『しかしその最中、なんと麗牙さんの婚約者の命を狙うファンガイアが現れて……』
「「よろしくお願いします!」」
アレから早くも一週間経ち、はぐみちゃん率いるスカイスターズの練習試合の日が訪れていた。ホームの前に立って一同が並んで挨拶するその姿からも、彼女たちの力が以前とは違うことを示しているかのようだった。何せこの一週間、ハロハピの皆は徹底的に基礎から鍛え上げてきたのだ。本気で誰かを笑顔にしようとする彼女たちの辞書には手を抜くなんて言葉は存在しない。たとえその舞台がライブステージから球場に移ってもそれは変わらないのだろう。投球練習でしっかりとはぐみちゃんの球を受け取る松原さんを見て、先週まで抱いていた心配はもはや必要ないと感じていた。空が晴れ渡り最高の試合日和となっていたのも、一重に彼女たちの努力に天が応えたのだろう。
愛音のふざけたような失敗も最初のあの時だけであり、それ以降は無難に高い身体能力を見せつけつつ練習をこなしていた。短い練習期間ながらもチームからは十分に戦力としてカウントされており、この試合でも大きな活躍が期待されている。強いて言うなら……誰に教わったか知らないがバッティングにある癖がついたことくらいか。それについてはまた後で話そう。どうせ後で打順が回ってくるのだから。
とりあえず、試合自体には問題はなさそうだ。
しかし僕が今日本当に懸念しているのはこの練習試合のことではない。
それを忘れずに意識し、隣に座る燐子さんに今日何度目かになる謝罪をしていた。
「燐子さん。来てくれてありがとうございます。それと、本当にごめんなさい」
「そんな、何度も謝らないでください……わたしだって……麗牙さんの足手纏いになりたくないから……」
愛音たちの初練習の夜、大ちゃんから僕の婚約者を狙う不届き者がいるという報告を受けた。その話を聞いた瞬間、思わず手に持っていたペンを粉々に砕くほど怒りが湧き上がったのも記憶に新しい。幸いにもその相手が燐子さんだとは相手も知らないようで、今しばらくは刺客もその情報を探っているところだと知り一旦は落ち着くことができた。しかしこれでは僕は迂闊に動くことはできない。万が一外に出て誰かしら女の子と親しげに話をしようものなら、その人が狙われる可能性もある。何せ人を喰らうことに何の憂いも疑問も持たない奴らが相手なのだから、手当たり次第何人殺そうと知ったことではないだろう。そのため、僕はしばらく城の外で極力女性との接触を無くし、ガールズバンドの誰とも出会うことなく過ごしていた。
その間にも次狼たちや城内の部下たちにも街中を見張らせ、燐子さんを中心に僕が知り合った人たちに危険が及ばないか監視の目を光らせていた。それでも敵が行動を起こすような素振りは見られず、潜伏する敵の影を掴むことも敵わず、時間だけが無情に過ぎていくばかりであった。
こうしている間にも敵が僕と燐子さんの仲を知るのは時間の問題だった。故に、僕は勝負に出た。敢えて燐子さんを外に連れ出して敵を誘き寄せることにしたのだ。
無闇な犠牲を出さないために一週間近く大人しくしていたが、そもそも考えれば何故刺客のために僕が隠れなきゃいけないのか。何故守るべき燐子さんの傍に僕がいないのか。何故あんな奴らのために僕が燐子さんと会えないことにならなきゃいけないのか。それを思い返した時、僕はようやく吹っ切ることができた。そう、最初から逃げ腰になって燐子さんを守れるはずがなかったのだ。
そして僕は今日の練習試合の見学に敢えて燐子さんを呼んだ。彼女には全てを話したが、まるで当然のことと言わんばかりに彼女は納得して了承してくれた。その理由も先に彼女が述べた通り、僕の足手纏いになりたくないからだ。そんなこと僕はかけらも思っていないし、同族の勝手な思想に巻き込まれてむしろ僕の方が申し訳ないと思っている。しかし彼女の意思は固いらしく、ここに及んでも燐子さんは僕に告げるのだった。
「わたしも……負けませんっ……麗牙さんに会えないのは……絶対に嫌ですから」
凛とした揺るがぬ決意を孕んだ瞳を僕に向け、燐子さんは強く言い切った。僕の手の上に自分の手を乗せ、その綺麗な顔を寄せて迫る燐子さんを僕はじっと見つめ返していた。
「強いですね、燐子さん。僕も、あの時に燐子さんのことを傷付けないって固く誓いましたから。だから安心してください」
「うん……麗牙さんのこと……信じます」
彼女の心は本当に強い。自分の命が狙われるかもしれないのに、僕のために命をかけてくれるのだから。僕は、今の彼女の中には不可能なことはないのだろうと思うのだ。
何故なら、今の彼女を動かすのは間違いなく愛の力だ。愛の力の前ではいかなる障害も細やかなものにしかならないのだと僕は信じていたのだから。正直気持ちが昂りすぎて「これが愛の力だ」と叫びたくなる気分であった。
「よく人がいる隣でイチャつけるなこの二人……」
『隣なんてまだマシよ。私なんて燐子ちゃんの鞄の中よ。甘くて熱くて溶けちゃいそうよ』
「健吾たちの言ってた意味がよーく分かったわ……確かにこりゃバカップルね」
「せやせや、紅白バカップル」
僕らの隣に座る健吾さんとアゲハの小言を聞き流し、とりあえずは試合に集中する(キバーラには悪いと思うが、万が一のためにしばらくは燐子さんの鞄の中に待機してもらうつもりだ)。僕の勝負はこの練習試合ではないが、敵が襲いかかってくるなら練習試合が終わった後、間違いなく僕と燐子さんが別れた後だ。だから今は勝負の時ではなく、それまでは試合に集中しても問題はなかった。どのみち今のグラウンド周辺にはあの弦巻家が警備についているのだから、迂闊に襲撃などできたものではなかった。
「プレイボール!」
「とりあえず今は、愛音たちのこと応援しましょうか」
油断はしない。しかし何も起こり得ない今は、純粋に愛音たちの試合を楽しんでも問題ないだろう。
そして審判の掛け声とともに、彼女たちの戦いの幕が切って落とされたのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
一回裏。
ここからは麗牙やなくて俺の解説で進めさせてもらで。
表の攻撃をはぐみちゃんの好投で無失点で抑え、遂に始まるスカイスターズ最初の攻撃。一番の薫ちゃんが颯爽とバッターボックスに入り、審判の「プレイ」の掛け声とともにその場は戦いの空気へと変化する。
「ストライク!」
「おお」
「あかりちゃんの言ってたピッチャー、結構ええ球投げんなぁ」
先発から出てきた相手チームのエース。あかりちゃんが打ちたいと気張っている相手なだけに、その球速はなかなかにすごい。とりあえず様子を見たのだろうか、まずはボールを見送った薫ちゃん。恐らく次から勝負に出るのだろうが……。
「ファウル!」
今度は勝負とバットを振っていったが、先よりもスピードを落としてきたのかタイミングを外され、何とかカットするばかりであった。当ててきただけ十分だが、場合によって球速を変えてくるとは……このピッチャーもといバッテリー、なかなか強敵かもしれない。
『あらあら、薫ちゃん追い込まれてるわねぇ』
「練習の時も……結構打ててたのに……」
「それほど凄いんでしょうね、相手が」
「ストライク! バッターアウト!」
「って、もうですか?」
最後は一球目よりも更に球速を上げてきて、完全に振り遅れたバットは宙を切り、先頭打者の薫ちゃんは呆気なく三球三振に打ち取られてしまった。初見とは言えハロハピの中では一番打撃能力に長けていた薫ちゃんでこれだから、あかりちゃんとっても厳しい戦いになりそうな予感はしていた。
「次、あかりちゃんです」
二番に出てきたのは、この試合を誰より望んでいたあかりちゃんだ。小さい身体ながら練習時のガッツは十分に見させてもらっている。練習試合とは言えこの勝負にかける思いは並々ならぬものを抱いていたあかりちゃんだ、きっと熱い勝負を見せてくれることだろうと期待していた。
しかし……。
「ストライク! バッターアウト!」
薫ちゃん同様に彼女も三球三振で打ち取られてしまった。ボールは全て外れてはいないし振っていく判断は間違っていない。しかし結果として彼女のバットに一球も掠ることなく、今回の勝負は相手ピッチャーの方に軍配が上がった。
「ん? 今はぐみちゃんが……」
「どないした麗牙?」
「今、あかりちゃんの振りがいつもより小さかったって、はぐみちゃんの声が……」
麗牙の超人的な聴力でベンチのはぐみちゃんの呟きが聞こえたのだろう、彼ははぐみちゃんが抱いた違和感を俺たちにも話してくれた。スイングがいつもより小さい……普段のあかりちゃんを見ているキャプテンならではの視点なのだから恐らく間違いはないのだろう。しかし、そうすると今のあかりちゃんはプレッシャーによって縮こまってしまっている、ということなのだろうか……。
「アウト!」
「チェンジ!」
三番バッターこそボールを前に飛ばしたが、それでも結果は内野ゴロで、この回は一人も塁に出ることなく終了してしまった。
しかしまだ初回で、ハロハピたちに至っては例のピッチャーの球は初見だ。これからはあのピッチャーにも疲れが出てくるしその球にも直に慣れてくる。俺はこの勝負の勝機は後半戦にあると踏んでいた。
「プレイ!」
「よーししっかり守ってけー!」
しかし──
「──っ!」
「──!」
「ホームイン!」
──それはこちらが打たれなかった場合の話だ。
その後、二回からじわじわと打たれ始めたはぐみちゃんは、遂に三回表の時点で先制点を許してしまっていた。後半に巻き返すことができたとしても限度がある。あまりにも点差が開きすぎると逆転は絶望的だ。
「バッターアウト! チェンジ!」
何とか追加点を入れられる前に交代になったのが幸いであろう。できればここで同点に追いつきたいところだが、この回の先頭は六番こころちゃんからの下位打線。前回も三者凡退で未だチームで出塁した者はいない中では些か不安が残るが、ある意味で実力未知数の底の知れないこころちゃんなら何とかしてくれるかもしれない。
「セカンド!」
だがそんな期待の中でバットに当てたこころちゃんの打球は、セカンドの前方に飛んでいった。これは普通にセカンドゴロで終わるか、誰もがそう思った。
しかし──
「っわ!?」
「っ、よっしゃラッキー!」
なんとボールはセカンドの目の前で大きくイレギュラーバウンドし、あらぬ方向へと打球は転がっていったのだ。それだけ打球に異様な回転がかかっていたのだろう。その間にこころちゃんは一塁を踏み、記録はヒットということで三回裏にしてようやくスカイスターズ最初の出塁者が出たのであった。
「すごいわボールさん! あなたは跳ねるのが大好きなボールさんなのね!」
「……何言ってるんやあの子……」
「そういう子なんです、こころちゃんは」
なんだ跳ねるのが大好きなボールさんって……しかし、独創的な奇天烈な言動を繰り返すのがあの弦巻こころという人物のようで、俺とアゲハ、それと相手チーム以外で驚いている者はいなかった。
「まぁ、気を取り直して……いったれー花音ちゃーん!」
「ふえぇ!?」
「プレッシャーかけてどうすんのよアンタ!」
「あだっ!?」
八番の花音ちゃんに気合いを入れようと声をかけたが、俺からの声援は予測できていなかったのか、花音ちゃんは仰天してバットを落としてしまっていた。いや流石にこのくらい慣れようや花音ちゃん……。あとアゲハもそのくらいで叩くなっての……。
「プレイ!」
ようやく塁に出たこのチャンスを繋ぎたいところだが、先の俺の声援のせいで驚かせた花音ちゃんのことが少しだけ不安になってしまう。元から動けるこころちゃんや薫ちゃん、運動部に所属する美咲ちゃんと違って、花音ちゃんはハロハピ内でも運動量は少ない方だ。ただでさえ弱気になりがちな花音ちゃんに、あのピッチャーの球が捉えられるのかと疑問視してしまっていた。
だが──
「……っ!」
「っ、打った!?」
芯で捉えた気持ちのいい金属音がグラウンドに鳴り響いた。なんと花音ちゃん、あのピッチャー相手に完全に打ち返していたのだ。
しかし考えてみれば至極当然のことであった。ここまでキャッチャーとしてはぐみちゃんの球を受け続けてきた花音ちゃんの眼は、既にピッチャーの投げる球の速度に慣れていたのだ。
「よしいけぇ!」
しかしこのまま内野を抜けて二者連続ヒット……大チャンス到来かと思われたその時であった。
「ふっ!」
「っえ!?」
「っ、ファースト!」
「アウト!」
一二塁間を抜けるかと思われたその打球は、しかし頭から飛び込んだセカンドのファインプレーによってしっかりと捕られ、そのままファーストに送球されてアウトにされてしまったのだ。何というガッツだろうかと俺は息を飲む。さっきのイレギュラーを逃したことをカバーせんとばかりの見事なプレーには思わず感服してしまう。
「ドンマイ花音ちゃん! ナイスバッティングやで!」
「っ、うん……ありがとう健吾くん」
アウトにはなったものの、こころちゃんを進塁させたことは十分大きいため、間違いなく称賛されるべきバッティングだと俺は思う。そして向こうの声は聞こえなかったが、口の動きで何となく言ってる言葉の内容は理解できていた。
「でも今の、こころちゃんものすごく速かったよ」
「はい……あっという間に二塁に行ってました……」
しかし実は今のプレーで本当に凄かったのはこころちゃんだ。今のは普通ならダブルプレーにされてもおかしくはない状況であったのに、セカンドはすぐにこころちゃんを刺すのを諦めて一塁に送球した。その理由はこころちゃんの足が予想以上に速くて二塁への送球が間に合わなかったからだ。いやマジでなんなんだあの子は。麗牙の話ではビルの上から飛び降りようとしたり、燐子ちゃんの話では校舎の三階から飛び降りて無傷だったり、本当に人間かと思うエピソードが多すぎる。彼女が七番に回されたのも、恐らく練習で長打でなく凡打が多かったためなのだろうが、それがまさかあんな回転のかかった打球とは誰も思うまい。寄せ集めのチームとばかり思っていたが、これはひょっとするとひょっとすることもしれない。
『さぁ愛音! カッコよく決めちゃってー!』
そしていよいよお待ちかねの九番愛音。下位打線の最後ではあるが、九番は一番に繋がるための重要な立ち位置でもある。故にチームの中でも出塁率の高い選手があてがわれる事が多いが、そこに我らが愛音が入っていた。皆からの期待を十分に受け取っている証拠だろう。
「……しゃ」
ワンアウトランナー二塁という美味しい場面で、しかし相変わらず力むことなく自然体でバッターボックスで構える愛音。麗牙の話では妙な打ち方をしているという話だが、果たしてどうなのだろうか。結果として打てるならばそれがその選手の正解なのだから気にするべきではないだろう。それはそれとして、俺も愛音のバッティングというものがどのようなものか気になってはいたが。
そしてピッチャーが構え、投球の姿勢に入った時だった。
「……は? 一本足?」
なんと愛音は右脚一本で立って全体重を支え始め、所謂一本足打法でタイミングを測ってきたのだ。
そして投げられるピッチャーの球を愛音は──
「そぉい!」
──先ほどの花音ちゃんのジャストミートが可愛く思えるほどの喧しい金属音を鳴らして打ち返したのだ。
「おおっ! ……って、あ……」
とんでもない勢いで、それこそ練習初日に見たレーザービームの如く打球はサード方面へ飛んでいく。いや、飛んでいくなんてもんじゃない。文字通り超低空で直進していた。しかしそのレーザーの向かう先には、ドンピシャでサードが守りに入っていたのだ。当然グラブを伸ばしてそのライナーを捕ろうとする。一歩も動くことなくただ手を伸ばすだけで打ち取られる簡単な打球だと、すぐに誰もが感じ取っていた。
しかし──
「っ、ぅわわぁっ!?」
「……え?」
デジャブと言うのだろうか? サードのグラブ中に入ったはずの打球は、それでも勢いが死ぬことはなく生き続けていた。そして愛音の打球はグラブごと野手をなぎ倒してサードは横転。ボールはグラブを離れ、コロコロと地面を転がっていったのだ。
「回れぇ!」
「走ってこころん!」
サードがボールを落としたことを認識した時、既にこころちゃんは三塁を回ってホームを目指していた。急いでサードとレフトがボールの回収に向かうが、ボールを手にしてホームに狙いをつけた時には既にこころちゃんはホームベースを踏んでいた。
「ホームイン!」
記録は強襲ヒット。しかしなんと下位打線の三人のみで、更に言うならヒット二本だけで同点に追いついたのだ。思わぬ進撃に湧き立つスカイスターズ。ここで打順は先頭に戻り、一番薫ちゃんが打席に入る。そして……。
「……っ!!」
「おおっ!」
『えっ、大きい!? ウソ、入っちゃう?』
「いや別に入るとこないし……」
薫ちゃんの振ったバットの芯にボールは吸い込まれていき、大きな当たりを生み出した。レフトの頭上を越えて大きく伸びていく打球。これは一発逆転来たかと、チーム全員が期待に震えたが……。
「ファウル!」
「あー惜しい!」
残念ながら特大の当たりは左に逸れていった。ホームランが幻となったことに皆の落胆の色が見えるようだが、まだ終わりではない。ここから同じように薫ちゃんは打ってくれるだろう。きっと今のはまぐれではないはずだからだ。
しかし、今の一撃で完全に警戒されたのだろうか……。
「ボール、フォア」
意図的か心理的なものかは分からないが、その後ボールはストライクゾーンに入らず、それを完璧に見切った薫ちゃんはそのままフォアボールとなって一塁に進んでいった。大きな活躍がなかったのは残念だが、それでもチームには大きく貢献してくれた方だ。ワンアウトランナー一二塁。チャンスは続いているどころか先ほどよりも広がったのだから。
「頑張れあかりー!」
そして、ここで出てくるのがあかりちゃんだ。頼むであかりちゃん。ここで一発出れば勝ち越しなんやから……。
「ストライク!」
しかしあかりちゃんのスイングは先ほどと変わらず、ボールはバットの合間をすり抜けていった。まだプレッシャーに押されているのだろうか? よりのよって大チャンスの時に打順が巡ってきたことでより緊張しているのか? 待ちに待った対戦なのだから思い切りやってほしいところだが、あかりちゃんの表情から不安は消えない。
「っ! 当たっ……ぁ……」
だが、この日この時、初めてあかりちゃんはあのピッチャー相手にボールをバットに当てることができた。空振りばかりであった先までと比べれば大きな進歩だろう。勢いよく一塁向けてあかりちゃんは走り出そうとする。しかし……。
「っ、セカンド!」
「っ、ファースト!」
「アウト!」
「チェンジ!」
「……ゲッツー……」
ピッチャーゴロ。そこから二塁と一塁に投げられ、ダブルプレーでこの回の攻撃は終わってしまった。せっかく勢い付いたスカイスターズの攻撃の炎は、敢えなく鎮火してしまったのだった。
「ぁ……ぅ……」
三振で自分一人がアウトになるよりも最悪の結果で終わったことに、あかりちゃんが意気消沈していくのがここからでも目に入った。
しかしまだ試合は中盤。ここからが正念場だと、今はあかりちゃんが立ち直るのを見守るしかなかった。
愛音が加わっていることもあり、原作とは試合展開を変えています。