MAJIKOI×DRIFTERS   作:霜焼雪

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第十五幕 シミ

 

 

 

 立ち込める煙、燃え盛る堆積物、荒らされた土地、丘のように積まれた土に不自然に立てられた木の枝。

 

 堆積物の煙と共に飛来するむせ返るような焼かれた臭いは、二人の剣士の鼻腔をガリガリと削り、黒色の粘膜をベッタリと植え付ける。一息吸い込んでしまえば、肺まであっさりと犯されてしまう。体中に染みこみ、魂にまで染みを付けて臭いを残す。

 

 二人の剣士が数キロ走って辿り着いたその村は、既に何者かに襲われた後だった。

 

 

 

「なんだ、これは……!」

 

 

 

 その現実離れした現実に、二人の剣士の内一人である少年が、醜いものを吐き出す様に言葉を捻りだした。何か言葉を出さないと、非日常の光景に自分が溶け込んでしまいそうだったから。

 

 ガチガチと、少年の刀を握る手が震えてしまう。その震えの原因は恐怖では決してないと少年は自信を以て言えた。かと言って、堂に入った武者震いでもない。困惑とも言い難い、動揺とも名状し難い。

 

 少年はこの感情を理解できずに、血を沸かせ目を見開いていた。

 

 一方、もう一人の剣士である少女は黙ったままその光景を見つめていた。しかし、絶句という心情下にいるわけではない。この場に走ってきた時点で、この様に凄惨な状況であると言うことは覚悟していた。

 

 少女が言葉を紡げない理由は、その鼻腔を抉る独特な臭いに心の奥の何かが打ち震えていたからだ。

 

 

 

 ――――亀割山にて生むまれ給へる若君も、判官殿と同じ様に白衣を召して、野辺の送りをし給へり。見奉るにいとど哀れぞ勝りける。同じ道にと悲しみ給へども、むなしき野辺はただ独り、送り捨ててぞ帰り給ひぬ。哀れなりし事どもなり。

 

 

 

 奇妙なことに、怪奇な文章が少女の頭の中を駆け抜けた。その文に少女は得も言われぬ悲しさを感じてしまう。咽び泣いてもおかしくない卑劣な光景に、少女は懐かしさに近い思いに耽り、心で涙を流す。

 

 

 

 ――――オリジナルの……?

 

 

 

 すると、一人の男が煙の立つ方を見つめて野原で立ち尽くす光景が少女の頭に突如現れた。男は刀を握り、馬の手綱を腕に巻きつけ、一筋の涙を頬に伝わせていた。

 

 悲しみに涙を零してもなお、その男の強さはあふれ出し――――

 

 

 

「おい、義経!」

 

 

 

 その光景にのめり込んでいた義経を引き剥がしたのは、瞳孔が通常時よりも開き始めた少年の呼びかけだった。

 

 

 

「な、なんだろうか!」

 

「ここら一帯の様子を見て来い」

 

「え、えぇ!? 独りでか!? い、石田君も一緒に……」

 

 

 

 てっきり一緒に行くものだと思っていたのか、義経と呼ばれた少女は飛び跳ねるように驚いていた。

 

 

 

「阿呆、手分けをした方が効率がいいに決まっているだろう」

 

 

 

 それに対し、何を愚かなことを言っているのだと軽くあしらう石田と呼ばれた少年。少しばかり体を震わせているが、少年にとってこの現象の源泉が恐怖ではないという時点で、少年より優位に立っている自信があった。

 

 小馬鹿にされつつ意見を否定された少女はと言うと、直ぐに涙目になって少年を見上げていた。懇願するように、無言の訴えを投げかける。

 

 

 

「……ええいいつもいつも鬱陶しい! そんなに一人が嫌か!」

 

「嫌だ!」

 

「……好きにしろ。俺は勝手に調査する」

 

 

 

 ――――義経と出会って約一週間、何故こいつはこうも一人を嫌う……。

 

 

 

 少年は少女と出会った時のことをふと思い出した。

 

 少年がこの世界にやってきたのも一週間ほど前のこと、少年が川神に突如出現した城の中を駆け巡っている時だった。友人のためと珍しく張り切って階段を登り、ある階層に到達した瞬間、“彼”の下に誘われた。

 

 少年は彼に「下らん幻影か?」と、物珍しさに周囲を見渡しながら問いかけた。

 

 

 

 ――――次。

 

 

 

 それに対する彼の返事は、返事とも呼べない事務的なもので完結した。さらに言及しようとした少年だったが、ガララッ! とけたたましい音を立てて開いたシャッターの奥に吸い込まれてしまう。見えない不可解な力によって吸い寄せられた少年は、それから逃れることはできなかった。

 

 少年はシャッターの奥に転がりながら吐き出され、密林地帯に放り出された。

 

 そのままの勢いで思い切り樹に激突し、悶絶していたところに訪れたのが少女だ。

 

 

 

 ――――天神館の、大将!?

 

 ――――源、義経!!

 

 

 

 その瞬間、少年は剣を抜いて少女と対峙した。少年が飛ばされてきた世界では、義経は討つべき将としてリストアップされていた。それに加え、少年にとっては雪辱を晴らすべき因縁の相手であった。

 

 この瞬間、義経が少年の本名を度忘れしていたことにより少年の闘争本能が爆発したが、義経は剣を向けることなく逃げに専念したこともあり互いに剣を仕舞って話し合いをすることになった。

 

 

 

 ――――いいな源義経? 西方十勇士が最強の男、出世街道を歩むこの俺の名は石田三郎だ! 二度も三度も言わんぞ? いいな、確りと記憶したな!?

 

 ――――す、すまない! 確りと覚えた!

 

 

 

 その後、少女と少年、源義経と石田三郎は行動を共にすることになる。数週間、今に至るまで二人きりでの行動だ。

 

 

 

 義経の水浴びの場に寝起きで寝ぼけていた三郎が出くわしてしまったり。

 

 木の実を取っていた義経の下着が三郎の視界に入ったり。

 

 小便をしていた三郎と食料調達帰りの義経が遭遇したり。

 

 三郎が曖昧な記憶の下作った獣を脚を捉える罠に義経が引っかかったり。

 

 焚火の火が消えて夜風が涼しいからと寝ぼけた義経が三郎に抱き着いたり。

 

 三郎が黙って食料調達に行った帰りに義経が大泣きしていたり。

 

 草で手を切ってしまった三郎の指を義経が口でくわえて消毒したり。

 

 捕まえた猪を弔った後に果敢に捌く義経を遠目に三郎が眺めていたり。

 

 寝言で「弁慶……」と呟いて涙を流していた義経の頭を三郎が渋々撫でたり。

 

 泥濘に足を滑らせた三郎を義経が華麗に支えてお姫様抱っこしたり。

 

 ここ最近二人の間にあった距離が物理的に縮まったりしたが、全てを総括しても二人の間に過ちはなかった。

 

 

 

 そうして辿り着いたこの村を、三郎が妥協して結局二人で調査することになった。既に平穏な村と呼べる部分は半分消失してしまっているが、それでも調べる必要がある。

 

 ここで一体何があったのかを調べ、二人は心に覚悟を決める必要がある。

 

 

 

「ものの見事に、敗戦だな。復興の兆しがない」

 

「……酷い」

 

 

 

 辺りの惨状を見て、三郎は胸に溜まった不快なものを言葉として吐露し、義経は思わず口を押えて嘔吐感を抑えようとしていた。

 

 辺りに飛び散っている血痕と、何かを引きずったと思われる血の跡。それは山になった土と、悪臭の発生源である燃え盛る堆積物へと続いていることから、あの土の山が何の役割を果たしているかを表していた。

 

 

 

「墳墓、か。実に雑な埋葬だ」

 

 

 

 それが何者かの、何者たちかの墓だと分かり、二人は手を合わせてしばし目を閉じた。誰彼知らずに手を合わせるのは彼ら日本人特有の性質なのだろう。

 

 武士ならば尚のこと、御仏が敵と分かっていても手を合わせ首(こうべ)を垂れる。

 

 

 

「……火葬の、臭い」

 

「今も弔っている最中だろうな、人の肉が焼ける独特な臭いだ。火葬場に漂うそれと同じ臭いがする」

 

 

 

 肉の焼ける臭いは人の食欲をそそることが多い、それは対象を食物とみなしている日常に起こり得る現象だからだ。唾液を口内に蓄え、隙間を作ろうと胃が視力を振り絞り、脳内を弾けさせる様に覚醒させる。肉が焼ける臭いは人の欲求の対象なのだ。

 

 だが、人の肉が焼けたことで発生する臭いは、個人差や個体差はあれど悪臭と表記、表現されることが多い。それは人体は最も身近な同類であり、死体はもっとも生き行く日常から乖離しており、人肉を焼くと言う行為が非日常であるからだ。

 

 唐突に訪れた非日常を、ほとんどの人間は拒絶する。画像で死体を見た際と、現実で死体を見た際の気分の差にそれがよく現れるという。五感に語りかける非日常は、人体にとって害悪なものだ。

 

 勿論、それが万人に当てはまるわけではない。それが万人に当てはまるようなら、人肉嗜食(カニバリズム)や屍体愛好(ネクロフィリア)などという言葉は世に現れなかった。閲覧禁止などと言う規制も造られる必要がない程に。

 

 尤も、普遍からかけ離れた特殊であるからこそ、このような行為に特別な言葉が当て嵌められるのだが。

 

 そして三郎も義経もこの例には漏れず、今回に限っては大衆とされる人間の一部に値する。

 

 

 

「行くぞ義経」

 

「……ほ、本当に行くのか?」

 

「阿呆、煙が立っている方に向かえば十中八九人間がいるに決まっている。今回ばかりは口答えを許さん。もう一つ火葬している場所があるようだ、行くぞ!」

 

 

 

 今度ばかりは折れようとしない三郎は、義経の首根っこを掴んでズルズルと引きずりながら、煙を上げて悪臭を放ち死者を弔っているであろう場所に向けて進んでいく。

 

 この光景を見れば、ようやくまともなコミュニケーションが取れるようになったと、三郎の側近であった老け顔の少年も感涙することだろう。

 

 一年と立たずに急変した自身の変化には全く気付かず、三郎は勇猛果敢足取同道、義経を率いてさっさと進む。義経の反論などお構いなしにさっさと進む。

 

 その歩みの果てに辿り着いたるが、これもまた彼らにとっての非日常。

 

 

 

 

 

 猫のような耳と尻尾を生やした人間が背を丸め、ごうごうと燃え盛る塊に向かって両手を組んで目を閉じていた。

 

 

 

 

 

「……ね、こ?」

 

 

 

 そう三郎が呟くと、引きずられていた義経も振り返りその光景を確認する。

 

 

 

「……猫、だ」

 

 

 

 しばらくその光景を黙ったまま二人が見ていると、猫耳の人間が二人の気配に気づいたのだろうか、くるりと顔だけ二人に向けた。

 

 ばちっ、と三郎と猫耳の人間の視線がぶつかり、互いの両目が見開かれる。

 

 

 

「ゴホッ、ゴホッ! ど、漂流物(ドリフターズ)……?」

 

 

 

 猫耳の人間は三郎と義経に対し、震えるような声で声を漏らした。今まで我慢してきたものが決壊する寸前のような表情と共に、その掠れ声は絞り出された。

 

 一方、猫耳の人間同様、視線が合った瞬間に目を見開き驚愕を顕にした三郎は、信じられないようなものを見たように呟く。

 

 

 

「……お、大村? お前、何故そんなコスプレを……?」

 

「こす……? ゴホッ! 何のことでしょうか……」

 

 

 

 ◇ ◆ ◇

 

 

 

「行燈機構(ラント)、キツです……。ゴッホ!」

 

 

 

 キツと名乗ったひ弱そうな男に連れられて、三郎と義経はまだ崩壊していなかった家屋の一つに案内される。その室内に飾られている“伝”と力強く書かれた日本文化の一つで絵ある真っ赤な提灯が二人の目に留まる。

 

 この密林地帯に飛ばされた二人がようやく見つけた、懐かしい香りのする存在だ。

 

 キツと名乗った猫耳の少年は咳き込む度に尻尾や耳をピクピクさせつつ、義経と三郎に暖かいお茶を金属製の器に入れて差し出した。持ち手の部分に布が巻かれているのは、手を火傷させないための配慮だろう。

 

 義経は両手で器を持ってズズッ、とお茶を啜る。

 

 

 

「あ、美味しい……」

 

「それはよかったです。自家栽培の薬草から煮出しているのですが、私たち以外にも受け入れられてよかっ――――」

 

「ぬるい」

 

 

 

 義経とキツの間に流れた和やかな空気を、三郎が厳しい言葉を放ち一瞬にして壊した。

 

 

 

「客人に出す温度とは思えん。よくこんなものを出したものだ」

 

「は、はわわ……」

 

 

 

 苛立ちを顕にして器を机に置き、器から火傷対策の布を剥がして別々にして返す。もう二度と飲まないと言ったような、作り直せと言わんばかりの堂々とした態度。堂々としているが、無礼千万極まりない。

 

 その態度に、義経が何故か戦々恐々として体を震わせていた。無礼な態度を身内が取ると義経はよく慌てふためく癖があるのだが、三郎は義経と会ってからまだ一週間しか経っていない。それはつまり、義経の中で三郎に対する警戒心が溶けて懐き度が友達レベルにまで上昇していることを意味する。

 

 すると、キツは顔を蒼くしてガタガタと震えだした。

 

 

 

「ごぶぁ!?」

 

「「!?」」

 

 

 

 震えが止まった瞬間、キツが盛大に血を吐き出した。

 

 

 

「ちょ、キツさん!?」

 

「た、たかが茶を返された程度で何故吐血する!?」

 

「げぶっ、き、気にしないでくだざい……。持病ですから……」

 

「ええい紛らわしい!」

 

 

 

 慌てふためく二人を余所に、キツは再発した震える手で三郎の器を下げ、吐き出した自分の慣れた手つきでさっさと拭いてしまう。

 

 

 

「げふっ、我々ケットシーは皆猫舌でして、ぬるかったのは申し訳ありません」

 

「あ、ああ。次は気を付けろ。しっかり淹れたてを寄越せ」

 

 

 

 出世街道を歩む男、十勇士最強にしてリーダーと言い張る三郎も、キツの突然の吐血には動揺を隠しきれなかったようだ。

 

 

 

 ――――ヨッシーは演技だが、こうもヨッシー似た奴が本当に病弱だと、困る。

 

 

 

 なにより、三郎の知る人物とキツが酷似していることも原因の一つだ。

 

 三郎の知るキツに似た人物は、十勇士の秘密兵器とも言える強さを秘めた古武術の使い手だ。その強さを隠すため、普段から病弱を装い強者としての風格を消している。激しい運動をして咳き込むのも演技、長時間の活動で気絶してしまうのも演技だ。

 

 しかし、目の前にいる人物は演技ではない。至って真剣に深刻に、病弱を訴えている。

 

 

 

 ――――何だ、この奇妙な罪悪感は。

 

 

 

 三郎は珍しく初対面の相手に気を遣うハメになった。

 

 

 

「……ここにあなた方を招いたのは、他でもありません」

 

 

 

 咳も落ち着いたキツが、二人に対して面と向かって会話ができるように対面に座り話を切り出した。

 

 義経は初めに差し出されたお茶を全て飲みきり、二杯目を勧められて断り切れずにもう一杯。三郎は出された熱々のお茶をゆっくりゆっくりと、火傷をしないようにチビチビ飲みながら話を聞いていた。

 

 

 

「この村の惨状について、です」

 

「戦の直後、だろう」

 

「……はい、お察しの通りです。我々ケットシーは、崩王と呼ばれる廃棄物(エンズ)の長が従える黒の兵士の攻撃を受けました」

 

「……廃棄物(エンズ)?」

 

 

 

 義経が小首を傾げて疑問符を浮かべていた。三郎も疑問符は出さないものの、説明しろと言った無言の圧力をキツに掛ける。

 

 

 

「廃棄物(エンズ)とは、この世界に招かれた悪魔のようなもの。別の世界で強く重く黒い感情を持った者や、廃棄物(エンズ)の生みの親とも言える存在に魅入られた人間が廃棄物(エンズ)と成り得ます」

 

「……それだと私たちも廃棄物(エンズ)に?」

 

「ああ、義経はそうだろうな。何せオリジナルが兄に見限られて追放されているのだから、怨恨や悔恨の一つや百個あっても」

 

「義経は義経だからオリジナルは関係ない!」

 

 

 

 オリジナルと同一視されたことが気に食わなかったのか、義経は三郎に食い掛かろうとした。三郎は冗談だと言って義経を宥めるが、それから数分の間義経は三郎を睨み続けた。

 

 

 

「いえ、あなた方は廃棄物(エンズ)ではないでしょう。まず間違いなく」

 

「根拠は」

 

「会話が成立していることです」

 

 

 

 三郎の問いかけに、キツはまっすぐな目と清らかな声できっぱりと言い放った。

 

 

 

「廃棄物(エンズ)の軍勢に会話は通じません。廃棄物(エンズ)の中には会話を楽しむ者もいますが、まず間違いなくその後に戦闘に発展します。穏やかな会話であろうとお構いなしに。その配下の黒い兵士の軍勢は、廃棄物(エンズ)の恐怖的圧政と、彼らの長である崩王によって説法されていてより性質が悪い。すぐに攻撃を仕掛けてきます」

 

「なるほど、その崩王とやらがどのようなものかは知らんが、俺らはそいつに会っていない時点で廃棄物(エンズ)ではないな。漂流物(ドリフターズ)、と言ったか」

 

「そう、そうなんでゲボォ!!」

 

「だぁっ!! 熱くなるな血を吐くなすぐ拭けい!!」

 

 

 

 興奮して身を乗り出したキツが机をバンッ! と叩いた瞬間に机全体にキツの吐いた血が広がった。

 

 三郎はそれを避けるようにガタッ、と立ち上がり身を反らして飛び散った血が付着するのを回避しようとした。一方の義経はと言いうと、あまりの突然の出来事に数瞬体を硬直させてしまっていたが、直ぐにキツの背中を優しく摩っていた。

 

 

 

「す、すいまぜん……」

 

 

 

 キツが数分かけてゆっくりと心を落ち着かせ、会話を再開させる。

 

 

 

「あなた方漂流物(ドリフターズ)は、廃棄物(エンズ)に対抗するべく呼ばれた人間。彼と同じ、この世界の救世主!」

 

「……彼、ですか?」

 

「はい、もうそろそろケットシー数名との見回りから帰ってくる頃かと……」

 

 

 

 キツが彼と呼ぶ人物についての話題を振り始めた瞬間、コンコン、と三人がいる家屋の扉がノックされた。

 

 

 

「帰ってきたようですね……」

 

「ふん、一体どこのどいつだ。その救世主とやらは」

 

 

 

 キツが扉に向こうにいる来訪者に返答する前に、三郎が素早く扉の前まで言って無言で扉を開けようとドアノブに手をかけた。

 

 

 

「誰かは知らんが、顔を拝ませてもらおうじゃないか」

 

 

 

 ガチャリ! と勢いよく三郎が扉を開け放つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フハハハハ!! 我ら無事に帰還したぞ!!」

 

 

 

 救世主と称された彼、金色の龍を背中に刻んだ額に十字傷のある益荒男は高らかに笑う。

 

 

 

 





 あとがきしょーとすとーりー 共同企画控室

王貴「何故っ! 焦らしておいてっ! 王(オレ)じゃないっ!!」ガンガンガンッ!!

エリカ「荒れているわね……」

紋白「ふはははは! おはようございますだ!」ヒョコッ

王貴「紋っ!?」

エリカ「Good morning。遅い入りね」

紋白「兄上から、様子を見に行ってやれと言われて着た次第で……。大丈夫か兄様? 何やら焦っているとか……」

王貴「大丈夫だぞ紋。その顔が見れただけであと百話待てる」

エリカ「そんな続かないわよこの企画」

紋白「そうか! なら我が先に出ても問題ないな!」

王貴「えっ、待って、僕そんなこと聞いてないよ?」

エリカ「王貴っ!?」

虎之助「九鬼紋白さーん! スタンバイお願いしまーす!」

紋白「それではな! ふはははは!」

王貴「うん一緒に行こう」

エリカ「ちょ」

準「あー、スイマセン。ここから先は幼女しか通れなくて」

王貴「牙(ファング)ッ!!」

準「ぐほぉ!!」

完
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