雲海。そこをカービィとゼルダは飛んでいた。
「ふー……危なかったね……」
「ええ……そうですね……」
空中スタジアムが亜空間に飲まれる寸前でワープスターを呼んだのだから、間一髪だ。
だが、二人の
「ですが、これからどうするのですか? マリオもいませんし……」
「う〜ん……こーなったら、マリオを探して、他のみんなとゴーリュウしたほうがいいんじゃないかな?」
カービィとしてはまともな答えが帰ってきた。ゼルダは無言で頷いた。
「本当に、メタナイトもサラもどうしちゃったんだろう……」
ふと、カービィが呟いた。
「メタナイト……? サラ……?」
ゼルダは独り言のつもりだったのだが、カービィはそれに答えた。
「あの黒い戦艦、ハルバードって言うんだけど……その持ち主の二人だよ。メタナイトは剣がすごく強くて、サラも同じなんだけど、歌でいろんな力を操れるんだ」
「リンクといい勝負になるんじゃないかしら……」と思わず考えてしまった。
だが、そんな思考も直ぐに断ち切った。カービィが悲しそうにしているというのに、こんな事を考えるのは不謹慎だ。
と、その時。
ズオオオオオ……
「!?!?」
二人が後ろを向くと、噂をすればなんとやら、戦艦ハルバードが追いかけてきてるではないか。
「うわああ!?」
「カ、カービィ! 速く逃げましょう!」
「う、うん!」
カービィはワープスターの飛ぶ速度を上げた。
だが、ハルバードはそれ以上の速度で飛んでいるらしい。ゼルダが後ろを振り返ると、すぐ後ろにハルバードの艦首があった。
「……!」
ゼルダは小さい声を漏らした。カービィは恐怖を拭い去りワープスターを上昇させ、ハルバードを振り切ろうとした。
だが、動きに合わせてハルバードも上昇する。カービィは危険を察知して叫んだ。
「ぶ、ぶつかっちゃう……!」
その言葉がそのまま現実になってしまった。
ワープスターはハルバードの艦首にぶつかりその衝撃で二人はワープスターから落ちてしまった。
「わあああああ!!」
「っ!!」
カービィはドッシーンと甲板に激突し、ゼルダは見事に着地した。
「うう…ひどいや! 急にぶつかって来るなんて!」
カービィは怒っている(そらそうだわ)。ゼルダは辺りを見回し、状況を確認した。
「(どうやら、戦艦の上にいるようですね。このまま内部に潜入したほうが良いのでしょうか……)」
ゼルダはそう考えていた。
ズダダダダダダダ…!
「な、何っ!?」
突然銃を乱射する音が聞こえてきた。ゼルダが近くを見ると、艦体から弾幕が放たれているのだ。一体、何に向かって撃っているというのだろうか。
「あ、あれだよ!ゼルダ!」
いつの間にか自分の隣にいたカービィがそう訴えた。彼が指(?)指した方を見ると、小型の戦闘機のような物が弾幕を見事に避けながら飛んでいる。
「あれって、アーウィンだよね?」
カービィが聞いてきた。アーウィンだとしたら、もしかしたら…。
アーウィンらしき戦闘機はハルバードより更に上昇した。流石のハルバードでもあそこまでの急上昇はできないらしく、アームを発射させアーウィンを追撃した。それはアーウィンの翼をかすめ、その衝撃でアーウィンは墜落してしまった。
なんとか態勢を戻そうとしたアーウィンは───
「あ、アーウィンが…!」
「こ、こっちに来ます…!」
───なんと、カービィとゼルダの元に!?
だが、幸いな事にアーウィンは甲板近くを通り過ぎただけで、激突はしなかった。
しかし、その際に強い風が吹き、また、カービィとゼルダは───今度は、ハルバードから投げ出される形で───落ちてしまった。
ズガッ!
「うっ!!」
二人は思いっきり地面に衝突した。
しかも、そこは緩やかな山で登山道だったようで、二人はゴロゴロと坂を転がり落ちて行く。ようやく止まったのは、坂の下───湖の近くだ。
「うっ……カ、カービィ……大丈夫ですか……?」
ゼルダが苦しそうに尋ねたが、カービィは目をグルグル回して気絶している。
仕方なく、ゼルダはカービィの回復を待つしかなかったのであった。