ご紹介いただき、ありがとうございます。
紹介されたのは通知が来ないので今の今まで気づきませんでした。
ホテル・プレアデスの裏口。
JOKERの襲撃を退けたソーナ・シトリーや
リアス・グレモリーらの前に、謎のシアンの男とフードの男が現れる。
シアンの男はまるでソーナらを試すかのように「仮面ライダー」と呼ばれる戦士を召喚。
亡霊の如き青い戦士・仮面ライダースペクター。
純白の鎧武者・仮面ライダー斬月。
二人の戦士は、まるでソーナらにとって立ちはだかる壁であるかのように
悉くソーナらの攻撃を退ける。
そんな中、ソーナの眷属・匙元士郎が
スペクターの動きを封じようとするが、スペクターは事も無げに匙の拘束から脱出。
その際に用いた力は、脱出王とも呼ばれた奇術師、ハリー・フーディーニの力であった。
そのフーディーニの力に対し、匙は
しかし、匙は神器の力こそ使えてはいるものの、魔術的な素養に関しては
特筆するところは無い。長所を伸ばすものでは無く
ただ単に相手に張り合って昇格しただけだ。
この時、匙は完全にフードの男から注意が外れていた。
しかし、フードの男は仮面ライダーを召喚だけして何もしないシアンの男同様
一切手を出してこなかったので、注意を向けなくなるのも無理からぬことではあるのだが。
しかしそれは、完全にフードの男の思うつぼであった。
MEMORISE!!
「…………えっ!?」
「……目的は果たした」
そう、戦いの脇からこうして横槍を入れられているのだ。
別に一対一の勝負でも何でもないので、横槍自体は別に卑怯でも何でもないのだが
その横槍の中身が問題だった。
横槍と共に響いた声。その声は、多少歪んで聞こえるものの
リアスにとってはよく聞いた声でもあった。
まして、声の主の左手のデバイスが発した音声。それは紛れもなく――
「ま、待ちなさい! あなた……セージなの!?」
SOLID-GUN LEGION!!
リアスの問いかけに、フードの男は返答代わりにガン・レギオンを差し向ける。
しかしそのガン・レギオンはセージが生み出した骨の鳥のような姿ではなく
飛んでいること自体が不可解とも言うべき、穴ぼこだらけでスクラップにしか見えない戦闘機。
それはまるで、戦闘機の――かつて空を守った英雄達のゾンビとも言うべき姿であった。
ゾンビを思わせる姿とは裏腹に、その機動力はかつて大空を駆けた頃となんら遜色は無い。
不吉な赤黒いオーラを纏いながら、機体ごと突っ込んでくるかのように
掃射攻撃を行いながら、ガン・レギオンはリアス達目掛けて突っ込んできた。
「カミカゼ!?」
「――リアス様!」
その悍ましい姿に一瞬リアスもたじろぐが、事態を察知した椿姫がリアスを庇うように躍り出て
神器「
前に躍り出た仮面ライダー
MEMORISE!!
「……へえ、これは思わぬ収穫。お前たちのお陰で手札を増やしてくれてありがとうよ。
そしてこれでそっちの勝ち目はさらに無くなった」
「試してみなきゃわからないだろ!」
この場の誰も知らぬ事ではあるのだが、実際セージは僧侶への昇格のカードは持っていないし
そもそもシトリー眷属とは匙以外戦ったことが無い。能力をコピーする機会が無かったのだ。
能力をコピーする。それは紛れもなくセージの神器「
少なくともリアスはセージがそれを十二分に活用していることを知っており
ソーナもリアスからのまた聞きではあるが知覚している。
そして、以前セージと匙はもめ事を起こしたことも。
「試す? 一度負けているのにか?
二度も無様に這いつくばるなら、自分で無様にのたうち這いずり回れ。
俺は、お前の理想を決して認めはしない」
「てめえに何がわかるんだッ!!」
匙が発現させた力。それは「黒い龍脈」ではなく、黒い炎。
元来匙が持ち合わせていないはずのヴリトラ系の神器「
これは呪いの炎を放つ、黒い龍脈よりもさらに攻撃的な能力であり
攻撃をメロンディフェンダーで受けていた斬月もじりじりと押され始めていた。
「どうだ! 俺の新しい力は!」
鉄壁を誇っていた斬月を押し返し、勝ち誇る匙であったが
フードの男は微動だにしない。彼が斬月の後ろにいたというのもあるのだが
徐に彼はガン・レギオンを召喚した時と同様左手のデバイスを翳す。
EFFECT-REFLECT!!
次の瞬間。フードの男の前にバリアが展開され、彼を襲っていたはずの黒い炎は
その勢いを完全に匙の方角に向けてきた。
しかも返された黒い炎は、匙だけでなくガン・レギオンの攻撃の衝撃を返した椿姫や
主であるはずのソーナにまで返ってきてしまっているのだ。
「言ったぞ。自分で無様にのたうち這いずり回れとな」
「く、くそお……っ!!」
(これは……椿姫の神器をコピーしたとでも言うの!?
それじゃ、まるでセージの……じゃ、じゃあやはり……!!)
一連の流れで、リアスはフードの男がセージではないかと言う疑惑を強めた。
何せ、相手の能力をコピーして使用しているのだ。
身体的特徴も、極めてセージと酷似している。
しかし、セージとするなら解せない。
彼は人質解放のために今しがた出たばかりだ。
ここで戦う事は、人質解放とは全く関係が無い。
いくらセージでも、そんなことをするとはリアスには思えなかったのだ。
「……リアス、皆。ここは撤退しましょう。
相手の力が読めなさすぎます。こうして椿姫の力まで複製されたとあっては
他の能力も例外ではないかもしれません。そうなっては手が付けられません。
それに、あのシアンの者が増援を出さない保証もありませんし」
「た、確かに……
信じたくはないけど、もし私の懸念が当たっていたら
こっちの能力や弱点も筒抜けになりかねないわ。
何とか隙を作って、一気に抜け出すしかなさそうね」
リアスもソーナも、撤退で意見は纏まった。
相手の力の底が見えない上に、最悪相手はこちらの能力や弱点を見通せるのだ。
もしここがホームグラウンドであったとしても、その地の利をあっという間に覆しかねない。
それだけのポテンシャルを、相手は秘めていたのだ。
「だったら、俺が殿になります!
こんな時のために、俺はヴリトラの神器を強化したんです!」
「なっ……!?」
匙の神器の強化。それはソーナにとっては寝耳に水の話であった。
主である自分に何の相談もなく、勝手に行っていたのだ。
それはまだいいとしても、一体どこでそんな事をやってのけたのだろうか。
そもそも、さっきの能力だっていつ手に入れたのだ。
確かに、聞いた話程度ではあるが匙の神器には同格のものが残り3つはあったそうなのだ。
そのうちの1つが、さっき見せた黒い炎だというのは確信できた。
……だが、いつ匙はそんな情報を手に入れたのだろうか。
そもそも、どうやってヴリトラの神器を見つけ出したのだ。
神器の移植など、堕天使がかつて試みた事例しかない。
それだって、元の所有者を殺害して奪い取る形での移植だ。
そもそも、神器を抜き取ることは持ち主の死を意味する。
そこから導き出される答えは一つだ。
――匙元士郎は、殺人に関与している――
匙自らが神器の所有者を殺したのでないのだとしても、よくて火事場泥棒。
一番考えうる悪いケースは、殺人の幇助。
警察が何も言ってきていないという事はイッセーと違って証拠が挙がっていないという事なのだが
それでも、匙が犯罪に手を染めたという事が暗示されてしまった。
その考えに至った瞬間、ソーナの背筋を冷たいものが走った。
悪魔である自分が人間を殺すのは、あってはならないことと思ってはいるが
避けては通れないところもあるのかもしれないと、何処かでは思っている。
しかし、元人間の匙が人間を殺すというのは……やはり、あってはならない。
そこはまだ、ソーナの若さ故の甘さが見え隠れしている部分であった。
一方の匙は、意気揚々と新たなヴリトラの力を発現させようとしていた。
再び黒い炎が上がるが、その炎はフードの男や斬月、スペクターだけを取り囲むように燃え盛り
動きを封じにかかったのだ。
しかし、スペクターに憑依しているのは脱出を得意とするフーディーニ魂。
炎の牢獄からあっという間に脱出を――できなかった。
同時に展開された力場が、スペクターの力を吸い取っていたのだ。
「どうだ!『
その妙な力で脱出しようったって、そうはいかねぇぞ!!」
(なるほど。動きを止めておいて、そこに力を吸収する力場を設けるか。
確かに、これなら
ただ…………これ、まずいことになってるかもしれないな)
斬月も力を奪われ、メロンディフェンダーを取り落とすどころか
実体を保てるかどうかの瀬戸際まで追い込まれてしまい
スペクターもいつの間にかフーディーニ魂から召喚された当初の姿へと戻っている。
さらにスペクターも斬月同様、実体を失いかけていた。
この状況には、シアンの男も仮面の下で舌を巻いていた。
2大ライダーを封じることが出来たというのは、匙の金星と言えるかもしれないが
一方のフードの男は、先ほどラインを接続されたスペクターのように
微動だにしていなかったのだ。
「次はお前の番だ! その減らず口を二度と叩けないようにしてやる!」
『……取り込まれた魂は、まつろわぬ霊となり、理を覆す。
命の、魂の意味を知らぬ、解ろうともせぬものには……
銀河の終焉の地で貪り、貪られる霊達と存在を等しくするがいい……
――ディーンの火よ、ディスの心臓の鼓動となれ――!!』
フードの男が呪文のようなものを詠唱したと共に、周囲に漂う死者の霊魂や
先程召喚したガン・レギオンの残骸。そして斬月やスペクターまでもが
フードの男の胸元に展開された赤黒い魔法陣へと吸収されようとしていた。
「…………っ!!」
FINALATTACKRIDE-D D D DIEND!!
思わず、シアンの男が黄色いカードを銃に装填し
青緑色のカードの形をしたエネルギーの渦を形成する。
斬月とスペクターはそちらに取り込まれる形となり、その姿を消した。
そして、フードの男が集束を始めていた霊魂――怨念を雲散霧消させるかのように
シアンの銃からエネルギーの奔流を放ち、周囲を巻き込む形で
フードの男の行動を阻害したのだ。
その結果、物凄い爆風と共にホテル裏口付近は煙に包まれ
何者も視認することが出来なくなってしまった。
悪魔の視力を以てしても、煙が肺に入り込んでしまい
視力で周囲を見渡す以前の問題になっている。
その煙が晴れるころには、フードの男もシアンの男もその姿を消していた。
「けほっ……けほっ……ソーナ、みんな、大丈夫……?」
「わ、私は無事です……しかし、着弾点の近くにいたサジが……」
リアスも、ソーナも、椿姫も、由良も煙を多少吸い込んだ程度で済んだ。
しかし、シアンの男の攻撃の近くにいた匙だけは
その攻撃の余波を浴びることになってしまい、少なくないダメージを受けていたのだ。
しかも、間の悪いことに治療ができるアーシアも人質救出に出てしまっている。
救う手立てがない。やはり冥界に戻るべきかとソーナが結論を出そうとした時
奥からスーツ姿の女性が駆けつけてきた。
オカ研の顧問、布袋芙ナイアである。
「これは……派手にやってくれたものだね。
とりあえず君達、無事かい?」
「先生、実は……」
リアスが顛末を説明する。その内容をナイアは黙って聞いていたかと思えば
すぐさまに解決法を提示したのだ。
「それなら問題ない。確か僕の部屋にフェニックスの涙があったはずだ。
取りに行く時間も惜しいから、匙君を僕の部屋に連れて行こう」
「それなら、私も手伝います」
名乗り出るソーナであったが、ナイアはその提案を拒否した。
その理由を問い質すソーナだったが、今の騒動で生徒が混乱している。
生徒会長として生徒の混乱を収めてくれ、と言われてしまい
そっちの役割を果たさざるを得なくなったのだ。
……最も、今のソーナにそんな求心力は無く
ナイアが示した事態の収集とは「暴動を起こしかねない生徒のサンドバッグになってこい」と言う
とても教師が言えたものでは無い、残酷な指令でもあったのだ。
「……私も行くわ。騒動に立ち会った以上、あなただけに辛い思いはさせないわ」
「……ありがとうございます」
悪魔の生贄に山羊を差し出すのは有名な話だが、まさか自分達が生贄の山羊になるとは。
そんな皮肉めいた考えが頭をよぎりながら、リアスやソーナらは
不安に駆られる生徒の下へと向かっていくのだった。
「…………これも全部君の作戦だとでも言うのかい?」
「『通りすがりの仮面ライダー』の片割れか。
別に。僕はただ、この世界があるべき姿になるように動いているにすぎないさ」
ナイアの背後に、白いジャケットを着た金髪の青年が立っていた。
手にしているシアンの銃が、彼が先程のシアンの男であることを物語っている。
「あるべき姿……か。僕に言わせば、随分と趣味の悪い話だね。
そのためにお宝一つダメにしているんだ。僕には受け容れられないな」
「僕は何時だって切欠に過ぎないさ。お宝を活かすも殺すも、全てはお宝の持ち主次第。
お宝はそれを必要とする人の手に渡って初めて価値がある。そうだろう?
なら、その価値は持ち主次第という事さ」
あたかも「宝を腐らせているのは持ち主の責任」とでも言いたげにナイアは語る。
そう仕向けているのは彼女である部分もあるのだが、聞く限りでは彼女の話は正論にも聞こえる。
「覚えておくといいよ。たとえ通りすがりの仮面ライダーと言えども
運命からは決して逃れられないという事を。
それが世界の運命ともなれば、猶更さ」
「そっちこそ覚えておきたまえ。
今僕が探しているのは、その世界の運命すらも破壊できるものさ」
「…………世界ごと、かい?
それより、そろそろいいかな。一応僕は、怪我人を抱えているんだ」
青年の言葉にも、ナイアは不敵な笑みを崩さない。
無表情の青年の横を、匙を抱えたままナイアは去っていく。
「……気に入らないね。あんな奴の掌の上だなんて。
やはり、早いところ士を見つけ出さないとな。
この世界にいるのは、間違いなさそうだけど……」
青年は忽然と姿を消していた。
誰かを探していたのか。そして、何故フードの男と行動を共にしていたのか。
彼の行き先と目的は、彼のみが知り得る事だった。
――そして、やはりフードの男とは――
さりげなく匙が強化されてます。
神器の活用と言うか神器のゴリ押しではありますが
斬月とスペクターを追い詰める能力を発揮。
まあ、召喚ライダーではありますがほぼ勝ってるのは書いててなんですが意外(?)
ですが神器の強化って、移植って方法で強化となると
その移植元の持ち主ってどうなったんでしょうね。
好意的解釈するなら、持ち主が死んだ後アザゼル辺りが保管していたって事でしょうが
これでもかなり……いや、それでいいの? とは思えてしまいます。
宙ぶらりんの神器も無くはないとは思いますが、そうだとすると都合よすぎ。
拙作ではアザゼルが関わっていないので、よりにもよってな人が関わってそうな気配。
>ナイア
そのよりにもよって。
何故グレモリーの所属なのに取引禁止状態であるはずのフェニックスの涙を持っているのか。
何故匙の救助をしようとしているのか。
海東どころか士の事も知ってそうだけど、まあ正体が正体なので。
>フードの男
もうほぼ完全に正体バレてる(?)
いやだってデバイス音声と言い使ってる技と言い
あまつさえディス・レヴ使いそうになったり。
ガン・レギオンのデザインがセージのものより禍々しかったり
ディス・レヴ覚醒させようとしたり、完全に殺す気でやってますが……さて。
以前セージは匙に対して明確に殺意を向けてました。
ここでも不寛容極まりない言葉と共に、匙を周囲諸共消し飛ばそうとしてますし。
やっぱり…………
つーかこの時期に召喚攻撃とは言えカミカゼはどうなんだろうと
少し心配ではあるけれど、元ネタ的な意味含めてこちら仕様です。
>シアンの男
一方こちらは別にリアス達を殺すつもりでやっては無かった模様。
殺すつもりならディス・レヴ発動しかけた時に妨害せずにインビジボゥしてるだろうし。
やっぱりこいつ何がしたいんだろう、と書いてる人の言う事ではありませんが。
そしてやってることはさほど変わらないけれどナイアの事は気に入らない様子。
次回は遅れるかもしれません。