けたたましく鳴り響く警報に急かされるように、サムスとピカチュウは全速力で長い廊下を走り抜ける。
「サムス、このまま行こうよ! どこかにリーダー格がいるはずだよ!」
走りながら、ピカチュウがサムスに告げる。
「そうだな、急ごう。敵を討ち取るためにも!」
二人は、中枢部に向かった。“[[rb:最後の敵>ラスボス]]”を倒すべく。
「はああッ! どけええぇッ!」
目の前にいるロボットを《でんげきスクリュー》で吹き飛ばし、戦闘不能にさせる。そして、また、走りだす。しかし、また、ロボットが行く手を阻む。
「ココカラ先ハ誰一人トシテ通サナイゾ!」
「邪魔だ! どけ!」
任務を遂行すべく、ロボットに銃口を向け、チャージショットを準備する。しかし、目の前にいるロボットの後ろからぞろぞろと他のロボットが応援に駆けつける。
「無駄だよ! ロボット!! ぼくが相手だからね!」
ピカチュウがサムスの前に立ちはだかり、ほおぶくろからバチバチと電気を放電させる。それに驚いたのか怯んだのかロボット達は数センチずつ、後退して行く。
「……逃げるのか? なら、容赦なく吹き飛ばすぞ!」
チャージショットの用意が完了したサムスが声を張り上げる。いよいよマズイと感じたのか、ロボット達は確実にスピードを上げて逃げ出そうとした。
「逃げるな!」
サムスがチャージショットを発動させ、逃げ出そうとしたロボット達を一体残らず吹き飛ばした。
「……戦うなら、戦う。戦わないなら、戦わない。そこの区別をハッキリつけてから、ぼくらの前に立ちなよ」
動かなくなったロボット達を見下ろして、ピカチュウは冷たい視線を送った。
一方のサムスは、バイザーに映し出された[[rb:地図>マップ]]を見て、最終目的地を確認する。もうすぐで到着しそうだ。
「もうすぐで
「うん!」
二人は、再度、全速力で走り始めた。
もうもうと煙が立ち込める中を、二人は進む。やがて、煙をぬけると、とてつもなく広い部屋に出た。そして、緑色のローブを羽織ったモノも確認出来た。
「お前が、エインシャントか」
サムスが問いかけると、ソレは「いかにも……」とだけ答えた。
「愚かなるファイターの分際でここまでたどり着くとはな。ふん、片腹痛いわ」
追い詰められているはずなのに、いつまで余裕綽々でいるつもりなのだろうか。ピカチュウは、電気袋から少量の電気を放電しつつ「お前もここまでだ! 観念しろ!」と怒鳴る。
「観念? 私がか?」
「そうだ。これまでお前は【この世界】に異変をもたらして来た。……今、ここで、その罪を償うべきではないのか?」
サムスが銃口を向けながら、エインシャントを睨みつける。それでも、エインシャントは「観念、観念……か」と面白い話でも聞いたように繰り返す。やがて───
「ふっ……あはははははははっ!」
機械の声とは思えない哄笑が、空気を震わせた。
「ははははははははははっ……! あはっ……ははははっ!!」
「ッ……何が可笑しい!」
サムスが目を細めて怒鳴る。それでも、エインシャントは狂ったように笑い続ける。
「ははっ……観念か! なんとも、愉快な言葉だ! キサマらは所詮、この亜空爆弾によって死ぬ運命にあるというのに!」
最後にエインシャントは、「なあ……そうだろう?なあ、なあ!!」と絶叫した。とうとう、狂ったのか? いや、【この世界】に“亜空軍”を率いて宣戦布告をしたぐらいの人物。これぐらいの狂った精神は普通に持ち合わせているだろう。
「サムス。もう、やろうよ。こんなヤツ、野放しにしてたら、【この世界】が終わっちゃうよ!」
「そうだな。エインシャント、貴様は本当の“悪人”だ……!」
二人は、戦闘体制に入った。そんな二人を見て、エインシャントは視線を落とした。ようやく、改心する気になったのだろうか?それとも、今になって負けるのが恐ろしいのだろうか?
「“悪人”か……。私も、悪人として、義のファイター《キサマら》に倒されるのか。そうか、そうか。結局、私はこんな方法でしか、
その時、囁いた言葉は、二人に届かずに消えた。
誰にも、聞こえずに……。