ボーカルでヴァイオリニストな彼は   作:春巻(生)

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『三体のレジェンドルガに謀られ絶体絶命の健吾。万事休すかと思われたその時、彼らの前に現れたのは健吾の師匠――名護啓介』

『なんと異世界より現れたというその男の実力は……?』

挿入歌:Fight for Justice


第140話 爆現! 異界の青空より

 戦場に突如現れた男に対して、異形たちは迂闊に手を出せずにいた。男は間違いなくただの人間であるが、彼の背中から発する気は並の魔族のそれを凌駕するほどの威圧に満ちていたのだ。真っ直ぐ、揺れることなく太陽の下に立つ男──名護啓介がそれ(・・)を取り出した時、異形たちと千聖の目に驚愕の色が現れた。

 

「何っ!?」

 

「あれってイクサの……」

 

 名護が懐から取り出したイクサナックル──健吾の持つものと全く形状の同じそれを見て誰もが動揺せずにはいられなかった。今し方無力化したはずのイクサを何故あの男が持っているのか。間違いなくイクサナックルは健吾の身体の横に転がっているのにだ。

 そんな疑問が彼らの頭を過った直後、名護は己の左の掌にナックルを当てた。

 

 

R・E・A・D・Y(レディ)

 

 

 健吾の持つそれと全く同じ電子音が流れる。

 

 己の生体認証を完了させた名護は右手で掴んだナックルを振りかぶって体の外側に向け、すぐに戻して肘を曲げて顔の左側に持ってくる。

 

 辺りに重苦しいほど重厚な待機音が響き渡る。

 

 それはもはや単なる電子音には在らず。

 

 異界の使徒、青空の信徒を招来させる聖鐘であった。

 

 そして名護は──戦士は叫んだ。

 

 

「イクサ爆現!」

 

 

F・I・S・T(フィスト) O・N(オン)

 

R・I・S・I・N・G(ライジング)

 

 

 ナックルをベルトに装填し、直後男の姿は空色の聖騎士へと変化を遂げた。

 

 天からの聖なる光を浴びて輝く青色は何よりも澄んでいた。

 

 それは曇りのない真っ直ぐな彼の心を表しているようであり、その汚れのない姿は宛ら天使にも見えたことだろう。

 

 そう、天使……その印象は決して誤りではない。

 

 彼は神の代行者として、今その刃を異形に突きつけて、そして告げたのだ。

 

 

「道理を外れし悪鬼羅刹、怪力乱神、怨霊怪異……その命、神に返しなさい」

 

 

 ライジングイクサへと変身した名護の宣告がこだまし、戦士はゆっくりと異形の群れへと歩き出した。

 

「今更同じイクサに何ができるっ。オオオオオオッ!!」

 

「ジェァアアアアアッ!!」

 

 そして三体の異形は一斉にイクサへと駆け出した。先とは違い万全の状態なれど、強者を揃えた現状で敵に劣る理由がないと異形たちは戦士を討つために吠える。その思いの根底に、無意識ながら芽生えた畏怖があることに気づかぬまま……。

 

「……フンッ、ハァァ!!」

 

「ッグゥォ!?」

 

 助走をつけて繰り出されるケルベロスの拳をイクサカリバーで軽く受け流したイクサはそのまま流れるように縦に一閃、異形の身体を斬り裂いた。その直後に真横からタロースの剣が、上空からグリフォンの爪が迫るが、イクサはケルベロスに剣を振り抜く動きを止めないまますぐさま下からカリバーすくい上げてタロースの剣を弾いたのだ。同時に上空に向けてイクサライザーの弾丸を放ち、それはグリフォンの身体に寸分のズレも違わず襲い掛かっていた。

 

「なっ!?」

 

「ッ!? ガォァァッ!?」

 

「ハァァアアアアッ!!」

 

「ガハッ!? グゥッ!? ア゙ア゙ッ!?」

 

 ケルベロスは怯み、グリフォンもイクサから狙いがズレて落下する最中、イクサは剣を弾いたばかりのタロースに向けて剣舞の如き連撃を披露していた。縦に何度も円を描くような素早い剣劇には一切の隙は無く、タロースは対応することもできずにされるがままに剣劇を浴び続けていた。そして最後にイクサライザーの銃撃を至近距離からその身に浴びせ、タロースを大きく吹き飛ばした。

 

「ハァァっ!」

 

「ゥォオア゙ガッ!?」

 

「オ゛ォォォォッ!」

 

 イクサが追い込んでいたタロースをわざわざ自身から引き離したのは、自身に迫ろうとするケルベロスの殺気を感じたためであった。自身に向けて火球を放とうとするケルベロスにイクサは駆け出し、自身に迫る火球を斬って捨てながら接近していく。

 

「ハァァ!」

 

「な!? グゥオオアッ!!」

 

 放たれる何発もの火球をイクサに斬り捨てられて動揺したケルベロスは、ある種の恐ろしさを感じてがむしゃらに火球を放ち始める。激しい弾幕の如き火球がイクサに襲いかかるが、それすら戦士の足止めには遠く及ばなかった。神速の剣が全ての火球を薙ぎ払い、青き戦神は異形のの目前へと迫っていたのだ。その圧倒的な光景には千聖、そして意識を取り戻した花音も思わず目を奪われてしまっていた。

 

「す……」

 

「すごい……」

 

「くっ……オオオオッ!!」

 

 そして、もはや遠くからの狙撃でイクサを捉えるのは無理だと判断したケルベロスはその三つの口に炎を蓄えて走り出した。遠くならが無理ならば至近距離で当てる。いかにイクサと言えど、この威力をまともに受けて無事であるはずがない。そんな異形の自負によるところもあり、二つの影は激突しようとしていた。

 

「グォォアォォ──フガハッ!?」

 

 もはや剣を振るう余裕すらない距離に迫り、蓄えられた火炎を放出しようとした瞬間、二つの口に何かが突っ込まれた。それはイクサの両腕に握られた二つの武器の銃口──ガンモードのイクサカリバーとイクサライザーの銃口がケルベロスの左右の口の中に突っ込まれ、更に……。

 

「フンッ!!」

 

「ガハ──」

 

 真ん中の頭部の攻撃を許すことなく、イクサの強烈な頭突きがヒットした。あまりに一瞬のことで、また真ん中の頭部の脳震盪により反応が遅れたケルベロス。その瞬間、ケルベロスの左右の二つの口に突っ込まれた銃口が火を吹いた。

 

「ハァッ!」

 

「ゥガゴア゙ア゙ア゙ガァァア゙ッ!?」

 

 口の中という防御のしようのない柔らかい部分を責められ、堪らず激痛と共に吹き飛んでいくケルベロス。しかしその直後、上空から迫ったグリフォンの爪が遂にイクサの身体に届いたのだ。

 

「グォォアっ!! ……なっ!?」

 

「……」

 

 完全に捉えたかのように見えたグリフォンの爪。しかしそれはイクサを吹き飛ばすことは敵わなかった。ケルベロスを攻撃している時からグリフォンの攻撃を避けきれないと割り切ったイクサは、既に受け身の体勢に移る準備をしていた。結果グリフォンの攻撃に微動だにせず、彼はその爪の威力を最小限まで殺したまま受け止めていたのだ。

 

「ハァァァ!」

 

「グギャァ!?」

 

 イクサはすかさず至近距離でイクサライザーのエネルギー弾を炸裂させ、グリフォンは火花を撒き散らして地を転がっていく。この短時間の間に彼を囲んでいた三体の異形は皆地に膝をつけており、明らかな格の差を見せつけられた異形たちは動揺を隠しきれなくなっていた。

 

「グォォッ! なんなんだコイツは!! オオオオオッ!」

 

「ッ、ゲェアアアアアアッ!!」

 

 ケルベロスは先の健吾を襲った炎の柱を再び放とうとし、それを見たグリフォンは再びイクサに飛び掛かりその身体の動きを封じようとする。いくら装着者の実力が違うといえど、それで根本的な性能が覆るわけではない。イクサである以上ケルベロスの煉獄の炎に耐えられる筈はないと、グリフォンは確実にイクサを滅ぼすために接近を始めたのだ。

 

「ォォオオオオオオ!!」

 

 イクサをケルベロスと挟み込む形で猛スピードで迫るグリフォン。音すらも切り裂く恐るべき弾丸となってイクサに突き進むが、その単直な軌道が命取りとなった。好機を見たイクサはライザーフエッスルをベルトに装填し、ナックルを押し込んでコードをリードさせる。直後、イクサの仮面から、そして胸からイクサライザーに向けて眩いばかりのエネルギーが集結し始め、迷うことなくその銃口をグリフォンに向けるイクサ。

 

 そして……。

 

「な──!?」

 

「ハァァァァァァッ!!」

 

 グリフォンがイクサに辿り着く前に充填は完了し、迫る異形向けてファイナルライジングブラストが放たれた。

 

「グォォアア゙ア゙ア゙ア゙ァァァァ!!?」

 

 全てを消し去る裁きの威光は嵐の如くグリフォンの身体を飲み込む。強靭な肉体を持つ異形なれど、イクサの奥の手をまともに浴びて生きることは不可能であった。断末魔の叫びの中、圧倒的なエネルギーに押し潰されてグリフォンは灰に帰したのだった。

 

「ッ、ガァァァァァァ!!」

 

 しかし直後、ケルベロスの口から火炎が極太のビームとなって放たれた。必殺技を発動した直後の無防備のイクサにこれを避ける術も防ぐ術もない。もはや揺るぎのない勝利を確信したケルベロスだったが、次の瞬間その顔は驚愕に包まれることになる。

 

「はっ!」

 

 イクサの行動はただグリフォンを葬るためだけではなかった。

 

 ファイナルライジングブラストは絶大な威力を誇る技だが、その分使用者への反動は大きい。鍛え上げられた全身を持ってして受け止めなければ自身も吹き飛ばされてしまう諸刃の剣でもあるのだ。現に先の健吾の戦闘では身体が耐え切れず、己の攻撃によって吹き飛ばされてしまっていた。

 

 それが前提であるはずのイクサの極意。しかしイクサは……名護はなんと敢えて地面から跳び上がるとその威力に身を任し、ファイナルライジングブラストを推進力にしてケルベロスへ急接近していたのだ。

 

「!?(何ィィ!?)」

 

 砲撃がグリフォンを飲み込むと同時にケルベロスの放つ獄炎へジェット機の如き速度で迫るイクサ。予想外の行動に驚愕するケルベロスだが、自らの炎によってイクサの姿が完全に見えなくなり、一瞬自滅したのかと錯覚する。しかし先の動きで油断ならない相手だと学んだ異形は先ほどにも増して激しい炎を口から吐き出し、この炎の中にいるであろうイクサを灰と化させんとしていた。

 

「ッ!?(な……ァ……!?)」

 

 しかし直後、炎は異形の目の前で突如として割れた。

 

 縦一閃に、まるでモーセの歩く道を開ける海のように。

 

 そして炎が裂けると同時に青空の戦士が視界に写った。

 

 その手には炎を斬り裂いたイクサカリバーが握られており、なおもケルベロスへと振りかぶられていた。

 

 それを目視できても、もはやケルベロスは反応することはできなかった。

 

 異形がイクサを認識した時点で、既にその結末は決まっていたのだから。

 

 

「ハアァァァァァァァァッ!!」

 

「ッグォオ゛オ゛ォォォォッ!!?」

 

 

 イクサ・ジャッジメント──イクサの聖剣から放たれた裁きの一撃は煉獄の炎を、そして三つ首の獣を一刀両断した。直後、ケルベロスは断末魔の叫びの中で爆炎に包まれ、跡形もなく滅び去ったのだった。

 

「な……何なんだよコイツ……っ!」

 

 左手のイクサライザーを離さないまま砲撃はグリフォンを飲み込み、右手に握るイクサカリバーはケルベロスを斬り裂き、二体の異形を無に返したイクサ。その圧倒的な力を前に怖気付いたタロースは戦意を失い、即座にその場から逃げ去ったのだった。

 

「さす、が……ししょ……や……」

 

「っ!? 健吾くん!」

 

「……」

 

 一瞬タロースを追おうかと足を踏み出しかけたイクサであったが、意識が失った健吾を優先してその足を止める。そして変身を解除し、名護は少女に呼びかけられている自身の弟子の元へと歩いていくのだった。

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

「……っ……」

 

 目を開けると共に優しい光が視界を覆い尽くす。白い天井と電灯が目に入り、更に消毒液か何かの清潔感のある匂いが鼻をくすぐる。同時に背中がふわっと包まれる感覚に気がつき、ようやく俺は病院のベッドの上に寝かされていることを認識した。

 

「健吾さんっ」

 

「麗牙……っ!?」

 

 目が覚めた俺にいの一番声をかけてきた麗牙に目をやるが、その隣にいる人物を見て俺は驚き、勢いよくベッドからバッと起き上がった。

 

「し、師匠──っつつ……っ」

 

「まだ傷も癒えてない。無理に身体を動かさない方がいい」

 

「は、はい……」

 

 そこにいたのは俺の師匠──名護啓介。信じ難いことだが、異世界からやってきた青空の会の戦士である。その実力は先の戦闘を思い返しても分かる通り、俺なんかよりも遥かに強く、愛音の纏う黄金のキバに肉薄するほどだ。また心身共に俺の知るどんな人間よりも彼は強く、戦闘としても人生としても尊敬すべき師であった。

 

「でも師匠、どうして──」

 

「今は俺のことより、君は彼女たちと向き合うべきだ」

 

「彼女……ぁ……」

 

 師匠に注目するあまり気が付かなかったが、この病室で俺を見舞っていたのは麗牙と師匠だけではなかった。俺のベッドを挟んで彼ら反対側に千聖ちゃんが、そしてそこよりも随分と離れた後方に、怯えるように震えたまま立ち尽くす花音ちゃんの姿があった。

 

「本当によかった……健吾くんが死ななくて本当に……」

 

「ごめんな、心配かけさして。花音ちゃんも……花音ちゃん?」

 

「っ……」

 

 しかし俺が花音ちゃんに声をかけると彼女はビクッと震え上がり、俺から目を背けてじわじわと離れ始めていったのだ。半泣きで息も上がり、今すぐにでも逃げ出しそうな空気を放つ花音ちゃんだったが、それを止めるように千聖ちゃんが投げかけていた。

 

「花音、こっちへ来て。大丈夫だから」

 

「っ、ぅ……わた、し……」

 

「花音ちゃん……」

 

 彼女が何を考えて泣きそうな顔をしているのかは大体察している。先の戦闘前に敵によって操られ、その手によって俺を刺したことを引き摺っているのだ。今もナイフを握っていた手を抱えてわなわなと震え、今にも泣き出しそうな花音ちゃん。しかし、そんな彼女にかける言葉はもう既に俺の中で決まっていた。

 

「ありがとうな、花音ちゃん」

 

「ふぇ……?」

 

 渋々と俺の側に来た花音ちゃんに、俺はそう告げた。お礼を言われると思っていなかったのか、花音ちゃんの目から一瞬涙が引っ込み、時間が止まったかのように動かなくなる。直後、自分の言われた言葉を飲み込んだ彼女はその真意が分からず、嗚咽混じりに俺に問い質してきた。

 

「なんで……なんでそんなこと言うの? 私のせいで……健吾くん、大怪我しちゃったのに……!」

 

「花音ちゃん、ずっと戦ってくれてたんやろ? 操られながらも必死で踏ん張って俺のこと助けようとしてくれた。そんくらい分かるて」

 

 あの元ゴースト族のレジェンドルガが言っていたように、花音ちゃんは異形の支配に耐えていた。もっと深く、急所に刺すつもりだったところを花音ちゃんに邪魔されて狙いがズレていた。花音ちゃんが頑張ってくれなければ戦闘することもできず、俺はあの場で死んでいたかもしれないのだ。

 

「そ、そうだけど……でも私、結局健吾くんのこと……」

 

「花音ちゃんが頑張ってくれたから、俺は今も生きてるんや。花音ちゃんのおかげで俺は命拾いした。だから、ホンマにありがとう」

 

「どうして……そんな優しいこと言うの……っぐ……ひっ……っ、ぅふえぇぇぇぇぇぇぇん!!」

 

 抑えていた想いが耐えきれなくなったのか、遂に声を上げて泣き出してしまう花音ちゃん。しかし、彼女のいつもの声色のような泣き声を聞いてどこか安心している自分がいた。俺の布団に顔を埋めて涙を濡らし、何度も「ごめんね」と呟く花音ちゃん。そんな彼女を宥めるようにその頭を優しく撫でながら、俺は師匠へと目をやった。

 

「師匠。お願いがあります」

 

「なんだ。言ってみろ」

 

 彼女をこんなに悲しませたのは結果として俺の弱さが招いたことだ。花音ちゃんは何も悪くない。悪いのは俺自身の弱さだ。

 ならばすべきことは目に見えている。これ以上花音ちゃんを泣かせないためにも、そして、親友の受ける悲しみを少しでも減らすためにも──

 

 

「俺を、もう一度鍛え直してください」

 

 

 ──俺はもっと強くならなければならない。

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 日の光も青空も全てを覆い尽くす薄暗い路地で、異形は静かに震えていた。その胸に抱くのは屈辱。予想だにしない敗北を自分に与えた人間に対する恨みであった。

 

「ハァ、ハァ……なんで人間なんかに……っ」

 

 本来のゴースト族は他の生命体に取り憑いて支配する存在であり、まともな魔皇力を持たないほとんどの人間にとっては対処のしようがない脅威であった。しかしそうでない魔族──主にファンガイア族に対しては彼らは打つ手がなく、故にファンガイアを嫌うこのゴーストは彼らに対抗すべくレジェンドルガとして生まれ変わったのだ。しかしその上でまさか自分が負けないと見下していた人間によって敗北を喫し、こうしておめおめと逃げている現実に異形は溢れる怒りを抑えきれなかった。

 

「くそぉ……人間……イクサ……!」

 

 もはや当初の目的であった「ファンガイアに対抗すること」とは無縁の感情をタロースは抱いていた。ただあの人間を滅ぼしたい。自身に傷を負わし、恐れを抱かせたイクサをこの手で潰したい。どんな形であれ復讐を果たすことしか考えていなかったのだ。

 

「……ふ、ふふ……」

 

 そしてタロースは思い出したかのように笑い声をあげる。自身が取り憑いていた少女の記憶、そして少年のイクサと話していた内容を思い出し、口角を醜く吊り上げていた。

 

「ライブね……ふふ……」

 

 かくして新たな目標を打ち立てた異形は人間の姿へ擬態し、そして裏路地から出て人混みの中へと姿を消したのだった。

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