音撃戦隊バングドリーマー   作:作者アアアア

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10thLive 革命デュアリズム

「人が失踪している?」

「うん、それもこの辺りだけで」

 練習後のCircleからの帰り道でリサは友希那にそう伝えた。

「……確かに怪しいわね」

「アタシの気のせいだったらゴメン、ただ気になっちゃって」

「いえ、調べる価値はあるわ。教えてくれてありがとう」

「皆には伝えるの?」

「ええ明日弦巻さんの所で訓練をするの、その時にでも言うわ」

 

 

 

「フッ!」

「クッ! ハァ!」

 翌日、地下駐車場で変身をした蘭と友希那が剣戟を繰り広げていた。

 一瞬鍔迫り合いをするがすかさず刃と刃を離し、互いに距離を置く。

 蘭は弓の弦を何度も引いて矢弾を撃ちまくるが、友希那は基本、体を揺らして、時にはブルーローズの剣先で撃ち落としながら走り迫る。

「ハッ!」

 射程圏内に入ると突きを撃つが蘭はそれを横にかわす、だが友希那は着きをひたすら繰り出していく。

 蘭はそれをバックステップで下がりながら矢弾を撃っていくが友希那は左腕で防ぎながら右手の剣で突いていくと蘭は壁際にまで追い込まれた。

「ハァ!」

 友希那は止めと腰を落として、ブルーローズを思い切り引いて力を込める。

「……セイッ!」

 しかし、急に行動を変えたのか友希那は突然構えを解いて、蘭の首に横払いキックを打ち込む。

「うわっ⁉」

 蘭は蹴りを受けて倒れる。

「終わりよ」

「……⁉」

 仰向け倒れた蘭が立ち上がろうとした時、友希那は剣を首に突き付け動きを止める。

 ビーッ! 

 けたたましいブザー音が響くと地下駐車場の光景が歪んでいき、壁床一面がマス目上が描かれた白い部屋となった。

 

 

 

「そこまで!」

「友希那先輩すごい! 全勝ですよ!」

 香澄は総当たり戦の表を見せながら言う。

 今日は全員オフの日だった為、弦巻家で五人で一対一の対人戦を行っていた。

 戦績は、二勝の蘭、一勝の香澄、白星無しの彩に友希那以外には勝てているこころ、そして全員に勝ち星を挙げた友希那。

「友希那ちゃん凄いね、何か秘訣とかあるの?」

「友希那ならとっても強いフェンシングの選手になれるわね!」

 見学をしていた三人が寄って来て称賛をする。

「私自身は大したことは無いわ、この結果も変身したから出せたものよ」

 変身を解きつつ、友希那は淡々と指摘をしていく。

「戸山さんと丸山さんは大振りが多いわ、弦巻さんは無駄な動きが多い。美竹さんは……」

「何ですか?」

「何かを考えていた様だけどバレバレよ」

「ぐっ……!」

 友希那に言われ蘭は悔しい顔をする。

「それにしてもこころんの家にこんなにすごい施設があるなんて!」

「黒服さんに皆で鍛えられる場所が欲しいって言ったら作ってくれたわ!」

「VR……だっけ? 何て言うか何でもありだね……」

「VRはともかく皆、少し話をしていいかしら?」

 友希那は昨日リサから聞いた噂話を端的に言って調査の協力を頼んだ。

「そんな事が……」

「全く、リサのアンテナの広さには驚くわ」

「けど、そんな大規模な事からニュースで何か言うけど思うけど……」

「丸山さん、テレビで毎日失踪に関する報道がされていると思っているの?」

「まぁ……そう言われると頻度は少ないですけど」

「友希那先輩! やりましょう!」

「戸山さんはやる気ね。だとしたらまずはエクスードを見つけなければいけないけど……」

 友希那が言いかけたその時、香澄の脳裏に声が響く。

『その必要はなさそうだ』

「ポップ?」

『丁度良い、エクスードだ』

「ホント⁉」

『この感じだと、駅前の方だな』

「分かった!」

 独り言を言いだした香澄に彩が語り掛ける。

「何かあったの?」

「エクスードです! 皆行こう!」

 香澄の号令に四人は頷き、現場へと急行するのだった。

 

 

 

「うわー!」

「何が起きてるの⁉」

 現場に着いた五人が見たのは、黒い禍々しい仮面をした人々が普通の人達を襲っている光景だった。

「何をしているの⁉」

「なーに、仕事だ仕事。お前らは何だお前らは!」

「あたし達は音撃戦隊! それであたしは、イエローの弦巻こころよ!」

「お前らが音撃戦隊か、だったら死んでもらうぞ! 点数、点数の為にな!」

「そんな仕事させない!」

 全員が変身アイテムとDバレットを出して叫ぶ。

「音撃チェンジ!」

 一瞬で姿を変えてそれぞれ名乗りを始める。

「キラキラのドキドキ! ドリーマーピンク!」

「この景色、忘れない。ドリーマーレッド」

「私達の歌、聞いて下さい! ドリーマーグリーン!」

「全てを賭ける覚悟はある? ドリーマーブルー」

「世界を笑顔に! ドリーマーイエロー!」

「放つは、夢と希望と光の弾丸!」

「音撃戦隊!」

「バング・ドリーマー!」

 名乗りを決めて士気を高めた所でハイエナ怪人が両手を叩く。

「お前ら足止めだ! 来い来い!」

 それに答えると、下っ端怪人のピラーが三十体程現れ、五人に襲いかかる。

 五人も武器を構え、突撃していく。

 その中で彩はコンパクトをセンターブレードに装着すると、Dバレットを出して、装填させる。

『スタンプ』

「よーし!」

 彩は気合を入れると軽くジャンプして両足で地面を思い切り踏んだ。

「それっ!」

 すると周囲のピラーの上に巨大な足が現れピラー達を踏み潰した。

「やった!」

 近くの一体を斬りつけた友希那が叫ぶ。

「さっきの人達は⁉」

「いない⁉」

「言っただろ! 足止めだ足止め!」

「成程、読めたわ」

 友希那はピラーの群れをかいくぐりハイエナ怪人の前に立つと斬りつける。

「ぐわっ!」

 何度も斬るとDバレットを取り出すとブルーローズに装填させた。

『マッスル!』

 音声が流れると友希那の腕だけが筋骨隆々になりだし、本人も剣を捨ててレスラー様な構えをとる。

「気色、気色悪い!」

 ハイエナ怪人が感想を叫びながら、突撃していくがラリアットでねじ伏せた。

「ぎゃあ!」

 ハイエナ怪人が殴り飛ばされると、友希那の腕がしぼんでいき元に戻ると剣を拾う。

「ま、待ってくれ!」

 ブルーローズを撫でながら、早歩きで迫って来る姿に手のひらを見せて命乞いをし始める。

「嫌よ」

 相手を切り上げて吹き飛ばす。

「ぐわっ⁉」

「貴方には連れ去った人達を返してもらうわよ」

 淡々と言いつつ、必殺技の準備をしていた所へハイエナ怪人が叫ぶ。

「俺は殺せば、誰も戻らないぞ!」

「……何ですって?」

「今だ!」

 戻らないと聞いた友希那の手が止まった瞬間、怪人は友希那の顔に向けて黒い何かを投げ飛ばした。

「きゃああああああああ‼」

「友希那ちゃん!」

 友希那の顔に黒色の禍々しい仮面がへばり付き、友希那は手にしている剣を落とし、千鳥足に歩きつつ引きはがそうと仮面を掴み引っ張る。

 しかし、友希那の抵抗する手の力が徐々に弱くなっていく。

「無駄だ! その仮面は俺の意志が無ければ、無ければ取る事は出来ない!」

「うわぁぁぁ……あぁ……」

 力の低下と共に声もかすれていき、彩は叫ぶ。

「友希那ちゃんの仮面を外して!」

「それで外す奴がいるか?」

「だったら力づくで!」

 香澄は剣を両手に走り出す。しかし、そこへ一発の回し蹴りが直撃。

「うわぁ⁉」

 吹き飛んだ香澄、仰向けに倒れ犯人の方を見ると友希那が立っていた。

「……」

「友希那さん……?」

 落としたブルーローズを拾い、ハイエナ怪人を守るように立ち、四人に剣先を向ける。

「彼女はもう俺の眷属だ」

「そんな……!」

「……」

 言葉を発さず、Dバレットを取り出しブルーローズに装填させた。

『スラッシュ』

 斬撃を強化させると四人に斬りかかる。

「友希那先輩! 止めて下さい!」

「湊さん!」

「友希那!」

 操られ、剣を乱雑に振り回す彼女に手が出せず、苦戦を強いられる。

「ッ!」

 こころはハッピー砲を足に向け、動きを封じる為に引き金を引く。

「……」

 何発か打ち込んで被弾したがそれでも友希那は止まる気配を見せず迫り足払い、宙に浮かばされた所をキックで飛ばした。

「きゃあ!」

「こころん! このっ!」

 香澄は後ろから友希那を羽交い締めにするが友希那は香澄を巻き込む様に後ろに倒れて潰す。

「ぐえっ!」

 すかさず起き上がり、蹴飛ばす。

「……」

 友希那は黙ってブルーローズを地面に突き刺すと荊が地を這って行き彩を縛る。

「うっ……ぐぅ……!」

「……」

 拘束した本人の前で指を鳴らすと闇色の電撃が彩を襲う。

「きゃあああああ!」

「はああああああ!」

 そこへ蘭は容赦なく切りかかるがそれを回避。

 何度も刃の付いた弓を振って、攻撃をするが軽々とかわしていき当たらない。

「……」

 蘭は振ると見せかけて、友希那の手首を掴み、弓を捨て右拳で顔を殴ろうとしたが、相手も武器を捨て拳を止める。

「……」

「うわっ!」

 飛ばされ転がされるとそこへ三人が走り寄る。

「一旦下がりましょう!」

 こころはよろめきながら倒れる香澄らに近づきDバレットを装填。

『ウィンド』

 四人の周りに竜巻が起きると全員の姿が消えた。

「逃げたか……オラ! 行くぞ行くぞ!」

「……」

 友希那は頷き、怪人と共に戦場から去って行った。

 

 

 

「皆、大丈夫⁉」

 つぐみの実家である羽沢珈琲店二階まで退いた友希那を除いた四人はつぐみから治療を施されていた。

「ありがとうつぐ~、でも友希那先輩が……」

「友希那先輩に何かあったの?」

「うん、実は……」

 香澄と会話をしていたつぐみに蘭がさっき何があったのか代わりに説明をし、それを聞いたつぐみは驚く。

「友希那先輩が……それに香澄ちゃん達も酷い傷……」

 皆の治療を終えたつぐみが下を向いていたその時、下から物音がする。

「ごめんね。ちょっと下の方見てくるから」

 つぐみが部屋から出て行ったのを確認すると、会議を始める。

「皆、戦える?」

「ごめん、私は無理そうかも……」

「私も……蘭ちゃんお願い」

「……分かった」

「あの友希那は強いわ、けれど本当の実力じゃないから隙を作れば勝てるかもしれないわ」

 香澄達は蘭に全部を託していたその時、部屋の外から騒々しい音がすると声も聞こえてくる。

「ちょっ……紗夜さん! 困ります!」

 けたたましい音と共にドアを叩き開けられると虚ろ気な顔をした紗夜と腰に手を回すつぐみがいた。

「紗夜先輩?」

『ここにいたのか』

「……! コイツ、紗夜さんじゃない!」

『友希那に会いたければ、採石場にまで来い』

「紗夜ちゃんを戻して!」

『タイマンで勝てたらな。今すぐに来い』

 紗夜はそう言うと後頭部に付いた仮面が外れ、膝から落ちた。

「紗夜さん!」

「は、羽沢さん?」

「よ、よかった~戻ってる」

「戻る?」

「すいません。あたし達はこれで」

「えっ? ちょっ……」

 状況が全く飲めていない紗夜を他所に四人は採石場に向かうのだった。

 

 

 

 香澄達の撤退から少し、連れてかれた人達は廃工場に集まっていた。

 10×10で綺麗に並んだ人衆にコナモは叫ぶ。

「みんなー! 今日は集まってくれてありがとー!」

「……」

 人々は何も言わず黙って聞き続ける。

「今日はねー! この中で誰が一番強いか決めたいと思いまーす!」

「……」

 人々はその言葉にも疑問を一切持たずただ聞き続ける。

「それじゃー配って!」

 コナモはピラーに木刀を渡すと民衆に配りだす。

 そして、全員に行き渡ると元気よく言った。

「それじゃあ……始め!」

 木刀片手に乱闘を始めた人を他所にハイエナ怪人が声を掛ける。

「なぁなぁ」

「何?」

「コイツだコイツ、どうすんだ?」

 ハイエナ怪人は連れてきた友希那を指差しつつコナモに聞く。

「勿論必要だよ。色々聞かないと」

「例えば?」

「後は音撃戦隊の戦い方を見たいからね。だからさ……」

「だから?」

「この子に殺されてよ!」

「は? ……は⁉」

 コナモの息を吐くようにバイオレンスな発言に二度も聞き直す。

「動きとか立ち回りとか見たからさ! ね?」

「ふざけんな! ……ふざけんな!」

 ハイエナ怪人はそう怒鳴ると友希那を連れて廃工場から出て行った。

 

 

 

 左腕に付いた機器で人間に化けた状態で街を彷徨う。

「クソが! クソが! どうすりゃいいんだ……!」

「あら? あれは……」

 後ろから声がするとハイエナ怪人は何か思いついたのか急いで友希那を放置して適当な場所に隠れる。

「湊さん、奇遇ですね」

「……」

 何も言わず振り返り友希那の顔を見た少女は驚きつつも普段の態度で聞く。

「湊さん、一体どうしたんですか。そんな仮面付けて」

「……」

「聞いてますか?」

「……」

「あそこ猫がいますよ」

「……」

「寝てる……? 歩きながら?」

「どこにいくの?」

「聞こえているじゃないですか……羽沢珈琲店ですが、湊さんもその仮面の事を教えてください」

「……」

「本当に何があったんですか? いい加減しないと私でも……」

 黄緑に長髪の少女にこっそり近づく。

「行けっ……!」

 彼女の後頭部に仮面が貼り付く。

「うっ⁉」

 一瞬呻くと、項垂れる。

「よし、コイツを操ってアイツらを探すか、青いの来い! 来い!」

 紗夜はハイエナ怪人と友希那に背を向けて、音撃戦隊の捜索を始め、二人は採石場に向かって行く。

 

 

 

 採掘場跡にまで来た四人、既に相手の二人は来ており腕を組んで待っていた。

「約束通り来たよ」

「……」

 友希那はブルーローズを逆手に持つと、両手で握り剣先を自身の首に突きつけた。

「下手な行動はするなよ。したら、彼女の首に得物が貫通するぞ」

「……分かった」

 それに答える為に、蘭以外の三人が変身アイテムとDバレットを地面に置くと、下がっていく。

「それでいい、それでいい」

「……」

「音撃チェンジ」

 二人は姿を変え睨み合う。

「湊さん……勝負だ!」

「……」

 蘭の一言が開始の合図となり二人は、同時に対象目掛けて走り出す。

 

 

 

 二人の死闘をかたずをのんで見守る二人に突如、白服の青年が現れて語り掛ける。

「この勝負……赤い方が勝つね」

「誰⁉」

 驚く香澄を無視して話し続ける。

「実力者同士ならいい戦いが見れると思ったけど……これじゃない感があるなぁ」

「これじゃない?」

「うん、あの青い方は怪人に操られているんでしょ? 操ってる側が本人を使いこなせるなんてそうそうないもん」

 剣戟を繰り広げる二人、だが蘭は今度は岩壁にまで追い詰められてしまう。

「……」

 勝利を確信した友希那は止めと腰を落として、ブルーローズを思い切り引いて力を込める。

「……」

 渾身の力で突くが蘭はそれを横にかわす。

「……」

「何⁉」

 そのまま勢いで岩壁にブルーローズが深々と刺さり動けなくなってしまう。

「や、ヤバい! 抜け! 抜け!」

「……」

「はああああああ!」

 ハイエナ怪人が慌てている中、蘭はフルパワーで弓を脳天へ向けて振り下ろした。

 そのまま仮面を真っ二つに割り友希那は元に戻った。

「うっ……」

「湊さん」

「やったぁ!」

 片膝をつく素顔の友希那に喜ぶ三人。

「二人同時に失せろ! 失せろ!」

 ハイエナ怪人が叫びながら走り出す。

 それを見た三人は走り出して地面に放置した、アイテムを拾い走りながら叫ぶ。

「音撃チェンジ!」

 そのまま、それぞれ武器で順番順番に攻撃。

「美竹さんの作戦を破れない様じゃ、貴方は私達には勝てない」

「貴様! 貴様!」

 跪いている怪人に五人は必殺技の準備をして、音声が流れる中構える。

「待て! 俺を殺したら皆戻らないぞ!」

「仮面を割ればいいから問題無いわ」

「場所はどうするんだ⁉」

「あたし達が探すわ!」

「そもそも、貴方の嘘は聞き飽きたわ」

 友希那の死刑宣告に全員が武器を振るうと、五つの光がハイエナ怪人貫いた。

「ギャアアアアアアアア!」

 直撃し爆散、跡形も無く消えた。

『リカバリーシステム、起動』

「来たね。行くよ!」

 蘭の号令を受け、五人はロボに乗り込む。

「完成! クインテットライブ!」

「殺す! 殺す!」

 ロボと巨大怪人の戦いが始まるが、当人の性能は大したことが無くとんとん拍子で進んで行く。

「……」

 青年はただ黙ってロボットの写真を取り続けていた。

「はああああああ!」

「グワアア! グワアア!」

 五人の必殺技を受けて爆散、今度こそ散る。

「対人、エクスード、ロボット、おかげで全部を間近で見られたよ。ありがとね!」

 青年は笑顔でハイエナ怪人がいた空に手を振っていた。

 

 

 

「貴方、一体何者なの?」

 戦いを終え、彩に担がれている状態の友希那が聞く。

「そうか、この姿じゃ分からないもんね」

 青年は、腕に付いた装置を弄ると、姿が歪んでいき本来の姿を見せつける。

「エクスード!」

 白い兎の様な怪人。それを見た香澄、蘭は武器を構え一気に警戒心を高めた。

「ああ、そんな警戒しないで、今日は何もしないから」

「貴方は何て名前なの?」

「コナモはコナモだよ」

 両手を上げてひらひらと動かしているコナモに警戒を解くつもりは無く、睨みながら会話を始める。

「どうして、人々を襲うの?」

「うーん……救済? 美談? 兎に角世のため人の為かな」

「人襲う事が人助け……? ふざけないで!」

 香澄の質問にあっけからんと答えるコナモに彩は憤怒する。

「コナモに怒らないでよ。そう言う提案を出したのはクラム様なんだから」

「クラム……それがアンタらの長の名前?」

「そうだよ、因みに英語で書くと、C、L、A、Mね」

「誰もそんな事聞いていないわよ」

 友希那は睨みながら言う。

「でも、一番大切なのはこの話だね」

「話……?」

 コナモの話と言うのに興味を持つ香澄。

「まず、コナモ達も日夜研究を重ねている」

「……」

「今回君達は、団体戦、エクスード戦、対人戦全部をやってくれた」

「……何が言いたいの?」

「色々学べたよ。こっちの戦力増強、ありがとうね!」

 その言葉に五人は目を見開く。コナモはそれに気づいていても軽々しく言う。

「だからこれからも君達の戦いを見せてもらえないかな? お手伝いもするからさ」

「それは、宣戦布告……と捉えていいかしら?」

 最初に言ったのは友希那。

「うんいいよー」

「だったら私も!」

 香澄はすかさず前に出て叫ぶ。

「私達は! 貴方達の思い通りには絶対にさせない!」

「いい宣言だね。確かに受け止めたよ」

 指を鳴らすと、笑うコナモの後ろに人一人入れる程の穴を生成させる。

「それじゃあね音撃戦隊! 次に会う時はもっとお話ししようね!」

 それだけ言うと、コナモは手を振りながら笑顔で去って行った。

「……行ったわね」

「次はどんなお話をしてくれるのかしら⁉」

 平常運行のこころと緊張の糸を取り敢えず緩めた四人。

 

 

 

「皆、もう終わった?」

 廃工場に戻ったコナモは、ピラー達の報告を聞く。

 ピラーは何度も頷き一人に指を指す。

 それを見たコナモは

「よし! 君が音撃戦士だよ」

「……」

 周囲には99人の気絶している人々、その中で佇むのは黒髪の女性。

「コドウは近いうちに入れておくから詳しい事は彼から聞いてね」

「……」

 言いながら仮面を引きはがし、サングラスをかけさせる。

「ああ後、ここでの記憶は全部消しておくからよろしく」

「……」

「最後の命令はこのまま家に帰る。だよ!」

「……」

 女性は何も言わずフラフラと家へ帰り始めた。

「さーって! もうひと踏ん張りだ!」

 コナモは自分の計画の為に体を伸ばし鼓舞するのだった。

 

 

 

「友希那! いなくなった人達が戻って来たよ!」

「そう、それは良かったわ」

 翌日、友希那はリサから失踪者が見つかった事を聞かされていた。

「ただ、皆怪我をしてたみたいで……」

「大方、エクスードがやったのでしょう」

「それと、蘭から起きた事聞いたよ。大丈夫、何かされてない?」

「平気よ」

 

 

 

 コナモの宣戦布告。

 チラつくのは新たなる脅威。

 音撃戦隊の戦いはまだ続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んじゃそろそろ休憩にしよっか」

 ある日のロゼリアの練習中、リサの号令にメンバー全員が楽器を鳴らす手を止める。

 紗夜はぶら下げていたギターを下して立て掛けると友希那に近づく。

「湊さん、今後の事でお話がしたいのでよろしいでしょうか?」

「いいわよ、カフェにでもいきましょうか」

「ああ、アタシも行くよ!」

 そう会話をしつつ、友希那、紗夜、リサの三人はスタジオから出て行き、あこと燐子の二人だけが残された。

「ふっふっふ……」

「あこちゃん……?」

 ここであこは邪な事を思いついてスタジオの隅に置かれた友希那の荷物へと近づいていく。

「りんりん、友希那さんの荷物を見るなら今の内だよ!」

「あこちゃん駄目だよ……!」

「大丈夫だって! 盗ったりしないから!」

 軽々しく言うあこに燐子は強めに言うが聞かず、友希那の鞄ではなく、立てかけてある竹刀入れに手を伸ばす。

「友希那さん最近よく分からない棒を持ってるから見ちゃおっと!」

 竹刀入れを開けて、柄の部分を掴んで取り出すとその正体を見てしまう。

「あれ⁉ これって……!」

「あこちゃん、それって真剣……⁉」

「ち、違うよ!」

 手にしたのはドリーマーブルーの装備であるブルーローズ。

 あこはブルーローズを手にしたまま弁解をする。

「最近、音撃戦隊って言うのがいるでしょ? その人が使っている剣だよ!」

「何で友希那さんが……⁉」

「もしかして……友希那さんって……」

 ガチャンッ! 

 スタジオと廊下を隔てる防音性の重いドアが開けられた音がして二人がそこを見ると友希那が目を見開いて立っていた。

「ゆ、友希那さん……!」

 燐子は目をひたすら動かして辺りを見渡すと、椅子の上に友希那のスマホが置かれていた。

 それを見た燐子は友希那から目を離さずに忍び足で椅子に近づいてスマホを手にすると後ろからこっそりと渡す。

「ゆ、友希那さん……スマホ……忘れてますよ……」

「ええ、ありがとう」

 友希那は普段と変わらない抑揚で言って淡々と受け取る。

「あこ……貴女……!」

「友希那さんって……」

ポピパの楽曲と言えば?(採用されたものがフォーム名になります)

  • STAR BEAT!~ホシノコドウ~
  • 二重の虹(ダブル レインボウ)
  • キズナミュージック♪
  • Returns
  • ティアドロップス
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