輝くガールズバンド達との高校生活   作:リュグナー

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ようやくここまで話を持ってこれた。

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まだの方はぜひ、投票しましょう!
その一票が運命を左右するのです!


……なんちゃって?



第18話「spaceライブと勇気ある一歩」後編

「有咲!ちょっと手伝って!」

「は、はぁ!?やらねーからな!」

「早く!!」

「ちょ!おま、引っ張んな!!」

 

香澄と連行された有咲がステージに立った。

有咲、どんまい……。

 

「戸山香澄です!キラキラ星、歌います!」

 

いや、幼稚園の発表会か!

でも、香澄らしいな……。

 

「きーらきーら〜…♪」

 

ふいに小学生の頃を思い出した。初めて人に憧れを抱いたときのことを……。

 

 

〈数年前、今はもう覚えていない川の付近〉

 

「はぁ…。ピアノとギターを習うのは欲張りだったかな?」

 

当時の俺は周りと比べると少し大人びていて、学校でもミュージックスクールでも周りから少し浮いていた。まぁ、そんな俺でも仲良くしてくれる人は何人か居たんだ。今でも覚えているのは有咲や花、レイ……そしてコンクールで知り合った名前は知らないが黒髪ロングの落ち着いた子。

対人関係が良好とはいえない状況で習っているのでモチベーションも上がりにくかった。

いろいろあってため息をつき、家に帰っている途中に『カスミ』と出会った。

 

「カスミです!歌います!曲名は『トゥインクルスターダスト』!」

「トゥインクルートゥインクルーひーかーるー♪」

 

キラキラ星とは少し違うデタラメな替歌。それでも楽しそうに笑いながら歌っていた。そんな彼女に惹かれて近くまで行って歌を聴いた。観客がたった一人しかいない小さなステージ。……ステージというにはおこがましいかもしれないけど。

 

「聴いてくれてありがとう!」

「いい歌声だね。楽しそうに歌ってる」

「だって歌うのって楽しいことでしょ?」

「……すごいね」

「なにが?」

「ううん、なんでもない。気にしないで」

「わかった!気にしない!」

 

彼女は歌うことは楽しいことだと言った。楽しいから歌っているのだと。

いつの間にか忘れていた初心の心。周りから求められて弾くのではない。上手くなるためだけに弾いているのではない。全ては楽しいから、弾きたいから弾くのだ。

だからこそ憧れた。俺ができなくなっていたことが平然とできている彼女に。

 

「また……また来てもいいか?」

「もちろん!えっと…」

「俺の名前は悠だ」

「悠君、私はカスミ。よろしくね」

「うん、よろしく」

 

俺と『カスミ』は握手を交わして友達になった。

しかし、いつ行っても、もう彼女はそこに居ることはなかった。

 

 

 

 

〈space〉

 

俺の憧れた彼女はもう居ない。だが、かつての友達ならいる。それが香澄だ。……アイツが覚えているかは知らないけど。

 

「ほら、有咲も!」

「もー、しゃーねぇな」

 

タン、タン、タン、という音が追加されたキラキラ星。ちょっとシュールだ。

しかし、何も事情を知らない観客達は少しずつ帰ろうとしている。

 

「か、香澄ちゃん。私も……」

「あ、りみりん!」

「りみ……」

 

ベースを抱えたりみがステージに立った。人前に出るのが苦手だったりみが勇気を出して一歩を踏み出した。星(香澄)に導かれて。

 

ベースも加わった即興アレンジ。歌とカスタネットとベース。

……よくキラキラ星だけでここまで繋げれたなぁ。あともう少しかな?

 

 

「glitter*green。今、到着しました!」

 

息を切らしながらそう言ったのは、グリグリのリーダー『牛込ゆり』先輩だ。

 

「……まだ間に合うよ。あの子たちに感謝しな」

「り、りみ…!?それにあの子たちは花咲川の……」

「はいはい、先輩方。早く衣装に着替えて下さいよ」

「悠君。……みんな、早く!」

「「「はい!」」」

 

よし、グリグリも到着した。後は観客達の足を止めないとな。

 

「もう一回行ってくる」

「……頼んだよ」

「言われなくても」

 

 

「きらーきらー……」

 

よく頑張ったな、三人とも。お前たちの背中をもうひと押ししてやるよ。

 

「悠先輩……?」

「歌を止めるな、続けろ」

「は、はい!…きらーきらー……」

 

有咲のカスタネットとりみのベースがギターの音にかき消されさいように弱めに弾く。あくまで主役は香澄、有咲、りみの三人だ。俺はそのサポートをするだけ。

俺が出てきたことによって帰ろうとしていた観客達の足を戻した。あと数分だけ待ってくれ、頼む。

 

 

「お待たせ。ありがとう」

「後は任せましたよ、先輩」

「ふふっ、了解」

 

ステージに向かってきた牛込先輩とすれ違いざまにハイタッチを交わして入れ替わる。……そんなに手の位置を下げなくても届くから……。

 

 

「みんなー!待たせてごめんね!space、盛り上がってますかー!!」

 

そして始まるグリグリの演奏。いうまでもなくキラキラ星。香澄と牛込先輩のデュエット。そして……香澄のソロ。

 

 

「さすがは星のカリスマ、そう思いません?」

「まだまだ粗削りだが、良いもんを持ってるもんだね」

「とあるゲームではスターを纏えば無敵になれるんですよ、知ってました?」

「知ってるよ。そのスターってのはアイツが持ってたランダムスターのことかい?」

「もちろん」

「ああ、そうかい……」

 

 

そしてライブは無事に終わった。

 

 

〈space楽屋〉

 

「みなさん、遅れてしまいすみませんでした!」

「私たちも勝手にステージに上がってごめんなさい……」

「オーナー、ご迷惑をお掛けしました」

「……客が満足して帰ったんだ。今回は許す、けど、次はないよ。気をつけな」

「オーナー……!」

 

「りみりん、ゆりさんたち、許してもらえて良かったね」

「うん…」

「ちょっと、あなたたち!二度とあんなことしちゃダメだよ!」

「スタッフさん!……ごめんなさい」

「今回は上手く行ったから良かったけどね、ダメなものはダメ。わかった?」

「は、はい!もうしません」

 

 

「あはは、怒られちゃったね」

「怒られるに決まってるだろ!めちゃくちゃ恥ずかしかったんだからな!」

「でもね、二人のおかげでステージに立てた……。怖かったけど、楽しかったよ。もしね、もしまだ間に合うなら…私も二人と一緒にバンドしたい……!」

「りみりん、もちろん!それじゃあ、次は文化祭だね!」

「はあ!?どっから出てきた!?」

「ギターを返しにもらいに生徒会室に行ったときに聞いたんだー。申請すれば体育館のライブステージに出られるって!」

「……まだマトモに弾けないだろ?」

「うん、頑張っていっぱい練習する!一緒に頑張ろ、有咲、りみりん!」

「はぁ…」

「うん、頑張ろ、香澄ちゃん!」

 

 

 

「悠君、私たちのためにステージに上がってくれたんだよね?ありがとう」

「当たり前のことしただけですよ、牛込先輩」

「そっか…。悠君だもんね」

「…?牛込先輩?」

「なんでもない…。そうだ!その牛込先輩っていうの禁止ね」

「えっ?……牛込さん?」

「違う違う。ゆり、だよ」

「ゆり…先輩…」

「んー、まぁ今はそれで良いよ。また今度、お礼させてね」

「いりません、と言っても聞かないんですよね」

「もちろん、良くわかってるね」

「……別に。そういえば中間テスト大丈夫ですか?もうすぐあると思うんですけど」

「……忘れてた」

「……ですよね」

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