最強の敵:ブロリー   作:ザイグ

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第二話:USJ襲撃

国立雄英高校。

ヒーローを養成する学校の最難関。オールマイトの出身校であり、偉大なヒーローになるには雄英卒業が絶対条件と言われるほど。

広大な敷地を有し、様々な施設がある。その中の一つにあらゆる事故や災害を想定した演習場がある、その名も『ウソの災害や事故ルーム(USJ)』。

 

そんな紛らわしい名前はどうでもいいとして、ここに今年入ってきたヒーロー科一年A組の生徒達が授業をしていた。

そこへ『ワープゲート』を通り、大勢の侵入者が現れた。

 

「ひと固りなって動くな。あれは、(ヴィラン)だ!」

 

命を救える訓練の時間に、敵は襲撃してきた。

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 

「13号に、イレイザー・ヘッドですか。先日頂いた教師側のカリキュラムでは、オールマイトがここにいるはずのですが」

 

「どこだよ? 折角、こんなに大衆引き連れてきたのにさぁ。オールマイト……平和の象徴……いないなんて。子供を殺せばくるのかな?」

 

教師を確認した黒霧がオールマイトがいないことに疑問を抱き、死柄木弔が物騒なことを口にする。そしてブロリーは。

 

(なんでこんな事に……)

 

表情に出さず、内心で雄英襲撃に参加してしまった不運を嘆いていた。

 

(転生したらお父さんが敵で、オールマイトに恨みがある。そして戦闘センスの塊であるオレを敵として育てた。逆らえないように電気が流れる首輪をつけて……こんなとこまで同じなんて、どこまで(ブロリー』をリスペクトしてるんだよ。

そしてオレの戦闘力に目をつけた最悪の敵『オール・フォー・ワン』にスカウトされ、改人『脳無』を相手に長年、戦闘訓練をさせられた。お父さんはオレを鍛えられてハッピーに、敵連合は脳無の実戦データが取れてハッピーな、Win-Winな関係を築いていた。

オレは体が傷だらけでアンハッピーだけどな‼︎)

 

そんな風に嘆いていたら、イレイザー・ヘッドがチンピラ相手に無双して、黒霧が動いて13号を倒して生徒をUSJ中に散らした。

オレも働くか。サボってると首輪のビリビリがきそうだし、何より……。

 

…………戦闘衝動を抑え切れそうにない。

 

『伝説の超サイヤ人』であるオレは強い戦闘衝動を持ち、闘争心が疼くと暴れずにはいられなくなる。

イレイザー・ヘッドとチンピラの戦いに当てられて、戦闘衝動が溢れてくる。

固く握られた拳が、震える体が、我慢の限界を告げている。

 

「なんだ、オールマイトが出てくるまで我慢できないのか? まぁ、下手に暴れられても面倒だし、イレイザー・ヘッドで発散させとくか。——やれっ、ブロリー!」

 

「うらぁああああああああああああああああああっ‼︎」

 

死柄木弔の号令にブロリーは飛び出し、イレイザー・ヘッドに急接近する。

 

「……本命か!」

 

イレイザー・ヘッドがブロリーを視る(・・)。彼の個性は『抹消』。視るだけで相手の個性を抹消する。だが、無意味。ブロリーの『伝説の超サイヤ人』は転生特典だ。そもそも個性ではないので『抹消』は効かない。

驚異的なスピードのまま接近し、超パワーでイレイザー・ヘッドを殴り飛ばす。

咄嗟に防御したイレイザー・ヘッドの腕が折れるが、更に追撃。

殴り、蹴り、また殴り。空中に投げ出されたイレイザー・ヘッドの上空に飛翔して先回りし、叩き落とした。

地面にクレーターを作る勢いで叩きつけられたイレイザー・ヘッドは完全に気を失ってしまう。

ブロリーが動き出して数秒。プロヒーローが手も足もでずに撃破された。

 

「いいぞ、ブロリー。無様だな、イレイザー・ヘッド。個性を消せようが、圧倒的な力の前にはただの無個性だものな!」

 

虫けらのようにプロヒーローが倒され、上機嫌な死柄木弔の元に黒霧が戻る。

 

「死柄木弔」

 

「黒霧、13号はやったのか?」

 

「行動不能にはできたものの、散らし損ねた生徒がおりまして一名、逃げられました」

 

「はぁ? 黒霧、お前……お前がワープゲートじゃなかったら、粉々にしたよ!」

 

黒霧の報告を聞いた死柄木弔がイライラしたように首を掻き毟る。

 

「流石に何十人ものプロ相手じゃ敵わない。ゲームーオーバーだ。帰ろっか。……あぁ、そうだ。帰る前に平和の象徴としての矜持を少しでも……」

 

死柄木弔はこちらの様子を伺っていた三人の生徒へ接近。その内の一人の頭を掴もうとする。

 

「——へし折って帰ろう‼︎」

 

死柄木弔の個性『崩壊』。手で触れた物は、例えミサイルに耐える防壁さえボロボロに崩す。そんな個性で頭を掴まれれば助かるはずがない。カエルっぽい少女の命運は尽き……。

 

「……なんの真似だ、ブロリー」

 

……ことはなかった。少女に触れる直前の腕をブロリーが掴んでいた。

 

「目的、オールマイト。この子、違う」

 

「はぁ? そのオールマイトに嫌がらせするために殺すんだよ。大事な生徒を守れずに殺されていたどんな顔をすると思うか見物だろ? 離せ」

 

「………」

 

ブロリーは何も語らず、ただ掴む力が強くなる。無言の拒絶、死柄木弔の言う事に従う気はないらしい。

 

「…………もういい。大人しくしてろ」

 

死柄木弔がポケットからリモコンを取り出し、スイッチを押す。ブロリーの首輪から電流が迸る。

 

「がぁっ⁉︎ あぁ、がぁああああっ!」

 

ブロリーが苦しみ、原因である首輪を外そうとするが首輪はビクともしない。

 

「っ、止めろっ!」

 

そこへ様子を見ていた生徒の一人が飛び出す。ブロリーは敵だ。でも、クラスメイトがいま助けられ、そして首輪で無理矢理従わせているのを見て、地味な少年『緑谷出久』はブロリーが悪人には思えなかった。だから、助ける!

余計なお節介はヒーローの本質なのだから。腕を振りかぶり、個性を発動。

 

「SMASH‼︎」

 

オールマイトから受け継いだ個性『ワン・フォー・オール』。未だに制御できないが威力は抜群の拳が死柄木弔を襲う。ただのパンチを打ち込んだとは思えない衝撃波が吹き荒れる。しかし、死柄木弔は無傷だった。

 

「なん、で……!」

 

ブロリーだ。死柄木弔と緑谷出久の間に割り込み、拳を受け止めていた。しかもその場から一歩も動いておらず、全く効いていない。恐るべきタフネスだ。

 

——殺せる算段が整ってるから、連中こんな無茶してるんじゃないの?——。

 

緑谷出久の中でカエルっぽい少女『蛙吹梅雨』の言葉が蘇る。まさか、このブロリーと呼ばれた敵こそが……。

 

そんな緑谷出久の内心を知らずブロリーが気絶させようと手を伸ばし——USJの扉が吹き飛んだ。

現れたのは一人の教師。だが、その名を世界に轟かすNo.1ヒーロー。

 

「もう大丈夫。私が来た……!」

 

生徒の危機にオールマイトが駆け付けた。

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