ヌカワールド召喚   作:ALEX4

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投下します。
スラスラ書けている人達しゅごい。


Welcome to ようこそヌカワールド!

 「これは・・・!?」

 朝田と篠原を始め自衛隊員は地図に書かれた場所に到着し思わず息を飲んだ。

 地図に書かれたのはただの×印だけで地図上ではただの一点だが現実の地形上では広範囲になり探すのに苦労すると思っていた。

 だが予想外にすぐにその場所は見付かった。

 草原の中、突然スッパリと線を引いたかの様に赤茶けた大地になっていた。

 崩れ落ちた高架に長い事手入れをされておらずひび割れたアスファルトの道路に電気の通っていない信号機。

 道路にはトラックや乗用車の朽ちた残骸が放置されていた。

 どの自動車も朝田や篠原を始め自衛隊員達も子供の時に雑誌で見た様な未来の自動車のイラストの様な懐かしいデザインをしている。

 「うっ・・・!」

 篠原は思わず顔をしかめた。

 不用意に近付いた自動車の車内には死体があった。

 白骨化し長い事風雨に晒されたからかボロボロの衣服を纏っている。

 小高い丘にはまるで昔のジュースの瓶をかたどった様な赤い色のモニュメントがあるがどれも長い事風雨に晒されていたかのように塗装が剥げていたり外装が剥がれ内側の骨組みが見えていたりする。

 少しずつ歩いて行くとボロボロになった看板があった。

 半分以上パネルがなくなっていたが瓶の絵や看板の残っていた場所に筆記体で書かれた【Cala】の文字。

 読める場所に書かれているのは全て英語である。

 誰ともなく、ゴクリと息を飲んだ。

 「まずは電車を探しましょう」

 朝田の指示で一行は電車を探し始める。

 そしてそれほど経たずに目的地は見付かった。

 まるで遊園地の入り口の様なデザインで門の両脇に瓶や王冠を模したキャラクターが手を振っている様な人形があった。

 入り口には【Nuka World】【Transit Center】と書かれたアーチがまるで来場客を出迎えるかのように建っていた。

 「また英語・・・英語圏の集団なのか・・・?」

 「ヌカワールド・・・交通センター・・・。見てください、奥の方には立体駐車場らしき物もあります。恐らく、この中にヌカワールドへの電車があるのでしょう」

 朝田が周囲を観察しながら言う。

 一行は周囲に注意しながら歩き続ける。

 外と比べて比較的状態は良い方だがそれでも荒れている。

 朽ちた自動車に内側が崩落している立体駐車場。

 そして地下へと続く建物。

 「周囲に電車らしきものはありませんでした。恐らく、地下鉄かと・・・」

 周囲を調査していた自衛隊員が戻って来て報告する。

 「それと、周辺の建物に無数の弾痕がありました。まるで銃撃戦の跡の感じで・・・」

 「分かりました。より一層注意して地下に進みましょう」

 篠原が緊張しながら言った。

 ドアを開けると地下へと続くエスカレーターがすぐ目の前にあるが機能しておらずただの階段と化していた。

 エスカレーターを下ると照明が機能している駅のホームに出る。

 ホームには男の射殺死体が転がっていたのを見て一行は顔をしかめる。

 構内の内装はあちこち剥がれ、床は最後に掃除したのがいつなのか全くわからないほどに汚れている。

 

 

 

 『ヌカワールド・エクスプレスへようこそ』

 構内放送が流れた。

 ハロウィンパーティのイベント案内やアトラクションがリニューアルしたとか美味しいヌカコーラ・クアンタムもある等々。

 一行が内装のボロボロになった電車に乗るとまるでそれを見計らったかのようにドアが閉まり電車が動き出す。

 突然閉まった扉に護衛の自衛隊員達は咄嗟に銃を構え姿勢を低くし、朝田と篠原にも自分達と同じ姿勢をとるように伝える。

 二人もそれに倣い姿勢を低くする。

 電車は暗いトンネルの中走行を続け車内を壊れかけた車内照明が薄暗く照らす。

 『ヌカエクスプレスモノレールをご利用いただきありがとうございます。ヌカコーラ社を代表して歓迎いたします』

 そんな車内放送と同時にトンネルを抜け周囲が一気に明るくなる。

 安全を確かめるため自衛隊員達はそっと窓から外の様子を確かめる。

 車内放送は相変わらず続いているがその内容は完全に遊園地の案内そのものであった。

 ゆっくりと、そして確実にヌカワールドと思われる巨大施設が見えてくる。

 遠目には遊園地そのものだ。

 ジェットコースターらしき物等が遠くに見えるが言い様のない違和感がある。

 しかし近づくに従いその違和感の正体が分かった。

 遊園地は薄汚れ、周囲に幾つかの見張り台のようなものが建てられている。

 やがて電車はプラットホームに到着した。

 ここも発車した場所と同様だが構内は広く瓦礫が隅に寄せられ普通に歩く事が出来る様になっていた。

 日本国側は知る由もないがかつて111のアイツがこの場所に初めて訪れた時にあった迷路やトラップは全て資材として再利用されていた為彼らは難なく地上へと出る事ができた。

 

 

 「ぱっと見は・・・やっぱ遊園地ですよね・・・」

 「ああ・・・、廃墟となった遊園地を占拠して拠点にしていた武装組織がこの世界に転移してきた・・・と言ったところだろうか・・・」

 くるり、と朝田は篠原や護衛部隊のいる方向へ振り向いた。

 「我々の今回の任務はこのヌカワールドなる組織のトップ・・・通称〝総支配人〟なる人物と接触しパーパルディア皇帝ルディアス及びレミールの生死確認、生存が確認された場合は引き渡し要請です」

 「でも、このヌカワールドはパーパルディアとほぼ無関係・・・交渉が難航しそうですね・・・」

 「本国より、ある程度の便宜を図る許可が出ています」

 「それって新世界技術流出防止法とか大丈夫なんですかね・・・?野党はテロ支援だとか言い出しそうな・・・」

 「そこは、政治家の方々に任せるとしましょう。我々は与えられた任務を遂行するのみです」

 クイッと眼鏡を指で押して位置を直す朝田。

 「ですね、役人の辛いところですよ。じゃあ、行きましょうか」

 肩をすくめながら篠原は言う。

 ヌカワールドの入り口はまさに遊園地のゲートという感じのデザインだったが自動車のタイヤや金属物を使った簡易バリケードの様な物がゲート両脇に設置されミニガンが固定されており、行き交う人々は観光客ではなく銃火器を持ったレイダーや爆弾首輪を装着させられた奴隷が荷物の運搬をしていたりと実にシュールな光景であった。

 

 

 

 「失礼。総支配人殿へのお取り次ぎはどこで行えばいいのですか?」

 相手は武器を持っている為危険と判断した護衛隊長は手近にいたレイダーに声を掛けるが・・・・。

 「あ゛あ゛っ!?」

 振り向いた男は明らかにラリっていた。

 目は虚ろでどこを見ているか分からず、男の足元には何かの吸引具の様な物が転がっていた。

 「おおっ、すげぇ!モングレルの群れが空飛んでやがる!」

 「あの?」

 「おおっ!俺も空飛んでいるぜ!」

 フラフラと歩き出すレイダー。

 「これは・・・・薬物・・・?」

 「真っ昼間から堂々と薬物・・・。警察組織はいないのか・・・・?」

 下っ端レイダーはヤクでぶっ飛んでいたために会話すら成立しない状態であった。

 「くそっ!スーパーミュータントだと!?やってやる!やってやるぞ!」

 朝田と自衛隊一行の姿を見たラリったレイダーは朝田たちの姿がスーパーミュータントに見えているらしかった。

 パンッ!パンッ!パンッ!

 突然パイプピストルを取り出しやたらめったらに撃ち始めた。

 「危ない!隠れて!」

 護衛隊員達が朝田と篠原に隠れる様叫ぶ。

 二人は手近にあったボロボロのコンクリート製の花壇っぽい物の影にしゃがんで隠れる。

 自衛措置で拳銃を取り出すがすぐにレイダーのパイプピストルの残弾が尽きたのかカチカチと空虚な音を立て始めた。

 「へ、へへへっ!スーパーミュータントが俺様に恐れをなして逃げ惑って・・・るぜ・・・・」

 バタンッとレイダーは倒れ、グガーグガーといびきを上げ眠ってしまった。

 「ふぅ・・・まさかいきなり撃ってくるとは・・・・」

 「隊長、見てくださいこの拳銃・・・」

 「金属パイプに針金に何かの金属部品・・・まるで廃材を使った手製の銃だ・・・・」

 廃材を使って作られたと思われる銃・・・よくよく思い出せば今まですれ違った者の大半がこの様な物を持っていたと思い出す朝田と篠原。

 「おまえさん達、何してるんだい?」

 背後から声を掛けられ見ればくたびれた服を着た奇妙な首輪を嵌めた薄汚れた中年女が立っていた。

 首輪は一定間隔でランプの様なものが光っている。

 「貴女は?」

 「あたしかい?あたしゃただの奴隷だよ。今は掃除中でね」

 「奴隷・・・・?」

 「ああ、そうだよ。さっき銃声が聞こえたし、察するにそのレイダーが酔ったか薬でぶっ飛んで銃を乱射したってところかね?」

 「え、えぇ、よく分かりましたね?」

 ズバリ言い当てた中年女に思わず驚く一行。

 「よくあることだからね」

 「よ、よくある?」

 「ああ、しょっちゅう銃撃戦が起きてるよ。あんたら、格好からして外から来たのかい?」

 頷く一行。

 「そんなんで驚いてたら、ウェイストランド一カオスなこのヌカワールドで半日だって過ごせないよ」

 中年女がの言葉に前途多難になりそうだなと朝田は頭が痛くなってきた。

 中年女はさっさと掃除を続け路上でいびきをかいているレイダーも馴れた手付きで端に転がしていた。

 

 

 

 ガシャンガシャンガシャンガシャンッ・・・!

 遠くから金属製の物体が駆動する音が聞こえた。

 見れば全身金属の物体を装着した人物がその重量からは考えられない程の身軽な動きで走り、障害物を背後の装置からのジェット噴射で飛び越えてあっという間に視界から消えてしまった。

 「あれが報告にあったパワードスーツと思われる物体か・・・」

 「でも、ヘルメットの様な物を被っていましたから映像の物とは別ですね・・・。複数あるんでしょうか?」

 「分かりません。ですが我々の目的は総支配人との面会です」

 「そうですね。あーっと、失礼ですが総支配人という方にはどうすれば会えるんでしょうか?」

 篠原は掃除を続けていた奴隷の中年女に聞く。

 しかし中年女はキョトンとした表情だった。

 まるで、〝こいつ何言ってるんだ?〟的な表情である。

 そして答えも・・・。

 「総支配人?さっきそこをパワーアーマーで走って行ってジェットパックで空飛んでたのがその総支配人だよ」

 「!?行き違いになった!」

 「追え!追いついくんだ!」

 ドタバタと後を追う一行。

 だが結局見失ってしまいレイダーや奴隷達から聞き出した情報を総合した結果、ヌカワールドの外に行ってしまったとの結論に達した。

 一行はなんとか数時間をかけ話の通じるインテリレイダーとの接触に成功し、総支配人の帰還までヌカワールドの一角に護衛部隊が持って来たテントを設営し護衛部隊がローテーションで見張りを立てて待機する事となった。

 

 

前途多難だと朝田と篠原は頭痛を覚えた。




日本御一行様、総支配人とニアミス。
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