魔法科世界に禁書魔術で挑みます! 作:Natrium
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あの後現れた生徒会長と、風紀委員長に事情の説明をし、帰路に就くこと十五分。
ちょっと厄介なことになっていた。
「それで縁、なぜ硬化魔法を使わなかったんだ?」
「え? ちゃんと使ったよお兄ちゃん。見逃したんじゃないの?」
「そうか? 俺にはそう見えなかったが……」
「んー、そう言われても、使ったとしか言いようがないからね……」
「……割り込みに入った時に、改変の反作用は一切観測されなかったぞ」
「だから、達也お兄ちゃんが見逃してたんじゃないの?
正直に言って達也が面倒くさいです。
これ多分長くなる奴だし。尋問の類いだろうし。
頼りになるお姉様の方々はガールズトーク中。
頼りにならない方のお兄様も、剣術少女と喧嘩中。
孤立無援じゃねぇか。
「なら質問を変えようか」
「なーにー? 達也お兄ちゃん?」
「なぜ硬化魔法を破棄したんだ? 起動式は問題なく作動していただろう?」
「っ、何のこと?」
「硬化魔法の起動式の発動までは確認している。だが、その直後に破棄したな? なぜだ」
「あれは硬化魔法の起動式じゃないよ。えーと、確か……運動ベクトルを
「嘘は
おい。
早速チート使ってんじゃねぇよ。もっとそういう秘密とかは隠しておくもんだろ。
それとも、これはバレても問題ない程度の秘密なのか?
「っ、何でそう言い切れるの? 起動式から発動する魔法を読み取れる訳でもないのに」
「普通なら、な。だが、俺にはそれが出来る」
「嘘は駄目だよお兄ちゃん。起動式は最低でもアルファベット三万字相当の情報量があるんだから!」
「俺は実技が苦手だが、『分析』は得意なんだ」
「分析って……それが本当なら『分析』なんて言葉で済ませていいものじゃないよ」
でも、よく考えてみれば、
未知の魔法——魔術と等価交換できるなら、かなり安い買い物だ。
向こうに引く気は無いのだろう。なら——
——決めた。子供らしく叫んで誤魔化そう。
「そんなの、データの羅列から画像を想像するのと同じだよ‼ 出来る訳ないじゃん‼」
「……あまり叫ばないほうがいいんじゃないか? 周りに迷惑だぞ」
「っ、嘘つきなお兄ちゃんのいう事なんか知らない……ッ‼」
よし、上手くいったな……後は逃げるだけだ。
ここは……。
「エリカ
「だからバカそうに見えるって言って………。っ、どうしたの縁くん!」
「……おいおい、達也。何やってんだよ……」
「ちょっとー、達也君が泣かせたの? いくら子供の扱いに慣れてないからって……」
「……苛めていたつもりは無いんだが」
「言い訳無用‼ ねぇ縁くん、あんな奴放っておいて、お姉ちゃんとお話しない?」
「うん! エリカお姉ちゃん、一緒にお話しよー?」
「……、」
……あ、すごく複雑そうな顔してる
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「深雪お姉ちゃん! そろそろ生徒会室に行く時間じゃなーい?」
「……そうね。途中で、お兄様と合流して行きましょうか」
所変わって一年A組。生徒会長に昼食へ誘われた僕たちは、一緒に生徒会室に向かおうとしていた。
「あ、お兄様っ!」
「深雪、それに縁も。これから生徒会室に向かうところか?」
「はい。お兄様もご一緒に……」
達也と合流して、少し歩みが軽くなる深雪。
僕でなきゃ見逃しちゃうね。
それは兎も角、しばらくの雑談が続き、何の問題もなく生徒会室にたどり着けた。
声を掛けようとした生徒もいたが、らぶらぶオーラに阻害されたようだった。不憫。
深雪がドアホンを押すと、歓迎の辞がスピーカーから流れる。
入室の許可と共に、微かな作動音が聞こえた。恐らくはロックの解除音であろう。
「失礼します」
「いらっしゃい。遠慮しないで入って」
いつものように謎の笑みを浮かべて、手招きする七草先輩。
何がそんなに楽しいのだろうか。
取り敢えず着席すると、気を見計らった会長が話始める。
「入学式で紹介しましたけど、念の為、もう一度紹介しておきますね」
どうやら生徒会役員の紹介らしい。とは言え、既に名前は憶えているので軽く聞き流す。
「……そしてもう一人、副会長のはんぞーくんを加えたメンバーが、今期の生徒会役員です」
「私は違うがな」
「そうね、摩利は別だけど。あぁ、それと縁くん」
「っ?」
話が突然こちらに飛んだ。
会長がわざわざ指名したのだ。かなり重要な話——
「はんぞーくんのことも、はんぞーお兄ちゃんと呼んであげてね?」
「………………………会長」
市原先輩がすごく白い目で七草先輩を見ている。
そっかー。そうだよね、この人そういう人だったもんね。
構えた僕が馬鹿だった。
「分かったよー。真由美お姉ちゃんがそう言うならね!」
「そう、偉いわね♪」
だが、それとこれとは別だ。
こんなイベントを逃す理由はどこにも無い。
その人多分、半蔵って呼ばれ方は嫌なんだろうし……。
……うん、やっはり面白そうだ。
そんなこんなで話は続く。
その流れが動いたのは、渡辺先輩が作ったお弁当を取り出したときだった。
「わたしたちも、明日からお弁当に致しましょうか」
深雪のさりげない一言で、達也も自然に視線を動かした。
「深雪の弁当はとても魅力的だが、食べる場所がね……」
「あっ、そうですね……まずそれを探さなければ……」
ほんと夫婦だなこの二人。
いや、確か原作では婚約したんだっけ……?
ネットで少し見ただけだが、それだけは明確に覚えている。
実妹と婚約をする主人公なんて滅多に見ないし。
……実は義妹でしたっていう設定でもあったのかな?
「……まるで恋人同士の会話ですね」
「そうでしょうか? 血のつながりが無ければ恋人にしたい、と考えたことはありますが」
市原先輩が放った爆弾は、達也に軽く返され不発に終わる。
いや、誤爆と言うべきだろうか。
しかし。
「……もちろん冗談ですよ」
一片の笑みも浮かべず、淡々と告げる達也。
かわいそうなことに、本気で信じたあずさと深雪が、驚愕の声を上げている。
ほんと達也の冗談は分かりにくいからね……。
「面白くない男だな、君は」
「自覚しています」
「はいはい、もう止めようね、摩利。口惜しいのは分かるけど、どうやら達也くんは一筋縄じゃ行かな……どうしたの?」
このままではキリが無いと見た七草先輩が、会話に割って入ったが、僕の訴えるような視線に気が付いて、言葉を止める。
「ねぇねぇ、真由美お姉ちゃん。血がつながっていたら、恋人になれないの……?」
「え、あぁ、そうね。身内同士で結婚するとね、血が濃くなりすぎて、いろいろと問題が起きるのよ」
「ふーん。そうなんだ……」
そして、告げた。
「でも深雪お姉ちゃんは、愛さえあれば
僕を除いた全員が息をのむ。
やがて。
「深雪っ⁉」
「ちょ、ちょっと深雪さん⁉」
「…………驚きですね」
「おい、それは……流石にどうかと思う、ぞ?」
「ふぇ⁉ あわ、あわわわわわ……ッ‼⁉」
達也まで動揺してる……やばいコレ超楽しい。
「ち、違います! 私そんなこと言ってませんよ‼」
しかし、正気に返った深雪の口から言葉が飛び出すと、騒ぎは収まった。
「え? でも……」
「いくら私でも、そこまで恥知らずなことは言いません‼」
「………いくら?」
「はうっ⁉ こ、言葉の綾です!」
深雪が少し、いや、かなりボロを出しているが、それほど慌てていたのだろう。
ま、そろそろ潮時かな。
「………………………縁くん?」
こちらをジッと見てくる七草先輩の両目を見つめ返し、言う。
折角だし、ちょっと使ってみるか。
「ふふ♪
あざとい。土御門くんマジあざとい。
ただし、『女の子なら』という注釈が付くが。
まあ、僕も同じ男だが、このショタっ子ぼでぃーの前なら、
お前をあわきんにしてやろうか……ッ‼ との意気込みで発動したこの魔術。
さてさて効果は
「ごふ……っ、あ、あとは任せたわよ、リンちゃん……」
くりてぃかるでした、まる
戦闘中の口調について
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トレース先の禁書キャラそのままに
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トレース中でも円周ちゃんらしく
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どっちも見たい