亜空の使者〜結ばれし絆〜   作:平世ふゆめ

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ステージ9「緑の勇者達」

エリア1 自称大王(キング)

 よちよちと歩くオレンジ色の生物───ワドルディがいるその草原に、彼はいた。

 マリオに似た姿だが、帽子の色は赤ではなく緑。イニシャルもMではなくL。

 もうお分かりだろう。

 そう。永遠の二番手ことルイージだ。

「ひいいい……怖いなあ……」

 同時に彼が極度の怖がりだということもお察しいただけただろう。

 ワドルディが近くに寄っただけで、横に退避し、ワドルディが見つめると「ひいっ!?」と情けない声で叫ぶ。

だが、ワドルディはカービィと同じ世界出身で、カービィ達からすれば、普通の住人なのだ。要するに、ルイージはキノピオ達を怖がっているのと同じ。ただ本人に自覚が無いだけで…。

 そんな彼の背後に、迫り来る影が…?

「あらよっこらせっとな!!」

 勇ましい声でルイージを………ルイージの背中を木のハンマーでぶん殴った。

「ええええええええ!?」

 わけがわからないという悲鳴は空の彼方へ消えてった。同時に彼の体も…。空から帰って来たのは、ルイージがフィギュアになった姿だけだった。

 ルイージのフィギュアはルイージを殴った人物のハンマーの上に華麗に着地した。

「おっしゃ。いい感じに確保できたぜ!」

 その人物は、ペンギンのような見た目をしているが、口調や声は漢らしく熱い。

「このデデデ大王様に叶うヤツはこの世界にはいないってかー!? はは、最高だぜ!」

 彼の名は、デデデ。大王と名乗っているが、それは自称である。

そんな彼のもとにたくさんのワドルディがゾロゾロと集まった。

「大王様! 上手く行きましたね!」

 ワドルディのうちの一人がデデデに近寄り、ガッツポーズをした。

「おう! まあ、本命はコイツを使っておびき出すヤツだけどな」

 デデデはハンマーの上に乗っけてあるルイージのフィギュアを地面に置いた。

「よし! お前ら、一回トンズラだ!」

 デデデの言葉を合図に一行はダダダ……と何処かへ逃げ出した。

「あーあ。なんかいい感じなファイター落っこちてねーかな〜」

 一方で、ワリオもこの草原をカーゴで移動していた。どうやら、新しいファイターを探しているようだ。

「お! あれはなんだァ?」

 ワリオの視線に入ったのは、ルイージのフィギュアだった。

「お! ルイージじゃねえか! よし、コイツでもいいから持って帰るか!」

 ワリオはルイージのフィギュアをヒョイと持ち上げた。その時!

 

ダダダダ……

 

 大量のワドルディがワリオに迫って来た…!

「あ!? なな、なんだオメーら!?」

 ワリオはワドルディ達にもみくちゃにされ、フィギュアを手放してしまった。

フィギュアはカーゴに放り投げられる形で積まれた。デデデは操縦席に飛び乗り、カーゴを運転した。

「よっしゃ! これだけ居りゃ問題ねえ! 行くぞ!」

 デデデの言葉と共にワドルディ達も撤退して行った。

 

 

エリア2 緑が二人

 ところ変わって。ここは、美しい森。その奥には、神秘的な剣を奉った台座があった。

 そこへ……

「ふう…ようやくここまでたどり着けたな」

 一人の青年がやってきた。緑の衣に輝く金髪。希望を司るような青い瞳をしている。

 彼の名はリンク。ハイラル王国の勇者だ。なぜリンクがここにいるかというと、前期間の【DX期間】の終了間近、ここの台座に置いて行った【マスターソード】を回収しに来たのだ。

 リンクは台座の前に立つと、マスターソードの柄に左手を伸ばし、柄を掴んだ。その手には、三角の光───トライフォースが輝いた。両手でマスターソードを掴み、引き抜く。

 切っ先を空にかざせばキラリと銀色に輝いた。

「よし、行こうか!」

 リンクはマスターソードに向かって語りかけた。

 別の場所では。切り株の上でスヤスヤと眠る緑の恐竜の姿があった。

「う〜んむにゃむにゃ……」

 彼の名は、ヨッシー。マリオと同じ世界から来たスーパードラゴンだ。今、ヨッシーはどんな夢を見ているのだろうか?

「おっ、ヨッシーか」

 そこへ、リンクが通りかかった。が、リンクは華麗にスルーした。──のが発端だったのだろうか。

 空に血を含んだような真っ赤な雲が現れた。

「……! な、なんだ…!?」

 空を見ると、不気味な黒い戦艦まで現れた。戦艦から闇色の砂が地上に注がれ、リンクとヨッシーには何もしなかった。

 だが、闇色の砂はだんだんと人形のような形になり───プリムがリンクの前に立ちはだかった。

「なんだコイツら!?」

「リンク! 何があったんだい!?」

 いつの間にかヨッシーが起きていた。

「わからねえよ、だが、絶対にウワサのアイツらだ……」

「アイツら?」

「詳しい事は後だ! 今はコイツらを片付けようぜ!」

「う、うん!」

 緑の二人は、プリム達に闘志をみなぎらせた。

 プリム達が消え去るのを確認すると、リンクはマスターソードを背中の鞘に収めた。

「ふぅ…。なんとか終わったな」

「うん。そういえば、リンク。さっきの変な人形みたいなヤツらは…」

「ああ…アイツらは…」

 リンクはヨッシーに事情を話し始めた。

「亜空軍…。そいつらが、この世界を…」

 最近になって森の様子やマリオに連絡が取れない事もこの事が関係しているのだろうか?

「これからおれは亜空軍を追う。ヨッシーはどうするんだ?」

「……ボクも一緒に行くよ!」

 ヨッシーとリンクはお互いの目的が同じであることを確認すると走り始めた。荒野の近くの崖。そこから追う事になった。

 目指すは、あの黒い戦艦。

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