×Dの六人目であるという噂が流れているらしいのだ。
「バカな!? 俺は行動の際には警察手帳も提示して……」
「恐らくだが、君がリアス・グレモリーらと行動を共にしていたのが仇になったんだろう。
噂の出所は芹沢君やパオフゥ、それともう一人が調べているところだが
ほとぼりが冷めるまで、君はD×Dに関連している人物と行動を共にしない方がいい」
……ダメだ! それじゃダメだ!
白音さんを攫った犯人は、俺を兵藤と行動させることを要求してきた!
兵藤自身はD×Dの構成員としては世間には知られてないが……
別に兵藤と二人きりで行動するつもりは無いのだから、それはあまり意味がない。
寧ろ、同行を願おうと思っていた人がそこの条件に引っかかってしまう。
「そうしたいのは、山々なんですが……」
「その言い方だと、何かあるみたいだね」
隠すことでもないので、俺は周防警部に顛末を改めて話すことにした。
そして、当初の予定であった行動プランも。
白音さんの捜索届は既に受理されているはずなので、周防警部が知らないはずもないのだが。
まず俺と兵藤は向こうが指名しているのだから、否応なしにでも行動を共にしなければならない。
後はアーシアさん。これは不測の事態に備えてだ。犯人が白音さんを傷つけない保証がない。
あとは機動力に秀でた祐斗の他に
兵藤も土地勘はあるかもしれないが、情報の更新が無い奴の土地勘はあまり当てにならない。
「確かに、君の家族が行方不明とは聞いていたが……まさか誘拐事件に巻き込まれていたとはね。
身代金や逃走手段の要求も無いとなると、確かに相手の要求が不明瞭だな。
しかし、さっきも話したが今の君がD×Dのメンバーと目されている者達と
行動を共にするのは、危険であると言わざるを得ないな」
「……一か八かの危険な賭けですが、噂を噂で上塗りするってのは可能ですか?」
俺の提案に、周防警部は思い当たる節があるのか一瞬驚いた表情を見せた。
しかし、すぐに神妙な面持ちに戻る。その眼差しは、サングラス越しにもわかる位だ。
「対抗神話になる噂を、か? 出来ればやめた方がいいかもしれないな。
噂が現実になる現状、二つの相反する噂が流れてしまってはどうなるか見当もつかない。
それに、何処からその対抗神話を持ち出してくるというんだ?」
「それなら、このバオクゥにお任せください!」
周防警部の指摘に俺が頭を抱えていると
用事を終えたと思しきバオクゥが向こうからやってきた。
ん? そういや、こいつは俺達が来る前から珠閒瑠市にいたわけだよな?
という事は、少なくとも俺よりは珠閒瑠市の土地勘はある、それも最近のものを。
だったら……
……って、俺のD×D六人目説に対抗する噂話? そんなもん何処で仕入れたんだ?
「……本当はジャーナリストとしてやりたくない方法なんですけど
でっち上げの話を使って……SNSとかで、適当な対抗神話を仕立て上げて
セージさんとD×Dに接点を無くせばいいんじゃないですかね?」
「ガセネタを流すのか。バレたら炎上しないか?」
「まあ、そこは腕の見せ所、って事で。それに、ガセネタには一家言ある知り合いもいますし」
……バオクゥのその言葉を聞いて、俺は頭が痛くなった。
まさか、リーの力を借りるつもりなのか?
と言うか、イェッツト・トイフェルのお抱えになったリーが
今回の件にホイホイ手を貸してくれるものか?
そう懸念していると、周防警部もどうやら同じ考えをしていたらしい事を話し出した。
「…………いや、やはりその方法は危険すぎるな。
噂が現実化するというこの現象、まず間違いなく十年前の事件の再来だ。
そして僕には犯人に目星がついている。僕が思っている通りの相手が犯人ならば
下手なガセネタを流せば、事態はより悪化することになりかねない」
「……ニャルラトホテプ、ですか」
周防警部の言葉に、俺は心当たりのある存在の名を告げる。
首肯する周防警部と対照的に、初めて聞く名前であったのかバオクゥが食いついた。
「ニャル……ま、まさか今回の事件の裏にいるのってクトゥルフの……!?」
「いや。その神話の神そのものと言うよりは、人の心の悪意そのものの雛型と言うべきだったな。
まあ、鶏が先か卵が先かまでは僕には何とも言えないが」
その存在に対して辟易とした様子で、周防警部が語っている。
俺も聞いた限りでは、オーフィスとかとは別ベクトルで厄介な存在だと思えてならない。
なにせ極論を言えばオーフィスはクロスゲートに放逐すればその場しのぎは出来るが
ニャルラトホテプにその手が通用するかどうかはわからない。
「……ガセネタ作戦は危険ですかぁ……うまくいくと思ったんだけどなぁ」
「……いや。バオクゥには別件で力を貸してほしいことがある」
ガセネタ作戦は取り下げられたが、俺はバオクゥに珠閒瑠市の土地勘を期待して
道案内、
彼女はD×Dの構成員として噂になってないので、連れ歩いても問題はない……はずだ。
同行させることで逆に彼女がD×Dの構成員にされかねないが。
「そう言う事ならお任せください!
変な噂流されるのも、リーさんと組んだことあるんで今更ですよ!
それに、ちょっとやそっとの噂ならそれこそ捻じ曲げちゃいますよ!」
自信満々に応えるバオクゥに、頼もしさと同時に危うさを覚える。
いや、今や手段をとやかく言える事態ではないのだから多少は目を瞑るべきだろう。
だが、それでも少し嫌な予感がしてならない。
それに同行を願うならより土地勘があるのは芹沢さんやパオフゥさんの方なんだが
どうやら「街中にもJOKERが現れた」らしいので、そっちの対応に向かったのだ。
超特捜課が応援で来られない現状、珠閒瑠市にいる人員だけで対処するしかない。
こういう時のために、ホテルについた時に俺は
「珠閒瑠市で何か起きた時のためにここを頼れ」と渡された封筒を持って
ホテル内のフレンチレストラン「クレール・ド・リュンヌ」に行っていたんだった。
だがそれだって、従軍経験のあるレストラン従業員に頼むという裏口的な手段だ。
現役の警察官や自衛隊員を動員している訳じゃない。
まさかあそこのギャルソンさんもフランス外人部隊の出身で
かつ凰蓮軍曹と同じ隊にいたことがある、と聞いた時には
世界意外と狭すぎだろ、とは思わざるを得なかったが。
ただあのギャルソンさん、どっちかと言うと悪魔絵師と同業っぽい感じもしたんだよなあ……
まあ、噂じゃ十年前の事件で店が襲撃された際にナイフとフォークで賊を撃退したって話らしいし
実績があるのは確かなので、今回頼った方がいいだろう。
とりあえず、そのギャルソンさんとも打ち合わせがしたいので
俺達はこの後ひとまずホテルに戻ることになった。
授業もこの騒動で終わってしまっている。
俺達以外の生徒は学校待機となってしまった。
まあ、まだ街中にJOKERがうろついているのではなあ。
疎開と言う名目のはずが、何かとんでもないことになってっしまっているな……
>6人目のD×D
罪当時既に戦隊の6人目はそこまで珍しくない(罪発売時のゴーゴーファイブ日本語版に6人目はいませんでしたが)ですが
フェザーマンの元ネタたるジェットマンに6人目はいませんので。
(次作ジュウレンジャーから正統な6人目スタートですしね)
なので、その辺に準えて「今なら5人組には6人目もいるだろう」って事で6人目エントリー。ヨホホイ。
その6人目がセージになってしまったのは何の因果か。
そりゃまあセージには「追加戦士」的なテイスト加えてる部分ありますけど。
>噂の上書き
罪で成立したのは
「爆破テロ現場に達哉達が来ていた」
「子供たちの草の根ネットワーク」
と言う冷静になって考えると結構危うい地盤だったので(しかもそれでも完全じゃなかったが故にシャドウ誕生)
状況証拠に乏しい現状では対抗神話はそれこそガセネタ由来になってしまうので
そんなもん流したらどうなるかわからないので……
>地獄のギャルソン
一体何島さんなんだ……
悪魔絵師の同業臭いというセージの意見は、元ネタが元ネタですので……
凰蓮軍曹と同じ部隊にいたというのは、時系列を考えると少し微妙なところですが……
ま、まあ以前も安玖巡査の兄と言う別の人がいたので。
それにしても外人部隊所属経験者多いなあ。
凰蓮軍曹との接点は持たせたかったのですが、そのエピソードを入れるのを失念したために
こんな風にねじ込み気味に。すみません。