あれきさんだー!〜魔法学校生徒会がお送りします〜 作:るーえとるー
時間をドブに捨てるかもしれないし、しないかもしれない⋯⋯?
Episode.0 こうして世界は平和になった
この世界はとうの昔に分岐している。それは人間が現れた時か、巨大隕石が地球に衝突した時か、地球が誕生した時か⋯⋯そもそもこの宇宙が誕生した瞬間か──それは定かではないが、世界というものは鏡を合わせたように無限に連なり、そして決して交わることのないものということだ。
これは、その無数の世界の一つ。我々の住む世界とは全くの別物の世界の話だとご理解いただきたい。
あれきさんだー!〜魔法学校生徒会がお送りします〜
魔術とは、はるか昔から研究され続け、呪文や魔法陣を介し自らの魔力──マナや空間に存在しているマナを操り、爆炎を撒き散らす、風雨を操る⋯⋯さながら天変地異といったあらゆる事象また自らの想像を具現化するものである。
科学とは、はるか昔から研究され続け、蓄積された知識、経験が体系化されたものである。あらゆる事象、想像を具現化することはまだできない。
人々は科学と魔術に目をつけた。その二つは発見から長らく研究され続け発展している。しかし、科学の発展は魔術の発展に比べ劣っていると言わざるを得ない。とある時期から急速に魔術の研究が盛んに行われ、逆に科学の研究は進まなくなった。とある時期⋯⋯人類は気がついてしまったのだ。
魔術が戦争においていかに有用であるということに⋯⋯!
あらゆる事象を具現し、天変地異を操る魔術の殺傷能力は計り知れない。そして、それに対する防御性や兵士などの回復の容易さなど挙げればキリがない程の有用性がある。
各国は戦争のために魔術を研究し、それはもう他国に遅れをとらないようにと必死という表現が生ぬるい程に研究した。当然である。遅れをとれば国が滅びる。いともたやすく魔術で葬り去られる。そんな事は目に見えて明らかだったのだから。
──そして現代。今も魔術は大いに研究され、各国は激しい攻防でせめぎ合い、地球は戦火に包まれて──いない!!
そう!戦火に包まれてない、つまり戦争など起こっていない!これっぽっちも起こっていないのだ!
各国に負けないよう必死、いやそれ以上に魔術の研究をした。一つの国の例外もなく!その結果、何があったか⋯⋯そう、魔術の技術がいくところまでいってしまった!
各国の、今見たらドン引きするくらいの研究によって魔術は『世界の創造及び隔離』という域まで達してしまった。
そして、一斉に我に帰った。「これもう戦争なんて必要ないしそもそも起きなくね?戦争が起きる理由なんて無くね?」と。
土地が欲しい?じゃあ創ろう。絶対に国を守りたい?じゃあ隔離しよう。世界を支配したい?じゃあ勝手に世界を創ろう。
あれよあれよと各国の問題は解決、平和な世界へ一直線だった。
もう一度言おう。戦争など起きていない。加えて言うならこの先起こることもない。今の世界情勢を簡単に表すのなら「みんな仲良く手を繋いで遊びましょう」みたいな感じ。
そうして戦争の危機がなくなったことでようやく科学の研究もすすみ発展したわけだが、まぁ明らかだが、まだまだ魔術には遠く及ばない。と言っても普通に生活は豊かになったし、インターネット環境などは揃っているし、電車や高速道路など交通網も当然揃っている。ただ、魔術の進歩が凄まじすぎて、科学が浅く見えてしまうだけなのだ。
そうして台頭してきた科学は生活する分には十分な技術があり、魔術は生活すると言う面ではいささか面倒な点がある。こういった理由で科学は生活の中心にあり、魔術はなんというか現代において無かったら無かったで困らないし、かと言ってあったら戦争回避以外に正直価値がない、などと評価され正直よくわからない立場あった⋯⋯。
──そんな平和な世の中だが。
私立華叡魔術学園の生徒会室では、こんな会話が日常的に交わされていた。
「会長⋯⋯『戦争』しましょうか」
別世界線とは、私達が生きるこの世界とは違う。しかし、鏡合わせのような世界で地理などは同じである。つまり、日本もあればアメリカもある。
ただ、今の世界に魔法というものが加わりそれが原因で争う必要がなくなった。みんなハッピー。