輝くガールズバンド達との高校生活   作:リュグナー

11 / 26
お気に入り件数100到達!
皆さん、読んでくださってありがとうございます!

今回は意外なキャラたちが出ますよ?


第11話「イレギュラー発生ス」

〈放課後〉

 

今日は久しぶりにギター弾きに行こうかな。場所は……CiRCLEでいっか。

ギターケースを背負い、CiRCLEへと向かった。

 

 

〈CiRCLE〉

 

ん?今日は人が多く入っている。

ライブやってんのかな。

 

受付に行くと見慣れた人、月島まりなさんがいた。

 

「あ、まりなさん。こんにちは」

「悠君じゃん!どうしたの?まさかライブに来たとか!?」

「ちょっとギターを弾こうかと思っただけです。ライブはしません」

「えー。じゃあさ、最近ギターが抜けちゃったバンドが今日ライブに出るんだけど」

「……ギターが居ないのにライブに出ようとしてるんですか」

「まぁ、彼女たちがしたいって言うからね。そこでギターのサポートとして臨時で入って欲しいんだよ」

「別にいいんですけど、大丈夫なんですか?」

「大丈夫、大丈夫。その辺はオーナーから任せられているから」

「わかりました。……終わったらコーヒー1杯奢って下さいよ?」

「うん、1杯でも2杯でも、なんなら10杯だって」

「そんなに飲めるわけないじゃないですか……」

 

なんだかんだあってギターのサポートとしてライブに出ることなった。

 

 

えっと、まりなさんが言ってたバンドは……あ、居た……。うん、なんかバンドって青春だよねー、とか言ってそうな集まりだな。でも練習やライブはそこそここなしているみたいだし、やる気次第では……。

とりあえず、今日やる分は教えてもらわないと。

 

「こんにちは、今日のギターのサポートで入ります。如月悠です、よろしく」

「あなたがギターのサポートね?私がこのバンドのリーダーよ。ごめんね、急に入ってもらって」

「いえ、俺も丁度ギターを弾きたかったので……」

「そう?ちょっとトラブルでギターが抜けちゃったんだ。青春ごっこがしたいならカラオケにでも行きなさい、って言われたんだよね」

「……まぁ、それはそうですねー」

「は?」

「全てを賭けてやっている人から見たらそう思うのでは?」

「でも、私たちは遊びのつもりなんてない!」

「だったら見返してやればいいじゃないですか?」

「わかってるわよ。…全力でやるから足を引っ張らないでよ!」

「サポートミュージシャンを舐めないでくださいよ。そっちこそ足引っ張らないように」

「二人とも、私たちの全力を越えよう!」

「「了解!」」

 

 

 

〈ライブ本番〉

 

「続いてのバンドは『THE IRREGULAR』です」

 

観客たちの反応はまちまちだ。ギターが抜けたはずのバンドが出場するからだろう。

 

「久しぶりです、皆さん。ギター担当は変わりましたが全力で演奏してみせます」

 

会場が少し湧き、歓声が少し聞こえる。

 

「聴いて下さい、『COLORS』」

 

会場が一気に静まりかえる。メンバー同士で目を合わせて合図を送る。

 

 

妹を守るために世界に立ち向かった主人公をアニメのop。

変わろうとしている彼女たちにはピッタリの歌だ。彼女たちの気持ちが演奏に乗り、観客へと伝わっていく。

 

 

 

ボーカルが歌い終わり、演奏も終わった。

しばらくすると歓声と拍手が送られた。…けど、まだ終わりじゃない。

 

「もう一曲やります。私たちのオリジナル曲、『True Heart』」

 

これはさっき渡されたばかりの楽曲。彼女たちの気持ちを込めて作った歌。

 

『真実の心』

 

彼女たちの本当の気持ちが歌詞に書かれている。

 

「私たちがもーとめたもの、それは青春ー」

 

「だけど気づかさーれた、本当にやりたいーこと」

 

「あなたが教えてくれた」

 

「私たちのやりたいこと」

 

「隠されていた私たちのー」

 

「「「きーもーちー」」」

 

「中途半端じゃ止まらない」

 

「未完成じゃ終わらない」

 

「悔しくて辞めたくない」

 

「「「続けたい気持ち」」」

 

「いつか見返せる日を夢見て」

 

「いつか後悔させてやるため」

 

「だけどそれだけじゃない」

 

「「「変わっていく、それが私ーたちー」

 

 

歌と演奏が止まる。

静けさが会場を支配する。

時が止まったような、凍り付いた世界になったような感覚を感じる。

誰かが拍手をした。

凍り付いた世界は動き出した。

大勢の歓声が、拍手が、俺たちを、会場を覆う。

鳴り止まない歓声の中、俺たちはステージを後にした。

 

 

〈楽屋裏〉

 

「……大成功でしょ」

「…全力、越えたね」

「…私たちもやれるもんだね」

 

楽屋裏に戻ったがまだ彼女たちは興奮が冷めないようだ。

……まぁ、俺も楽しかったし。

 

「ねぇ、如月…だっけ?」

「そうだけど…」

「ちょっと話、聞いてくれる?」

「別にいいよ」

「ありがと。…ギターが抜けちゃったって言ったじゃんか。知ってるかもしれないけど、氷川紗夜ってギタリストなんだけど」

「………」

「ちょっと色々あって『青春ごっこならカラオケにでも行ってしなさい』、そう言われたんだよねー。私、悔しかった。私は遊びのつもりなんてなかったのに否定されて……。だからアイツが居なくても出来るところを見せようとしたんだ」

「…そうだったのか」

「あんたが…如月が煽ってくれなかったらあんな演奏は出来なかったかもね」

「それは違うんじゃないか?お前たち三人が全力を越えようとしたから出来たんじゃない?」

「かもね…。如月さえ良ければこれからも私たちのバンドでギターを弾いて欲しい…」

「良いよー」

「本当に?」

「本当に」

「ありがと!…あ、そういえば自己紹介まだだったね。私はボーカル担当、倉持 早苗(くらもち さなえ)だよ。あれがベース担当の佐川 理奈(さがわ りな)。これがドラム担当の二瀬 美乃梨(ふたせ みのり)ね」

「「私たちの扱いが雑過ぎでしょーが」」

「私たち三人とも羽丘で高2だよ」

「あ、じゃあ同い年だ」

「「「えっ…?」」」

「……どこを見て判断してた」

「「「そりゃ、身長」」」

「うっせ、ほっとけ」

「……どんまい」

「……なるようになるよ、多分…」

「……寧ろ個性だと思うよ…?」

「あー!もう、うぜーよ!俺、帰る!」

 

 

なんだかんだで打ち解け、連絡先も交換した。

……紗夜にバレたらえらいことになるぞ……!

え?フラグだって?

何言ってんだよ、そんなもんあるわけねぇよ。

 

 

 

次の日、普通に紗夜にバレて怒られた。

 

 

いやぁ、フラグって怖いね!

 

 




星10、完全無欠のボトル野郎 様
病み美少女の操り人形 様

星9、 ティアナ000782 様

高評価ありがとうございます!
アンケートを締め切ります。御協力ありがとうございました!

また、お気に入り件数が100に到達したので、記念ストーリーを考えています。
書いて欲しいなと思う話やこういうものが読みたいなど、過去話を書いてくれでもかまいません。御協力お願いします!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。