出張先で余裕があったら書いて投下出来たらいいなぁ・・・。
「なんだこれはなんだこれはなんだこれは!一体何が起こっている!?」
パーパルディア皇国皇城の皇帝の部屋にルディアスの怒声が響く。
エストシラントを見下ろすようにある窓にはレースのカーテンが閉められているがその向こうにあるエストシラントは今あちこちから煙を上げている。
それだけではない。
皇城内に敵が侵入したとの報告の後から爆発による音と振動が微かにこの部屋まで伝わってきており、銃声が少しづつ近付いてきている。
「陛下!このままでは陛下の身に危険が!脱出の準備を!」
皇帝親衛隊長がルディアスに脱出をと直訴する。
「脱出・・・・?誰がだ・・・・?このルディアスが・・・・?第三文明圏列強であるパーパルディア皇国皇帝の余が・・・・?いずれは世界を支配するこの余が・・・・蛮族に尻尾を巻いて逃げ出せというのかそちは!?」
「そ、それは・・・・!!」
「たわけが!どのような手段を用いてもよい!蛮族共を皆殺しにせよ!!」
「は、ははーーっ!!」
あるいはこの時、ルディアスが親衛隊長の提案を受け入れ脱出を実行していればルディアスは皇帝という身分を失うだけで済んだかもしれない・・・それは神のみぞ知る。
ゴオォォォォォォォ・・・・・。
高空に数機の自衛隊機がパーパルディア皇国皇都方面へ向け飛行していた。
「AWACSからの情報通りだ・・・エストシラント上空に停止状態の飛行物体があるな・・・」
「その周囲にも小型の反応がありますね・・・」
「ああ、だが我々の任務は遠巻きに飛行物体の正体を確認することだ・・・」
やがてエストシラントが目視できる距離になった。
相手に気付かれないようにエストシラントに接近する。
「エストシラントを中心に旋回。情報を集める」
モニターの最大倍率でズームされた映像が映る。
「これは・・・飛行船か?」
「周囲の飛行物体・・・これオスプレイか・・・・?」
「わからん、こっちも動いてる上に向こうも動いているからな・・・。おまけに最大倍率で画像が少し荒い・・・」
「時々、このオスプレイっぽいやつの側面が光るな・・・。まさかミニガンで地上を掃射してるとか・・・・?」
「まさか・・・・・な」
そのまさかであった。
「ヒャッハー!逃げろ逃げろ!」
ガガガガガガガガガガガガガガッ!
レイダーが地上を逃げ惑う軍人、民間人の区別なくミニガンで掃射していたのだった。
「た、建物に隠れーーー」
建物に逃げ込んで安心しているところを建物ごと撃ち抜かれ身体がバラバラになった死体や手足に被弾し手足がもげ苦しみ抜いた挙句失血死した死体など死屍累々であった。
自衛隊の収集した情報はすぐにデータ化され自衛隊機から中継機を通してアルタラスの自衛隊駐屯地に、そこから日本へと送られ日本政府にと送られたのであった。
「ば、馬鹿な・・・・」
親衛隊長の元に届く魔信は絶望そのものだった。
敵は美術品になど興味がないのか文明圏外国なら国がいくつも買える美術品が破壊されていた。
精鋭中の精鋭の親衛隊員が一般兵を率いて敵を急襲したはずなのにその親衛隊員から助けを求める苦痛の声が混じった魔信が立て続けに入り、応答が無くなっていった。
その上、最悪の出来事が起きてしまった。
最悪の事態になった時に皇族が避難に使用する秘密通路が敵の爆発魔術(ただのミサイルランチャー)により破壊され、使用不能になってしまったのだった。
極刑覚悟でルディアスを無理矢理にでも避難させておけばよかったと後悔しても後の祭りである。
既に敵はすぐ近くにまで迫っているのだから。
自分が今いる部屋はルディアスのいる部屋の前の部屋であり、最終防衛線。
敵がいるのはそのすぐ横の部屋、敵と皇帝との間にあるのは自分が今いるこの部屋だけなのだから。
今も部下が必死にバリケードを構築し銃に弾を込めている。
今隣の部屋にいる敵はどうやら一人だけ・・・・。
チャンスはある、と親衛隊長は最後の希望に賭ける。
ピピピッ。
総支配人のパワーアーマーが警告音を発する。
フュージョンコアの残量がゼロを示している。
総支配人は躊躇なくパワーアーマーの装着を解除し外に出る。
手に愛銃であるデリバラーを持ち、次の部屋に進んだ。
目の前には元々豪華な調度品であったであろう物で作られたバリケード。
その向こうに何人もの敵の存在を感じる。
バァンッ!
突如としてそのバリケードの向こうのドアが勢いよく開かれ、一人の男が姿を現した。
「余はパーパルディア皇国皇帝ルディアスなり!」
最初の第一声が響き渡り、突然の事に親衛隊員と親衛隊長が唖然とした。
この時親衛隊長は不敬にもルディアスが逃げ場もなくなった恐怖でおかしくなってしまったのではないかと思ってしまった。
しかし当のルディアスは至って大真面目であった。
パーパルディア皇国皇帝の自分が出ればその威光で事態を収拾できると根拠のない自信があった。
今までの歴代皇帝の傲慢さを周囲が放置して来た結果であった。
だが総支配人は首を傾げた。
それが何か?と言うような感じで。
「頭が高い!蛮族よ余にひれ伏すが良い!」
やれやれ・・・と言う感じのオーバーなアメリカンジェスチャーをする総支配人。
「う、撃て!今だ撃て撃て撃て!!」
総支配人のオーバーリアクションで即座に攻撃態勢に移れないその隙を親衛隊長は見落とさなかった。
敵と自分たちの距離は僅か数メートル。
この距離で外したら親衛隊から追い出してやる、と言う意気込みで射撃命令を下す。
パンッ!
パンッ!
パンッ!
狭い部屋に銃の発砲音が響いた。
弾丸は一直線に総支配人に進んで行き・・・・。
「は?」
思わずルディアスは間抜けな声を出した。
ルディアスは何が起きたのか理解出来なかった。
親衛隊が一斉に銃を発砲した。
だが死んだのは親衛隊達だった。
総支配人のLUCKのPerk・Ricochetがフル発動し親衛隊が撃った弾丸は全て彼らの元に弾き返って来たのだった。
しかも同時にFortune Finderもフル発動し、親衛隊達の死体からキャップが吹き出し雨あられと降り注いだのだった。
ルディアスと総支配人。
この部屋にはもうこの二人しかいなかった。
親衛隊長の心の叫び「誰かあの馬鹿を止めてくれ・・・」