音撃戦隊バングドリーマー   作:作者アアアア

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お知らせ
アンケートは来週まで

また来月頭頃に
白銀の戦士、ドリーマーホワイト
黒曜色の戦士、ブラック
の二人が参戦予定。
片や六人目の音撃戦隊のメンバーとして、片や音撃戦隊に立ちはだかる新たなる敵として登場し、活躍をします。
また、新しいコドウも四体登場。


9thLive お願いマッスル

「音撃戦隊?」

「はい、例の五人組がそう自称し始めそうです。音撃戦隊バングドリーマーと」

「音撃って……知性を感じませんわね……」

拠点である玉座の間で会話をしているシーとウィンド、そこへ横で話を聞いていたライトとクラムも参加する。

「だが、名前があるだけ分かりやすいな」

「音撃戦隊……ちょっとだけいいね」

「ちょっと?」

「うん、戦隊って響きがいいんだけど……音撃って何?」

「さぁ……私には何も……」

「皆~」

その会話を無理矢理遮って勝手にコナモが乱入してきた。

「皆に朗報だよ」

「朗報?」

「じゃん!」

口で効果音を言いつつ、ギターの形をした大斧を見せつける。

「それは?」

「ギターの形をした斧だから……ギターアックス!」

コナモは喜々と語りだす。

「まずはね、ここ! バレットを挿して変身出来るし、刃を閉まえばギターみたいにギュインギュインのズドドドドってなるし後々……」

「音撃戦隊の真似ですか?」

コナモの熱弁を無理矢理止めウィンドが聞く。

「いや、コナモ達にも音撃戦隊が出来るって話だよ」

「私は嫌ですわよ。そんな貧弱で美しくない装備を持つのは」

「俺もいいな。自分の腕前、これが一番良い武器だからな」

「ふーん、でもコナモには手の平を返す光景が見えるよ」

「……なんですって?」

ウィンドとライトも各々の感想を述べ、コナモが煽り出したため、シーが話を変えるために聞く。

「待って下さい、コドウはどうしたのですか? 音撃戦隊の真似でしたらいるはずですが」

「現在、作製中!」

「ではもう一つ、誰がそれを使うのですか?」

「現在募集中! でも、見つからなかったら適当な人間に洗脳教育をするつもりだけどね」

「そうですか」

シーは淡々と返すと、クラムは期待している目で聞く。

「もしかしたら僕らに新しい仲間が出来るって事⁉」

「まー……ありえなくはないかな」

「それはいいなぁ……」

クラムは嬉しそうに思いにふけって新たな仲間の誕生の可能性に期待をしていた。

 

 

 

流星堂では今日も地下蔵で練習をする為に、ポピパの面々が集まりだしており、後は香澄と沙綾だけになっていた。

「香澄の奴、遅いな……いつもなら最初に来るはずなのに」

腕を組んで待っていた所へ沙綾が入ってくる。

「皆お待たせ~」

「あ、沙綾ちゃん」

「後は香澄だけだね」

「そうそう、今日は差し入れもあるよ」

そう言いつつ沙綾は手にしている紙袋を頭の横にまで上げる。

「ホント⁉」

「お、だったら私は何かジュースでも探してくるか」

沙綾の差し入れに有咲は、立ち上がると蔵を出て行く。

りみは目を輝かせ、袋を見つめ、開かれたそれに手を突っ込む沙綾に釘付けになる。

「りみりんはこれでしょ?」

「ありがと~!」

沙綾から差し出されたチョココロネを手にすると、惚悦の顔で食しだす。

「おたえは何かいいのはある?」

「う~んそれじゃあ……」

たえがパンの吟味をしている頃、有咲はペットボトル片手に蔵へ戻ろうとしておりそこへ香澄がやって来た。

「有咲~」

「香澄おせーぞ」

「ごめんごめん、宿題がちょっと長引いちゃって……」

「お、お前が一人で宿題だと⁉」

『私がさせた』

その時、香澄の肩にポップが現れて事を話す。

「させた? 何でだ? 私なら色々教えてやれたが……」

「補習が原因で戦線に出れず、負けたら死ぬに死にきれないからな」

「あー! ポップそこまで言う事ないじゃん!」

「まあ、ポップの言う事も分からなくもないが私なら色々教えてやれ……」

有咲が何かを言おうとしたその時

「有咲ー!」

「何だ⁉」

蔵から沙綾の悲鳴が聞こえ、二人は体を一瞬震わせる。

「行ってみよう!」

「ああ!」

 

 

 

「さ、三人共……」

「な、何だこれ……」

香澄と有咲が見たのは肥満と言う言葉がぬるく聞こえるほどに太った三人の姿だった。

「か、香澄ぃ……有咲ぁ……」

「コロネ~……」

「う~ん……動けない……」

「皆!何があったの⁉」

香澄の言葉にたえが切れ切れに話す。

「食べたら……何か太った……ブフー……」

「何か?」

「まさか、沙綾のパンか?」

「さーやそんな事しないよ!」

有咲の独り言に香澄は怒る。

「分かってる! 取り敢えず皆を起こすぞ。横にしてたら苦しそうだ」

「そうだ! 皆に連絡しないと!」

香澄はスマホを出して手早くメッセージを送ると三人の救助を始めた。

『今、パンを食べると太っちゃうよ!(エクスードのせい?)』

 

 

 

「蘭~そのジャケットいつも着てるよね~どうしたの~」

この日、アフターグロウの一同はCircleで練習をしており、今は休憩の為にカフェスペースでくつろいでいた。

「まあ、こころがあたしの為に作ってくれたから一応」

蘭も含めたメンバー全員はあの日以降は、音撃戦隊の制服と言っても過言ではないジャケットをどこかしらに身につけて生活をしていた。

流石に学校では無理だが。

つぐみも、背中に描かれた『our sky』の字をまじまじと見つめる。

「ねぇ蘭ちゃん、このアワースカイって言うのは?」

「ああ、こころが勝手につけたやつだよ」

「私達の空かぁ……うん! すごくいい!」

「つぐみも? あたしもそう思ってさ」

「もしかして、気に入ってる?」

「いや、そんなんじゃ……」

「いいな~、あたしも欲しい~」

「モカだと確実に背中の文が変なのになると思う」

「ひどいな~」

「所でひまり、さっきから黙ってどうしたんだ?」

三人が盛り上がっている中、お喋りなひまりは会話に入らず、雑誌に小さく書かれている広告に目が釘付けになっていた。

「う~ん……」

「ともちん、ひーちゃんの事だから、明日の夕飯はケーキワンホールか特大おはぎにしようか迷ってるんだよ~」

「そうなのか?」

「違ーう! これだよ!」

ひまりは叫んで、雑誌のページを皆に見せつつ、問題の部分を指す。

『一日で効果アリ⁉ 軍隊と同等の筋トレメニューをこなして鍛えよう! スパルタンK!』

「何だこれ?」

「最近、お腹が出てきたような気がして……」

「そりゃあ、モカちゃんがカロリー送ってますから」

「もー! モカのせいだよ!」

プリプリと怒るひまりにモカが得意げな顔で語りだす。

「ですがですが……そんなひーちゃんの為に~」

「な、何?」

「もうワンカロリー送りまーす」

「それってどういう……」

「お待たせしました」

ひまりの疑問に答える前に店員が来て、モカの前に生クリーム、フルーツたっぷりのケーキを置いていくとお辞儀をして去っていった。

「お~、来ましたか~」

「そ、それはメッチャフルーツケーキ!」

「いつの間にか頼んだんだ?」

「秘密~」

モカは一緒に来たフォークを握るとケーキの先を切り、刺すとゆっくりと食べ始めた。

「あ~ん」

「モカ~! 私を惑わさないで!」

「何の事~? モカちゃんはただ楽しく、頂いているだけのにね~」

「その態度だよ!」

見せつける様に一口一口を入れていくモカにひまりは終始悔しそうなするしかない。

「あ~美味しいな~買ってよかったな~」

「も~モカ!」

「?」

わざとらしく感想を言いふらしてひまりを煽るモカだったが、巴はそのモカの声に違和感を覚える。

「今、食べないなんて損だな~」

「おいモカ」

「ともち~ん何?」

「お前……声が野太くなってないか?」

「え~?」

今度はモカの体に僅かに異変が起き始めつぐみは目を細めて聞く。

「モ、モカちゃん太った?」

「モカちゃんは太りませ~ん。ひーちゃんにカロリー送ってるからね~」

当人は微塵も気づいておらず、異変は目を細めずとも分かるぐらいに進行していった。

「モ、モカ?」

「何だか体が暑いな~」

吞気に手で風を扇ぐモカに蘭が叫ぶ。

「いや気のせいじゃない! モカが太りだしてる!」

「蘭までも~そんな事言って~」

ヘラヘラしながら背もたれに掛けたその時

バキィッ!

背もたれの粉砕音と同時にモカが思い切り後ろに倒れる。

「大丈夫か⁉」

背中を打ち付けたモカが叫んだ。

「うわ~」

気の抜けた叫びと同時に体の肥大化が一気に進行。

顔、四肢、胴全てに脂肪が一気に付き、腹は三段腹と言う言葉が生易しく聞こえるほど、腕と太股もブクブクになり手足が小さく見るほど。顔に至っては脂肪が付きすぎて、首と顎の境目が分からなくなってしまってる。

「モカ! どうしちゃったの⁉」

「くるぢいー……」

困惑している中、更に周囲では悲鳴と椅子の壊れる音がしだし、周囲を見渡す。

「今度は何だ⁉」

「他のお客さんも太りだしている⁉」

この常識的では無い光景に蘭は巴に言う。

「巴、これって……」

「ああ、確実にエクスードだな」

その時、蘭のスマホから着信が発せられる。

「もしもし」

『私よ』

「湊さん? ……何か声野太くなってません?」

『貴女、今日Circleに来てたわよね。会えないかしら?』

「エクスードの事ですね」

『話が早くて助かるわ 三番スタジオよ』

「分かりました。すぐに向かいます」

『それと……』

「何ですか?」

『力のある人を一人連れて来て頂戴』

「え? 何でですか?」

『これば分かるわ』

「はぁ……」

それだけ言うと通話が切られ、巴が聞く。

「何だって?」

「湊さんが話があるって、巴も来てくれない?」

「何でアタシが?」

「何か力のある人が欲しいって」

「分かった。ひまり! つぐ! ここは任せていいか⁉」

「大丈夫だよ!」

「任せて!」

「う゛ぅー……」

呻く人を協力して起こしている二人に声を掛けると蘭と巴はCircleのスタジオへ向かった。

 

 

 

「湊さん! 話って……」

蘭がスタジオの重いドアを開けて内部に入ると、服を着た肉の塊が五つ転がっていた。

「えっ何これ」

「来たわね」

塊の一つが喋り二人はそれに近づいて顔を覗く。

塊の正体はブクブクに膨れ上がった友希那だった。

「湊さん⁉ 何があったんですか⁉」

「リサのクッキーを食べたらこうなったのよ」

「リサさん? だとすると……!」

巴は友希那の言葉で周囲の肉塊の正体を悟る。

「ゴメン……皆……」

「一体……ゴフッ……何が……?」

「……見ないで……下さい……」

「た……助けて……」

残りの四つはロゼリアの変化した姿、そしてその中には巴の妹も入っていた。

「あこ!」

それに気づいた巴は真っ先にあこの方へ駆けつけ傍にしゃがむ。

「あこ! 大丈夫か⁉」

「お、お姉ちゃん……助けて……」

「待ってろ! 今起こしてやるからな!」

巴はあこの両脇を抱えると壁際にまで引きずって壁にもたれかかせる。

「今は四人を壁際にまで連れて言って頂戴」

「分かりました」

蘭も友希那の意図を読み、巴と共に手伝い始めた。

四人は巴が並べてもたれさせ、友希那だけは離れた位置に置いて蘭と聞こえない様に会話を始める。

「……クッキーでその姿に?」

「ええそうよ」

「実はモカもやられて……でもその時に食べていたのはケーキだったんです」

「クッキー……ケーキ……何か接点が?」

その時、二人のスマホからチャットアプリの通知が届く。

『今、パンを食べると太っちゃうよ!(エクスードのせい?)』

「……戸山さんも同じ目にあったみたいね」

「でもパン? 取り敢えず返そう」

『話がしたいし、公園に集まらない? 彩さんもこころもいい?』

『あたしは大丈夫よ!』

送信数秒でこころからの返信を受け取ると立ち上がるとそこへ巴が友希那の傍に座る。

「湊さん!」

「宇田川さん?」

「アタシにブルーローズを貸してくれませんか?」

「私の代わりに戦うの? それは出来ないわ」

「……確かに無謀かもしれません。でも、妹をこんなにされて大人しくしていられるほどアタシは真面目じゃありません。だから、お願いします!」

巴の熱のこもった台詞に友希那はある条件と共に許可を出した。

「……分かったわ。但し、一人で突っ切らない。それが条件よ」

「ありがとうございます!」

「ブルーローズはそこにある竹刀入れよ」

友希那は首を動かしてその場所に目を向ける、それに気づいた巴も竹刀入れを手に取ると蘭に言う。

「蘭、早く行くぞ」

「分かった」

「あこも助けてやるからな」

 

 

 

公園に集まった音撃戦隊の三人、それに加えて巴、ひまり、つぐみ、有咲、何故かはぐみも入れての会議が始まる。

「なあ、一つ聞いていいか?」

「あら、有咲どうしたの?」

「何で、北沢さんがいるんだ?」

「途中であったの! 皆で考えればきっといいアイデアが浮かぶに違いないわ!」

「彩先輩どうしたんだろう……?」

三人しか来ていない、友希那は戦闘不能となっている為分かるが、もう一人である彩からは全く連絡が無い。

「ちょっと、電話してみるね」

心配になった香澄は彩のスマホに電話をかけてみる。

「あっ、彩先輩ですか?」

『香澄ちゃん?』

聞こえてきたのは持ち主とは別人の声。

「あれ? どうして千聖先輩が?」

『ごめんなさい、彩ちゃん今出られる状況じゃなくて……』

その時、電話越しから千聖以外の声が微かに入る。

『彩ちゃん、ブヨブヨになっちゃった!』

『日菜ちゃーん、つままないでよー……』

『フギギギギギ……』

『ああ! イヴさん、無理立っちゃ駄目です! 足を痛めてしまいます!』

「まさか彩先輩とイヴちゃん……太りました?」

『ええ、もしかして香澄ちゃんも?』

「はい……りみりん達が……」

『そうだったの……一応病院に電話は入れたんだけど、何でも今街全体で同じ事が起きているみたいで……」

「街全体⁉」

香澄が驚いているとこころが横で声を掛ける。

「ねぇ千聖。彩は何を食べていたの?」

『こころちゃんもいるのね。そうね、ホットケーキを食べていたわ』

「ホットケーキかぁ……分かりました!」

『ええ、お互いに気を付けましょうね』

「はい! 千聖先輩も気を付けて!」

そう言って、香澄は通話を切った。

そこへ、一匹のリスがコンパクトを背負い、Dバレットを咥え走って来た。

「あっ! リスだ!」

最初に気づいたのははぐみで真っ先に飛びつくと掴んで撫でまわす。

「むぅ……苦しい……」

「はぐみちゃん、何か苦しそうだよ?」

「え? あ! ご、ごめんね!」

はぐみが力を抜くと手をすり抜け、香澄の前に立つ。

「パスカル、どうしたの?」

「彩は無理だから……香澄に持ってきた……」

そう言って、コンパクトとバレットを落として香澄の肩に乗る。

「ありがとう。……でも、誰に渡せば……」

「かーくん、はぐみが使いたい!」

「おいおい、流石にそれは危険すぎじゃ……」

「いいよ」

「渡すんかい!」

香澄の迷いなき選択に有咲がツッコむ。

「うーん……次は……」

香澄が考えていた時、遠くから人々の悲鳴が耳に入る。

「何だ?」

「はぐみ、行ってみましょう!」

「うん!」

「ああ、おい!」

こころとはぐみを追って一行は悲鳴の場所へ向かった。

 

 

 

「俺の筋肉を見ろ!」

そう叫びつつ、一体の怪人が道を歩む。

顔はどう見ても豚だがその体つきは圧倒の一言。盛り上がり、強者の風格を見せるほどの隆々とした筋肉に二メートル程の巨体を誇っていた。

「もしかしてあれかな⁉」

「どちらにせよ、やるしかないだろ!」

香澄の台詞に巴が堪え、横一列に、こころ、はぐみ、香澄、蘭、巴が並ぶと全員が揃って叫ぶ。

「音撃チェンジ!」

一瞬で姿を変え、立ち向かう五人に対し、有咲、ひまり、つぐみは物陰に隠れ、様子を伺う。

「この……喰らえ!」

豚怪人は、懐から、白い粉を握りしめると振り撒いた。

標的にされていた、はぐみが避けた姿を見てひまりは何かを思いついたのか叫んだ。

「分かった! 小麦粉だ!」

「そこか!」

誰かが隠れているのに気づいた相手がひまりに向けて粉を飛ばした。

「ひまり!」

その間に巴が入り、モロに粉を浴びてしまった。

「う……ぐ……」

僅かに抵抗したが、巴もモカたちと同じ姿になってしまった。

「と、巴~!」

「巴! アイツ……!」

その光景を見た蘭は、迷わず相手に突撃していく。

「ふぅー……」

豚怪人は深呼吸すると粉を鼻の前に出す。

「ぶううううううううううう!」

鼻息だけで、粉を直線状に飛ばし、蘭とその後ろにいたこころを覆う。

「!」

「ん!」

二人はすかさず両手で口を押え、入らないようにする。

「こちとら全人類、デブにしなきゃいけないんだよ。少数に付き合えるか!」

そう叫ぶと、豚怪人はドスドスと音を立てながら走り去っていった。

「待て!」

蘭は追いかけようとしたが、身体の重さに違和感を覚え、下を見る。

「あたし、太っちゃったわ!」

こころの言う通り、蘭もまた体が肥大化していた。

殆ど吸わなかったからか辛うじて立てる程度に済んだのはせめてもの救いか。

 

 

 

Circle前にまで撤退した一行は巴を楽な体制にして今後を考える。

「巴~ごめんね~!」

泣きながら謝るひまりに巴は笑って答えた。

「気にするなって、アイツが今回の事件の犯人だって分かっただけでも、結果オーライだからな」

「こころん! 大丈夫?」

「う~ん、足が上がらないわ……速く走れないかも……」

「……」

「つぐ?」

真剣な顔で本を読むつぐみの姿に香澄が聞く。

「ねえ皆、今こそこれの出番じゃないかな?」

つぐみが見せつけてきたのはひまりが見ていた雑誌だ。

「まずは鍛えよう! あの硬くて、力持ちな筋肉に勝つには、これしかないよ!」

「ええ⁉ 今から鍛えて強くなれるの⁉」

「一日で効果が出るかもしれないだけど……それで駄目なら続けよう!」

「つぐ! 私も参加させて!」

「ひまりちゃん!」

つぐみの提案に最初に動いたのはひまりだ。

「巴も私のせいでこうなっちゃたし……だから、私が代わりに!」

「はぐみもいいと思う! ムキムキになれば大丈夫だよね!」

「み、皆やる気になってるのかよ……」

 

 

 

「ここだよ」

ひまりに連れられ、問題のスポーツジムにまで来た戦える五人。

「そういえばさ」

「何だ?」

「何で市ヶ谷さんも来てるの?」

「いや、香澄の奴一人だとやらかさないかって思ってな」

「あ~、戸山さんだからね。成程ね」

「な、何だよ」

「何て言うか市ヶ谷さんらしいなって」

「う、うるせーな」

会話をしながらジムへと入って行った。

 

 

 

「今日はスパルタンKに参加して下さって感謝する」

ジャージ姿の香澄、ひまり、つぐみ、有咲、美咲に腹筋が割れている逞しい女性が続けて述べる。

「私は担当のアイだ」

黙って話を聞く五人の周りを歩き始める。

「ここでは私が長だ! イエッサー、以外の返答は許さない!」

「い、意外と本格的だな……」

有咲が小声で呟く。

「今日は無償の一日体験だが、もし今後も続けようと言うのなら月謝はそれなりに掛かる!」

「それ、ここで言う……?」

今度は美咲が呟く。

「全員構え! 腕立て百回、腹筋百回、スクワット百回!」

突如、叫んで困惑を隠せない五人に怒鳴る。

「返事ィ!」

「は、はい!」

「返事ィ!」

「イ、イエッサー!」

ここから五人は過酷な鍛錬が始まった。

最初に言われた通りに筋トレをすると、今度はサンドバッグが用意されそれを各自、千回殴り、五百回蹴り、鉄棒が現れると懸垂百回を強いられた。

「三十分に一回、五分休憩を入れる! それまでの辛抱だ!」

この言葉の通り、休憩の時間が入ったが水の代わりに出された物に有咲が驚き、聞き出す。

「あの……これって……」

「プロテイン」

「た、確かに筋肉に良いって聞きますけど、それは体を休ませている間だけであって……」

「気合で成長させろ!」

「ええ⁉」

「め、滅茶苦茶だ……」

非常識な暴論に戦慄を隠せない美咲を他所にアイは手を叩きながら叫ぶ。

「それ飲んだら再開だ!」

「え、えぇ……」

次にやるのはサンドバッグにタックル、相手を取り押さえる訓練、技の練習をしている内に美咲と有咲は気づいた。

「これって!」

「どう考えてもプロレスじゃねーか!」

 

 

 

「五分の休憩をする!」

開始九十分、訓練は折り返し地点に入ったが五人は疲労困憊状態だった。

「うう……こんな事になるなら来るんじゃなかった……」

ひまりに至っては心が折れかけている。

 

 

「お前も少しはおかしいと思え! 何で筋トレメニューにプロレスの練習が入ってんだよ!」

「上原さん、まさか騙されてるんじゃ」

 

 

「香澄ちゃん!」

彩の声が聞こえ振り返ると元の姿に戻った四人が走って来ていた。

「皆!」

「戸山さん、それに四人もありがとう」

『リカバリーシステム、起動』

「皆、後は私達に任せて逃げて」

「分かりました!」

そう言われ、ひまり達は戦線から下がっていく。

「皆! 力を貸して!」

「言われなくともそのつもりだ」

ポップの台詞に四体も頷き、宙に浮き巨大化、五人も乗り込みロボに変形した。

「完成! クインテットライブ!」

豚怪人を覆っていた霧が晴れていきその姿を晒す。

「……ん⁉」

それを見た香澄は違和感を感じる。

「香澄、アイツあんな見た目だっけ?」

「違う! 変わってる!」

等身大では、筋肉隆々の大柄な姿をしていた。

しかし、今対峙しているのはでっぷりと出た腹に、短い豚足と手。まさに筋肉全てが脂肪になった様な変わりようだ。

「まるで豚さんみたいね!」

「ブフー! マッチョは俺だけでいいんだー!」

こころの声は聞こえておらず、豚怪人は一人で憤り、突撃していく。

短い手で抵抗するが、戦闘力が大幅に落ちた怪人にクインテットライブが遅れを取る筈も無く、

「喰らえー!」

豚怪人は悪あがきに小麦粉をまき散らすが、ロボットとなっているコドウには通用せず、斬りつけられる。

 

 

「筋肉に裏切られたあああああああああ!」

爆散し跡形も無く消えた。

その時、爆風の中から光何かが飛んでくる。

それに気づいた、胸像部分のプチミッシェルが口を開いて吸い込む。

「いて」

それが、コクピット内にいた香澄の頭の上に落ちて当たると、転がり落ちて床に落ち着く。

香澄はそれを拾い上げまじまじと見つめる。

物の正体は銅色のDバレットで力こぶがついた腕の絵が描かれており、そこの部分を押す。

『マッスル!』

「えーっと、筋肉のDバレット?」

流れた音声に香澄が疑問を浮かべていると、友希那は自分の推理を始める。

「恐らく相手は、そのDバレットの力であの姿をしていたのかもしれないわね」

「筋肉に裏切られたって……そもそも裏切られる相手すらいないじゃん」

「でも、これで皆元に戻ったね!」

相手の断末魔に苦笑いをする蘭に、彩は安堵の様子を見せた。

誰の強化フォームを見たいですか?

  • ドリーマーレッド サザンカ
  • ドリーマーグリーン ルミナス
  • ドリーマーブルー ファイヤーバード
  • イエロー ハピネススマイルカーニバル
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