「友希那ちゃん……目を醒まして……!」
「目ならとっくに醒めてるわ」
それだけを言ってエクスードであるはずのウォップの元に向かい去ろうとしたその時、ウォップが何かを思い出したのか友希那に提案を出す。
「あ、そうだ。音撃戦隊の始末を誘われてるんだった」
「……そうなの?」
「うん、だからさ」
ウォップは笑顔で友希那の手を取ると彼女の手の平にDバレットを乗せる。
「よろしくね♪」
「……」
ウォップからDバレットを受け取ると一旦、ブラックローズバレットを抜き受け取った方をブルーローズに装填させた。
『サンダー!』
四人はそれぞれ頭や横腹を抑えながら立ち上がり友希那の様子を見る。
「ゆ、友希那ちゃん……?」
『ロゼリア……ラスト……アタック!』
待機音が流れている中、ブルーローズを深々と地面に突き刺した。
「来る⁉」
「皆逃げてええええ!」
彩の悲鳴と同時に四人は一斉に背を向けて走り出す。
それと同時に、黒く光る荊が一向に向かって地面を裂きかねない程の勢いで迫って来た。
黒い稲妻を引き起こしながら迫る中、四人はただかわしながら後ろも向かず走る。
そして、一際大きな稲妻が発生すると大爆発。四人は爆風に巻き込まれて、吹き飛ばされていった。
「うわあああああああああ!」
煙が立ち込め、徐々に晴れていくとそこには四人の姿は無かった。
「あいつら死んだ?」
「……逃げられたわ」
「そっか」
逃げられたがウォップはさほど興味はなく、友希那に向いて笑顔で話す。
「それよりもさ友希那。さっき言ってた新生ロゼリアの話なんだけどさ」
「一応、聞いておきましょうか」
「うんうん、まず私がギターでしょ? メンバーは後から……最悪私だけでもいいとして……」
「バンドは最低でもベースがいないと成り立たないわよ」
「そんなの打ち込みでいいじゃん。私は友希那とバンドしたいんだから」
「……」
一人喜々としているウォップの姿に友希那は仮面の裏で心底うんざりしていた。
羽沢珈琲店、この日の昼下がりは人があまり来ず店先ではつぐみ一人だけだった。
そこへ勢いよくドアが開く音がしてつぐみは普段通りに接客しようとした。
「いらっしゃいま……」
だが、満身創痍の四人がなだれ込んで来た途端、それを止めて駆け寄る。
「蘭ちゃん! 皆!」
「つぐみ……」
床に片膝を付く蘭につぐみは血相を抱えたまま聞く。
「一体何があったの⁉ それよりも治療をしないと!」
「つぐみ……リサさんを呼んでくれない? 急ぎで」
「リサさんを? 分かったよ!」
数分後、四人はリサに連絡をして店奥から救急箱を持ってきたつぐみの治療を受けていた。
店内のテーブルを繋げて椅子に座って傷を治しつつ、つぐみは改めて聞き出す。
「それで皆、何があったの?」
「突然、友希那があたし達を攻撃してきたの!」
「友希那先輩が……⁉」
こころの台詞につぐみが驚くが、香澄が横からフォローを入れる。
「で、でも友希那先輩、また操られているだけかもしれないし!」
香澄が行っていたその時、またしても勢いよくドアが開く音がしてその方を向くと息を切らしたリサが立っていた。
「皆! 大丈夫⁉」
「うん、いまつぐみちゃんに治してもらっているんだけど……」
「待って、アタシも手伝う!」
施しにリサも参加し、治療は早く進んで行った。
頬に湿布、額や鼻に絆創膏を貼り、腹に包帯を巻き傷を隠して六人は会議を始める。
「ねぇ、香澄ちゃん。さっき友希那先輩が操られているって言ってたけど、それって何?」
「うん、この間紗夜先輩が部屋に乗り込んできたときがあったでしょ? あの時も操られていてて、それで友希那先輩もそうだと思ったんだけど……」
「けれど友希那ちゃん、私の目は醒めているって言っていたし……まさか……」
「そんなはずがない!」
彩の言葉にリサが下を向いて怒鳴る。
「……ゴメン。でも、友希那にも何か考えがあるんだと思う」
「だとしたら一体何を考えているんだろう……」
「アイツ……確かロゼリア推しだったよね」
蘭の言葉に全員が顔を向ける。
「もしかしたら湊さん、アイツの言う事を聞かないといけない状況になってるんじゃないかな?」
「あ、ごめん」
その時リサのスマホから着信音がなり、一言謝ると画面に目を向ける。その間に香澄が思う事を聞く。
「エ、エクスードが人を強請る? そんな事ってあるの?」
「いや、蘭の推理もあながち間違ってないかも」
リサは言いながら五人に自身のスマホの画面を見せつける。
『グループロゼリアから湊友希那さんが外されました』
「何これ……」
「これって……ロゼリアのチャットページから友希那先輩が抜けたって事ですか⁉」
「多分、アイツがやったんだと思う」
「もしそうだとしたら、友希那を助けないと!」
決意を固めるリサだが問題は山積みだ。
「じゃあまずは友希那先輩を見つけないと!」
「でもどうすれば友希那ちゃんに近づけるのかな?」
「会えたとしてもアイツが確実に近くにいるはずだし」
香澄の次の行動に対し彩と蘭が少し考え、彩が思いついたのか考えながら言う。
「う~ん……エクスードの気を逸らしている内に……話すとか?」
「あのエクスードがロゼリア以外で夢中な物かあ……」
「いや、それよりもアイツの能力をどうにかしないと、今のあたし達なら返り討ちに会うかもしれませんよ」
「あ……そうか……」
彩の案でもどうにもならない事を悟り一行は下を向く。
沈んだ空気の中で一人を除いて項垂れている中、こころは鼻歌を歌いながら懐から何かを取り出す。
「ふーんふーんふふーん♪」
「こころん! それって!」
こころはテーブル上にハッピー砲とスマイルバレットを広げる。
無くなったはずのそれに全員が驚き、こころは笑顔で言う。
「皆が落ち込んでいるみたいだったから、ハッピー砲で何かできないか思って出してみたの!」
「盗られなかったの⁉」
「ええ、友希那はあたしの事を見逃してくれたみたい!」
「でも、川に落としたんじゃ……!」
「あら? そんな事言ったかしら?」
こころは彩の疑問に首を傾げると困った顔になり言った。
「でも、さっきので川に石を落としてしまったわ」
「あの音は石だったんだ」
唯一の抵抗手段が辛うじて残っていた事に喜ぶ一行。だが、それを一番喜んでいたのは他でもないリサだった。
「こころ、ナイス! それでさ……それ、アタシに貸してくれないかな?」
「いいわよ! プチミッシェル、リサのお手伝いをしてあげて!」
『はいはーい』
こころの指示にプチミッシェルが気だるげにこころの身体から現れ、リサの肩に乗る。
「話は全部聞いていたよ。それじゃあ、リサよろしく」
「うん! よろしく!」
一時的にパートナーになったプチミッシェルを撫でて、こころの装備一式を手にしてポケットにしまう。
「これからどうするんですか?」
「そのエクスードを探す。友希那の居場所、もしかしたら友希那にも会えるかもしれないし!」
「それじゃああたし達は、アイツの能力と攻略法を調べてみます」
立ち上がり行動を開始し始めるリサは香澄に聞く。
「能力?」
「あのエクスード、よく分からない攻撃をするんです」
「よく分からない?」
「相手に攻撃をしようとしたら何故か目の前が変わっているんです」
「その直前に何かあったりした? 例えば、目の前を何かが横切ったとか」
「いえ、それもありませんでした」
首を横に振る香澄だったが、気を取り直してポケットに手を入れる。
「あ、後私達のDバレットを貸します!」
そう言って四人はポケットからDバレットを出してリサの前に広げる。
「うわっ! 多! 友希那と彩だけだった頃はこんなにもなかったよありがとね行ってくる!」
リサは笑ってDバレットを回収すると店から出て行った。
『香澄、少しいいか?』
「ポップ? いいけど……」
香澄が呟くと彼女の中からポップが出現し、テーブルの上に着地した。
「バラネコは何をしているんだ?」
「え?」
「これだけの異常事態だ。彼女の性格を考えたら確実に我々の元に駆け付けるはずだ」
「友希那先輩を助けて欲しいって?」
「ああ、だがそれが無いとなると……」
「じゃあバラネコは……」
「自信を持って言えるのは、相手はかなり考えて動いているみたいだ」
「♪ ~~♪ ~♪」
ウォップが用意したスタジオで友希那は普段通りに熱唱をしていた。
ウォップも人間の女性に化けてギターを大げさに振り回しながら適当な演奏をしており、ドラム、ベース、キーボードは打ち込みで虚しいだけの音楽が響いているだけだ。
「……ふぅ」
「……満足したかしら?」
「ううん全然。新生ロゼリアの為にも、もっともっと演奏をしないとね!」
「はぁ……」
呆れながら首をさする友希那の首には輪を書くように黒い痣が出来ていた。
「そんなつまらない顔をしないで、貴女には澄ました顔が似合うんだから」
「……」
頬を撫でるウォップに友希那はあからさまに怪訝な顔で、目を逸らす。
「それでさデビュー曲は何がいいと思う?」
「貴女に任せるは、期待は微塵もしていないけれど」
「私としてはLOUDERがいいと思うけれど?」
その曲名に友希那は目を見開き、ウォップと目を合わせる。
「新生ロゼリアの始まりにいいんじゃないかな?」
「それは……!」
「ふざけんなぁ!」
友希那が言いかけたその時、激しい反論が響きその方を向く。
「その曲は、パパッキーナとユッキーナの物だ! アンタなんかに汚されてたまるかあ!」
バラネコが小さな檻の中で怒鳴り散らしながら、暴れまわる。
「バラネコ、止めなさい」
「ユッキーナ! こんな奴にいいようにされてるの⁉」
友希那はその問いに黙って自分の首の痣を指差す。
それを見たバラネコは黙り込んでしまう。
「……」
友希那は仲間達に刃を向ける事になった原因を思い返していた。
~~~~~~~~~
「こう、しょう……?」
「ええ」
地面に伏せ悶える友希那に語り掛けるウォップ。
「私と一緒にバンドをしてくれない?」
「ふざけないで頂戴……!」
首を抑えながらウォップを睨む友希那。
「友希那、今の自分の立場分かる?」
「何ですって……?」
「実は上司からこんなのを貰ってね」
ウォップは友希那に、銅色の銃弾を見せつけヘッドを押す。
『ポイズン!』
「Dバレット……⁉ それに、毒?」
「これを一発、喉に打ち込んだ」
「⁉」
血相を抱えて首をさする友希那に続けて言う。
「私は貴女の歌声を失いたくないの、でも解毒をする方法も私しか知らない。……後は分かる?」
「……」
友希那には頷く以外の選択肢は無かった。
~~~~~~~~~
一方、四人はウォップの能力を推理しながら、道を進んでいた。
「う~ん……高速移動かな?」
「でも、それならリサちゃんが言ってた通り何かが起きるはずだよ」
「もしかしたら、手品を使ったのかも!」
「手品?」
こころの奇想に一同が目を向ける。
「ええ、手を出しただけで色んな手品を使うの!」
「あたし達はその手品の種を知りたいんだけど」
蘭が淡々とツッコむと香澄が呟く。
「でも、あの時もエクスードは手を私達にかざしたよね?」
「だとすると、発動条件はそれかも」
一つの推測が立てられ、考えて
「……んん」
香澄は気が付くと柱に鎖で括り付けられていた。
「え⁉」
驚いて周囲を見渡すと三人とも、香澄同様に拘束されていた。
「皆!」
「
「貴女達は選ばれたのよ」
「選ばれた?」
香澄の疑問に対してウォップは高らかに語った。
「新生ロゼリアの生誕の贄に!」
「……」
そこへ、腰に黒薔薇のアクセサリーが付いた漆黒のドレスに、黒のベールを被りブルーローズを片手に友希那が現れる。
「一線を越えれば友希那はもう私の物。さ、友希那?」
「……」
友希那は言葉を発せず無表情のまま鎖に縛られた四人の方へ迫っていく。
その姿に彩が叫ぶ。
「友希那ちゃん! 本当にそれでいいの⁉」
「……」
「もう止めてよ! 本当はこんな事したくないんでしょ⁉」
「……」
「友希那ちゃん!」
「友希那!」
「友希那先輩!」
蘭以外の三人は、鎖を振りほどこうと体をよじらせるがビクともしない。
友希那は最初に香澄の前に立ちブルーローズを頭上に向けたその時
「あたしの!」
蘭の叫びに手の動きを止める。
「あたしの知っている湊友希那は、愚直すぎる程に真っ直ぐで! たった一人の言葉に揺れるほどに弱い人間じゃない! ロゼリアだって! 歪な黒よりも、煌めく孤高の青が何よりもあっている!」
「……!」
「その手を向ける相手は、あたし達じゃない! 後ろの外道だ!」
蘭の本心にその場の全員が動きを止める。
しかし、最初に動き出したのはウォップだった。
「早くなさい!」
その言葉に友希那の刃が振り下ろされる。
「!」
死を覚悟した香澄は目を強く瞑り顔を逸らす。
「友希那ああああああ!」
刃が香澄を裂く寸前、リサが悲痛に叫びながら駆け付けた。
それを聞いた友希那も剣を下ろし、リサの方を向く。
「リサ⁉」
「どうしてここが⁉」
ウォップは想定していないリサの出現に驚くが、怒りの矛先は縛られた四人に向ける。
「誰だ! 漏らした奴は!」
「誰も漏らしてないよ」
「……何ですって?」
リサの回答に疑問を抱くと話しだす。
「アタシには分かるから」
「分かる? ただの人間如きに友希那の何が分かるの?」
「分かるよ! だって……アタシと友希那は幼なじみだから!」
「は?」
リサの滑稽な台詞を聞くと大笑いをし始める。
「アッハッハッハ! そんな一言だけで理解している? 笑わせないで頂戴!」
その頃、廃工場の裏手では三つの人影が裏口に迫っていた。
ガチャン!
金属の割れる音とそれが落ちる音が聞こえウォップが振り返ると、切り落とされた鎖とそれから解放された四人、大型ワイヤーカッターを両手にした紗夜に
「エクスード……本当にいたなんて……」
「ね! あこの言ったとおりだったでしょう!」
「友希那さん、助けに来ました……!」
「ユッキーナ!」
「バラネコ⁉」
捕まっていたはずのバラネコの登場に、驚きを隠せていない友希那にバラネコは一方的に話し始める。
「見た事ないコドウが助けてくれてさ~。次あったらお礼言わないとね!」
「み、皆……」
黒色のDバレットから黒色のモヤが噴き出していくと、銀色に鳥の絵が描かれたDバレットとなった。
「変化した……?」
「使ってみましょう」
紗夜の困惑を横に友希那はブルーローズにローズバレットと銀色のバレットを装填した。
『ローズ! フェニックス!』
それと同時に友希那の目の前に、鳥の形をした蒼炎が現れ、ウォップを襲う。
「うわっ⁉ あぁっ!」
普段とは違う待機音が鳴り響く。
『LaLa,LaLaLa,LaLa,LaLa……』
「音撃チェンジ」
澄んだ音色の中、剣先を上に向けていった。
「ハァッ!」
ブルーローズを天に掲げると、不死鳥が友希那の背中に貼り付き翼で彼女を覆い隠す。
すると友希那の全身が青い炎に包まれて燃え上がり、衣装に変化が起きる。
青色のドレスは所々が紫色になり、節々に鳥の羽の装飾が施され、背中からは鳥の翼の形をした群青色の炎が広げられる。
髪には銀一色から髪先が紫色のグラデーションが加えられ、最後に仮面の形が荊から翼を広げた鳥の形状になった。
炎が取り払われ新たな姿を現した友希那。
顔の前で両腕を交差させ、ゆっくり下へ、そのまま翼を広げる様に手を広げる。
「潰えぬ夢よ……燃え上がれ!」
ターンをして右手を天に掲げて、その手を頬、顎を撫でる様に滑らかな動かし手を差し出す様に出して叫んだ。
「ドリーマーブルーファイヤーバード!」
「すっごーい! 友希那さんがパワーアップした!」
「ああもう! 友希那以外殺せ! 友希那! もう逆らえないように四肢を落としてやる!」
「侮ったわね、ロゼリアの意志を」
背中の翼を羽ばたかせると熱波が迫って来ていたピラーを襲い、倒れたかと思うと全員が爆散した。
「来なさい!」
友希那が叫んで左手を前に出すと手の中に一本の杖が現れる。
『スタンドロッド!』
マイクスタンドの形をした杖を左手に握り、
「!」
友希那がマイクに叫ぶと後ろに友希那の形をした青色の人型が四体出現しそれぞれが剣を構える。
『キック!』
友希那はバレットを装填すると、ウォップに向かって走り出す。
助走を付けると軽く飛ぶ。すると、翼が友希那の足に纏われドリルの形状を取る。
「はああああああ!」
螺旋状に迫る炎の蹴撃がウォップを貫いた。
「ギャアアアアアアアア!」
貫通級の一撃を受け爆散、跡形も無く消し飛んだ。
「やったー!」
「す、すごい……!」
飛び跳ねて喜ぶあこに開いた口が塞がらない紗夜。全員が友希那の傍に集まった。
「友希那先輩、やりましたね!」
自分の事の様に喜ぶ香澄に友希那は思いを語る。
「ええ、けれど皆にはまた迷惑をかけてしまったわね……」
「何言ってるの! 友希那を助けるのは当然でしょ!」
「私も、
「戸山さん、貴女に剣を向けた事を許して頂戴」
「いいですよ! こうやって友希那先輩が戻って来てくれたんですから!」
「リサ、貴女の言葉が私の暴走を止めてくれた。来てくれてありがとう」
「えっ……そ、そうかな?」
「後、美竹さんもね」
「あ、あれは偶々で……」
和気あいあいとした空気になったその時、無機質な音声が響く。
『リカバリーシステム、起動』
「友希那ああああああああ!」
咆哮を上げながら巨大化していくウォップに友希那はバラネコを手に乗せる。
「来たわね。……うっ!」
バラネコを巨大化させ対抗しようとするが、いきなりのパワーアップに体が慣れなかったのか立てなくなる程の倦怠感が友希那を襲う。
両膝をついて項垂る友希那に四人が寄り添った。
「友希那⁉」
「……大丈夫、ちょっと疲れただけよ」
その友希那に背を向ける様に香澄、蘭、彩が立つ。
「友希那先輩は休んでいてください!」
「あたしにも出番下さいよ」
「私も友希那ちゃんを助けさせて!」
「皆さん……」
燐子がその立ち向かおうとする三人の背中を見て呟く。
「こころん、友希那先輩をお願い!」
「ええ、分かったわ!」
香澄の指示にこころはロゼリアの五人を連れて戦線を下がっていく。
「さあポップ、皆出番だよ!」
「分かっている」
香澄はポップを手に乗せていると二人も自分のコドウを乗せて突き出しつつ叫ぶ。
「ポップ!」
「スカイ!」
「パスカル!」
三体が三人を吸収しつつ巨大化。三体が合体し一つの機体となる。
「完成! スリーマンライブ!」
ウォップとスリーマンライブが夕日を背景に睨み合う。
「……行くよ!」
香澄の号令にスリーマンライブが前進。
右腕で斬りつけ、左手でぶん殴る。
「これで!」
右腕のスカイが翼を広げ、左腕のパスカルを水平に伸ばし、翼を推進力にラリアットをかます。
「があっ⁉」
そのまま相手を持ったまま宙に飛び、離すとサマーソルトキックを打ってさらに上へ飛ばされた所へスカイの口から矢弾を放ち、ウォップを貫いた。
「友希那、万歳────────!!」
ウォップが断末魔を上げ、スリーマンライブが地上に着地すると同時に爆破、今度こそ消えたのだった。
「いやーどもども皆さん」
後日、Circle前のカフェテリアでロゼリアの五人がテーブルを囲んでバラネコが自己紹介をしていた。
「わー可愛い! 友希那さん、この子なんて名前なんですか⁉」
「バラネコよ」
「あはは、おいでおいで~」
「いいよ~おチビちゃんの言う事だったら何でも聞いちゃうよ」
「む~、おチビちゃんじゃないよ! あこはあこだよ!」
「それじゃあ、あこっちゃんね!」
頬を膨らませるあこにバラネコは笑いながらあこの両手の中に入ると隣に座る燐子がソワソワしだす。
「りんりんも触りたいの?」
「あ、いや……」
「りんりん? この美人さんの事?」
「うん、あこの友達だよ!」
「へぇ~」
バラネコは燐子の全身を眺める。
「おりんさん、座っていい? いや、座る!」
「お、おりんさん……」
バラネコの勝手なあだ名に困っていても話を進めて、勝手に燐子の膝に座る。
「きゃっ……!」
「あ~~、暖かい! おまけに柔らかい!」
燐子の膝の心地よさに気の抜ける声を漏らすと、燐子が気にしている事を聞く。
「友希那さんじゃダメなんですか?」
「ユッキーナ何か冷えてるし硬いんだよね」
「悪かったわね」
バラネコの本音に友希那がぼやいている中、紗夜は未だに難しい顔をしており、燐子が聞く。
「氷川さん……どうかしましたか?」
「いえ……都市伝説の怪物は実在して、それを倒す人が全員知り合いだなんて……まだ現実感がつかめなくて」
難しい顔をする紗夜にバラネコが一言。
「あ、ロン毛」
「氷川です」
「止めなさい。いい加減ちゃんとした名前で言いなさい」
「う~ん、じゃあ下の名前は?」
「さ、紗夜ですが」
バラネコは紗夜のあだ名を考えると自信満々に言う。
「じゃあ、紗夜っぺでいいよね⁉」
「何ですかそれ⁉」
余りにもふざけていたのか怒る紗夜を見たバラネコはビビッて訂正をした。
「……じゃあ、氷川の姐さん?」
「……まあいいでしょう」
「いいんだ……」
紗夜はまだマシだと思ったからか、渋々承諾し、リサは苦笑いをする。
「あ、友希那先輩!」
元気な声が聞こえ、五人が振り返ると音撃戦隊の四人が手を振っていた。
「皆、少し長くなるけど話を聞いてもらえるかしら?」
「ええ」
「はい!」
「はい」
香澄らを入れて九人の大所帯になり、友希那はこれまでの事を語り始める。
そんな光景を一匹の蝶と一人が遠くから見つめており、それぞれ別々の方向へ去って行った。
繋がれた手は簡単には離れる事決してない。
ロゼリアの絆が友希那に新たな力を与えた事を友希那自身も強く噛み締めていた。
音撃戦隊の戦いは、まだ続く。
「……」
音撃戦隊を物陰から見つめていた者が一人。
「あれが音撃戦隊ね」
猫の耳を模したヘッドフォンを首にかけており、小さな体から巨大な野心をにじみ出している、腰よりも長く伸びる赤みがかった髪の少女は背を向けて去って行く。
「次は会いましょう」
彼女の手にはDバレットが握られていた。
「戦場でね」
一匹の純白の蝶が帰るように飛んでいったのは、小さなアトリエ。
庭先で新雪の様に白い髪に、恐れを抱いている中に僅かに意志を持つアクアマリン色の瞳の少女は人差し指を軽く立てた右手をそっと前に出すと、蝶はその指に静かに止まる。
「どうして、あなたは私の傍にいるの?」
「シロ~」
「あ……ごめんね。行かなきゃ」
その少女が言うと、蝶は何も言わず空へと飛んでいった。
ポピパの楽曲と言えば?(採用されたものがフォーム名になります)
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STAR BEAT!~ホシノコドウ~
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二重の虹(ダブル レインボウ)
-
キズナミュージック♪
-
Returns
-
ティアドロップス