途中で和解して七人編成にするか、最後まで敵対か……
「ちょっと」
地下帝国で小躍りしながらコナモが廊下を歩いていると後ろからウィンドが呼び止める。
「貴方が生み出した音撃戦士の事だけど……」
「あれならもう完成してるよ! デビュー戦も良かったなぁ……」
「デビュー戦⁉ だとしたら音撃戦隊は……」
「生きてるよ」
「は?」
「コナモの部下にイッセンて言うのがいてね、華々しく見せる為に始末するように頼んだんだ」
「……貴方、自分の部下を殺して平気なの」
「うん」
正に噛ませ犬だったイッセン。そしてそれを平気で用意したコナモにウィンドも戦慄を覚えたのだった。
「それにしても一人間に新兵器を渡すなんて……裏切られた時の……」
「保険なら当然してあるよ。まあコナモのコドウがやらかさなきゃ、バレないでしょ」
「コナモ様!」
そこへ一人のエクスードが走ってくる。
「彼は?」
「コナモが呼んだんだ」
「御用とは何でしょう?」
片膝をついて聞くその白狐のエクスードに向けてコナモは笑顔で言う。
「次に死ぬの君だから」
「はい?」
「RASブラックが君の始末に動き出す予定だからさ、戦って死んできてね」
「ふざけないで下さい! 私はこれまでどれ程貴方に尽くしてきたと……」
「君のお兄さんもブラックにやられたんだよ」
「兄上が?」
「つまり、奴を倒せば兄越えが出来る! どうかな?」
「……兄上を超える事が私の生涯最大の目標でした。少々、形は変わりますがやりましょう」
「そうこなくっちゃ!」
「では、行って参ります」
よく分からない理屈で部下であるイッセンの弟を名乗るエクスードを丸め込み、それに知らない白狐のエクスードは立ち上った所でコナモが止めた。
「待って!」
「何でしょうか?」
「これ、使った方が奴らに会いやすくなるよ」
そう言って、コナモは檻の絵が描かれたDバレットを手渡しする。
「これは?」
「ケージバレット。生きた人間が沢山いる場所で使うのがいいよ」
「ありがとうございます」
RASブラックとの邂逅から暫く、香澄は自室のベッドで横になり天井を眺めていた。
「……」
「RASブラックの事か?」
「ポップ」
首を横に向けると、ポップが佇んでおり語り掛ける。
「ポップは何かわかる?」
「……すまない、私にも分からない」
「ポップにも?」
少し間を置いて香澄が口を開く。
「何か知る方法があればなあ」
「よし、調べてみるか。その為のスマホだろう?」
「そうか! 分かった!」
ポップに言われ、香澄はスマホで検索をかけてみる。
RASブラックで検索をかけるが、当然何も見つからない。
「やっぱり駄目かぁ……」
「あの子……チュチュだったか? 彼女の言葉から何か絞れないか?」
「だったら『チュチュ バンド』で調べてみよう!」
ワードを決め慣れた手つきで、字を打ち込んでいき最後に検索を押す。
検索結果の一番上に出てきたのはあるバンドの一サイト。
「RAISE A SUIREN……?」
「見てみるか」
サイトのアドレスをタップすると画面に四人の全身像が現れ、その中には例の女の姿もあった。
「いた!」
「律儀にメンバー紹介のページもあるな。一応、全員見ておこう」
「どれどれ……」
手始めに金髪に鋭い眼光をした女を選ぶと画面が変わり、名前、生年月日、その他が表示される。
「名前はマスキング、狂犬の二つ名を持つドラマーみたいだな」
「何だか怖そう……」
「二つ名に相応しい顔だな。彼女も気を付けた方がいい」
「どうして?」
「チュチュがメンバー内に変身出来る事を公言している可能性がある。そうなれば協力し合い、場合によっては他の者も変身する恐れがある」
「そっか! でも人が変われば、一緒に戦ってくれるかも!」
「……それは本人次第だな。次だ」
そのまま残りの三人も見ていくことにした。
「パレオ……ポジションはキーボード。しかし凄まじい髪色だな」
「これってまさか染めていたりする?」
「もしそうだとするなら、髪が傷むのは避けられないぞ……」
「他には……パスパレがすごく好きって! ライブにも何度も行ってるみたい!」
「この髪色だ。彩なら何か知っているかもしれないし、聞いてみる価値はあるな。次だ」
ピンクと水色のツインテールが嫌でも目立つ少女を見て。
「チュチュだな。プロデューサーがメインだがバンドではDJをしてるみたいだ」
「ポップあのさ……」
「どうした?」
「プロデューサーって……何をするの?」
「そうだな。企画を立てたり、進めたり……この場合、バンドの方向性や毛色を決めたりそれが評価される様に導いていく存在だな」
「例えば?」
「ライブ会場の用意、予算の管理からスケジュール調整、練習の指示に……」
プロフィールを上から下へ眺めていると、思わぬ一文が目に入る。
「……って彼女、作詞も作曲出来るのか⁉」
「えぇ⁉ 友希那先輩みたい!」
「難儀な性格に反して音楽の才はかなりだな……香澄、私からもいいか?」
「何?」
「チュチュからもコドウと似た気配を感じた」
「じゃあ契りを交わしたのはチュチュ?」
「いや……そもそも彼女達についているのは、本当にコドウなのか?」
「……」
「……まだ確証も無い憶測の範囲だ。忘れてくれ、次で最後だな」
チュチュも見終わり、締めに黒髪の女を選ぶ。
「レイヤ……」
「ポジションはベースとボーカル。あの時変身したのも彼女だったな」
「そういえば」
「何だ?」
「これって本名……じゃないよね」
「ああ、コードネームの様なものだろう。しかし、面白いな」
「何が?」
「全員、何かを隠すものから取っている所だ。例えばマスキングは覆い隠す意味があるし、パレオは水着の下部分を隠す物だ」
「へぇ~」
メンバー確認を終え、バンドの雰囲気、概要も見終えた香澄とポップ。最初にポップが香澄に感想を要求する。
「さて……これで大体を見たわけだが気になったものはあるか?」
「うん、このバンド……ギターが無い」
「概要欄では、今は打ち込みで演奏していてギターは探しているみたいだな。だが今は重要じゃないな」
僅かに沈黙が流れ再びポップが口を開く。
「さて、チュチュにマークされてしまった以上、戦いは避けられないどうするんだ?」
「話し合う! そうすれば力を貸してくれるよ!」
「……過酷になりそうだな」
「けれど、どうして戦わないといけないの……?」
「本人にでも聞くしかないな」
無益な争いに嘆く香澄、その時彼女の持つブランクDバレットがまたほんの少しだけ光ったがそれに気づく事は無かった。
花咲川から離れた地点の街中で一際目立つ高層マンションの上層階。
内部にはレコーディングルームに楽器一式、家というよりもはや、スタジオといっても過言ではないこの部屋でチュチュが自身の体形とは不釣り合いな椅子に深く腰掛けていた。
「チュチュ様~」
撫で声でチュチュに近づくのはピンクと水色の折り合わせた髪色の少女。右手にジャーキー、左手に色々乗った皿を持ち傍に立つ。
「ジャーキーお持ちしました~」
「いいタイミングね。ありがと」
チュチュは振り返りもせず手を出すとその上に置かれ握ると貪りだす。
少女は振り返り、黒く長い生物とその傍で横たわる二体に近づく。
「オーロラ様、モザイク様、カーテン様にもこちらを用意しております」
「ありがとね」
「シュルルル……」
「シャー!」
部屋の一角で丸まっていた黒龍が気さくに答え、それに合わせて黄緑のタランチュラと紫のサソリも両足を上げて喜びをアピールすると、それぞれの好物、生肉、ガム、キャンディーが置かれた皿を床に置くと同時に三体も貪り始める。
「流石パレオ、これはラムだね」
「はい! なかなか売ってなくて苦労しましたよ」
黒龍は一口で肉の種類を当てると、パレオは嬉しそうに指と指を絡める。
「さて……」
チュチュは視線を上げ、レコーディングスタジオをガラス越しに見つめ呟く。
スタジオではレイヤと金髪の女が黙々とベースとドラムの演奏をしていた。
「しかし、君も面白い事を言うね」
「何よ?」
そこへオーロラが後ろから疑問を抱きながら聞いて来て
「君の願いが知名度の向上だけだなんてね。あのDバレットの力があれば、全人類の洗脳も支配も容易だというのに」
「そんなのじゃ意味無いわよ。私の目的はRASを最強でCoolなバンドにする事、こんな物踏み台でしかないわ」
チュチュはどうでもよさげにDバレットを手の中で転がす。
「どうやらエクスードが現れたみたいだ」
「そう、レイヤ!」
「分かってる」
レイヤはベースをスタンドに立てかけると壁に立てかけてあったギターアックスの入ったケースを掴むと肩に担ぎ、両手を開いて叫ぶ。
「オーロラ!」
「仕方ないな」
黒龍はやれやれと首を横に振るとレイヤの胴に突進、そのまま中へと入って行った。
「今日はこれも持って行きなさい!」
「OK」
「音撃戦隊の奴らに先を越されたら承知しないわよ!」
「分かってる!」
一方、香澄達もエクスードの気配を感じたポップの命でCircleの前に向かっていた。
現在、Circleでは利用していた、近くにいた人々が奴の作りだした光の檻に囲まれて動けずに怯えていた。
「……来たか」
「今すぐその人達を放して!」
「いいだろう」
「え?」
白狐のエクスードは彩に言われあっさりと人質を解放させる。
解放された人々は一斉に逃げ出して、Circle周りに残ったのは六人と一体だけだ。
相手の返答に彩はキョトンとしていると続けて言う。
「私の名は、オオブリ・ランギリ。兄上が世話になった者の一部だな?」
「兄上……?」
「イッセン・ランギリ、この何聞き覚えは無いか?」
「その見た目に名前……貴方、この間の狐のエクスードの弟なの?」
「いかにも今日、貴殿らを討ち私が兄上を越える!」
友希那の質問に答え、オオブリが構えを取ると六人もDバレットと装備を出して構える。
「やれるものならやってみなさい!」
友希那の叫びを皮切りに装填して叫んだ。
「音撃チェンジ!」
姿を変え、武器を構えて突撃していく六人。
だがオオブリは腰の刀を納刀したままで、戦おうとしない。
「セイッ!」
「フンッ!」
先陣の香澄と蘭の縦斬りを軽く反らして。
「ハッ!」
友希那の突きをターンでかわす。
「それっ!」
こころの銃撃を刀の鞘で防ぎ。
「ていっ!」
「わわ!」
彩とましろが二人がかりで掴もうとするが、手首を掴もうとするとスルリと抜けて上手くいかない。
「揃いに揃って鈍いな、兄上は何故こんなのに……?」
「逃げるな!」
蘭の矢弾も軽々と避け余裕綽々に聞く。
「ブラックは来ないのか?」
「ブラック……? RASブラックの事を知ってるの⁉」
「ああ、七人を討ち果たして最強になるためだ」
「私の事を呼んだ?」
突如響くのは第三者の声、その場の全員が声の方を向くと砂煙が起こる中、ケースから得物を出してギターアックスを担いだレイヤの姿があった。
「アイツ……!」
「……来たか」
「如何にもね」
『スダレ!』
「Raise Your Hands!」
ギターを鳴らし姿を変え、即座に板状のパーツを出してDバレット装填、ギターアックスに装着した。
『サンダー! レインフォース、ライトニング!』
二度目の攻撃だからか稲妻が降り注ぐ前にバックステップで範囲から抜けた香澄、蘭、こころ、友希那。
しかし、逃げ遅れた二人と一体を激しい落雷が襲う。
「きゃあああああああ!」
「ぎゃあああああああ!」
「彩先輩! ましろちゃん!」
「今助けるわ!」
『フェニックス!』
友希那はドリーマーブルーファイヤーバードに強化、翼を広げ、落雷の間を縫って二人を両脇に抱えると攻撃範囲から一気に抜き出した。
「大丈夫ですか⁉」
「う、うん……」
「うう、すいません……」
二人を保護し香澄らの所に戻った友希那。香澄は地面にへたり込む二人に声を掛けると、問題はなさそうだった。
「はぁああああぁ!」
そんな彼女らを他所に、レイヤはオオブリにギターアックスを頭上にまで上げ、一気に振り下ろす。
「フンッ!」
オオブリはすかさず、仕舞っていた刀を抜き、大斧と刀の迫り合いが始まる。
「成程読めたぞ。兄上はブラック一人に負けたのか! こんな三下に負けるはずが無いしな」
「それ、褒めてるの? 嫌じゃないよ!」
「ならば……」
「二日後の午後5時、採石場に来い。兄上を
「……分かった」
「鍛えておくよう」
肩に担いでいるベースの練習を終え、帰宅途中のRASブラックになった女性は、駅前にまで来て辺りを見渡す、その一角で小さな人だかりが出来ていた。
「♪ ~~♪ ~」
路上で一人ギターを両手に弾き語りをするたえの姿を見て、その中へと入って行く。
演奏も終わり、僅かに拍手が上がる。
「ふぅ……ありがとうございました」
たえが深くお辞儀をすると見ていた人々は止めていた足を一人、また一人と動かし始め、たえも今日は終わりなのかギターをしまいその場から去ろうとしたその時。
「花ちゃん!」
「レイ?」
「おかえり、レイ」
「ん、ただいま。六年ぶりかな」
「引っ越して六年も会ってないのに何だか久しぶりの感じがしなかったよね」
「それ、私も思った」
陽が落ちた公園のベンチに並んで座り昔話に花を咲かせ始める二人。
「いつ戻って来たの?」
「春先、出来れば最初に花ちゃんに言っておきたかったけれど、ちょっと忙しくて……家に行ったら駅前にいるって話を聞いてね」
「レイは……何も変わってないね」
「そういう花ちゃんこそ、私は……ベースを始めたかな」
「ベースを?」
「音楽教室の近くで初めて一緒に歌ったあの日、一緒にバンドをしようって約束したから」
「バンド……それじゃあ忙しいっていうのは」
「うん、サポートや仕事で歌ってて。花ちゃんは?」
「バンドをやってるよ。学校の友達と」
「そっか、何て言うの?」
「ポッピンパーティ。皆、親切だよ」
「ポピパ……」
たえの所属に何かを思ったのかレイヤは考えると聞きだす。
「ねえ、そのバンドメンバーに私の事紹介してくれないかな?」
「レイを? いいよ」
「他にも聞きたい事はある?」
「う~ん……明後日の予定は?」
「何で明後日なのさ」
そう言いつつもレイヤは笑いながら答える。
「仕事で採石場に行くつもり」
「え? 石達にライブをするの?」
「そんな所かな」
「皆に紹介したい人がいるんだ。いいかな?」
「人?」
「いいよ! どんな人なの?」
「良かった。入って来ていいよ」
たえが声を掛けると地下への階段を降りてきてその正体に香澄の目が見開く。
レイヤも香澄に気づいたが顔には出さずたえの横に並ぶ。
「どうも」
「レイだよ」
「和奏レイです。RASのベースボーカルをしてます。よろしく」
そう言いながらレイヤは香澄の前に立つ。
「ギターボーカルの戸山香澄です! よろしくお願いします」
「ええ、よろしく」
手を出してきてそれを受け止める為に握手を交わす。
「……」
「……」
そこで会話は途切れ互いに見つめ合う。
「ふ、二人共どうしたの?」
「香澄、顔が怖いよ?」
「有咲、さっきから黙ってどうしたの?」
「あの、和奏レイ? どっかで見た事があるんだよなあ……どこだったか……」
有咲が考え込んでいる他所で、たえが香澄に声を掛ける。
「香澄、少しいいかな?」
「何?」
「あのさ、レイが言ってたことなんだけどさ……」
「何故、貴様らが⁉」
「おたえが教えてくれたんだよ!」
「たえちゃんのおかげだね!」
「ベラベラ喋ったRASのアイツも大概だけどね」
「音撃チェンジ!」
六人は姿を変え。
「今回は全力で行かせてもらうわ!」
『フェニックス!』
友希那はパワーアップして改めて六人横一列に並ぶ。
「キラキラのドキドキ! ドリーマーピンク!」
「この景色、忘れない。ドリーマーレッド!」
「私達の歌、聞いて下さい! ドリーマーグリーン!」
「全てを賭ける覚悟はある? ドリーマーブルー!」
「世界を笑顔に! ドリーマーイエロー!」
「輝ける場所を目指して。ドリーマーホワイト!」
レイヤとチュチュが駆け付けた頃には既に倒されていた。
「あれ?」
「ちょっと! 何であいつらがいるのよ!」
「……もしかして、花ちゃんが教えたのかな?」
「はぁ⁉ 何してんのよ⁉」
「いやあ……ハハハ……」
『問題無いよ。Dバレットはまだ取られてないみたいだしメインは……』
『リカバリーシステム、起動』
無機質な機械音声と共にオオブリが巨大化し始めた。
『ここで僕らが始末すればいいんだから』
オーロラの独り言を全て聞いていたレイヤは、
「成程……オーロラ!」
レイヤが叫ぶと体から黒色の龍が飛び出してきて頭上を滞空し始めた。
「仕方ないな」
「さぁ、行くよ!」
「一体だけでは何もできないんだけど?」
「No Problem! 準備なら出来てるわ!」
影に隠れているチュチュが両肩にサソリとタランチュラを乗せている所を見せつける。
レイヤはDバレットをオーロラに向かって投げつける。
「オーロラ!」
それに続いてチュチュもポケットから二個のDバレットを出し起動させた。
『ポイズン!』
『バインド!』
「Let's Go! モザイク! カーテン!」
二体にDバレットを与え投げ飛ばすと、オーロラの背中の上に乗り、空へ登り始める。
高度が上がっていくと共に三体も巨大化していき、変形の準備が整った。
龍の長い胴体が二つに折れ二本の足と腰になり、タランチュラは足を全て引っ込めて胴体になると腰に連結、サソリもハサミを持つ上半身、鋭い針を持つ下半身の二つに分かれそれぞれ右腕、左腕となり胴体に合体。
最後に人型の頭が生えてきて一体のロボとなった。
一人の力で三体のコドウを一つに纏め強力な力を得た。
「完成! ソロライブ!」
「変形した……⁉」
右手にハサミを持ち、左手には針を持つRASカラーの機体がポーズを決め走って対象に迫る。その傍でチュチュは六人に向かって叫ぶ。
「これが私達のソロライブ! 見なさい、このCloer! Face! ハサミ!」
「クソッ、やられてたまるか!」
爪で裂こうとするが、針でそれを払いのけてハサミで斬りつけた。
地上でその戦いを見上げていた香澄達もDバレットを抜いてコドウを手に持つ。
「私達も!」
コドウを呼び出してDバレットを与えて巨大化、それぞれ乗り込んで応戦しようしたが、ソロライブがそれを全て打ち落とす。
「うわあああああああ!」
地上へ落ちていく六体に向けてソロライブが吐き捨てる。
『邪魔をしないでもらえるかな?』
改めて対象に目を向けると機体の両手が光りだす。
「はぁぁぁ……」
力を込めて叫ぶ。
「バイオレンス・スラッシャー!」
左手のハサミから無数の光る刃を飛ばし滅多切りにし、止めに右手から鋭い突きを放った。
「ぐああああああああ!」
斬撃と突を受けオオブリは爆散、跡形もなく消えた。
戦いを終え、変身を解いた七人。
「それじゃあ聞かせてもらおうかしら。何故エクスードと私達に敵対心を抱いているか」
「だったら私達と力を合わせても……!」
「言ったでしょう? 私達の目的はDBulletの回収。エクスード何てどうでもいいわ」
「弾だけ集めても意味無いわよ」
「ハッ! 分かってないみたいね!」
チュチュの鼻で笑う態度に友希那はムッとするが、黙って聞く。
「Dバレットは人の夢を込めた銃弾、これを大量に集めれば、どんな夢も叶う!」
「そうなの⁉」
『待て』
そう言って香澄からポップが現れ、問いただす。
「その話は本当なのか? 私が星の世界にいた時でもその様な話は全く聞かなかった」
「まあ、知らなくて当然かな?」
それに答えたのは一行の頭上を漂う、一体の黒龍。
「君達には出来ない。けど、僕には出来る」
「誰だ?」
「僕の名前はオーロラ。チュチュから名付けて貰った」
「ふふん。これが私のコドウよ!」
「最も、契りを交わしたのはレイヤだけどね」
「Wait! 言うんじゃないわよ!」
「……お前の言った、僕には出来るとはどういう意味だ?」
「文字通りさ、僕はDバレットの力を抽出して、体内に取り込める。後はこれを何度も繰り返してきて究極のDバレットを手に入れる」
「それが無限の可能性! InfinityBullet! どんな奇跡をも引き起こす!」
オーロラの説明に合わせてチュチュが誇らしく誇大に天を仰いて叫ぶ。
「全く、ユキナも私の元に来ていれば、敵を増やさずに済んだものに……今更、仲間にしてって頼まれても嫌よ!」
「その必要無いわ。貴女がスタンドプレーで戦うなら、私達は私達でチームプレーで挑み続けるだけよ」
「……あっそ!」
チュチュは吐き捨てるとレイヤの隣に立つ。
「レイヤも疲れているだろうし、今日はこのぐらいにしておいてあげるわ。それじゃ、音撃戦隊。SeeYou!」
レイヤはギターアックスに煙の絵が描かれたDバレットを装填させる。
『スチーム!』
音声が流れ、ギターを大きく振ると水蒸気が撒き散らされ音撃戦隊がそれに顔を覆う。
顔を上げた時には既に二人の姿は無かった。
戦いを終え、川沿いを六人固まって歩いていた時、彩が最初に切り出す。
「皆は、RASブラックの事どう思う?」
「私は、仲良くなりたいです! 力を合わせれば、何だって出来るはずなのに、争うなんておかしい!」
「香澄の言う通りね! 音撃戦隊は何人いてもいいのよ!」
「こころん!」
「そうと決まれば、早速ジャケットを用意してもらうわね!」
「その前にRASの人達に近付けないかな?」
彩が考え込むと香澄が家にいた時の事を思いだしたのか、彩に聞き出す。
「そうだ彩先輩、パレオって子の事知ってますか?」
「パレオ?」
「はい、髪の色がこう……ピンクと水色の二色入ってて……」
「知ってるよ! ライブの時も最前列に居る事が多いし、すごく目立つからパスパレでも時々話題になるし!」
「その子、RASのメンバーらしいんです」
「え⁉ それじゃあそこからお近づきに出来るかも……」
「やりましたね! 蘭ちゃんとましろちゃんはどう思う⁉」
「あたしは……まだ何も言えない、まずは敵か味方かを判断してからでも遅くないと思う」
「私は……いやです……」
「え⁉ どうして⁉」
ましろの思わぬ答えに香澄が驚いておりましろが続けてその理由を語る。
「あの人達何かすごく怖いですし……それに簡単には力を貸してくれないかも……」
「倉田さんの言う通りね」
「友希那先輩……」
「少なくとも相手は私達を快く思っていないし、今後も襲ってくるでしょうね。けれど……」
竹刀入れにしまったブルーローズを見つめつつ呟く。
「挑んでくるのなら、私はいつでも受けて立つわ」
その時、香澄のスマホから着信音が鳴り出し、香澄は頭を下げつつ電話に出た。
「もしもし?」
『おお香澄か』
「有咲? いきなりどうしたの?」
『前に言っていたレイヤの事を思い出したから伝えておこうと思ってな』
「ホント⁉ で、どんな人なの⁉」
『私が昔、ミュージックスクールに通っていた時に同じ所に通ってたんだ』
「そ、想像以上に近い関係だったんだね……」
『専攻が違っていたから話す機会は無かったけどな。でも、この頃から歌が上手いって注目を浴びていたみたいだな』
「そうなんだ」
『こっちで何か分かったらまた伝えるからな』
「うん、ありがとう」
そう言って香澄は電話を切ると友希那が声を掛ける。
「市ヶ谷さん、何て言ってたの?」
「友希那先輩、RASってもしかしたら私達が思っている以上に大きいのかもしれません」
「……詳しく聞かせて貰えるかしら?」
チュチュからの宣戦布告。
謎多き七人目に六人の思想も割れ始める。
音撃戦隊の戦いはまだ続く。
ポピパの楽曲と言えば?(採用されたものがフォーム名になります)
-
STAR BEAT!~ホシノコドウ~
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二重の虹(ダブル レインボウ)
-
キズナミュージック♪
-
Returns
-
ティアドロップス