「夏だねぇ」
「そうですね」
エクスード達の拠点である地下帝国で、長であるクラムは西瓜を片手に玉座に座り、シーとなごんでいた。
「ちょっと! 何でいきなり駆り出されなきゃいけないのよ⁉」
そんな空気を壊す少女の怒鳴り声、ただし声は少女でも姿は雷獣を模したエクスードだ。
「全くお姉様に無理矢理仕事をさせるなんて……幹部達のそこが知れるんですの」
玉座の間に来たのはライトとウィンドに問題の雷獣のエクスード、更にパンダのエクスードにミツバチのエクスード、そしてロバのエクスードの四体が連れてこられていた。
四人が嫌々横一列に並んだ姿を見てクラムは嬉しそうに言う。
「フウキイインの皆、ここに来るなんて珍しいね! どうかしたの?」
「どうしたのじゃないわよ。ウィンド様が、打倒音撃戦隊の為に全員を呼べって言いだして今日から戦線に立てって……いくら何でも急すぎない⁉」
「そうなの? ウィンド駄目だよ。いきなりはパワハラになっちゃうよ」
「ですが、音撃戦隊をこのまま野放しにするわけにはいきませんわ!」
憤るウィンドにシーが割って入る。
「気持ちは分かりますが少々焦ってはいませんか?」
「だからって私らを無理矢理ってある⁉」
怒り荒れる雷獣を宥めるようにクラムが語り掛ける。
「まあまあ、ウィンドもこうなったら聞かないし、申し訳ないけどやって来てくれないかな?」
「あのさ、話聞いてた?」
「勿論、タダじゃないよ。五番目の幹部枠も用意するし、何だったらケロちゃんコロちゃんのグッズだって数え切れないほど上げるよ」
「……」
クラムの誘いに雷獣の心が揺らぎ始める。
「お姉様、わざわざこのような方々の言葉に耳を傾ける必要はありませんの」
そこへシーが音もたてずにパンダのエクスードの隣に立つと、彼女の耳に囁く。
「それでは貴女には、ビリビリが使用した物をこっそり用意しましょう」
「何ですの⁉」
その言葉にパンダのエクスードは舞い上がり、三人に宣言する。
「二人共、ぼんやりしていないで早く行きましょう! さあお姉様も!」
「アンタ何吹き込まれたの……まあ、別にいいけど。二人は?」
「いいですよ。今回もいつも通りにやればいいだけだしね」
「私もいいよ。音撃戦隊の事気になってたし」
「よし、決まり。行ってくるわ」
雷獣のエクスードはクラムに背を向けて、玉座の間から出て行き、その後姿を見ながらシーが呟く。
「電撃使いのビリビリ・エレクト。瞬間移動のシロクロ・テレポト。温度を操るハツハル・サアマル。唯一の無能、サテンサ・クウリキ。彼女らならやり遂げることでしょう」
「蘭、もう大丈夫なのか?」
「うん、ただ無理はするなって」
蘭の暴走から翌日、昼休みに羽丘の屋上でアフグロの五人とスカイは弁当を手に輪を作って昼食をとっていた。
「それよりも巴、あたしのフォン持ってるんでしょ。返してくれない?」
「それは駄目! でないと蘭がまた暴れちゃうよ!」
「でもあれが無いとRASを倒せない!」
ひまりの警告を無視して叫ぶ蘭。その時
「上原さんの言う通りね」
突如、六人目の声が聞こえ一行がその方向を向くと、屋上の出入口扉前で友希那とリサが立っていた。
「湊さん!」
一同が声を揃えて言うと、友希那は腕を組んだままつかつかと歩み寄り続けて言う。
「美竹さん、貴女これを見ても戦おうって言うの?」
友希那がポケットから出したのは、黒く淀んだサンセットバレットだった。
「……何で湊さんがこれを?」
「宇田川さんが寄越してくれたのよ。貴女が変身出来ないようにするためにね」
「巴! 勝手な事を!」
「お前、昨日何をしようとしていたのか憶えていないのか⁉」
「ううんしっかり憶えてる」
「それなら分かるだろ! 今の蘭に持たせたら本気で人を殺しかねないからだ!」
「そういう事よ」
友希那は続けて言う。
「単刀直入に言うわ。貴女、RASブラックを倒すのにどれだけの覚悟があるの?」
「今のあたしは、アイツらを倒す為に動いているようなものです。人間でありながらエクスードと手を組んで、あたし達、音撃戦隊の邪魔をしてくる様な奴らですよ!」
「ら、蘭ちゃん落ち着いて!」
喋るたびに口調が激しくなっていく蘭の姿につぐみが止めようするが止まらない。
「RAISE A SUILENは、人類の敵だ! アイツらを放っておいたらそれこそ悪戯に被害者が増える!」
「音撃戦隊の敵はエクスードよ。RASは二の次、それが分からないの?」
「あたしはアイツらを仕留められるならどんなリスクだって払う! それで死んだって構わない!」
声を荒げながら友希那に迫って行くと二人の間にリサが割って入る。
「蘭、やっぱアンタ少し戦いから離れたいいよ」
「リサさんまで……!」
いつになく真剣なリサに蘭は睨むが離れようとしない。
「とにかく、Dバレットを返してもらいますよ!」
そう言って蘭は友希那の手首を掴んで、黒くなったDバレットを取り上げようとする。
「くっ!」
「おい蘭!」
「蘭!」
抵抗する友希那に応援で入って来た巴とリサ、この荒れた空気にうろたえるひまりとつぐみだったが、
「止めて!」
さっきまで黙っていたモカが叫んだ。それに驚いた全員の動きが止まる。
「モカ?」
「蘭さん、私が記憶喪失になったからそれで必至になってるんですよね?」
「……」
友希那は蘭の弱まっていた手を振り払い一言。
「兎に角、頭を冷やしなさい。……私から言えるのはそれだけよ。リサ、行くわよ」
「蘭、アタシ達は別に蘭が嫌いで邪魔してる訳じゃないから。それだけは分かって」
二人はそれだけ言い残して屋上から去って行った。
ポピパの楽曲と言えば?(採用されたものがフォーム名になります)
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STAR BEAT!~ホシノコドウ~
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