亜空の使者〜結ばれし絆〜   作:平世ふゆめ

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うp主です。今回はタグにもありますように、オリキャラ要素を含みます。


ステージ8「四人の剣士」

エリア1 青空の下の英雄王

 暗雲が空を覆うこの場所。ここには様々な武器の残骸が落ちており、生々しい爪痕が残っている。それ故、なぜか、ほとんどのファイターが近寄ろうとしない。

 そんな暗い場所なのに、“ソレ”はあった。

「エインシャント様。コチラ準備、完了イタシマシタ」

『そうか。では、速やかに作戦を実行しろ』

「ハッ!」

 亜空爆弾起動部隊。それが、今、エインシャントと話していたロボット達の総称だ。

 ロボット二体は亜空爆弾の左と右に行き、亜空爆弾を展開、起動させた。爆発まで、残り3分。

「アーア。オレ達、エインシャント様ニ仕エテ幸セダッタヨナ」

「ダナ。オレ、アノ人ノタメニ死ネルナラ、ドウッテ事無イナ」

 二体は「アハハハハハハハ」と乾いた笑い声を上げた。その声は、機械音声ながらも、悲しみやエインシャントとの別れを惜しむような声だった。二体はギュッと目を閉じた。

 爆発まで、3秒、2秒、1秒。

 0秒。

 刹那、亜空爆弾は、凄まじい轟音と共に爆発した。

 

 

 空間が、切り取られて行く。

いや、突然穴が空き、その穴が空間を飲み込んで行く。という表現のほうがしっくりくる。

「……! あれは…!」

 その様子を見ていた人物がひとり。

 美しいサファイアの髪に、それよりも少し濃いコバルトブルーの瞳。その服やマントも、青に染まっている。頭には美しい黄金のティアラをつけていて、そのティアラにはめ込まれた宝石は、青空を連想させるアクアマリン。彼の名は、マルス。アリティアという国の王子だ。そしてまた、彼も前期間、【DX期間】からの参戦ファイターだ。

 そんな、彼だが…。

「あれが…亜空軍の力…」

 今は、目の前で起こった事実を飲み込めないでいる。

 亜空軍。噂には聞いていたが、確かな技術力を持っているようだ。その技術力…恐怖さえ感じさせるほどに…。

 ふと眼下を見ると、何やら飛んでいる。

緑のローブを纏った人物だ。だが、人間には見えない。

「(なんだ…?まさか、ヤツは…)」

 おそらく。亜空軍の関係者だろう。

緑ローブの人物のさらに下の地面には、おかしな人形のような敵が湧いているのだから。

「(とにかく、ヤツを追ってみよう。何かわかるかもしれないな)」

 そう思って、マルスは腰の鞘からスラッと【神剣ファルシオン】を抜いた。

神剣ファルシオンはまるで、意思を持ったかのように切っ先が美しい銀色に輝いた。

 そして、彼は砦から飛び降りた。

 亜空軍の謎を紐解くために。

 

 

エリア2 月夜の妖怪少女

 思ったより敵は強くなかった事にマルスは少し安心した。だが、ここで気を抜いては、確実に叩かれる。だからいくら敵が弱いとはいえど、気は抜けない。

マルスは全力で亜空爆弾爆破跡地に向かった。何よりも、あの緑ローブを逃すわけにはいかない。

 だが、その時。

「……っ……!?」

 マルスの周りを大量の敵が囲った。

「くっ…! まさか、罠か…!」

 そう考え、辺りを見回す。思った通り。近くに敵が大量投下される仕組みであったろうスイッチが地面に埋まっていた。連戦続きで相当ダメージが溜まっているマルスにとって、この戦いは最悪なものになるだろう…。

 だが、それでも、マルスは剣を振るった。なんとかこの場を切り抜けなければ、あの緑ローブを逃してしまう。第一撃はなんとか当たったが、第二撃は外してしまった。

「くっ…!」

 焦りを必死に押し殺して剣を振るう。が、突然、背中に衝撃を感じた、かと思えば、少し大きくふっ飛ばされ、地面に叩きつけられた。

「っ………」

 体が……、動かない…。

おそらく、戦闘不能になる前のギリギリの状態を保っているのだろう。

だんだん、意識が遠のいていく……。

 と、思っていたその瞬間。

「はあああああっ!!」

 鋭い少女の声がマルスな途絶えかけた意識を引き戻した。驚いて顔を上げると、周りにいた敵がどんどん切り裂かれていく。しかもその声の主はとんでもないスピードで敵を圧倒しているのだ。

「(な、なんだ…!? あんな速さ、どうやって!?)」

 心底そのような驚きが隠せなかった。

 やがて、辺りから敵が消え去り、静寂が訪れた。高速の攻撃から通常の状態に戻ったであろう声の主を見て、マルスは目を見開いた。

 どう見ても、少女だったからだ。

アザレアピンクの髪をポニーテールに束ね、白いロングコートを着た右手にファルシオンよりも細身の銀色の刀身を持つ剣を手に持った少女。

「……?」

 マルスの視線を感じたのか、少女はゆっくりと振り向いた。そして、少女から疑問の色が消え、驚きと心配の色が見えた気がした。

「ちょ、ちょっと! 大丈夫…!?」

 シアンブルーの瞳を丸くし、少女はこちらに駆け寄る。

マルスはそんな少女に安心感を抱いた。なぜか、心の奥底では、一人で亜空軍に立ち向かえるのかが心配だったのだ。

 だが、目の前の少女は、なぜか見ず知らずのはずの自分を助けてくれた。それだけで、なぜか安心したのだ。

 

「ご……めん。大丈夫………だ……よ…」

 

 今度はすうっと意識が急激に遠のいていった。

 

 

声を聞かせて…

 

天昇る(きみ)

 

月と星の世界へ

 

永遠に続く (みち)を (きみ)は 選んだの

 

夢幻の夜

 

月は (きみ)を待つよ

 

星は流れるわ…

 

草木は眠り 朝日を待つの

 

この夜が明ける前に

 

マボロシの世界へ  行こう

 

 

 

 美しい唄声が聞こえた。

 まるで、誰かを想うような。そんな唄声。

その声がマルスを暗い闇から意識を引き戻してくれた。

「うっ………うぅ……」

「あら? 気がついたかしら?」

 目を開けると、先程見た少女が自分の顔を覗き込んでいた。

 よく見ると、白いロングコートの下には赤いチュニックワンピースを着ており、細い脚にビビッドピンクのタイツを履き、赤のブーツを履いていた。

「いきなり気絶したから驚いたわよ。立てる?」

 少女が手を差し伸べた。

「ああ…。ありがとう。助けてくれて…」

 マルスはその手を取り、立ち上がった。

「まさか、この世界でも【歌妖力】(かようりょく)が使えるだなんて、驚いたわ…」

 少女はポツリと呟いた。歌妖力?魔法とは違うのか?と心で思うマルス。

「ねえ…、失礼だけど、君は、人間…だよね…?」

 そのセリフに反応したのか、少女は一瞬目を丸くした。が、次には普通に戻り「さあね」と答えを濁した。

「おっと、自己紹介がまだだったわね」

 そしてそそくさと話題を変えた。

「あたしはサラ。スマッシュブラザーズの一人よ。……と言っても、今回から参戦したんだけどね」

 少女───サラは丁寧に自己紹介をした。

「僕は、マルス。アリティアという国の王子………と言うよりかは、ファイターの一人というべきかな…?」

 マルスもすかさず自己紹介。サラは「え?あんたも?」と驚いたようだった。そして、これまでの経緯をサラに話した。

「なるほどね。つまるところ、マルスはその亜空軍の一部であろう緑ローブのヤツを追っているのね?」

「うん。だけど、ここに来る前に見失ってしまったんだ…」

 マルスは自分の情けなさに苦笑した。

「あら。それなら大丈夫よ」

「えっ?」

 いきなりの言葉を疑問を持つマルス。次の瞬間、サラは衝撃の事実を口にした。

「実は、あたしもソイツを追っている身なの。マルス、良かったら……その、同行してもいいかしら…?」

 なんと、サラもソイツを追っているのだ。これはマルスにとっても好都合だ。二人で追えば、いざとなった時にどうにかなる。

「わかった。一緒に行こう」

 マルスは力強い笑顔で答えた。

「ありがとう。それじゃあ、早速行くわよ!」

 そう言うと、サラは走りだした。

 不思議な少女だ。とマルスは心で囁いた。

 

 

エリア3 闇夜の騎士

 どうやら、このサラという少女はかなりの実力者のようだ。素早い身のこなし、舞うような剣術。その美しさには戦闘中にも見入ってしまう。

 亜空爆弾爆破跡地に到着した二人はなんとも言えない気持ちになった。

目の前には巨大な闇色の空間が口を開けている。その出で立ちには、恐怖さえも感じさせるほどだ。

 マルスはその空間を睨み、サラは哀しそうな顔で見つめていた。ふと、マルスが空に視線を向けると、青い弾丸のようなものが、こちらに向かって飛んできた。

「……!?」

 マルスは素早く剣を抜き、青い弾丸を受け止めた。

 キンッ!

 高い金属音がその場に響いた。それは剣同士がぶつかった音。一瞬見えた相手の剣は、輝く金色。

一度、弾丸を突き放すと、その姿を確認することができた。

青い体に、黒い翼。顔は銀色の仮面で隠されている。

「貴様…やるな」

 弾丸は美しさと気高さを兼ね備えたかのような凛とした低い男の声をしている。

「だが、貴様の悪事もここまでだ…! 覚悟! 亜空軍ッ!!」

 次の瞬間、青い弾丸は刹那の攻撃を加えた。マルスは秒の速さで防衛。弾丸は音の速さで追撃。

 お互い譲らぬ攻防戦が続いた。

「っ! 何を勘違いしている! 僕は、亜空軍とは全く無関係だ!!」

「言い訳無用。我が剣を持って、貴様を討つまでだ…!」

 どうやら、青い男は何か勘違いしているようだが、それを正す隙さえ与えないほどの怒涛の連続攻撃。マルスはただ、その攻撃を防ぐのに精一杯だった。

 一方サラは少し離れた所でその光景を見ていた。

「(な、何やってんのよあの人! くっ、止めなきゃマズイわね…!)」

 そう思った刹那、二人の後ろに人形───プリムが現れた。

「ッ! 二人共っ!!」

 サラの叫びが聞こえたのか二人はお互いの背後にいたプリムを切り裂いた。が、取りこぼしがあったようで、更に多い数のプリムが二人に襲い掛かった。

「危ないッ!」

 鋭い声と共に、周りのプリムがザッと斬撃で切り裂かれた。

「ッ! サラ!? なぜ、ここに…!?」

 だが、それ以前の話。弾丸───青い男は知らないはずのサラの名前を呼んだ。それに気づいたマルスはサラに絶叫しつつも問いかけた。

「サラ! この人物を知っているのかい!?」

「貴様ッ…! なぜサラの名前を…!」

 サラに言ったはずなのに、なぜか青い男が反応した。

「今、そんな事言ってる場合!? 周りを見てみなさいよ!」

 サラの言葉に促されて二人は辺りを見回した。

敵は自分達を完全包囲しているようで、マルスと青い男は絶句した。

「どうやら、争っているヒマはなさそうだな」

 すっかり冷静になった男は剣を構えた。

「ええ。あんたも何か勘違いしてたんじゃないのかしら?彼は亜空軍とは無関係。あたしと共に行動していたファイターよ」

 サラは男の誤解を解く。

「………そうか。それはすまなかった」

「いや。大丈夫だ」

 謝罪した男に、マルスも二人と背中合わせの状態で言った。

「先に名乗っておこう。私の名はメタナイト。そこにいる少女、サラのパートナーだ」

 一瞬、男───メタナイトがサラのパートナーであることにあっけにとられるがすぐに我に返るマルス。

「僕はマルス。スマッシュブラザーズの一人です」

 マルスが名乗るとメタナイトは「……! そなたもファイターの一人か…!」と目を丸くした。

「よし。二人共。準備はいいわね」

 サラが声をかけると「もちろんだ」「承知した」と返事が帰ってきた。

「よし!行くわよ!」

 少女の掛け声が合図となり、三人は空を舞い、敵に立ち向かった。

 

 三人の息の合う連携は、大量にいたプリム達をあと数体という所までに追い詰めた。

 マルスの【シールドブレイカー】は一撃でプリム達を吹っ飛ばし、サラの回転斬り【流星回転斬り】とメタナイトの【マッハトルネイド】は見事な速さで敵を切り裂く

マルスはすかさず連続切り払い技【マーベラスコンビネーション】で二人の援護をする。サラは踊るように剣を操る技【剣舞 月輪】(ソードダンス リュン)で敵をなぎ倒す。メタナイトは翼を利用し回転して進む技【ドリルラッシュ】でとどめを刺した。

 こうして、目を疑うほどの多さを誇っていたプリム達は、ほんの短い間の戦闘で一匹残らず駆逐された。

 

 

エリア4 焔の団長

 ところ変わって、三人はとある人物を追っていた。

「……そうだったんだ。それで、サラとメタナイトは手分けしてその“戦艦ハルバード”を探していたんだね」

「ああ。だが、なかなかはかどらなくてな」

「その途中にあんたに会ったってわけなのよ」

 二人はマルスに経緯を説明していたようだ。

「なら…、おせっかいだとは思うけど、僕も君たちに協力してもいいかな?」

 突然マルスの口からこぼれた言葉はそんな感じの言葉だった。

「……? どうしたの、いきなり。だって、あなたは亜空軍を追うんじゃなかったの?」

 サラはそう質問した。

「いや…なぜか、二人の話を聞いていたら、気持ちが変わったよ。それに、困っている人は放っておけないんだ」

 その声は、故郷のアリティアを想う王子の威厳とファイターとしての熱意に満ちていた。

 サラとメタナイトは二人で顔を見合わせ、すぐに笑顔になった。

「もちろんよ。あなたみたいな人がいてくれると心強いわ!」

「全くその通りだ。マルス。これからよろしく頼むぞ」

 それを聞いたマルスは安心した。

 これで、誰かの役に立てる。そう思えた。

 

 

「あら!? ちょっと、アイツ!」

 道を進んでいると、サラが突然声を上げ、とある方向を指さした。驚きと困惑に染まった目でサラが指さした方向を見ると、なんと、緑ローブの人物───エインシャントが飛んでいた。

「……! ヤツは…!」

「ええ。間違いないわね」

「アイツの下についてるあの球体は…亜空爆弾!?」

 マルスは、エインシャントの下を指差した。

「…! マズイわね…、恐らく別の場所で爆破する気よ!」

「二人共!追うぞ!」

 メタナイトはマントを翼に変え地面を滑空し、サラも少し体を浮かせ滑空。マルスは超人レベルの速さで走る。

それに気づいたのか、エインシャントは振り返り、眼下を見下ろした。

「……………」

「覚悟しろ!」

 マルスは高くジャンプして敵を攻撃する技【ドルフィンスラッシュ】で亜空爆弾を破壊しようと試みた。が、エインシャントは身体を傾け亜空爆弾をドルフィンスラッシュから守った。

「くっ…!」

 着地するマルスの眼には悔しさが滲んでいた。

 次はメタナイトが滑空しながら攻撃する技【シャトルループ】で攻撃。しかし、くるっと振り返ったエインシャントのビームが翼に当たった。

「うぐっ…!」

 痛みでバランスを崩し、回転しながら落ちる。

「メタナイト……!」

 サラが叫ぶ。彼女にまとわりつく心配を取り払うように着地を決め、チリチリと焼ける翼を瞬時にマントに戻した。

 今度はサラがダッと地を蹴り思いっきり飛んだ。

エインシャントはサラにもビームを撃つが、サラは飛びながらそれを見事に回避する。

「は、速い…!」

 マルスは驚きの声を上げた。だが、ここで一つの疑問が生じる。

 サラは至って普通の人間のハズ…。それなのに、なぜ飛べるのだろうか…?

「マルス…」

 メタナイトがそのことには触れるなと目で促す。

「彼女は…少しワケありでな…」

「……?」

 マルス達がそんな話をしている間。エインシャントとサラはお互い決死の攻防戦を繰り広げていた。

「くっ…! しつこいヤツめ…!」

「覚悟なさいッ!」

 サラの剣の切っ先が亜空爆弾に触れる…!

直前に、エインシャントは素早くサラの背後に回り込み、サラを亜空爆弾で叩き落とした(どんな力があるんだよ)。

「がっ……!!」

 ドサッと地面に落ちるサラ。

駆け寄って来た二人に「このくらい問題ないわ」と立ち上がった。

「もう一度行ってくる。今度は絶対に逃さないから」

「ッ…! サラ、ダメだ!」

 もう一度エインシャントに立ち向かおうとするサラの腕をマルスは掴み、サラを静止した。

「ちょっと! 離しなさいよ!!」

「先程あんな目にあっただろう!? 次行ったら、あれより酷い目に会うかもしれんぞ!」

 マルスの腕から逃れようと暴れるサラをメタナイトは叱った。

 その言葉を聞いて、サラはある事を理解した。二人は、本気で自分を心配しているのだと。もし、あのまま静止を振り切ってもう一度向かったところで、やられる確率は低くはない。

「……わかったわ」

 サラは無理矢理諦めた。

 三人を突き放すように飛び立つエインシャントを三人は睨みつけていた。

 

 

「はあ…。やはり警戒して正解だったな…」

 エインシャントは飛びながらそう呟いた。

目を一度閉じ、目の前にウインドウを出現させる。ウインドウの中には、サラ、メタナイト、マルスの情報がこと細かく記載されていた。

「(ファイター共は大したことない者が多いとは思っていたが…あの三人は別格だな…。得に、あの一頭身と少女は間違い無く面倒だ…。しかし、あの少女…もしや…)」

 そんな事を周りの様子がわからなくなるほど考えていた。だからこそ、背後に迫り来る金色の大剣に気づくことができなかったのだ。

「天…空ッ!!」

「はっ!!??」

 突然響く勇ましい青年の声に驚いたのか青年の剣が亜空爆弾に当たったのに驚いたのか自分でもよくわからなかった。

「(なっ…! このファイターは!?)」

 亜空爆弾が自分の体から切り離された。バランスを崩し落ちるエインシャント。

「…!? お、お前は…!?」

 メタナイトは突然風のように現れた青年に驚いた。

「ボサッとするな! 追いかけるぞ!」

 青年はシーブルーの短い髪に、青い服。緑のバンダナらしき物をつけている。

 青年は三人にエインシャントを追跡するように促した後、サッと走りだした。三人は動揺しながらも青年のあとを追いかけた。

 四人はまるで風の一部といえる素早さで走り抜ける。

「っ! 危ないッ!」

 青年は急に止まった。それに合わせて三人も止まる。

 そこは、切り立った崖になっていた。

だが、エインシャントは飛べる為、そのまま逃げてしまった。

「くっ……やはり、もう一度…!」

 それでも、サラは諦めていなかったようだ。しかし、青年に「やめておけ。あっちがどう来るかわからんぞ」と静止され、うつむいた。

「あの…、君は…?」

 マルスは青年にそう問いかけた。そう言えば、まだ、彼の素性を聞いていなかった。

「俺か? 俺はアイク。グレイル傭兵団の団長……今は、ファイターの一人だがな」

「ファイター……か。あっ、僕はマルス。君と同じ、ファイターだよ」

「同じくサラよ」

「私はメタナイト。サラのパートナーでありファイターだ」

 同時にサラ達も自己紹介をした。そして、これまでの経緯も全て話した。

「なるほどな。それなら、俺も協力させてもらうぞ」

「でも…あなたにもあなたのすべき事があるんじゃないの?」

「別に。困ってるヤツをどうしたら放っておける?」

 アイクはそう言った。無愛想だが、仲間想いの性格なのだろうとサラは悟った。

「そう…。なら、あたしは止めないわ。よろしく頼むわね」

 

 こうして、四人の剣士は旅立った。

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