えー、待たせてしまいすみませんでした!
今回はパスパレ回?かな。
何日か前にライブをしたときにとある事務所の人からスカウトを受けた。なんでも今度、結成するアイドルグループのバック演奏をしてほしいらしい。……ちなみに俺がスカウトされた理由が「今のところ無名でなおかつ複数の楽器を演奏することができるから」だそうだ。
なんか嬉しいようであんまり嬉しくないんだけど……。
「確か、今日は顔合わせがあるんだよなぁ。さっさと行くか」
そういえば、彩が今日は事務所から呼び出されてる、って言ってたような…。
〈事務所〉
受付で声を掛けると奥の方の部屋に案内された。
扉を開けるとそこには既に何人か集まっていた。
「すみません、遅くなりました」
「あ、大丈夫ですよ。…さて、メンバーも揃ったので今日、集まってもらった理由を話しますね」
あれ?……彩に千聖、それに日菜もいる。
「ここにいるみなさんには、アイドルをしてもらいます」
「アイドル…ですか?」
「アイドルユニットの話ですか?」
えっと……。流石に俺は含まれてないよな?……うん、ないわー。
「ただのアイドルではなく、バンド活動……。つまり、アイドルバンドを組んでもらいます!」
「バンド……」
「難しそう……」
これはまた思い切ったことを考えるなぁ。成功するか、失敗するか……。バック演奏をしろ、だったよな?
少し……いや、だいぶ嫌な予感がする…。
「いえ、実際に演奏してもらうわけではありません。みなさんには、演奏しているフリをしてもらいます」
「フリ、ですか?」
「でも、それって……」
「確かにお客さんを騙すことに違いありません……ですが、 初回のライブだけのつもりです」
「わかりました。やり遂げてみせます」
「ち、千聖ちゃん」
「彩ちゃん、これは事務所側でもう決定していることよ。……やるしかないの」
「千聖ちゃん……。わかった、私も頑張るね」
「私もブシドーの精神をもって精進します!」
「なんか面白そうだし、アタシも賛成だよ!」
「5人の意見が一つにまとまったところで自己紹介してもらいましょうか」
「ようやくですか……。えっと、初回限定のアテ振りの演奏をする『THE IRREGULAR』のギター担当、如月 悠です。よろしく」
「え!?あのバンドに入ってたんすか!?」
「そんなに驚くことか?」
「当たり前ですよ!この辺では『Roselia』や『Glitter*Green』に次ぐ、人気バンドなんですよ!それにギターの人が変わったと思いきや前のギターの人よりも演奏技術が高い人が入ってさらに人気が高くなったんですよ。それに私もファンの一人なんですよ」
「お、おう。そうか、ありがとう?えっと…大和さんだっけ?」
「はい、麻耶と呼んで欲しいっす」
「俺のことも悠、で良いよ。よろしく、麻耶」
「よろしくっす、悠さん」
自分たちのバンドにファンが居るのは、ある程度知っていたけど、実際にファンだと言われると結構嬉しい。
……Roseliaやグリグリには負けてるみたいだけどな。
「大和さん、少し抑えて」
「す、すみません」
色々と説明を受けた俺は少し、不安な気持ちになった。ライブが来週に予定されてる。一週間しか期間がない。そして……アテ振り。何か不具合が起きないか心配だ。
「では、後ほど連絡を入れるので今日のところは解散です」
とりあえず解散らしい。
時間も割と遅くなっているから早めに帰るか。
帰り道の夜空は、どこか暗く、月や星が雲に隠れてみえなかった。
最近、暑いですね。
まだ五月なのに夏のような暑さ、夏が怖いですね。
最近、竹の花が咲いているらしいです。100年に一度しか咲かないらしいので見に行きたいですね。