MAJIKOI×DRIFTERS   作:霜焼雪

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第九幕 Mass Destruction

 

 

 

 ――――タイタ区。

 

 

 

『――――漂流物(ドリフターズ)の反応、なし。ハズレ、か』

 

 

 

 燃え盛る街中、煙と共に蔓延するむせ返るような戦争の臭いをものともせず、鼻をひくひくとさせて周囲の気配を察知していた大和田伊代。お目当ての人物はいなかったようで、バッドを右肩に担ぎつつ歎息を吐いた。

 

 伊予は少しだけ貧乏ゆすりをしつつ、分かりやすく不機嫌そうな態度で、右手でバッドを勢い良く振り降ろした。

 

 

 

 

 

 すると、バッドの振り降ろした先へ向けて、コウガの遥か上空から拳ほどの大きさの球体が炎を纏って落下してくる。それは流星のような煌めきと勢いを保っており、見る者を興奮させ、瞬間的に死の淵へ追いやる悪魔の攻撃。

 

 

 

 

 

 仮に生き残ったとしても、何が起きたか分からないまま激痛に悶え苦しむこととなる。隕石による攻撃など痛みも方法も想像ができないからだ。その痛みも方法も実感したところで、一度も考えつかないようなことだ。混乱と痛覚で先に精神が崩壊してしまう。

 

 大和田伊代の奇術は、人を肉体的にも精神的にも殺しうるのだ。

 

 たった今落下してきた流星はまだ崩壊していなかった民家に着弾する。この辺り一帯の住民は既に彼女たちの従える兵が殺してしまっているが、ひょっとしたら隠れ潜んでいたかもしれない。

 

 しかし、目標となったのは建造物だけだが、その建造物は跡形もなく粉みじんになり、着弾後のクレーターしか残らなかった。人が隠れ潜んでいようがいまいが、そんなことは些細な問題だと言わんばかりに消滅してしまった。

 

 

 

『大和田幹部』

 

『何?』

 

『周囲一帯の民家殲滅の進行速度、滞りなく続いております』

 

 

 

 物質を完全に破壊しきった光景を見ても一切動じず、黒い兵士の中でも隊長格にしか与えられない白の腕章をつけている兵士が伊予の目の前で膝をついた。

 

 実につまらない報告だと思いながら、伊予は一切兵士に視線を向けることなく、「ご苦労」とだけ告げて持ち場へ戻るように促した。

 

 しかし、兵士はまだ伝えていないことがあるのか、その場でまだ膝をついたままだった。

 

 

 

『まだ、何か?』

 

『どうやらこの国のどこかに、漂流物(ドリフターズ)がいるとの伝令が入りました』

 

『!』

 

 

 

 伊予はそこでようやく兵士へ視線を落とした。

 

 

 

『複数人いる模様です。行燈機構(ラント)を複数班確認したと……』

 

『情報源は誰?』

 

『パルチザンです』

 

『国吉先輩、ね……』

 

 

 

 情報の出所を確認したところで、伊予はぺろりと舌を出した。口元が緩んで落ちかけた唾液を素早く舐めとるためだ。その表情は恍惚に染まっており、極上の料理を目の前に出されたように伊予は歓喜に打ち震えていた。

 

 

 

『タイタ区担当の兵士全員へ通達。このタイタ区は、全て私のN・B・S(スターマイン)で葬る』

 

『! し、しかしそれでは物資が――――』

 

『口答え以前に、兵士に伝えた方が得策』

 

 

 

 有無を言わせない伊予の態度に、兵士は顔面蒼白とさせて一目散に駆け出して行った。格場の分隊長たちに伊予の行動を教える気であろう。

 

 今の機械的対応は、物資は十分にあり崩王が分配に困るほどだということを、伊予は知っているからこそ取れる言動だった。物資がどうのこうのと言っているが、伊予からすれば足りなかろうが余り有ろうが、実にどうでもよかった。

 

 彼らは、世界を滅ぼす崩王の下についている。後先のことを考えていては、この世界をまっさらにできないからだ。

 

 

 

「…………まだ、打てる」

 

 

 

 自身の再現あるエネルギーの残量を確認しつつ、伊予はバッドを両手で握って素振りをする。

 

 

 

「うーん、三分後にでも打とうかな」

 

 

 

 気まぐれ、タイタ区完全消滅が三分後と決まった瞬間だった――――

 

 

 

 ◇ ◆ ◇

 

 

 

 ――――ペガス区。

 

 

 

『何をしている! たかが少女一人相手に!』

 

『そ、そんなこと言われても……!!』

 

『このガキ、滅茶苦茶だ!!』

 

 

 

 剣を持ち、槍を握り、民家の上から弓を構える兵士たち。綺麗な円を描くように隊列を組み、中央にいる一人の少女を逃がすことのないように肉の壁を作る。

 

 その形状はさながら小さなコロセウム。しかし、圧倒的な違いが内包されていた。

 

 中央にいる少女が甚振られる様を見て興奮するような野蛮なものではない。こうでもしないと少女を殺しきることができないという苦肉の策だ。周囲を取り囲む兵士たちは興奮などしていない。むしろ恐怖に飲まれている。

 

 その恐怖を助長し膨張させるのは、包帯で視界を完全に閉ざしてなお兵士を五人殺した異端な少女。人であった五人の肉塊を積み上げてその上で飛び跳ねる少女は、人を玩具か何かとしか思っていないようだった。

 

 死の臭いというパフューム、血というチークを装飾として身に塗りたくり、少女はにっこりと笑う。

 

 

 

『おじさんたち、もっとホンキだしてよ!』

 

 

 

 笑顔と言葉は実に愛らしく、そこだけ切り取って保存すれば、誰も彼もが少女のことを愛玩するに違いない。もし少女を貶すことがあるのであれば、間違いなく僻みや嫉妬心から来る醜い例外であろう。

 

 しかし、少女の顔と少女の持つ双剣にはベッタリと血がこびりついており、その可愛らしさは悍ましさへと姿を変える。敬愛の対象は畏怖の対象へとすり替わり、慈愛の目を向ける者たちは殺人の手段を向ける。

 

 少女は混乱を生み出す怪物(けもの)である。

 

 この世に生まれ落ちたことを否定されるような存在と成り果てた。

 

 

 

『くそっ! くそっ!』

 

『弓兵は何をしている!? とっとと射殺せ!!』

 

『たった数メートル、外してんじゃねぇよ!!』

 

 

 

 兵隊の作る輪の内側、最も近くで少女に触れている兵士が助けを求めるように声を上げた。実にみっともなく、失禁していてもおかしくない程恐怖に飲まれていた。声も体もブルブルと震え、平衡感覚すら確かではないだろう。

 

 その叫び声の対象である弓兵たちは、肉壁を作る兵士たちとは違った恐怖に身をもまれていた。

 

 

 

『矢が消えた、どうなってんだ!?』

 

『一瞬でなくなっちまった、矢を放った瞬間にどっかいっちまった!!』

 

『何なんだよ、何なんだよあのガキは!!』

 

 

 

 弓兵たちはありったけの矢を全力で少女に放っていた。殺すつもりで急所を狙って射抜いていた。矢など当たってしまえば、体が小さい程に“死にやすい”。

 

 剣術、槍術、騎乗など、騎士に必要な技能を訓練する際に最も気を付けて行うのは間違いなく弓術だ。理由は簡単、弓の事故は死と確実に隣りあわせだ。剣で手を切り落とすことになっただとか、落馬して頭を打って半身不随だとか、命が残る事故の方が少ないが事故は多い。比べて、弓は事故率は低いが死亡率は極めて高い。

 

 人に向けての武器としての殺傷性は極めて高い。細いと侮るなかれ、肉を引き裂き骨を貫き、簡単には抜けることのない殺人道具の一つだ。

 

 それを鍛えられた兵士たちが少女を相手に本気で射ても戦果は一切上げられない。少女に矢が届くことなく、矢は底を尽きてしまう。

 

 

 

『う、うぉおおおおおおおおおああああああああああああああああ!!』

 

『うらぁああああああああああああああああああああああああああああああ!!』

 

 

 

 痺れを切らした、というか恐怖に耐えきれなくなり、一刻も早い解放を望んでしまった兵士二人が、大きく剣を振りかざして少女に向かって突貫した。それに続き、こうなれば物量で押すしかないと考えた兵士たちは、本能の赴くままに体を動かしひた走る。

 

 兵士の間をすり抜け槍は突きだされ、多くの剣は幾重にも重なり面となる。避けることは不可能と断言できるほどの狂気の雨に、少女は心を躍らせる。

 

 

 

『そういうの知ってるよ。“ジサツシガンシャ”って言うんだよね? プーさんに教えてもらった!』

 

 

 

 少女は双剣を振り回し、スカートの裾を浮かび上がらせて綺麗な円を描く。それこそ踊っているようにふるまう少女だが、バレエのような形式ばった物ではなく、ただ適当にクルクルと回っているだけのような、児戯に等しい拙いもの。

 

 

 

 

 

 

 その円運動に触れた兵士とその武器は、瞬間的に消し飛ばされてしまう。

 

 

 

 

 

『うぎゃああああああああああああああああああああああああ!?』

 

『もっともぉっと、うたって?』

 

 

 

 肘から先がなくなりのた打ち回る兵士や、四肢のどれかを失った兵士からの出血を浴びて腰を抜かしてしまった兵士たちは、少女に見下される形となって地面に這いつくばる。

 

 それを見下すことなく見下ろして、少女は踊りを続ける。戦意を喪失してしまった兵士たちはもう用済みだと言わんばかりに、後片付けを開始する。

 

 まだ立っている兵士の方が多い。瑠璃色の髪の少女、伊達瑠奈の学芸会は始まったばかりだ。

 

 

 

 ◇ ◆ ◇

 

 

 

 ――――ドラグ区。

 

 

 

『お前が廃棄物(エンズ)とやらかぁ?』

 

 

 

 南西にある酒場の多い港寄りのドラグ区。大和田伊代の派遣された民家の多いタイタ区や、伊達瑠奈の派遣された兵士の訓練場が多いペガス区とは違い、ここには外部からの人間が集まる集会場や酒場が多いため、多種多様の人物が集まる。

 

 貿易大国とはよく言ったもので、獣人も人間も互いの利益のためだけに行動しており、行商人はその際のリスクを軽減する策を常に講じている。

 

 端的にいえば、用心棒然り傭兵然り、金で動く腕っ節に自慢のある屈強な戦士が集っていた。

 

 コウガ第三帝国の四つの区の内、黒い兵士たちが一番苦戦していたのはこのドラグ区であった。戦士たちの坩堝と化しているこのドラグ区で、黒い兵士たちは侵略を推し進めることができないでいた。

 

 

 

 

 

 その停滞状況を打破するために、一人の少女が眩い光と激しい轟音と共に降り立った。

 

 

 

 

 

 降り立った少女の風貌は決して清らかと言えるものではなかった。シャツのボタンはなく前が空いていたり、スカートもところどころボロボロになっていたりで下着が見えてしまっている。それでも、少女はそれを隠そうとしない。むしろ見せつけているようにも見えた。

 

 そんな少女の前に一人の男が立ちふさがる。裕に二メートルは超えているであろう身長に加え、丸太のような四肢を取り付けた巨大な体躯。その体中に傷が目立つが、少女同様それを見せつけているようだった。

 

 背中には自分の身の丈以上ある大剣を携えており、行商人とは呼び難い風貌だった。男のはるか後方で怯えながら様子を窺っている、如何にも行商人のような人物を確認した少女は、この男が雇われた用心棒のようなものであると推測する。

 

 

 

廃棄物(エンズ)だが、それがどうかしたか』

 

『聞いていた情報よりもちょいと大きいな。別の廃棄物(エンズ)ってことか……。まぁいいか、お前らの首を王に差し出しゃ、一生遊んで暮らせるって言うじゃねぇの』

 

『金欲しさか?』

 

『傭兵が金のために戦って何が悪い』

 

 

 

 なるほどやはり傭兵だったか、と少女は冷笑を浮かべる。

 

 

 

『何がおかしい?』

 

『何も? 欲望に正直でいいことじゃないか?』

 

『そんじゃあ、欲望のために死んでくれや!』

 

 

 

 話を強制的に中断させるように、体中の筋肉を全力で使って目にも止まらぬ速さで大剣を鞘から引っこ抜いて少女へ振り降ろした。剣が振り下ろされた瞬間、ドン!! とおおよそ剣で切り裂かれた際には聞こえないような音が響いた。

 

 大木が薙ぎ倒された時の崩壊音や、大木を用いて城壁を破壊した時の轟音に近い、質量の大きさと威力の高さを示す打撃音に近かった。

 

 傭兵は確かな手ごたえと仕留めたという確信を以て、だらしなく不敵に笑う。

 

 

 

 

 

 しかし、その剣の下敷きになっていたのは少女ではなく、傭兵の後方で様子を窺っていた行商人だった。

 

 

 

 

 

『!?』

 

『どうだい? 自分で依頼人を殺す快楽ってのもいいもんじゃないか?』

 

 

 

 少女の声が男の耳元で聞こえた。男は恐る恐る、がっちりと錆で固まってしまった螺子の様にガクガクとしながら右を向いた。

 

 するとそこには、男の肩の上で胡坐をかいている少女の姿があった。その表情は男よりもだらしがなく、実に不気味な笑顔だった。

 

 

 

『な、なん……!?』

 

『悪いけどよ。答えてやる義理はないし、義理って(しがらみ)に囚われて足踏みするほど暇してなくてよ』

 

『ぐえっ!?』

 

 

 

 少女は股で男の首を横から絞めつけて動脈と気道を押し潰し、左手で頭頂部の髪を引っ張り上げて頭部を固定する。一時的な呼吸困難、動脈循環不全という、頭皮に勢いよく走った痛覚を塗りつぶすような本能的に拒絶したい苦しみが男を襲う。

 

 何とか呼吸を取り戻そうと少女の太腿をグッ、と握りしめて引き千切ってでも剥がそうとする男だが、それよりも先に少女が動く。

 

 腰に差していた細長いレイピアを抜き、男の首を持ったまま上体を反らして脇を締めて力を貯める。それを一気に爆発させて腕を伸ばし、男の耳から耳へとレイピアを貫通させた。

 

 その時点で男の死は確定したのだが、男に刺さったレイピアから激しい電撃が迸った。

 

 男の目は飛び出し、顔も誰か分からなくなるまでに崩壊し、依頼人の上に倒れ込んだ。

 

 

 

『こんな連中ばっかりなら五分と要らないな』

 

 

 

 男だったものからレイピア抜き取り、生き残っている行商人や傭兵にレイピアを向けた少女。その笑顔は先程よりも醜く歪んでいる。少女の美しさが崩壊していくことが目に見えて分かってしまう。

 

 

 

『このクリスティアーネがお前らを殺してやる、ありがたく思っとけ』

 

 

 

 クリスティアーネ・フリードリヒによる虐殺が開始される。

 

 

 

 ◇ ◆ ◇

 

 

 

 ――――アルト区。

 

 

 

「……着きました。こちらです」

 

「思ったより遠い道のりだったな……。銑治郎殿、お体は大丈夫か?」

 

「な、なぁに。お互い様じゃろう? まだまだこれくらいは気張らねばなるまいて!」

 

 

 

 燈火が立ち止まり、銑治郎と虎蔵はようやくかと言った具合に体の力を抜いた。銑治郎も虎蔵も持久力にはあまり自信がないのか、年老いた体を労わりつつも互いの身を案じていた。

 

 南西のドラグ区の駐屯場が崩壊した直後、崩落してきた瓦礫を豆腐でも切る様に抉じ開けた銑治郎のおかげで、銑治郎、虎蔵、燈火の三人は無傷で脱出することに成功し、中央のアルト区へ向かうことにした。

 

 道中、黒い兵士たちが幾度も襲ってきたが、虎蔵は兵士たちの手や武器だけを狙い戦いと言う行為を最小限に抑え、銑治郎も虎蔵に合わせるようにして相手に致命傷は負わせることなく逃げることを優先した。

 

 燈火は“嵐”と一文字だけ書かれた扇子で黒い兵士や障害を扇ぎ、虫でも払うようにして吹き飛ばしていた。その際に何かを呟いているようだったが、虎蔵も銑治郎もそれを聞き取ることはできなかった。

 

 そうこうして走り続けること十数分、既に半壊を通り越して全壊と言ってもいい程に集中砲火を浴びていたアルト区へ到着する。アルト区のシンボルとも言えたコウガ第三帝国の中央塔と、創始者である“悪七兵衛”の銅像は粉々に砕け、戦争の惨さを物語っていた。

 

 そのアルト区にて燈火が二人を案内したのは、その“悪七兵衛”の銅像の台座。

 

 

 

「…………“胡麻ハ数多ノ種ヲ孕ミ、(オノ)ズカラ弾ケ、其ノ(ハラワタ)ヲ撒キ散ラサン”」

 

 

 

 “悪七兵衛”の台座に手を当てて燈火が何かを呟いた。すると、台座は光を放ち均等に四等分されたかと思うと、台座の下に現れた人一人が通れるような穴の中に吸い込まれていった。

 

 

 

「妖術じゃな、こりゃ」

 

「そのようなものです。さぁ、早くこの中へ――――」

 

「ちょっと待ってくれ」

 

 

 

 ようやく逃避行が成功しようと言うところで虎蔵が待ったをかけた。一体何を呑気な事を言っているのかと責め立てようとした燈火だったが、虎蔵の真剣な表情に燈火は声をかけることを躊躇った。

 

 

 

「…………バカの声と臭いが混じってやがる」

 

「えっ……?」

 

「燈火とやら、銑治郎殿を連れて先に行け。野暮用ができちまった」

 

「……まさか、廃棄物(エンズ)ですか!?」

 

「バカかお前。それだったらワシだって一緒に逃げるに決まってるだろう」

 

 

 

 燈火の疑問を一蹴した虎蔵は、この世界に来て人をまともに斬ることのなかった刀をまともに構える。その瞬間、周囲の空気が張りつめたように緊迫したものとなり、体感温度が一気に下がった。

 

 その殺る気(ヤルキ)を体で確りと受け止めていながらも、銑治郎はゆっくりと虎蔵に歩み寄った。

 

 

 

「水臭いことを言うのう、虎蔵殿」

 

「銑治郎殿には関係のないことだからな」

 

「つれないことを言わんどいてくれ。盃を何杯も交わした仲じゃ。無理にでも同行させてもらおうぞ」

 

「……死んでも知らんぞ」

 

「かっかっか! こっちの台詞じゃ!」

 

 

 

 虎蔵同様刀を構え直す銑治郎。先程の逃げの一手で鬱憤が溜まっていたのだろうか、片側の口角を吊り上げてウズウズとしているのが丸分かりだった。

 

 燈火を置いて戦場に舞い戻ろうとする二人の老剣士、だったが――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「燈火様ぁああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……!? シンじゃないか!?」

 

 

 

 燈火が二人を制止しようとしたところで、桃色の着物を着た女性が燈火に向かって飛び込んできた。飛び込んできた少女は涙目で、ぐしゃぐしゃの表情で何かを訴えかけようとしていた。

 

 

 

「ひっぐ、うぐ、と、どもじびざばぁ……!!」

 

 

 

 詰まりに詰まった鼻によるくぐもった声と咽び泣いている嗚咽の泣き声が合わさり、それはもう聞き取りづらい言葉となってしまっていた。それが伝わらないせいで更にシンは泣いてしまう。

 

 このままでは埒が明かないと判断した燈火は、強く心を込めてシンへ言葉を送る。

 

 

 

「“落ち着いて話せ”、シン。何があった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と、虎之助さんが……! 沙也佳さんが……! 漂流物(ドリフターズ)が、廃棄物(エンズ)に囲まれて……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、何だと!?」

 

「「すぐ近くに応援を呼べる仲間がいるならその人を呼んできて」、「こんなことに頼っちゃってごめん」、「無理なら一人で逃げてください」、「一人で絶対に戻ってくるな」、本気で怒られて、本気で信頼されて……………! それなのに! 燈火様のところに辿り着くのにもう何分もかかっちゃって、これじゃあ!!」

 

「くそっ……! 今すぐ私も助けに向かう! 虎蔵さんに銑治郎さん、申し訳ないがこちらへ――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ……? 燈火様が連れてきた漂流物(ドリフターズ)が、いない……?」

 

 

 





 あとがきしょーとすとーりー 崩王英才教育

崩王「録画してたアニメも見終わりそうだし、世界も同時に終わらせようかなーって」

瑠奈「わーい!」

崩王「良い返事だ。るなたんはアニメ好きかい?」

瑠奈「みたことない」

三千尋「むっ、これは由々しき問題ですよ崩王様!」

崩王「確かに、これでは崩王軍アニメ部の女性数が足りない」

三千尋「そういう訳だから、この仰○人間バト○ーラーを見よう」

崩王「待て、確かにそれは名作だが、ここは敢えてロック○ンエ○ゼを」

三千尋「何でそんな放送失敗したアニメなんか見せる必要があるんですか。お○スタの放送時間にしかやらないから余裕ないクソ構成。挙句の果てズルズルと何期やってんだよ、蛇足もいいところですよ」

崩王「ええい喧しい! 大体それだってサイボーグク○ちゃんと東京○ュウ○ュウに埋もれて目立たなかっただろうが! 聖水って涙かよ、そんなの真の聖水とは言わせないもん! 真の聖水、それはるなたんのおし」

瑠奈「いよおねーちゃんはどんなあにめがすき?」

伊予「ア○ッチ野球軍」

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