同時刻。ドンキー達も工場内を彷徨っていた。
「……なあ。少し、おかしいと思わないか?」
先頭を行くファルコンが、後ろのファイター達に問いかけた。「なんですか? ファルコンさん……」と、いち早く反応したのは、ピクミンを引き連れたオリマーだった。
「情報によると、この島は、ロボットだけが住み着いている島らしいのだが、それ以外の敵も混ざっている。それに、段々数が減ってきている。本当に戦う気があるがあるのかも怪しいしな……」
「確かに、なんとなくおかしいかもね。ヘンな人形みたいなヤツらは、オイラ達をやっつけようと必死みたいだけど、ロボット達はどっちかって言ったら、足止めみたいな感じだよなぁ」
ファルコンの意見に、ディディーも理解したようだ。
(それに、オレ様を拐ったクッパの野郎は何が目的だったんだ? クッパの手下も見かけねェし……)
ドンキーも疑問を残しつつ、目の前にいる敵を殴りつける。
───ドオオオオオン……先程よりも、爆音は近くなっている。
───ドカアアアアアン…!! さらに、さらに近づいている。
───ズゴオオオオオン!! 一枚板の先に、爆音が聞こえた。間違いなく、誰かいる。そう確信したドンキーは、鉄の壁を破壊すべく、先程よりも力を込めて殴りつける。が、亀裂が少し大きくなっただけで、一向に壊れる気配がしない。
「ドンキー! まだ、壊れないの!?」
ディディーは
「ちょっと待ってろ!! あと、この一発で……うラアッ!!」
ドンキーが懇親の一発を拳に込めると、耐えきれなかったのか、亀裂がどんどん大きくなり、やがて、壊れてしまった。
「なっ……何事だ!?」
足元から鳥が立つような音がし、サムスは振り返った。
壁だった瓦礫(もの)と共に数名ほど降りてくる。それを、よく、確認すると知り合いであった事が分かったサムスはホッと胸をなでおろす。
「よォ! サムス! ピカチュウ! 〈DX期間〉以来だな!」
ドンキーが片腕を上げて、ニッと笑う。
「久しぶりだな。ドンキー、ファルコン……あとの、二人は?」
サムスが、問いかけると、ディディーは「オイラ、ディディーコングってんだ! よろしくな!」と元気良く跳ね、オリマーは「は、始めまして……! オリマーと申します……」と、律儀に挨拶をした。
「ああ、よろしく頼む。私はサムスだ」
「ぼくはピカチュウだよ! よろしくね!」
二人が自己紹介をし終えた直後、この場にいるファイター達は全員、ある方向に視線を集めた。
「……………」
緑ローブに見を包み、うなだれている男───エインシャントに。しかし、唐突にハッとしたように後ろを振り返った。
最初はその意味がわからなかったが、すぐにその行動の意味を知ることになった。
エインシャントの後ろに赤いホログラムでとある男が映し出されたのだ。ファルコン、ドンキー、サムス、ピカチュウはその男に見覚えがあったので、一気に緊張感が増した。
「が……ガノンドロフ……」
誰よりも早くその名を口にしたのは、エインシャントだった。もはや、その声は機械音声とは思えないほど震えていた。
『エインシャント。奴らを食い止められなかったのか? キサマはそれほどまでに、部下が大事か?』
「っ……!」
ガノンドロフの冷たい言葉が、矢となってエインシャントに突き刺さる。あまりにも冷酷無比さに、ピカチュウは「お前……!」と、ほおぶくろから放電しつつ、歯を食いしばった。
『フン……所詮は人質の事も守れなかった愚かな
「ちょ……ちょっと待て……どういう事だ……?」
エインシャントの弱々しい声が辺りの空気を震わせる。もう、そこには、“冷酷非情な亜空軍の頭首”としての姿は一切見られない。───いや、そもそも、“頭首”は“頭首”でも、“亜空軍の頭首”ではないのだ。
「私を……私を捨てるならともかく……なぜこの島ごと捨てるんだ……? 彼らは……私以外のロボット達は関係…無いだろう……?」
『寝言か? キサマがこの間、我に送ったあの設計図があるだろう? 〈亜空砲戦艦〉の設計図だ。キサマがノロノロと各地で亜空爆弾を爆破させている間に完成させたのだ』
〈亜空砲戦艦〉。この固有名詞が聞耳に入った瞬間、この世の物とは思えないモノと対峙しているかのような寒気がファイター達を襲った。そんな彼らを無視して、ガノンドロフは続ける。
『だが、一つ問題があってな。今、その戦艦は亜空間に仕舞ってある。しかも、戦艦自体はとてつもなく巨大だ。この島のようにな』
最後の一文で、エインシャントは───この場にいるすべての者が悟った。
〈亜空砲戦艦〉を〈この世界(こちら側)〉に引き出すには、この浮遊島〈エインシャント島〉を犠牲にするしかないという事を。
「そ………そんな、ウソだ……コ、コンな、こと、あッて、イイ、はずガ……」
とうとう壊れかけたエインシャントは、うわ言のようにつぶやいた。それは、段々、ファイター達に聞こえないような小さな声になっていく。
『……さあ、ロボット達よ。作戦を決行しようぞ』
だが、ガノンドロフは非情な男だ。エインシャントが壊れていようと、いなかろうと、そんなものは自分にとっては関係ないと言わんばかりに、命令を下す。しかも、ロボット達は、それに従う意思表示をしたのだ───亜空爆弾に向かっていく───。
「なっ……!? マズイ!」
止めなくては。ファルコンがその言葉を吐き出す直前の事だった。
「やっ……めろおおおおおおおおおおおッ!!」
エインシャントだ。エインシャントが亜空爆弾に向かうロボットの何体かを体当たりで吹き飛ばし、亜空爆弾の前に立ちはだかったのだ。
「もう、やめろ! 自分がっ……自分達がしようとしていることが、分かっているのか!?」
エインシャントの声が、この空間にコダマする。耳が痛く感じるのは、声が反射して聞こえてくるからだろうか、それとも、彼の声が、聞いたこと無いような悲しみを含んでいるからだろうか。
「頼むから……! もう、これ以上、自分を犠牲にするのはやめてくれ! 私を庇う必要など、これっぽっちも無いだろう!?」
エインシャントは、なんとしてでもやめさせようと訴えかける。
「シ…シカシ、エインシャント様! 俺達ハ…」
戸惑ったロボットの一体がエインシャントに反論しようと、声をあげたがその行為もすぐにエインシャントにかき消されてしまった。
「だから、私を庇うなと言っているだろう! 今は自分が置かれている状況を飲み込め!!」
エインシャント自身、自分が彼らを叱責しているのか切実に願っているのか分からなくなっていた。ただ、一つだけ、頭の中に残っていた意思がある。
誰も、“死なせなくない”ということだ。
『……くだらない』
しかし、当然ながら、こんな状況を面白く思わないガノンドロフだ。
『くだらない。実にくだらない。こんな茶番を長々と続けられるくらいなら、自分から動く。さらばだ、エインシャント、愚かなるファイター共』
吐き捨てるようにつぶやくと、どこからともなくスイッチらしきモノを取り出し、グッとボタンを押す。すると、ロボット達の目が誤作動を起こしたような真っ赤に染まり、次の瞬間。
レーザーで、次々とエインシャントを集中攻撃し始めた。
「うっ……! ぐぁ……ッ!!」
機械であるはずの体は痛みを感じないはずなのに、撃たれる度に痛みを感じる。苦しいという感情が溢れ出てくる。
「アあっ……!」
レーザーの熱に耐えきれなかったローブが燃え始め、エインシャントは俯いて目の前のエラーメッセージをぼぅっ…と読んでいた。
『フッフッフッフッ……ハッハッハッハッハッ!』
炎が立つ音をかき消すように、ガノンドロフの氷の嘲笑が部屋に響いた。
「な……なんて事だ……」
サムスは目を見開く。
たった今起こった事に心を痛めているのもあるが、現在進行形で進んでいるこの状況が一番ショックだった。
それは、ロボット達がエインシャントに目もくれずに亜空爆弾を次々と起動させているという、とても残酷な光景だった。
マズイと思ったのか、ファイター達は、いち早くロボット達に駆け寄ってロボット達を引き剥がそうと必死になっていた。
「離れろ……よォッ!!」
ドンキーの馬鹿力でも、ロボットはびくともしない。
「くっ……!」
ファルコンが亜空爆弾に向かうロボットを持ち上げ投げ飛ばすが、数が多すぎて手に負えない。
「一体、どうすれば良いんだ!」
サムスは亜空爆弾を起動させたロボットにビームショットを撃ち、引き剥がそうと試みるが、完全に亜空爆弾と一体化してしまったロボットは全く動かない。
「は〜な〜れ〜ろおおおおっ!!」
ディディーも亜空爆弾に張り付いているロボットの首を必死に押している。
『愚かなるファイター共。この島と共に消え去るが良い』
ガノンドロフはそう言い残すと、置き土産として鳥らしき化物を放ち、通信を切った。
エリア3 “カノウセイ”を信じて
どうすれば良い?
亜空爆弾は一度起動してしまったら、止める事はできない。
そのため、ずっと、この爆弾を使って……部下達を犠牲にして、『亜空間をこじ開ける』という行為に疑問を抱いていた。
どうすることも、できない。
いや、でも……それでも。
僅かな希望がある。
自分は今、一人ではない。
彼らと協力して、僅かな“希望”から奇跡が起きるかもしれない。
助けることが、できるかもしれない。
なら──自分がとるべき行動は?
もちろんそんなもの、決まっている。
私は……私は……!
「うぅうっ……ああああああああああッ!!」
エインシャントが苦しげな叫び声をあげたかと思うと、バッと顔をあげ、飛んでくる鳥の化物をレーザーで───数羽ほどではあるが───撃ち落とした。
「えっ……!?」
ピカチュウがエインシャントの方を見る。他のメンバーも、何事かと思い、彼に視線を集めた。
「……無理かもしれない……みんなを救うことが、できないかもしれない……。だが……!」
切実な想いが反応したように、エインシャントを覆っていた炎が消え去った。───そこにいたのは。
「お願いだ……少しの“希望”で良い、みんなを……助けさせてくれッ……!!」
ロボット達と同じ姿の
「ウソ……だろ」
ドンキーが珍しく、唖然とした表情になった。無理もないだろう。ずっと隠されていたエインシャントの正体が明かされたのだから。
「ファイター達よ……頼む、ここは私に任せて、彼らを!」
鳥の化物を撃ち落としながら、エインシャントは訴えかけた。
「いや……敵の方はぼく達に任せて! ロボット達のとこに行ってあげなよ! 多分、エインシャントが呼びかけてくれたら、何か分かるかもしれないじゃん!」
ピカチュウが敵に立ち向かいながら、エインシャントに提案する。
「……了解した」
エインシャントは、悪戦苦闘しているファイター達のもとに向かった。
「うオォッ……らアアッ!!」
ドンキーは未だに、ロボットを引き剥がそうと悪戦苦闘していたが、ロボットはびくともしない。
「ッ、駄目だな……俺様の力でも動かせねェ……っ!」
さすがに腹がたったのか、力任せにロボットの首を殴る。その時に首があらぬ方向に曲がったが、爆弾と同化してしまったロボットが外れることは無い。よくよく辺りを確認してみると、ほとんど全てのロボット達が亜空爆弾を起動させてしまっていた。
そんな中───。
「…………」
───お前達、聞こえるか。私だ、エインシャントだ───
メッセージ機能をアンロックし、部下達に自分の意思を伝える。
───聞いてくれ。……亜空爆弾を解除する方法を教えてくれ。聞こえたら、私に信号を返してくれ───
青くなった視界に浮かんだメッセージを全ロボットに送信する。
ピコン。
ピコン、ピコンピコン、ピコンピコンピコン。
視界に、いくつものウィンドウが映し出される。部下のロボット達からの返信メッセージだ。瞬時に全てのメッセージを既読する……が、全て読み終わった瞬間、雷に撃たれたように体が硬直した。
───エインシャント様ハ、逃ゲテクダサイ───
───俺達ハ大丈夫デスカラ───
───アナタノ無事ヲ祈ッテイマス───
このような内容だった。
メッセージ機能を閉じると同時に、目を閉じた。
「なあ……どうにもならないの?」
ディディーがエインシャントにダメ元で尋ねたが、エインシャントはまたもうわ言を言い始めた。
「あぁ……コレは、私ヘノ罰ナのだな……ミンナをマもれなかった、ワたしへの、ほうふく……」
完全に駄目だ。そう思ったファルコンは、何かを操作する素振りをすると、皆に手招きした。
「……行こう」
ただ一言残し、サムスは走り出す。それに続いて、腹を決めたピカチュウもサムスのあとに続く。
オリマーもディディーも、ロボット達を見つめたあと、三人を追った。
「ッチ……おい、エインシャント! 何ボサっとしてんだ! 早く逃げんぞ!」
「……私は、ココニとどまる」
「はァ!?」
ドンキーの空気を読まない間抜けな声が響いた。
「おメェ何言ってんだ!? このままだと、巻き込まれるぞ!?」
「ソレデ、良いと、言ッている、だロ? 私、は、ここ、に、残る。彼ら、と、共ニ、死ヌ。それで、イイ、だろ?」
とうとう壊れてしまった。このまま話を続けても、埒があかない。そう考えたドンキーは、エインシャントを抱え上げ部屋を去った。爆破まで、残り3分。
エリア4 カウントダウンは止まらない
体が揺れる感覚があり、エインシャントは我に帰った。いつの間にか気を失ってしまったようだ。目の前に広がる光景は、先程の部屋ではなく、無機質な工場の廊下だった。
「ッ!! 放してくれッ! イヤだ! 彼らを残して行くなど……私にはデキナイ!!」
ドンキーから逃れようと暴れ始めるエインシャント。
「私は〈この世界〉の敵、“亜空軍”の配下だったのだぞ! そんな私が、助かっていいはずが無いだろう!?」
ドンキーは何も言わずに、真顔で走り抜ける。
「だから! だから……! ここで、彼らと共に死ぬ! 頼むから、ここで死なせてくれ!!」
「……お前、それを今アイツらに言ってみたらどうだ?」
ようやく口を開いたドンキーが、驚きの提案をする。
「な、何言ってるの!? ドンキー!」
ピカチュウが「冗談やめてよ!」というように、叫ぶ。しかし、ドンキーは「まあ、見てろよ」と目で合図した。その行動の意味が分からなかったが、ピカチュウはそれ以上何も言わずに走り続けた。
「アイツらは、お前に”逃げろ“って言ったんだろ? 悲しむだろうなァ。自分達は、お前に尽くして来た。なら、最後までお前に尽くして、死のう。そう考えただろうに。お前はそれを裏切るんだぜ?」
ジタバタと暴れていたエインシャントが急に動かなくなった。
「……なら、私は生き延びれば良いのか?」
「オウ。その通りだよ」
「……私が、ここで死ぬ必要は無いのか?」
「もちろん」
「彼らは……許してくれるのか……? こんな……こんな……」
一息おいて、絞り出すように言葉を紡いだ。
「こんな無力な、私を」
「許してくれる」。みんな、そう一斉に言った。
先程のメッセージ達が、脳裏に蘇る。
どれも自分を責める内容のものは無かった。ただ、自分に生きてほしいという希望だけが文面に埋め尽くされていたのだ。
なら、自分は、その想いを受け止めなければならないだろう。
そう、心に決めた。
「みんな、俺に続いて飛び降りてくれ!」
とある地点に到達すると、ファルコンはそう言い残し通路から飛び降りた。
「お、オイ、ファルコン! ……行っちまった」
「とりあえず、彼について行けば問題は無いはずだ。行くぞ」
ドンキーとサムスもサッと飛び降り、そのあとにピカチュウとオリマーが続く。
一方、先に飛び降りたファルコンは指を鳴らし、叫んだ。
「カモン!」
すると、眼下にファルコンが所有する船〈ファルコンフライヤー〉が床を遮断するように現れた。ファルコンフライヤーに全員が無事着地する。
「ったく! 頼もしいったらありゃしねェぜ! お前さんはよ!」
ファルコンにそう語りかけたドンキー。
ファルコンフライヤーは、そのまま通路を直進し、エインシャント島を脱出すべく発進した。
───余計な影を引き連れて。
キシャアアアアアアッ!!
「っ!? この声は!」
サムスが緊張感を含んだ声で叫ぶ。その直後「ファルコン! フライヤーの後ろに何がいるのか、確認させてくれないか!」とファルコンに訴えかけた。
「了解!」
ファルコンは後方の映像をモニターに映した。そこに映っていたのは、サムスの因縁の敵であり、ピカチュウと共に討ったはずのリドリーが『メタリドリー』として帰って来たのだ。
「クソッ……! リドリーめ!」
サムスは顔をしかめた。もちろん、ピカチュウも腹が立っているのかバチバチと放電させている。
「ファルコン、ハッチを開けてくれ! アイツを撃ち落として来る!」
「サムス! ぼくも行くよ!」
戦う気満々のサムスとピカチュウのために、ファルコンはハッチを開き、「頼むぞ! 二人とも!」と声援を送った。二人は返事をせずに、フライヤーの外に出て行った。
「またぼくにふっ飛ばされたいの?」
ピカチュウは白い歯を見せながら、放電する。
「さあ……! 再戦と行こうか!」
サムスの言葉が
エリア5 集結! スマッシュブラザーズ!
メタリドリーが木の葉のように後方へ飛んでいく。その直後、ピカチュウとサムスはフライヤーに乗り込んだ。
フライヤーは太陽の光が輝く外界へと戻って来た。しかし───
「あっ……!」
オリマーが小さく叫んだ。理由は、モニターの映像にある。エインシャント島が、黒い空間に侵食されていく。そういう光景だ。
「…………」
この場に沈黙が訪れる。
悔しいのか、不安なのか分からない感情を交えて。
その頃。
「ん? あれって……ファルコンフライヤーか!」
渓谷にいたマリオがフライヤーを見つけたようだ。
「おーい! おーーい! ファルコン! オレらはここだぜー!」
リンクが手を降って叫んだ。
「……! ハルバードだ…!」
マルスもハルバードを見つけて、安心したように微笑む。
「いたわ、マルス達よ!」
時を同じく、戦艦ハルバードに乗り込んでいるサラ達も仲間を見つけたようだ。
「ん?あれは……マリオじゃないか?」
ファルコンも、マリオを発見したようだ。
「なんか、あっちから大きな戦艦が来るよ?」
ディディーが窓の外を指差すと、ファルコンとエインシャント以外の視線が窓の外に集まった。そこには、黒い戦艦がマリオ達のもとに向かう姿があった。
「全員集合……か。よし、我々も行こう!」
ファルコンは進行方向をファイター達がいる方へと変更した。
五戦士とマルス、アイク、リュカ、レッド、アイスクライマーの前に、ハルバードとファルコンフライヤーが着地する。
ハルバードのステップから、アザレアピンクのポニーテールを持つ少女───サラと仮面の剣士───メタナイトが降りてきた。
「サラ! メタナイト!」
「無事だったんだな!」
マルスとアイクが二人に駆け寄る。
「心配かけてすまなかったな。二人共……」
メタナイトが申し訳なさそうな声色で二人に謝った。
「あたしからも謝るわ。……本当にごめんなさい」
「ううん、二人は悪くないよ。でも、良かった。ハルバードも取り返せたみたいだしね」
マルスは優しい笑顔を浮かべ、アイクも真顔から温かい笑顔になっていた。
「メタナイトー! サラー!」
突然、元気な声と共に、カービィが四剣士のもとにやって来た。
「カービィ! あんたも無事だったのね!」
「うん! 良かった〜……ハルバード、取り返せたんだね」
サラとカービィが話している最中、カービィのあとに続いて、五戦士が来た。
「君が、メタナイトとサラだな。はじめまして。俺はマリオ。よろしくな!」
「ボクはピットって言います! よろしくお願いします!」
「オレはリンクだ。よろしく」
「ボクはヨッシーだよ! よろしく!」
五戦士はそれぞれメタナイトとサラに自己紹介をした。
「はじめまして。あたしはサラよ。よろしく頼むわね」
「メタナイトだ。以後、お見知りおきを」
二人も礼儀よく挨拶した。
その直後、ハルバードから他の方搭乗員が降りてきた。
「マリオー! ただいま♪」
「リンク! 無事でしたか!」
ピーチとゼルダが駆け寄る。
「ピーチ姫! よくぞご無事で……!」
「ゼルダ姫!」
マリオとリンクも、二人の姫君のもとに駆け寄った。
そして、ファルコンフライヤーからもファイター達が降りてきた。
「久しぶりだな。マリオ、皆」
「お! 久しぶり、サムス!」
「うわー! ピカチュウだ! やっぱり、可愛いなあ!」
「そ、そう?」
このような会話がこの場に和やかな空気の流れを作ったのだった。
「あー……和やかな空気を潰してしまって申し訳無いのだが、少し、話しても良いか?」
そんな中、唯一の機械音声が流れた。
ファイター達は会話をやめて、その声の主を探す。そして、注目が集まったのは───
「え……? ろ、ロボット!?」
ロボット───いや、元の姿のエインシャントだ。
「……そうだったな。私の正体を明かしていなかったな」
エインシャントは少し前に出て、ファイター達を順番に見てから自己紹介をした。
「この姿では、はじめまして、だな。私は〈エインシャント島〉のマスターロボット・エインシャントだ」
一瞬の沈黙。そして───
「えええええええええええええっ!? エインシャント!?」
彼を知る者達全員が一斉に絶叫した。
「嘘だろお前!?」
リンクの絶叫にエインシャントは「無理もないだろう」と落ち着きを払って言った。
「……今からお前達に話すのは、この事件の真実だ。よく聞いてほしい」
そう言ったあと、エインシャントは語り始めた。
──彼の過去を。全ての始まりを。