音撃戦隊バングドリーマー   作:作者アアアア

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ゼロワンが気になって、手が進まない……


23thLive 夏祭り

 流星堂の地下蔵でバンドの練習をするポピパ一行、締めの音色を鳴らして、曲の終わりを決めた。

「大体の流れはこれでいいよな?」

「いいんじゃないかな? それにしてもやはりいつも以上に集中してるのが分かるな」

 ソファに座って、練習の様子を眺めていたポップが感想を述べる。

「うん! だって私達にとっては一大イベントだもん!」

「商店街の夏祭りでの演奏か……ポピパはほんとに慕われているんだな」

 

 

 

「フーンフーンフフーン」

 一方、RASの拠点であるチュチュのマンションでレイヤは小躍りしながら廊下を闊歩しており、そのテンション高めな姿にマスキングとパレオが恐る恐る聞く。

「おいレイ、そんなノリノリで一体どうしたんだ?」

「まさかレイさん、この間の影響が残って……」

「ああ、違う違う」

 二人の声を聞いて我に返ったレイヤは、振り返って楽し気に語る。

「今度、商店街の夏祭りでポピパのライブがあってね。花ちゃんが来て欲しいって言ってくれてね。嬉しくてね」

「ね、が多いですね」

「そこまで嬉しい事か? 知り合いだったら誘うのは当然だろ?」

「だとしても、嬉しい事に変わりは無いから」

「Hayレイヤ」

 そこにチュチュが現れ、今のレイヤを咎め始めた。

「わざわざ、顔見せのために商店街に行こうって言うの? そんな事してる暇があるならベースの練習をしている方が有意義じゃないの?」

「少しぐらいはいいんじゃねえか?」

「No! 私達の目的を忘れたの⁉」

 そう怒鳴って続けて何かを言おうとしたがチュチュは何かを閃いたのか、レイヤに質問をする。

「……確か、ポピパのライブがあるって言ってたわよね?」

 

 

 

「わー、進んでるね!」

 練習を終えたポピパ一行がやって来たのは商店街。

 自分達が出る事になっている夏祭りに備えてやぐら、屋台といった祭の必要不可欠な代物が建造されており、その中には一番重要であるライブステージも進んでいた。

「夏祭りは絶対に成功させましょうね!」

「はーい!」

 知り合いの声が聞こえ、その方向を向くとこころが幼稚園児達の先頭に立ち何かを言っていた。

「こころん!」

「あら? 香澄にポピパの皆もいるじゃない!」

「この子達と何を話してたの?」

「ええ、あれを見て頂戴!」

 こころの言う通り指差す方を見ると、長机の上に三十はあるであろう提灯が並んでいた。

「これは?」

「この子達が作った提灯よ! 夏祭りに披露するの!」

「そうなんだ! 皆、夏祭りは絶対に成功させようね!」

「祭りに成功も失敗もあるのか……?」

 嬉しそうな香澄の横で有咲が呟く。

「あれ~香澄じゃん」

 またしても、知り合いの声が聞こえ向くとリサ、友希那、蘭の姿があった。

「リサさん! 友希那先輩に蘭ちゃんも!」

「町内会の人から手伝いに参加してほしいって頼まれてね。香澄達が見えたから声を掛けたんだ~」

「私はリサの付き添いよ」

「あたしは巴に誘われて。香澄は?」

「進んでいるか見に来たんだよ。ステージはもう出来てるの?」

「ううんまだ。一番時間がかかるからね」

「そういえば巴は? ここにはいないみたいだけど……」

 沙綾の質問に蘭は首を横に振りつつ答える。

「知らない。何か町内会の人に呼び出されてたけど……」

「巴、すごく信頼されてるからね」

「おーい!」

 全員で巴の噂をしてたからか本人が走りながらもう一人を連れてやって来た。

「巴!」

「貴女は……!」

 皆が巴を見たが香澄ら音撃戦隊はもう一人を見て警戒をする。

「よぉ……」

「アンタはRASの……」

 RASのドラマー、マスキングだったのだ。

「……何か用?」

「アタシはアンタらと戦うつもりは無い」

「それよりも皆、コイツを見てくれ」

 巴はそう言うと、ポケットから一枚の封筒を出す。封筒には律儀に『町内会の皆様へ』と書かれている。

「手紙?」

「ああ、会長に無理言って借りてきた」

 巴は言いながら香澄に問題の手紙を突き付けてそれを受け取る。

 香澄がすでに開かれた封筒を開いて中身を出すと、その内容を音読し始めた。

「夏祭りを中止にしろ。これは注意だ、無視をしようとするのなら甚大な被害が出ると思え」

「こ、これって……」

「脅迫状じゃねえか!」

 りみと有咲が驚いていると巴が口を開く。

「ああ、それで会長はイタズラだと思っているけど、万が一の事に備えて今年は中止にする事も視野に入れているらしくてな……」

「それはダメよ!」

 巴の台詞にこころが叫ぶ。

「みんなの作った提灯を披露する場所が無くなっちゃうわ!」

「そうだよ! 私達のライブも無くなっちゃう!」

 続けて香澄も叫ぶが有咲が難しい顔をする。

「と言っても、本当だったらどうするんだ? 最近はエクスードの事件の影響もあって世間でも注意が強くなってるし」

「だったら、商店街を回ればいいんじゃないかな? 火の用心~って」

「おたえ、それ冬にやる事だぞ……」

「それよ! こういう時にこそ笑顔パトロール隊の出番よ!」

 たえの台詞に食いついたこころが叫んで続けて考えを言う。

「みんなで巡回して怪しい人を捕まえるの!」

「さすがこころん! それだよ!」

 

 

「こいつが地図だ」

 そう言ってマスキングは商店街とその周辺の地図を開いて見せつける。

「やぐらはここに設置予定で、ここ一帯が屋台、と言ってもまだ数は少ないけどな。ステージはここで……倉庫はここ」

「ねえ皆、私に考えがあるんだけど……」

 マスキングが地図に指差しつつ祭りに関係する場所を示していると香澄が呟いた。

 

 

 

「手紙は一応出したし、見せしめにぶっ壊しておきましょうか」

 音撃戦隊が脅迫状を見たその日の夜。

 大方の予想通り、犯人が闇夜の中から現れ、ある場所の前に立っていた。

「雑魚は惨めに生きていればいいのよ!」

 犯人はエクスードのビリビリ。仲間を二人失い、憤怒の中、左腕に付いた銃のパーツにゲームセンターのメダルを装填する。

 銃を構え、ある場所である倉庫に向けたその時、銃撃が襲った。

「うわっ⁉」

「やっぱりここに来たね!」

 倉庫の後ろから香澄とこころが顔を出して、香澄はDバレットをこころはハッピー砲を突きつけたまま近づいていく。

「貴方は甚大な被害を与えると書いた」

「だとしたら、資材がたくさんあるここに来ると思ったんだよ」

 ビリビリの左右からは友希那と蘭もDバレットを持って近づく。

「どうしてこんな事をするの⁉」

「お祭りを中止にはさせないよ!」

 逃げようにも後ろからは、話を聞いたましろと彩が退路を塞ぐ。

「……ッチ。邪魔すんなやゴラアアアアアア!」

「みんな! 行くよ!」

『スター!』

「音撃チェンジ!」

 香澄の号令と共に姿を変え、一斉に攻撃をする。

 斬撃と射撃を受けて、吹き飛ぶビリビリだが六人から離れた事がきっかけで反撃に出る。

「これだ!」

 ビリビリが地面に触れると、地表の僅かな砂鉄を一気に寄せ集めた。

 その範囲は半径10キロ。確かに砂鉄をとれる量は少量だが、集める範囲を広げれば話は別だ。

 集めた砂鉄は一本の鞭になると振り回す。

「おりゃあ!」

「ぐっ!」

「きゃあ!」

 三人に被弾し、避けた香澄、友希那、こころのもう三人が迫る。

「先手を打ったのは良かったよ!」

 そう言って香澄を掴んで電撃を直接流す。

「わああああああああ!」

「戸山さん!」

「でもね!」

 こころに投げつけるがそれを受け止める、しかし香澄の体には電気が走っておりこころも感電してしまう。

「あばばばばばばば⁉」

「ここに来た時点で私の勝ちは決まってたのよ!」

 止めに左腕の銃を友希那に突き付けると、一発の超電磁砲が放たれた。

「⁉」

 避けれないと悟った友希那はブルーローズで受け止める。

「ぐ……くぅ!」

 しかし細身の剣では限界があったのか、超電磁砲は友希那当たり、そのまま地面に水平に飛んでいき木に当たると大爆発が起きた。

「きゃああああああ!」

「友希那せんぱーい!」

 香澄が叫ぶが爆炎の中で友希那は膝から落ちて前のめりに倒れて意識を失った。

「よし、今度こそ……」

 ビリビリは倒れる六人を他所にメダルを装填し、超電磁砲の発砲準備をする。

 構えを取ると、銃口に雷が込められていく。

「ダメ!」

 香澄の嘆願を全く聞かず、超電磁砲が放たれた。

「全く、手間取らせるんじゃないわよ」

 それだけ言うと、ビリビリは砂鉄を全身に纏うと消えた。

「友希那!」

「何があった⁉」

 そこへ爆音に釣られてリサと巴が駆け付ける。

「友希那⁉ 友希那!」

「リサさん! 今は皆をアタシの家に連れていきましょう!」

「分かった!」

「立てる奴はいるか⁉ 悪いが歩いてついて来てくれないか?」

 リサは友希那を背負い、巴も倒れている人の肩を貸して周りに声を掛けた。

 

 

 

 翌日、宇田川家で一夜を過ごした六人はリビングで今後の話をしていた。

「やっぱり、今回の脅迫犯はエクスードだったね」

「アイツ、祭りの日にも来るかな?」

「友希那ちゃん、怪我は大丈夫?」

「ごめんなさい、私は出られそうにないわ」

 体の所々を包帯を巻いた友希那が悔しそうに言うが、すぐに鋭い眼つきで注意を促す。

「あの銃撃は絶対に当たっては駄目よ。ひとたまりも無いわ」

「今回はアタシが出るよ。友希那は休んでて!」

「……そうさせてもらうわ」

「皆!」

 そこへ会合から帰って来た巴が皆に話し始めた。

「昨日の事で話があったんだが……」

 僅かに間を置いて言った。

「中止が決まった」

「そんな!」

「それに今日、こんな手紙が来ていたらしい」

 またしてもビリビリが出したであろう封筒を香澄に渡すと、中身を見て音読をする。

「私は確かに注意をした。これを見ても何も思わないなら勝手にやればいい、今度は警告だ。当日、祭りが行われていれば多くの命が吹き飛ぶがいい……」

「やっぱり止めた方がいいんじゃ……」

「ダメよ! 子供達が悲しむわ!」

「うん! 今度は倒すから、やってもらおうよ!」

「ええ、早速行きましょう!」

 

 

 

「お願いします!」

「そうは言ってもねぇ……」

 深々と頭を下げる香澄とこころ、二人の姿に困るしかない会長にその様子を見守るしかない六人。

『香澄、ここは諦めたらどうなんだ? エクスードをこの世界から一掃すれば、また出来るだろう?』

 香澄の内のポップが止めるが聞く耳を持たない。

「大事なのは、皆の命だしねぇ……今回の一件で犯人は本気だと分かったし、中止にせざるを終えないよ」

「音撃戦隊が守るから大丈夫よ!」

「音撃戦隊って……あれは都市伝説だろう?」

「いいえ、伝説じゃないわ!」

 そう言って、こころはDバレットとハッピー砲を出すと、変身しようとする。

「こころちゃん⁉」

「ウソ⁉」

「待ちなさい! 簡単に正体を明かしては……」

「音撃戦隊チェンジ!」

 周りの言葉を聞かずこころは目の前で変身、その姿を変えた。

「えええええええええ⁉」

「ね? 音撃戦隊は本当にいるのよ!」

「え、ええ……⁉」

「お祭りを守って皆を笑顔にするの!」

「えっと……私からもお願いします!」

「だ、だが……」

「会長」

 そんな中、マスキングが部屋に入って来て会話に割り込む。

「こいつらの意見、聞いてやってください」

「確か、佐藤さんのとこの……だが……」

「今回の犯人はエクスードです。会長も知ってるでしょう? 万が一やらなかった場合、約束を破る事だった考えられる。だったら、人間は奴らに屈しないと知らしめる為にもやるべきじゃないですか?」

「……」

 マスキング自身は、真剣な眼差しを向けているだけなのだが、会長にはメンチを切られている様にしか感じられなかった。

 会長は難しい顔で呻き出すと、突如叫んだ。

「ああ! 分かった分かった! やろう! その代わりどうなっても私は知らない!」

「ありがとうございます!」

 二人は改めてお辞儀をした。

 

 

 

 外に出て最初に第一声を上げたのは友希那だ。

「弦巻さん、まさか何も考えずに言ったわけじゃないでしょうね?」

「もちろんアイデアはあるわよ! RASブラックに手伝ってもらうの!」

「え⁉」

 こころの提案に全員が驚愕する。

「私は別に構わないけど?」

 更にそこにレイヤが現れた。

「レイヤ?」

「アタシが呼んだ」

「夏祭りが無くなるのは私も嫌だからね」

「ま、利害の一致ってやつだ」

「あたしはパス」

だが蘭はそれに反対する。

「戦っている最中に寝首を掻かれる訳にもいかないし」

「おい蘭!」

 

 

 

 思わぬ協力者の登場から二日後、ついに祭りの日が来た。

「友希那先輩、体はどうですか?」

「結局、完治まではいかなかったわ……」

「そうですか……」

「代わりに貴女にこれを託すわ」

 そう言って友希那は香澄の手にローズ以外の自分が持つDバレットを全て渡す。

「上手く使いなさい」

「ありがとうございます!」

 

 

 

 一方、商店街の入り口ではビリビリがシロクロと共に立ちすさんでいた。

「待って!」

 つくし、こころ、彩、香澄、蘭、リサ、レイヤが横一列に並び、二人を呼び止める。

「来たわね」

「全く……お姉様の言う事を聞いていればこんな命を投げ捨てる事にはならなかったのに……」

「ううん、私達は絶対に守ってみせる!」

『スター!』

『サンセット!』

『クローバー!』

『ローズ!』

『スマイル!』

『バタフライ!』

『スダレ!』

「音撃チェンジ!」

「Raise your hands!」

 

ポピパの楽曲と言えば?(採用されたものがフォーム名になります)

  • STAR BEAT!~ホシノコドウ~
  • 二重の虹(ダブル レインボウ)
  • キズナミュージック♪
  • Returns
  • ティアドロップス
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