輝くガールズバンド達との高校生活   作:リュグナー

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本当に申し訳ないです。

こんなにも更新が遅れるとは……。


第15話「レコーディングは大変」

 

〈1日目〉

 

昨日の俺はバカだった。パスパレの心配をしていたが、それ以上に自分の心配をすべきだった。なぜなら、それは……。

 

「ライブが1週間後なんだから俺も1週間……いや、レコーディングのことを考えると1週間もないじゃねーか……」

 

パスパレ五人の心配をしていたがそれどころじゃない。一つのパートでも大変なのに三つのパート、ギター・ベース・キーボードを弾けるようにならないといけない。

 

ライブで流す曲は『しゅわりん☆どり〜みん』、カバー曲の『ふわふわ時間』、『ハッピーシンセサイザー』の計3曲。

 

もちろん、昨日知らされたばかりだ。文句を言いたかったが、どちらにせよ、やらないといけないことだから少しでも早く弾けるようにならないと……。

今日からレコーディングまで事務所の練習スタジオを使うことになりそうだ。

まずはギターから攻めようか、そう思いギターに手を掛けた、そのとき誰かから声を掛けられた。

 

「あ、悠君じゃん」

「え、日菜?」

 

そう、パスパレのギター担当の氷川日菜だった。

 

「ギターならアタシ弾けるよ?」

「え、マジで」

「うん、マジだよ」

 

ならギターは日菜に任せてみるか。

 

「じゃあ、ギターのレコーディングは日菜に任せるよ」

「任されたよ!んー!るんってきた!」

 

よし、これで覚えるべきパートは二つ。ベースとキーボードだけだ。二つだけならなんとかなりそう……かも。

 

とりあえず、ベースから始めよう。

 

その日は一日、ベースを弾いて終わった。

 

 

 

 

〈2日目〉

 

学校がおわり、放課後すぐに事務所の練習スタジオへ向かった。

今日も昨日に引き続きベースを弾く。ある程度弾けるようになったら日菜にギターを弾いてもらってそれにベースを合わせる。

……なんで仮の音源がないんだ。あれば少しは楽になってたのに。

 

今日、『ハッピーシンセサイザー』と『ふわふわ時間』の二つは原曲を聴いてやっていたから問題なく弾けるようになった。……妥協点といったところかな。

明日はしゅわしゅわしないと……。

 

 

 

 

〈3日目〉

今日も学校が終わり次第、すぐに事務所の練習スタジオへ行った。

今日はどうやら日菜はいないけど、麻弥がいるらしい。

 

「あ、悠さん。どうっすか進行具合は」

「ヤバイね……悪い意味で」

「そうっすよね……あんまり無理はしないでください」

「そうだな。そういえばレコーディングっていつか聞いてる?」

「えっと、確か2日後ですね……」

「2日後かー……。駄目かもしれないな」

「と、とりあえず練習あるのみですよ!」

「だな」

 

一日中しゅわしゅわマラソンしていたら、ギリギリ弾けるようになった。少し安心した。

 

 

 

 

〈4日目〉

 

なんか今日から3年生たちが修学旅行で沖縄に行くらしい。帰ってくるのはGW中らしい。

それよりもレコーディングまで今日を入れてあと2日しかない。少しでも早く弾けるようにならないと……。

 

今日はキーボードでしゅわどり、ハピシンを重点的に練習した。『ふわふわ時間』は元々、弾けるから問題ない。

危機感があったからかある程度は弾けるようになった。

もしかしたらなんとかなるかもしれない……。

 

 

 

 

〈5日目〉

 

気づいたらGWに入っていた。

このGW中にRoseliaとAfterglowはライブをするらしい。Pastel*Palettesもお披露目ライブがあるし……。

 

今日は昼からスタジオでレコーディングだ。

 

「もう少し練習しとかないと」

 

午前中は練習出来るはずだから、『CiRCLE』で少し弾いていこうかな。

 

 

『CiRCLE』で午前中いっぱいレコーディングする三曲をマラソンしてミスを減らすことができた。

さて、昼飯も食べたしスタジオに行くか。

 

 

 

〈事務所 レコーディングスタジオ〉

 

スタジオ入りすると、既に音響の人が来ていてレコーディングの準備が整っていた。

 

「こんにちは、今日はよろしくお願いします」

「あぁ、よろしく。君も大変だな」

「えぇっと……はい」

 

音響の人は落ち着いた男の人で、気遣いのできる大人って感じだった。

プロデューサーやディレクターも早めに来て、打ち合わせをしていたみたいだ。

マイクやキーボードなどの機種をみているとふいに隣から声をかけられた。

 

「そのキーボード、Rolandのやつですね」

「みたいだな、麻弥」

 

パスパレの臨時メンバーの麻弥だった。

 

「ふーん、このギターってESP?ってところのギターみたいだよ?」

「日菜か。ESPの楽器はどれも良いものだから割と値段が高いんだ」

「つまり、このパスパレの企画に力を入れてるってことっすね、悠さん」

「そういうこと。期待には答えないとな」

「うーん、よくわからないけど、とりあえずギターを弾けばいいんだよね」

「まぁ、日菜はそれで良いか……」

 

驚くほど天才性を持つ日菜。だからこその苦悩があったかもしれない。嫉妬や僻み、嫌悪……。それに加え、紗夜からの拒絶。何も感じないなんてことはないはずだ。それを隠して自分を演じる……。

俺がそんなことを考えているとレコーディングが始まった。

 

 

しゅわどり→ハピシン→ふわふわ時間の順で演奏した。日菜がギターを、麻弥がドラムを叩き、俺はベースを弾いた。後からキーボードも弾いて音を合成するらしい。

やはりミュージシャンである麻弥の演奏はとても上手だった。基本に忠実な音を叩く。

日菜の演奏もなかなかのものだったが、ただそれだけだった。確かに技術は凄いが、何も伝わってこない空っぽな音。

そんな二人の演奏に合わせてベースを弾いた。

三曲が録り終わるとその音源でキーボードを弾いて録音をした。

 

 

合成し終わった音を聴かせて貰ったが、思ったいた以上に出来が良かった。

レコーディングが終わってようやく気づいた。

 

「タイムリミットが短かったのは素人感を出すためだったのか……」

 

わざわざ外部の人間をスカウトしに来た理由がわかった。

色々あったけど、とりあえずは……。

無事に終わって良かった。

 

明日はさっき録った音源で歌のレッスンとボーカルのレコーディングをするらしい。

いやいや、ボーカルも口パクでやらせんのかよ……。まぁ、確かに彩を踊らせるためにはそうした方が良いのはわかるけどさ。

 

「そうだ、気分転換に明日『SPACE』に行こう」

 

GWというのもあって普段よりも出演バンド数が多いらしいし…。あと、グリグリも出るらしいし。

 

 

今日は帰ったら直ぐに寝ようかな。疲れたし……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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