ボーカルでヴァイオリニストな彼は   作:春巻(生)

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『帰ってきた男、ルーク。彼がハマったオンラインゲーム――NFOについて興味を抱いた麗牙は、偶然にも燐子からNFOのお誘いを受ける……おっ、デートか?』

「からかわないの」


第39話 いざファンタジー:GAME START

 珍しく意気込んだ様子の燐子さんに連れられて、街のネットカフェに訪れた制服姿の男女一組。放課後からネットカフェってどうなんだと思うけど、この際なってしまったものは仕方ない。受付では燐子さんが二時間予定で席を取るように店員に伝え……って?

 

「二時間っ?」

 

「は、はい……あの、もしかして……この後予定とか……ありましたか?」

 

「いや、特に無いですけど……そんなに要りますか?」

 

「はい……一時間だけだったら……多分、操作を覚えるだけで……終わってしまうから。せっかくだから麗牙さんにも……ゲームの世界観を……楽しんで欲しいなって……」

 

 予想を越える時間の確保に驚いてしまうも、燐子さんには燐子さんなりの考えがあったようだ。これ以上彼女に申し訳なさそうな顔をさせるのも悪いので、笑って彼女に案内を任せるよう頼んだ。

 

「そういうことなら。それじゃ、行きましょうか。いろいろ頼みますよ、先輩」

 

「先輩……わたし、が……? ふふ……はい……任せてください」

 

 先輩と言われたことが相当嬉しいのか、燐子さんの心から歌うような音楽が鳴り響き、足並みを早くして店の奥へと進んでいった。利用内容など受付を完全に燐子さんに任せっきりにしており何にするかあまり聞いていなかったが、どうやら燐子さんは僕たちにそれぞれ個室での利用にしたらしい。あれ? そういえば店先の看板には二人用シートなんて言うのもあった気がするけど……。

 

「二人用とかじゃ無いんですか? 僕、分からないことだらけで燐子さんに直接教えてもらえると思ったんですけど」

 

「へっ!?」

 

 僕の指摘に顔を真っ赤にして燐子さんは口を小さく開けて震わせていた。僕をまともに見ることも出来ないくらいに動揺している彼女に「どうしたの?」と声をかけると、視線を逸らしたまま彼女は先の質問の理由を教えてくれた。

 

「ぺ、ペアシートや連結シートなんて……こ……」

 

「こ?」

 

「こ……こい、びと……同士が……入る場所ってイメージが……」

 

 消えるような声で、炎が出るのではないかと思うほど全身を赤く染めて燐子さんは呟いた。なるほど。言われてみればそう考えるのが自然だ。確かに僕みたいに男性と一緒に入って恋人と思われたら、燐子さんはきっと迷惑に思うだろうから。

 

「わ、わたしなんかと……恋人同士なんて……麗牙さんにとったら……迷惑、ですよね」

「僕と恋人同士なんて周りに思われたら燐子さんも迷惑ですよね」

 

「……え?」

「……あれ?」

 

 今、似たようなことを二人して言い合った気がするけど、気のせいだろうか。しかし燐子さんが目の前で手を振って慌てる様子を見てそうでないことが分かる。互いに相手のことを迷惑かもと考えていたのがおかしくて、あわあわと目を回しそうになっている彼女には申し訳ないが僕は内心で微笑んでいた。

 

「でも確かに燐子さんも恥ずかしいですよね。恋人でもない人をそういう風に見られるの」

 

「た、確かに恥ずかしいのもありますけど……でも、麗牙さん……とてもカッコいいから……彼女とかいるんじゃないかって……だから迷惑かなって」

 

「彼女? いやいや、いませんって」

 

「そ、そうなんですか……? 逆に意外……です」

 

 それどういう意味ですか? とは口に出さず、苦笑をもって彼女に応える。僕だってまだ「恋」については勉強中なのだ。自分の中である程度の答えが出るまでは、そういう存在を作ることは出来ないのだと自分では思っている。

 

「でも、それでしたらよく僕をここに誘いましたね?」

 

「それは……麗牙さんにも……NFOしてもらえると思うと……嬉しかったから」

 

「でもこれ……既に制服デートってやつに見えなくないですか?」

 

「……っ!!? 〜っ!!」

 

 僕の指摘に今度こそ爆発してしまった燐子さんは、顔を鞄で隠してその場に蹲ってしまう。キバットからいろいろと教わる中で覚えた言葉の一つを使ってみただけなのに、まさかここまで攻撃力(?)があるとは思いもしなかった。これでは以前のブルースカイについて語り合った時も制服デートみたいだったとは言うに言えない。これ以上は彼女の全身の血液が沸騰しかねないから。

 

「ぅぅ……デート……わたしが……」

 

「あの、燐子さん。変なことを言ってごめんなさい。でもここ通路ですから、ほら、顔だけでも上げてください」

 

 余程恥ずかしいのか完全に塞ぎ込んで唸り続ける燐子さん。っていうかここまで恥ずかしがられると僕まで恥ずかしくなってきた……。自分で言っておいてなんだけどデートという言葉を途端に意識させられてしまう。しかし燐子さんには申し訳ないが、これ以上蹲られても周りに迷惑がかかるため、僕は彼女の肩を持って現実に戻ってきてもらおうとした。しかし……。

 

「ぅぅ……麗牙さん……」

 

「っ……」

 

 燐子さんが顔を上げた瞬間、僕は思わず息を飲んでしまった。

 涙を貯めた瞳をうるわせ、僅かに熱のこもった視線を僕に向けてくる燐子さん。

 小動物みたいに身体を細かく震わせ、彼女の淡い吐息が僕の腕にも纏わりつく。

 彼女の白い素肌が桃色に染まり、熟れた果実のようにも見えていた。

 そんな彼女の仕草がとても愛らしく、魅力的で……僕は心臓が跳ねるような苦しい感覚に襲われていた。

 

「っ……(燐子さんの顔を見づらい……)」

 

 顔がほのかに熱を帯びてくるのが自分でも分かる。恥ずかしい……のだろうか? いや、そうじゃないはずだけど、どういうわけか今は燐子さんのその少し苦しそうな表情を見るのが憚られてしまっていた。とても魅力的だと思ったはずの燐子さんの顔がどうにも直視できず、視線を逸らしながら僕は何とかして声を発しようとした。

 

「あ、あの……そろそろ……行きますよ……?」

 

「は……はい……」

 

「……」

 

「……」

 

 緊張まで襲ってきて僕まで燐子さんのような話し方になってしまう。どうして今更燐子さんと話すのに緊張することがあるのだろうか分からず、胸に手を当てながら考えるも何も思いつかない。やっと立ち上がった燐子さんも僕の方を見る気配はなく、二人揃ってしばらく互いに目を逸らしながら無言のまま立ち尽くしていた。

 

「……」

 

「……」

 

「……あの……そろそろゲーム……しませんか?」

 

「ぁ……そう……でした。そのために……来たんでしたね……」

 

 意を決して僕から話しかけるも、彼女に対しては一々口を開くことにさえ緊張してしまう。これでは昔の僕に逆戻りじゃないか。ただ燐子さんも当初の目的を思い出してくれたようで、非常に長く感じられた停滞と沈黙は終わりを告げ、僕らは借りている個室へと足を運んだ。

 

「麗牙さんの部屋は……わたしの隣です……。ここのパソコンには……最初からNFOが入っているので……そこから新規ユーザー登録をしてください……っ」

 

 僕を部屋に入れると燐子さんはそれだけ言い残して、そそくさと自分の部屋へと駆け込んで行った。正直、僕もまだ心臓がドキドキしているから助かったけど……うん、今日は個室にしてもらって本当に助かった。もしペアシートとかだったらまともに彼女と話せる自信がなかったから。

 

「さて……(やってみようか)」

 

 とりあえずは気を取り直してゲームだ。燐子さんも言っていたがそのためにここに来たのだから、せめてゲームを楽しんでいこうと思う。キャッスルドランの王座ほどではないが、深く快適に座れるリクライニングシートに腰をかけ、デスクトップに映るゲームの欄から目的のタイトルを見つけてクリックする。新しく開いたウィンドウには綺麗な自然の風景が広がり、立派な書体で「Neo Fantasy Online」と表記されるも、少しだけ物足りなさを感じたのでウィンドウを最大化させ、巨大なディスプレイ一面にゲーム画面を映し出させた。しかしまだ何か足りないような気がするも、そこでようやく気が付いた。

 

「あれ……って、そうかヘッドホンがあるんだ」

 

 音楽が無いことに気付いてすぐさまヘッドホンを付ける。すると、広大な自然を謳うような、壮大なオーケストラ風の打ち込み音が響いてきた。うん、これならしっくりくる、と納得したところでゲームスタートだ。

 

「(ニューゲームで……新規登録……よし、これで次は……)キャラメイク? ……そっか、大ちゃんみたいに自分だけのキャラを作れるんだ」

 

 と、大ちゃんそっくりだった彼の操作キャラを思い出しながら、僕も自分のキャラメイクを始めていく。いろいろと弄っているが、各パーツの種類はこれがなかなか豊富であり、それぞれに納得がいくものを見つけるだけで大分時間を取られそうだ。なるほど、燐子さんが一時間じゃ足りないという理由がよく分かる。割と凝り性な部分もある僕にとっては下手すればこれだけで一時間潰してしまいそうだ。しかし何とかそれなりに自分に似たキャラを作り出し、次にゲームから職業を問われた。

 

「職業……? あぁ、どう戦っていくかってこと、かな? そういや大ちゃんも言ってたっけ、この中だったら僕は……」

 

 NFOの説明を大ちゃんから受けた時、彼から「麗牙ならこれが合うと思う」と言われていた職業があるのを思い出し、迷わずそれを選んだ。さて最後は、と。

 

「名前……名前かぁ……」

 

 大ちゃんのほんのりとかぐわしい香りがする趣のある名前を思い出し、慎重にならざるを得なくなる。正直、僕はド直球に「キング」なんて名付けるつもりは毛頭ないし、本名でのプレイもお断りだ。だから、ここは特に慎重に考えないと……。

 

「(麗牙……反対に呼んで『ガイラ』……怪獣っぽいし却下……紅……『クリムゾン』……はなんか嫌だ……略して『クリム』……何故か抵抗があるな……何故か)」

 

 まさか名前に苦戦するとは思わず、時間だけが過ぎていく。しかし燐子さんを待たせているわけだし、こんなことに時間を割くわけにはいかないため、無難にそれらしい名前を付けることにした。

 

「(もういいや、『ライライ』で。ちょっと可愛いけど変にカッコつけるよりはいいかな)」

 

 大ちゃんを反面教師にしている節は見受けられるが、これなら燐子さんも気付きやすいだろう。

 キャラメイクが完全に終了したところで、ようやくゲームの幕開けだ。いやぁ長かった。ここまで二十分くらいかけてしまったが、燐子さん待ちくたびれていないだろうか。

 

 ゲーム内のキャラからある程度の説明を受けたところで、僕は燐子さんと待ち合わせ場所にしている、最初の街の広場へと向かっていった。自分の作ったキャラをそのまま自在に操作できるという体験はこれまでしたことがなく、初めての操作に戸惑いながらも感動を覚えていた。この画面に見える世界の端から端まで行くことが出来るのだろうか? そんな期待感を胸に秘めながら、目的の広場に到着した。だが広場には他のプレイヤーらしき名前の表記されたキャラがわんさか歩いており、ここから探し出すのはなかなか骨が折れそうだ。さて、燐子さんはどこにいるのやら……。

 

 その時、広場の中央から魔法使いのような衣装を身に纏った黒髪の少女のキャラが、僕のキャラに向かって走ってきた。どことなく燐子さんの面影を感じさせるその少女が僕の目の前で立ち止まると、突然メッセージウィンドウが開いて、僕に尋ねてきた。

 

―RinRin―

[あの、間違っていたら申し訳ないのですが、もしかしてライガさんですか?]

 

 その問いによって、僕はこの魔法使いが燐子さんだと確信した。名前も「RinRin」だし、間違いはないだろう。とりあえず返事のため、僕もキーボードを使って文字を打ち込んでいく。

 

―ライライ―

[はい。遅くなってごめんなさい、リンコさん。キャラを作るのに時間がかかってしまいました]

 

―RinRin―

[よかった、やっぱりライガさんでしたか(*´∀`*)キャラメイクに時間がかかるのは凄く分かりますし仕方がないことなので気にしないでください]

 

「打つの早っ!?」

 

 返事をしてからほどんど間を置かずにこのメッセージである。しかも顔文字まで使いこなして……もしかして燐子さん、ネットだとかなり話す人……?

 

―RinRin―

[それと先程はお見苦しい姿を見せて本当に申し訳ないです。ですけどここからは気を取り直してゲームの世界を楽しんでいきましょう! ようこそライガさん、NFOの世界へ☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆]

 

―ライライ―

[燐子さん、すごく顔文字使うんですね。意外です]

 

―RinRin―

[えっ!?Σ(・□・;)そ、そんなに意外でしたか……(。-∀-) 普段あこちゃんと一緒にやる時も当たり前のように使っているから、あんまり意識していませんでしたね( ̄▽ ̄;)]

 

 これ見よがしに顔文字だらけの文章を送りつけてくる燐子さん。普段の大人しく話す彼女からは全く想像できない意外な一面を見てしまい、驚きはすれどもどこか嬉しい気持ちにもなっていた。

 

―ライライ―

[リンコさんの新しい一面が知れて嬉しいです]

 

―RinRin―

[そんなぁ(*´艸`) テヘヘ♪ ……あ、それはそうとライガさん、『テイマー』にしたんですね。何か理由とかあるんですか?]

 

 燐子さんの言う「テイマー」とは僕がキャラメイク時に決めた職業のことだ。数ある職の中でこれを選んだのも、大ちゃんの言葉があったからだ。テイマー……要はモンスター使いだ。多くのファンガイア族やドラン族、更にキバット族やウルフェン族たちなど、様々な魔族に囲まれている僕にはお似合いの職業だと大ちゃんは言ってくれた。確かにそれなら今の僕の立場と似ているなと納得していたから、彼の言葉に準じて今回はこれを選んだ……なんて正直に燐子さんに言えるわけないか。

 

―ライライ―

[知り合いが、僕ならこれが似合うって言っていたのを思い出して]

 

―RinRin―

[そうなんですね。テイマーはなかなか癖のある職業で本来は初心者向けでは無いんですけど、ライガさんなら案外いけそうな気がします( *• ̀ω•́ )b グッ☆]

 

「あ、初心者向けじゃないんだ……」

 

―ライライ―

[大丈夫ですかね? なんだか急に不安になってきました]

 

―RinRin―

[大丈夫ですよ。わたしも付いていますから安心してください!(๑•̀ㅂ•́)و✧マカセロッ]

 

―ライライ―

[すごく頼もしいです。頼みましたよRinRin先輩]

 

―RinRin―

[せ、先輩……(*ノ∀`*)ゞェヘヘ★ はい、任せてください! では早速ライガさんの冒険を始めていきましょう! (●´A`)o” エイ (●´A`)o” エイ (●´∀`)ノ” オゥゥゥ!!]

 

―ライライ―

[顔文字かわいいですね]

 

―RinRin―

[(ฅωฅ♥)照]

 

 本当にこれを打ってるのがあの燐子さんだと今でも俄かに信じがたいが、見ているだけで非常に微笑ましいのでこのままでもいいのかも知れない。画面越しだとここまで思っていることを素直に話してくれる燐子さん。本当は現実でももっと話してほしいところだけど、それを無理強いするのは彼女にとって必ずしもいい方向に働くわけではない。今のままでも燐子さんは十分に魅力的だから。

 

「(って、またさっきのこと思い出しちゃった……)ふぅ……さて、どんなものか」

 

 この後、僕は燐子さんもといRinRin先輩に先導されながらゲームの世界を堪能していくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

―RinRin―

[ライガさんはテイマーですから、まずはモンスターと出会って従わせる必要があります。始めたてのライガさんに必須のモンスターは──]

 

[職業によって取得できるスキルは大きく違ってきます。ライガさんの場合まずレベルを上げるべきスキルは──]

 

[やりましたね((o(^∇^)o))これでテイマーとしての第一歩を踏み出せました。あ、ちょっと今のモンスター見せてもらっても良いですか? あ、このモンスターやっぱりいいスキルを──]

 

[流石ライガさん覚えるのが早いですね。わたしも先輩として鼻が高いですヽ(*´∀`)では早速次のクエストに行きましょう。ライガさんが次に進めるのは──]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―ライライ―

[そろそろ時間ですかね]

 

―RinRin―

[あ、本当ですね。もうこんなに時間が経ってたんですね。ゲームの世界にいるとつい時間を忘れてしまいます]

 

―ライライ―

[本当ですね。二時間って気がしません]

 

 入店してから既に二時間が経とうとしていたが、既に一日分を過ごしたような濃い時間に感じられた。時間が長く感じたとかではなくて、体験した密度という意味で一日分だ。体感でいうなら三十分ほどか、それでも確かにキャラメイク含め時間を忘れさせるほどの魔力があるのは分かった。燐子さんが丁寧に……それはもう圧倒されるほどの長文と共に至極丁寧に教えてくれた甲斐もあり、NFOの面白さというのは何となく分かった。この広大な世界観の中で魔法やモンスターと触れ合い、それぞれのキャラに巡らされたストーリーを追い、同時に現実の人とも交流できるというコンテンツは確かに面白いものだろう。

 

「(大ちゃんがハマるのも、まあ分からなくもないかな。いや、でもアレはやりすぎだよ)」

 

 燐子さんからNFOの説明を受けて分かったのは、大ちゃんが異常だということ。あの時はよく分からなかったが今なら分かる。武器レベマックスとかスキルマとか、一つのものに関して極めるのにも相当の運と努力と金額が必要になるのに、彼はそれを全て極めてしまっている。一体どれほどの労力をこのゲームに費やしたのやら……。今日は大してストーリーを進められたわけではないが、少なくとも大ちゃんの凄さが分かっただけでも良しとしよう。あと、燐子さんとも少しだけ近づけたことも。

 

 そんな感じで燐子さんにも解散を告げようとした時だった。僕たちが今いるのは最初に集合したエリアであり、そこに一人のプレイヤーがログインしてきたのだ。

 

「っ(んんっ!!?)」

 

 声を上げなかったのは奇跡だろう。何故ならそのキャラを僕は知っていたからだ。そもそもNFOを今日初めてプレイする僕が知っているキャラクターなんてRinRin先輩を除けば一人しかいない。

 それは他でもない、僕にNFOの存在を教えてくれた「†ルーク†」その人だった。

 

―RinRin―

[ハッ!? ま、まさか……あの人は……っ!((((;゚Д゚);゚Д゚);゚Д゚);゚Д゚))))]

 

―ライライ―

[知ってるんですかRinRin先輩!?]

 

 大ちゃんの†ルーク†を目の当たりにした時、RinRin先輩が震えるようなアクションと共に驚くようなメッセージを出した。当然気になって尋ねると、RinRin先輩は飛び跳ねるアクションを取って説明してくれた。

 

―RinRin―

[ライガさん! わたしたちは今、伝説の目撃者ですよ! 彼こそ、このNFOの世界においてその名を知らない者はいない伝説のプレイヤー『†ルーク†』さんです! 数々のイベントにおいて単騎にもかかわらずトップの座を掴み取るという前人未到の偉業を成し遂げた最強のプレイヤーであり、あらゆる武器も称号も全てを手にするNFOマスターです! 正にNFO界における生きる伝説ですよ! はぁ……まさか実際にゲームの中で見ることができるなんて……(OoO;)]

 

―ライライ―

[そうなんですね……]

 

「(そ……そんなに……)」

 

 大ちゃん……本当に君旅先で何やってたの……。いや、職務は全うしてたんだろうけど、どこで休憩してたの? もしかして休息の時間全部NFOに費やしてないよね? 寝る間も惜しんでゲームしてないよね?

 そんな風に友の生活習慣に心配をし始めた時、†ルーク†の頭上に「!」と表示されるアクションが入る。何かに気付いたのかと思えば彼はこちらに……僕の方へと近付いてきた。

 

 そして……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―†ルーク†―

[お前……麗牙だな?]

 

「なんでだぁぁっ!!?」

 

「きゃっ!?」

 

 速攻でリアルの顔がバレて今度こそ我慢出来ず反射的に叫んでしまった。いや確かに色々と判断材料が揃ってるから大ちゃんなら断定できてもおかしくはない。筋肉ばかりが強調されるがこう見えてかなり頭が回るのだ大ちゃんは。

 

―RinRin―

[ラ、ライガさん……もしかして†ルーク†さんとお知り合いなんですか……?(((( ;゚Д゚)))]

 

―ライライ―

[知り合いといえば知り合いですけど……]

 

―†ルーク†―

[リア友だ]

 

「(どこで覚えたのそんな言葉!?)」

 

 僕今までの人生で一度も使ったことないよそんな言葉。大ちゃんはどうやら僕よりもネットの世界に詳しいファンガイアになっていたようだ。

 

 

 

 

 そして後日、恐らく世界最速のオフ会が開催されることとなってしまった。




アンケートですが、もう少しの間掲載します。

次の話のうち、あなたのお気に入りのエピソードはどれですか?(キバ初変身回は除外しています)

  • 第15〜17話(ガルルフォーム回)
  • 第18〜21話(キャッスルドラン回)
  • 第22〜25話(バッシャーフォーム回)
  • 第26〜29話(イクサ回)
  • 第34〜37話(ドッガフォーム回)
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