パワーアップした蘭から逃げた、ビリビリとシロクロ。二人は丘の上で何があったのか言いあっていた。
「二人は大丈夫なの⁉」
「申し訳ございません、私にはお姉様を退かせるのが精一杯で……」
「ていうかズルくない⁉ あんなの聞いて無いんだけど!」
「私も、あんなのは初めてみたんですの」
その時、巨大化したハツハルの姿が遠くから見え、そこへクインテットライブウィズモルフォニカが現れるとハツハルを攻撃。
そして、爆散して跡形も無く消えるとクインテットライブは消えていった。
「ハツハルー!」
仲間の戦死にビリビリが叫ぶと、サテンサがよろめきながら二人の元へやって来た。
「サテンサさん!」
「アンタは無事だったみたいね。ハツハルに何かあったか知らないの?」
「ハツハル……?」
「先程、亡くなったんですの」
「そんな……」
「それで、何か……」
ビリビリが改めて問いかけようとした所でサテンサが無理矢理
「ハツハルは私を庇って……まさか、こんな事になるなんて……」
仲間を盾にして一人逃げ出したなんて言えるはずも無く、適当に言ってその場をしのぐ。
「アイツら……絶対に許さない……!」
「お姉様が言うんですから私も許せないんですの!」
「サテンサもそうでしょ?」
「あ、ああ! 勿論! 三人で力を合わせて弔い合戦をしよう!」
ビリビリに言われサテンサは取り敢えず場の空気に合わせて頷いていた。
「ヤバいヤバいヤバい! ここで結果出さないと……」
地下帝国に戻り一人になった所でサテンサは頭を抱えていた。
「あれ? 困ってるみたいだけど何かあったの?」
そこへコナモが笑いながらやって来る。
「ハツハルを死なせたの私なんだ……」
「ありゃ、ビリビリってヤクザばりに義理人情があるっぽいし、シロクロはそのビリビリを心酔してるからね」
「ハツハルの死因がバレたら確実に私、終わる……」
「アハハ、その時は体に爆弾巻いて人類に特攻すれば笑って許してくれるんじゃないかな?」
「それは嫌!」
サテンサはコナモにしがみついて助けを求める。
「お願いします! Dバレットをお持ちでしたら恵んでください!」
「え~いきなりそんな事言われても、コナモだってポンポンと出せる訳じゃないんだよ?」
「いえ! アイデアが! たった今アイデアが浮かんだんです!」
「へぇ、どんなの?」
「大規模でやる気を奪ってしまえばいいんです!」
「そうなんだ。だったら……」
「え?」
「これとかどうかな?」
コナモがサテンサに差し出したのは五個のDバレット。
「あ!」
「皆には内緒だよ」
「はい!」
「絶対に結果を出してきてね」
「ありがとうございます。ありがとうございます!」
サテンサの歓喜を他所にコナモはその様子を見つめていた。
それから数日後、この日街の一角で人だかりが出来ておりそこを紗夜が通りすがった。
「これは、何かのイベントかしら?」
気になった紗夜が人混みの後ろからその元凶を見ようと背伸びをする。
「さあさあ、皆今日はタダで配っちゃうよ!」
黒髪ロングの少女がテーブル上に中身の入ったペットボトルを広げて、それを無償で提供していた。
その傍には『新作スポーツドリンク試飲会!』の立て札が立て掛けており、企業のイベントの一環だと思える。
「貰えるかな?」
「あざーっす! そこの人もどうですか?」
民衆も特に疑問を抱かずに少女から、ドリンクを受け取り人混みから抜けていき、そんな中で紗夜と少女の目が合った。
「そこの子もどう?」
「いえ、私は……」
断ろうとしたが少女はそれを無視して一方的に話す。
「最近暑くなって来たからさ。これでも飲んで一日を頑張っていかないと!」
「それなら間に合ってますので」
「そんな事言わないでさ! こういうのって多いに越した事は無いって言うでしょ?」
少女はペットボトルを片手に迫って来て、その食い下がる姿に紗夜は引く。
「はぁ……」
逃げられないと悟ったのか紗夜は渋々手を出すと、少女は彼女の手の上にスポーツドリンクを乗せると、無理矢理握らせ背を向ける。
「皆さん、皆さん! まだまだ在庫はありますから焦らないで下さいねー!」
集まる人々にそう叫んで、他の接客に入って行き、紗夜はこっそりその場から離れていくのだった。
「紗夜さん、遅かったですね?」
「すいません、ちょっとイベントに巻き込まれてしまって……」
「イベント?」
「はい、新作のスポーツドリンクの試飲会が行われていて、係の人から丁度渡されたんです」
Circle前に着き、紗夜はあことリサにあった事を説明すると、問題の物を皆に見せた。
『ミネラルパーティ』
「聞いた事が無いわね」
「試作品だからでしょう」
「会社名は……実際にあるものですね」
ボトルを見た友希那と燐子が感想を述べてCircleへと入って行くのだった。
蔵でもポピパが練習をしており、そこでたえが最初に話を切り出す。
「近所でイベントがやってた?」
「うん、それがこれ」
そう言ってたえは謎多きスポーツドリンク、ミネラルパーティを見せつける。
「何か聞いた事ない商品みたいだけど……沙綾ちゃん知ってる?」
「確かに聞いた事ないね」
「私はそんなの聞いて無いぞ」
「聞いて無い?」
有咲の言葉にたえが反応する。
「普通、イベントがあるなら公式サイトや会場にお知らせの一つや二つを貼るんじゃないか? でも、その会社のサイトには何も書かれていないな」
スマホ片手に、言う有咲に沙綾が続けて言う。
「おたえ、まさか騙されているんじゃ……」
「う~ん、そう言われると何か不安になって来た」
たえは少し迷って香澄の方を向くとミネラルパーティを差し出す。
「香澄、折角だからあげるよ」
「ホント! ありがと、おたえ!」
「何渡してんだ! そんでもってしれっと受け取んな!」
たえからミネラルパーティを受け取り、鞄にしまう。
有咲は仲間二人の怪しい代物の取引を間近で見て、勢いよくツッコむ。
「香澄なら何かわかると思って」
「そうだよ! それに飲まなきゃいいんだよね? それぐらいなら私にも出来るよ!」
「確かにそう言ったが、それだったら警察に出した方が手っ取り早くないか?」
「はっ……!」
「やっぱり有咲は天才……!」
有咲の考えに口を押さえ、驚きを隠せない二人に向けて叫ぶ。
「いや、気づかなかったのかよ! とにかく、これは私に預けてくれないか?」
「分かった。おたえもいよね?」
「うん、有咲も本当は欲しかったんだよね」
「言ってねーよ!」
練習を終え、家に帰って来た香澄は机の上にDバレットを並べて見つめていたその時、スマホから着信が入る。
「もしもし?」
『あ、香澄ちゃん?』
「彩先輩? こんな時間にどうしたんですか?」
『実は千聖ちゃんがいなくなったって聞いて今探しているんだけど……何か知らない?』
「千聖先輩が⁉ 私も手伝います!」
『ううん、今日はもう遅いから明日から手伝ってくれると嬉しいんだけど……』
「任せて下さい! 彩先輩はどうするんですか?」
『私は思い当たる場所を全部見たらうちに戻るつもり。明日はお願いね』
「はい! 皆にも伝えておきます!」
それを最後に着信が切れた。
その直後にまたしても着信が入り再びそれに応じる。
「もしもし?」
『私よ』
「友希那先輩も何かあったんですか?」
『ええ、日菜から紗夜が消えたと聞かされたわ』
「え⁉」
『そこで戸山さん、というよりポップ。エクスードの気配は感じないかしら?』
「ポップ、どうなの?」
胸に手を当てて声を掛けた。
『今は特に何も感じないな』
香澄の内のポップが声を掛ける。
「感じないそうです。それとさっき彩先輩から電話があって千聖先輩もいなくなったそうです」
『白鷺さんも? けれどエクスードの気配は感じない……』
「これから皆に連絡をして明日から探しましょう!」
『それがいいわね。集合場所と時間が決まったら、私と丸山さんにも知らせて頂戴』
「はい!」
そう言って友希那から通話が途切れた。
香澄は残りの三人に連絡を取るとスマホで祈りつつ呟く。
「紗夜先輩、千聖先輩、無事でいて下さい……!」
翌日、朝早くに集合場所であるCircle前に行く準備をしていた矢先、連絡が入る。
「有咲?」
画面に映った、単語に疑問を浮かべつつも通話のボタンを押す。
「有咲?」
『香澄か!』
「どうしたの?」
『お前、街中見てないのか? 大変な事になってるぞ!』
「え?」
有咲に言われるままカーテンを開いて外を見る。
「ええ⁉」
目に入った光景が幻で無いかを確認するように着替え、ジャケットを羽織って外に飛び出す。
皆さんはパリピという言葉をご存知でしょうか。パーティピーポーの略称で、一部では祭りで騒ぐはた迷惑な人種の蔑称にもなっている。
街中では水着姿の人々が路上で酒盛りするわ、ビーチバレーするわ、ダンスを踊るわで、花咲川全体が真夏の由比ヶ浜状態と化していた。
「みんなどうしちゃったの⁉」
「戸山さん」
突如、空から声が聞こえ上を向くとドリーマーブルーファイヤーバードが空から降りてきた。
「友希……ブルー!」
「いえ、名前で問題無いわ。周りは聞いていない様だし」
「そうなんですか?」
「現に、私達がこうやって会話をしていても気にしていないでしょう」
香澄が周囲を見ると、二人の様子を全く気にもせずそれぞれ楽しんでいる。
「Circleに行くわよ。掴まって」
「はい!」
香澄は友希那の首に両手を絡めて、友希那も香澄をお姫様抱っこをして空へと飛び立った。
Circleに着陸し、辺りを見渡す。
「皆! 大丈夫⁉」
音撃戦隊の四人がパリピに絡まれている姿を見た友希那が一言。
「……じゃなさそうね」
「ホント、本当に止めて下さい……」
「イ、イエーイ……」
「はぁ……マジで勘弁してほしいんだけど」
完全に呆れている三人にましろ、彩、蘭に対して
「香澄! 友希那! この人達、とっても楽しいわ!」
状況を知ってか知らずかこころは楽し気だ。
「こころん! 今はその人達から離れて!」
「貴方達、私達には用事があるの。四人を放してくれないかしら?」
「ユッキーナ? 何言ってるの~」
「そ、その声は!」
絡んでいた集団が一斉に離れて振り向くと、水着にサングラスをした紗夜と同じ格好をした千聖の姿があった。
「紗夜⁉」
「千聖ちゃん!」
「おいおいアンタ知らないのか⁉ 彼女こそ……」
黙ってサングラスを取って、どや顔で決めた。
「私はパリピーの姫、ちさぴっぴ。それでこっちが!」
「どもー! パリピーの狂犬! 紗夜っぺでゅえええっす!」
「パリ、ピー……?」
「オタサーの姫、的な奴?」
香澄と蘭の疑問を無視して二人はうっとおしい名乗りを続ける。
「二人!」
「合わせて!」
「花咲川パリピーズでゅえええっす!」
「ウェエエエエエエエエイ!」
紗夜と千聖の名乗りの締めに音撃戦隊以外の全員がハイテンションな声を上げ、言わなかった面々は驚きで肩をこわらばせる。
「……頭が痛くなってきたわ」
同級生とバンドメンバーの変貌に友希那は完全に愛想が尽きて、頭を文字通り抱えてしまう。
「さ、紗夜ちゃんと千聖ちゃんがパリピに……」
紗夜の豹変に開いた口が塞がらない彩を見た紗夜が近づいてくる。
「彩ちゃ~ん? ノリが悪いぞ~!」
「こ・れ・は、お説教かっしーら~⁉」
「ウェエエエエエエエエイ!」
「ひいいいい……」
取り囲まれて怯える彩、そこへ一体の異形が歩いて来た。
「結構、効果あるなーこれ」
それに気づいた一行が向くとロバのエクスードが立っていた。
「アンタは!」
「この間の……!」
「うん、私はサテンサ。アンタら倒しに来たんだよ」
「皆を、街を元に戻して!」
「いやいや! これは私にとっては生きるか死ぬかの瀬戸際の戦いになるんだからそう言う訳にはいかないんだって!」
「私達だって、負ける訳にはいかない!」
『スター!』
「音撃チェンジ!」
六人の姿が変わり、武器を構えると走り出した。
「ヤバ……皆、やっちゃって!」
サテンサの号令と同時に大量のピラーが現れ、同じく走り出す。
それぞれの武器で攻撃し、一掃すると改めてサテンサに挑んでいく。
「うわー来た⁉」
サテンサは驚きつつも両掌を突き出すと、水を振り撒き出した。
「うわわわわ!」
それに巻き込まれて、のけ反る。
場所は変わって、グラウンド。
「よし、やっちゃって!」
すかさず、左手を上に上げ前に出すと、白いシーツに目と口を描いた何か、絵に描いたようなお化けが現れ六人の頭上を飛び回りだす。
「きゃああああああ!」
何人かは頭を抱えてしゃがみ込んでしまうが、こころがそれを全て撃ち落とす。
「次はこれ!」
背中に背負っている棒を抜いて、バッターの様に構える。
「ぶっ飛ばす!」
そう言って近くにいた彩に思い切りフルスイングした。
「えっ……」
彩に当たると、そのまま空の彼方へと吹っ飛んだいった。
「きゃああああああ……!」
「ホームラン⁉」
「彩先輩!」
「注意して!」
乱雑に何度もスイングをして近付けない様にしていき、五人は牽制をするしかない。
「そうだ!」
サテンサは地面を思い切りフルスイングすると、思い切り砂をまき散らす。
「ぐっ!」
仮面のおかげで目に砂は入らなかったが、視界が遮られる。
「いっけー!」
フルスイングで友希那、蘭、ましろ三人同時に当てると三人も空の彼方へ飛んでいった。
「皆!」
「香澄! あの棒を奪いましょう!」
「うん!」
こころは早速、銃撃で手にしている棒を手放させようとするが、それよりも前にこころに向かって投げつけた。
「!」
こころはハッピー砲で受け止めようと構える、ハッピー砲で防ぐ事は出来たが、それでもホームランに遭い飛んでいってしまう。
「こころん!」
「香澄! 今よぉぉぉ……!」
それを言いながらこころは空の彼方へ消えていった。
香澄はすかさず、剣を何度も振って斬り付ようとするが、それをかわして縦斬りしようとした所で手首を掴まれる。
「あっ!」
サテンサは剣を奪うと、フルスイング。
香澄も空の彼方へと消えていった。
「わあああああああああああ……!」
「ふー。早いうちに全人類パリピ計画を進めないと……」
額の汗を拭って、続けて独り言をつぶやく。
「しっかし、我ながらいいアイデアだよねー。全人類を堕落させれば確実だってアイデア」
「……ちゃん」
「んん……」
「……みちゃん!」
「うーん……」
「香澄ちゃん!」
香澄がゆっくり目を開けると、彩の顔が視界一杯に入り込む。
「彩せんぱ……いだっ!」
「いだい!」
香澄が起き上がろうとした時、彩の額と額がぶつかり合って痛みの声をだす。
「す、すいません!」
「香澄ちゃんこそ、大丈夫?」
「は、はい何とか」
「香澄ちゃんも、エクスードに飛ばされたの?」
「はい」
「空から香澄ちゃんが落ちてきた時は驚いたけど……」
「あの……」
その時、誰かの声が聞こえ二人はその方向を向いた。
「本当にこの方向で合ってるんですか?」
「飛んできた方向に進んで行けばいずれは戻れるでしょう」
一方、まとめて飛ばされた三人も、街へ戻ろうと山中を歩んでいた。
「でも、今回のエクスードはあまり大きな害にならないんじゃないかな……?」
「日本中が今の紗夜レベルにまで堕ちたら、それこそこの世の終わりよ!」
ましろの疑問に友希那が怒鳴る。
その時、蘭の中のスカイが声を掛ける。
『蘭』
「スカイ?」
『コドウの気配が近づいている、それも三体』
「美竹さん?」
友希那が独り言を始めた蘭に首を傾げると、説明をする。
「スカイの話だと皆が近くにいるみたいです」
その時、木々をかき分ける音と共に香澄と彩と三人目が姿を現す。
「みんな~」
「良かった~、やっと会えた……」
二人に安堵するが後ろの影を見て顔をこわばらせる。
「アンタは確か……」
「RAISE A SUILENのパレオでございます」
RAS、そのワードに香澄と彩以外はDバレットを出して臨戦態勢を取り始める。
『サンセット!』
『ローズ!』
『バタフライ!』
「皆待って! パレオちゃんの話を聞いて!」
「話?」
警戒を解かずに三人は構えたままだがパレオが語り始める。
「エクスードの脅威が私達にも及んできて……」
タブレットを出して一つの動画を見せつける。
「お二人もこの様な姿に……」
『ウェーイ!』
映像には、スタジオでどんちゃん騒ぎするレイヤとマスキングの姿が繰り広げられていた。
「ええ……」
開いた口が塞がらなくなっている三人を他所に説明を続ける。
「私一人ではこの状況を打破する手段が思いつかないので助けを求めて皆さまの元に来たのです」
「チュチュは?」
「以前の事がありますので、今後は私が戦線に立つことになりました」
「そもそも貴女。ここまでどうやって来たの?」
友希那の質問に代わりに答えると言わんばかりにパレオからオーロラが現れ語り掛ける。
「僕が導いたのさ」
「なるほど、だとしたらスカイの感じた気配って」
「お察し通り」
改めてパレオは一行に深く頭を下げる。
「不肖パレオ、皆さまのお力を貸して下さい!」
深々と頭を下げるパレオの姿に香澄は。
「私からもお願い! 今は皆で力を合わせよう!」
「……戦力は多いに越した事は無いわ。いいでしょう」
ポピパの楽曲と言えば?(採用されたものがフォーム名になります)
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STAR BEAT!~ホシノコドウ~
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二重の虹(ダブル レインボウ)
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キズナミュージック♪
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Returns
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ティアドロップス