亜空の使者〜結ばれし絆〜   作:平世ふゆめ

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お久しぶりです。うp主のふゆめです。試験期間でして投稿が遅れてしまい、すいません……。


2章『それぞれの行動』
ステージ11「すれ違う思考」


エリア1 迫り来る異変

 湖畔にて。

 ゼルダとカービィは、これからの事を話し合っていた。

「とにかく、マリオさんやリンク達に合流するしかありませんが……」

「でもなー…、マリオ達がどこにいるかわからないし…、リンクもまだ連絡が取れてないから…」

「そうですよね…。やはり、マリオさん達を見つけるしかないのでしょうか」

 今は、マリオ達と連絡が取れない中。自力で探し出すか、ここで待つかの二択に迫られた。

「う〜ん……やっぱり、探しに行こう! ぼく、先に行くね!」

「あ! 待ってくださいカービィ!」

 自分から探しに行く事を決めた───というか、強制した?───らしい。

 カービィが担架切って先に走り出した。ゼルダはその場に取り残されてしまった。

───それを狙ったのだろうか。

「……ふん。後ろがガラ空きだぞ? ゼルダ?」

「……!」

 邪悪な声に振り向くと、亀のような見た目にデカイ体を持つファイター───クッパがたたずんでいた。

「ク…クッパ…!」

「お前もワガハイ達の駒にしてくれようぞ! ガッハッハッハッハ!!」

 そう宣言すると、クッパは手に持っていたダークキャノンをゼルダに向けた。ゼルダはダッ!と構えたのだが、クッパのほうが速かったらしく、すぐにダークキャノンから黒い矢印弾がゼルダを貫いた。

「ッ!」

 ゼルダは大きく吹っ飛ばされ、体が金色の光に包まれた。 ゴトリ。その音は、フィギュアに戻ったゼルダが地面に落ちた音だった。

「ふん…。無防なヤツだ」

 ゼルダを見下ろし、クッパは吐き捨てるようにつぶやいた。

「お前もそう思うだろう? なあ?」

 どすん…どすんと足音を立てて現れた“ソレ”にクッパは語りかける。

“ソレ”は黙ったまま何も反応しない。だが、次の瞬間、さあっと砂粒のように溶けてクッパの形ではなくなった。

 闇色の砂はモゾモゾとゼルダのフィギュアにまとわりつき───。

 

 一方、リンクとヨッシーも湖畔を進んでいた。

「(……姫…。ご無事であってください…!)」

「(マリオ…。多分大丈夫だよね…!)」

 二人の思考は少し違っていたが、仲間を思う気持ちに偽りは無いようだ。───そんな二人を見下ろす影がいるとは知らずに。

「………」

 その影はゼルダのような姿をしている。

本来、クッパが持っているはずのダークキャノンをゼルダのような影は構えた。

ダークキャノンにパワーが溜まっていく…。

 しかし、

 ザシュッ!何者かの剣が、ダークキャノンに当たる音がした。

「っ…!」

 その衝撃で、ゼルダ(?)の手からダークキャノンが離れた。

 ダークキャノンは青白い火花を上げながら真っ二つに割れ、爆発した。反動で、ゼルダ?は少しよろけた。

「ゼルダ…!? 何してんだよ…!」

 鋭い声に振り向けば、二人のファイターが立っていた。

 一人は天使のようで、一人は普通の人間のようだ。───どうやら、マリオとピットが到着したらしい。

「マリオさん! この人は!?」

 ピットが叫んだ。どうやら先程ダークキャノンを破壊したのは、彼らしい。その証拠に手に持っていた金色の弓にも見える剣が輝いていた。

 

「ゼルダだ! 俺達ファイターの仲間なんだが……」

 そこでマリオは言葉を濁した。

 ゼルダは元々、ファイターの仲間で、誰よりも仲間を大切にしていたのだが…。先程の光景では、ゼルダが変な形の銃でリンクとヨッシーを撃とうとしていたようだった。

「……きっと、操られてるのかもしれん! 気を付けろ! ピット!」

「はい!」

 ピットは弓を二振りの短剣に変え、マリオは戦闘態勢に入った。

「はあ!!」

「ぜああ!!」

 ピットの神弓とマリオのファイアボールが同時にゼルダ?に命中しゼルダ?は吹っ飛ばされ、フィギュアに戻った。

「ふぃ〜。終わったな」

「はい。…さて、ゼルダさんをフィギュアから戻して……」

 ゼルダのフィギュアのフィギュアプレートに触れようとしたところで、なぜか手を止めたピット。「どうした?」とマリオがフィギュアに手を伸ばした。次の瞬間、ピットが手を止めた理由が明らかになった。

 フィギュアが砂粒のように溶けてしまったのだ。

「……はっ!?」

 二人はあまりの出来事に驚きの声を上げた。

「ど……どういう事ですか…!? これ! ファイターって、フィギュアになったらこんな風に消えるんですか!?」

「んなわけないだろ! そんなんだったら、俺がとっくに消えてるわ!!」

 ピットは混乱状態である。

その一方で、マリオも疑問を隠しきれなかった。

「(どういう事だ…? フィギュアがこんな事で消えるはずがない…。なら、このゼルダは……)」

「…! マリオさん、上!」

 ゼルダの正体を掴もうと考えていたマリオの思考は、ピットの声で静止させられた。マリオが驚いて見上げると、そこにいたのは…。

───マスターソードの切っ先を自分に向けた、リンクだった。

 

エリア2 誤解

 一方、全力疾走していたリンクとヨッシー。だが、ふいに土手の上を見上げ、足を止めた。

 それは、マリオと白い天使がゼルダのフィギュアの近くにいるのだが。だが次の瞬間、フィギュアは砂粒のように溶けた。

「……!!」

 その瞬間、リンクは体の奥底から思考回路を燃やさんとする怒りが湧き出てきた。

「リンク…? どうしたの?」

 流石のヨッシーでもリンクの異変に気がついたようだ。その殺気は今にもマリオ達を切り裂かんとばかりの勢いだった。

「アイツらあ……ッ!許さねえッ!!」

 そう叫ぶや否や、リンクは風を超える速さでダッシュ。そして、大きくジャンプしマスターソードを振り下ろした。

「……! マリオさん、上!!」

 白天使の声が響く。同時に、マリオがこちらを見上げる姿が確認できた。

「マリオ…!覚悟しやがれ!!」

 

「リンク!?」

 マリオの視線は殺気を帯びたマスターソードとリンクに向けられていた。

「マリオ…!覚悟しやがれ!!」

 その言葉と共に、リンクは地面に落ちて───マリオに向かっていく。

「なっ……なんだよ!?」

「うわああっ!?」

 マリオは紙一重でかわした。

 向き合ったマリオとピットとリンク。そこへ、

「リンク! いきなりどうしたかと……ってマリオ!?」

「ヨッシー!?」

 ヨッシーが合流した。ついでに、マリオも驚きが隠せなかった。

「どういう事なんだよ、コレ!!」

「ごめん、今は話せないんだ。でも、これだけは確かだよ!」

 ヨッシーはそこで一息つくと、祈るように述べた。

「リンクを…倒して!」

「だっ……だからなんでだよ!」

 根本的な所が理解できてないマリオ。

「何かあるのかもしれません……マリオさん、ここは戦いましょう!」

 ピットは神弓を構えた。

───こうして、一つの誤解から生まれた戦いが、幕を開けた。

 

「はあああ!!」

「とりゃあっ!!」

 リンクの剣術とピットの剣術がお互い火花を散らしながら、ぶつかり合った。

「だから、俺はリンクがどうして襲いかかったのかを聞いてるんだよ!」

 ファイアボールをヨッシーに向けて撃つマリオ。

「っと! だーかーらー! 今の状態を見てわからないの!?」

 マリオのファイアボールを避けて呆れたと言うように叫ぶヨッシー。

「ああ、わからねえよ」

 しれっとマリオは吐き捨てる。

「……へえ。マリオって、そんなにわからずやだったんだね」

 普段あまり怒らないヨッシーはそんな風に毒を吐いた。

「……なら、もう容赦しないよ。マリオも全力で来いよ!!」

「おう。そうさせて貰うぜ…!」

 マリオも喧嘩腰でそう言った。

「……っ…テメェ…邪魔すんなよ!」

「そう言われてやめるとお思いで?」

 完全に怒りに取り憑かれたリンクの剣を見事に受け止めながらピットは言った。

「リンクさん……でしたっけ? なんでマリオさんを襲ったんですか? マリオさんが何をしたと言うのです!?」

「ああ? 自覚も無ぇのかよ。さっき、テメェらが戦った女性───ゼルダ姫のフィギュアを消しておいてよく言えたもんだなあ?」

 リンクの言葉にピットは絶句した。あれはただ、あのフィギュアが自動的に消えただけなのに…。

 ピットは今考えた事をリンクに伝えようとした。のだが、

「まあ、そんな事言っても無駄だよな。とりあえず、消えろ!!」

 リンクはソレを言わせてくれるほどの暇は与えてくれなかった。

「リンクさん…!」

 やはり、バトルを続行するしかないようだ。

 二人がフィギュアに戻って地面に転がるのはそう時間はかからなかった。

「はあ…。終わった〜」

「け……結構強いです……ね」

 息が荒いピット。

「結局なんだったんだよ。コイツら」

「……その事なのですが……」

 と、ピットが話そうとした瞬間。

「おっ! いいファイター発見だぜ!」

 そんな声が突然響いた。

「はっ!? なんですか!?」

「お、おい! 誰だよ!」

 動揺する二人の前に現れたのは水色のペンギンのような男───デデデだった。デデデは空中浮遊するカーゴの上に乗っている。そして、マリオはカーゴの上に乗っているフィギュアを確認してしまった。

 乗っていたのは、ルイージ、ネス、そして───ピーチ。

「(なんで、ピーチ姫がアイツのもとに!?)」

 そもそも、なぜデデデ(ヤツ)がピーチのフィギュアを持っているのかがマリオにとっての一番の問題だった。

「へへっ、誰と言われて答えねえ訳にはいかねえな。このオレ様こそ、プププランドの偉大なる大王、デデデ大王様よ!」

「プププランド…!? という事は、カービィの……」

「おっと、それから先は言わせねえぜ? オレにもちょっくら事情があるんでな」

 デデデはマリオにみなまで言わせずにこちらに向かってきた。

「うわっ!?」

「危ない!」

 二人は緊急回避。デデデはその隙を付き、リンクとヨッシーのフィギュアをアームで回収した。

「おっしゃ」

 小さくガッツポーズをしたデデデ。のだが、

「そんな事してられるのも今のうちだよ!」

 

 アームの上からちょこんと顔を出すピンク玉(ライバル)の姿がそこにあった。

 

「あ!? カ、カ、カービィ!?」

 デデデの驚きの声がそこら中に響き渡る。

「二人だけでも返してもらうよ!」

 そう叫ぶや否や、カービィはファイナルカッターでアームを切断した。その反動でリンクとヨッシーのフィギュアは宙を舞う。カービィは二人のフィギュアのフィギュアプレートにぽんと軽く触れ、二人をもとの姿に戻した。

「チッ……、余計な事をしてくれるな!」

 デデデはカーゴを急旋回し、その場から逃走を試みた。だが、カーゴがボフっという音を立てた。フィギュアから戻ったリンクが矢を放ったのだ。

「あー?! ふざけんなよー!」

 デデデはそう言いつつも、カーゴを止めるようとはしなかった。それ故、そのまま走り去ってしまった。

「ありがとうリンク!」

「…………」

 カービィの感謝の言葉も、リンクには届いているのかいないのか。

「マリオ……。テメェ……」

 まだあの事を根に持っているようだ。マスターソードをギリッと握り直しマリオにまた向き直った。

「リンク……聞いてくれよ。あれは…ゼルダじゃない」

「……あ?」

 怒りを帯びたリンクの声がマリオに届いた。

「ゼルダは……、あれは、ゼルダの姿を纏ったコピーだ。だって、考えて見ろよ。昔から………初代期間から、あんな風に消える事なんてなかっだろ? きっと、なんかあったんだよ」

「だが…!」

「リンク…、ごめんね。ぼくがあの時、ゼルダを置いて先に行動しなかったら、こんな事にはならなかったのに…。ホントにごめんなさい!」

 マリオの説得にも応じずに抗議しようとしたリンクの耳に、そんな切実な謝罪の声が届いた。悲しみと反省の色を帯びたその声は、リンクを正気に戻すには十分だった。

「………すまん…。どうやら勘違いしてたみたいだ」

 普段の彼らしいしっかりとした声が四人に届いた。

「……別に大丈夫さ。それより、アイツを…あのデデデ大王とかいうヤツを追いかけようぜ」

「うん…、どうしちゃったんだろ…大王…」

 こうして、デデデ大王を追いかけるべく、五人は───"スマブラ五戦士"は立ち上がった。

 

エリア3 岩の通路を抜けて

「あ…! 皆さん、あれ!」

 先導していたピットはあるモノを指さして全員止まった。

 そこにあったのは岩山らしき所にぽっかりと空いた穴との前に停まっているカーゴだった。なぜか、マリオが見たフィギュアは乗っていなかったが…。

「ここが…、ヤツのアジトの入り口なのか?」

 ずいぶんと分かりやすいな、と、リンクが言う。

「うへえ…大王のヤツ、なんでこんな趣味悪いカーゴなんて持ってるのさ…」

「気になるところそっちかよ」

 リンクは、引いたような顔をするカービィにすかさずツッコミを入れる。

「とりあえず、進むしか無いんじゃない?」

「ああ…。そうだな。みんな、気を付けろよ」

 マリオの言葉に四人全員が緊張感を持った。五人は入り口から突入した。

 意外と中は複雑な地形をしており、上に行ったり、下に行ったりと忙しいものだった。

「こ、ここ結構大変ですね」

 さっきから高低差がある岩を登ったり降りたりを繰り返しているためか、ピットの声には披露の色が見えた。

「だな。趣味悪いのはカーゴだけじゃ無さそうだ」

「カーゴネタから離れなよ…」

「あはは……」

 こんな風におちゃらけてる五人だが、内面では少し引っかかる所があった。

 それは、大王のアジトらしき建物などが見えないのだ。ここは岩山の中。だから建物らしきものが無くても違和感は無いが、それなりのシステム迎撃システムがあってもおかしくない。

なのに、あるのはおかしな地形だけで特に目立ったシステムなどは無いようだ。

 そんな時、

「……あ! 見て、出口だ!」

 カービィが出口を見つけたようだ。

 五人は出口に向かって走り始めた。

 出口から見えた景色は、深い暗雲に包まれた空と、崖っぷちに建つ不気味な城だった。どうやら、あの岩山の洞窟は単なる通路に過ぎなかったようだ。

「あそこか? アイツのアジトは…」

 マリオが目を細めて、デデデ城を見据えた。

「間違い無いよ。あれは、デデデの城の"デデデ城"だよ」

「恐ろしくネーミングセンスが無いよ…」

「言ってやるなよ…」

「とにかく、行こうよ…」

 五人はデデデ城に向かって走り始めた。

 

 ところ変わってここは、とある司令部。

 司令部とだけあって、膨大な数のモニターがある。その中にある、一際大きいモニターを見つめている男が一人…。

邪悪なオーラを纏い、人ではないような…彼───ガノンドロフ。

 画面いっぱいに映っている砂嵐が止み、一匹の亀───クッパの姿を映し出した。

クッパはこちらに気づいたようでガノンドロフを睨みつけた。

「…なんの用だ? ガノン」

「クッパよ。貴様は次の場所───このデデデ城に行け」

 ガノンドロフは次の襲撃場所を指差してクッパに命じた。

「ふん。たまには自分で動いたらどうだ?」

「仕方がないだろう。ワリオがやらかしたようだからな」

「あんなヤツを頼ったキサマが悪いわ」

 悪態をつきながらも、クッパはその場から部下を引き連れて立ち去った。

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