音撃戦隊バングドリーマー   作:作者アアアア

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24thLive あなたは海の底

 山が見える海岸沿いで青年が黙って真剣な顔で海を見つめており、千聖はその様子を後ろから心配そうに見つめる。

「やっぱり先程の方……亡くなったそうです」

「そうか……」

 千聖から訃報を聞かされ青年は俯く。

「やっぱりこれって……和洋人形の呪いなんでしょうか……」

「いや違う」

 青年は振り返り千聖と目を合わせて叫ぶ。

「これは呪いなんかじゃない、呪いに見せかけた殺人だ!」

「私には思えません! 皆、あんな残虐に……目も当てられない姿にされたというのに……! 人の手でされたなんて考えたくない……考えられない!」

「ああ考えられない。けれど、どんなものにも理由があるはずだ!」

「理由?」

「和洋人形の謎は、必ず俺が解いてみせる!」

 勢いよく海の方を向いて叫んだ。

 

 

 

「カット! オッケー! 次は、館内のパートからだから出演者の皆さんは三十分後に屋敷に来てください!」

「ふぅ……」

 その一言でカメラを回していた人々は安堵の顔を見せ、千聖も同じく一息ついていた。

「千聖ちゃーん!」

 そこへ彩が早足で、その後ろを麻弥が歩いて千聖の元に着く。

「千聖ちゃん、すごく良かったよ!」

「ふふ、ありがと。彩ちゃんも麻弥ちゃんもわざわざ来てくれてありがとね」

「いえいえ、ジブンはドラマの撮り方を学べば劇で生かせれると思って来ただけですので!」

 麻弥が続けて言う。

「まさか、千聖さんが金田一耕平シリーズに出る事になるなんて、最初に聞いた時は驚きましたよ!」

「確か……人形浄瑠璃殺人事件だっけ? 怖そうだなあ……」

「まあ、金田一耕平シリーズはクローズドサークルで起きるホラーテイストが特徴のミステリー物ですからね」

「ええそうね、所で彩ちゃん……はともかく麻弥ちゃんは原作を読んだ事はあるの?」

「流石に全部は読めてませんが……人形浄瑠璃は一番人気という事もあったので読みましたね。確か犯人は……」

「わー! 言わないで! 聞いたらその人を警戒しちゃうかもしれないから!」

「彩ちゃんってネタバレはNGのタイプなのね」

「あの!」

 その時、声を掛けられ三人がそこを向くとパレオが立っており、目が合うとお辞儀をしてきた。

「あっ、パレオちゃん!」

「貴女、ライブでよく見かける子よね? どうしてここに?」

「彩様がこちらに行くと知り合いの方々から聞きまして……」

「さ、様付け……」

 パレオの様付けに麻弥が若干引いているが、彩が聞く。

「ねえパレオちゃん、皆から聞いて来たって事は私に用があって来たって事だよね?」

「はい! ですがここでは何ですし、場所を移しませんか? 二人っきりで」

「え? 私だけ? 千聖ちゃんと麻弥ちゃんは?」

「すいません、彩様だけでお願いします」

 そう言うとパレオは耳元で早口で囁く。

「エクスード絡みですから」

「!」

 それを聞いた彩は、急いでこの場を離れようと早口になりだす。

「そうなんだ! ゴメンね二人共! 私、パレオちゃんをお話してくるから!」

「あ、彩さん?」

「あ、彩様?」

 彩はパレオを背中を押してここから逃げる様に去って行った。

「ささ、パレオちゃん行こうか!」

 

 

 

「それでパレオちゃん、エクスードで何かあったの?」

「いえ、まだ事件は起きてはいなんですが……フウキイインの最後の一人をご存知ですか?」

「うん、名前はビリビリ。電気が使えるんだけど……」

「はい、オーロラ様がここに現れる事を教えて下さったので、彩様にもお伝えしようかと……」

「ありがとう! 皆にも伝えておくね!」

「それでは私はこれで」

「あ、待って!」

 それだけ言って去ろうとするパレオに彩が引き止める。

「この間の様に一緒に戦おうよ!」

「それは……出来ません……」

「どうして?」

「パレオは……チュチュ様の命に背く訳にはいかないのです」

「パレオちゃんは……どうしてそのチュチュちゃんの事を慕っているの?」

「チュチュ様は……暗闇を漂っていたこんな私を拾い上げてくれて、とても頼って下さるんです」

「パレオちゃん……」

「彼女との出会いで私の世界に色が付き始めたんです。だからチュチュ様を裏切る事は私には出来ません」

「それって、私達とは一緒になれないって事?」

「はい」

「パレオちゃんはさ、本当は私達と一緒になりたいんじゃないかな?」

「……失礼します」

 背を向けて歩き出したパレオに彩が叫ぶ。

「……でも私達は待ってるから! いつか皆で力を合わせてエクスードに立ち向かうって!」

「……」

 だが、パレオは何も言わず去って行ったのだった。

「彩さん、お話は終わりましたか?」

「あ、麻弥ちゃん」

 そこへ入れ違いに麻弥がやって来る。

「千聖ちゃんは?」

「次の撮影の現場に向かいました。ジブン達も行きましょう」

「うん、分かったよ」

 麻弥の後ろを歩く彩はこっそりスマホで、音撃戦隊に連絡を送った。

 

 

 

「きゃあああああああ!」

 千聖が血塗れで項垂れている人を指差して悲鳴を上げる。

 その光景をカメラに収めるスタッフを後ろから見つめる彩と麻弥。

 だが、彩はその場所に落ち着かずソワソワしている。

「カット!」

 このシーンも問題無く撮れ、我慢していた彩も緊張の糸が切れ、肩を撫でおろす。

「はぁ~」

「彩ちゃん? さっきから落ちついていないみたいだけど、一体どうしたの?」

「え? め、迷惑だった?」

「そうね。それで集中が切れる人もいるし、出来れば毅然とした態度をとってもらいたいわね」

「うう……ゴメン」

「それで、何か悩んでいるの?」

「だってここ、昼間なのに暗いし、お屋敷なのにおどろおどろしいし……」

「まぁ……無理もありませんね。ここ、昔は幽霊屋敷って噂がたっていたくらいですし……」

「そうなの⁉」

 麻弥の台詞に彩は驚きの声を出す。

「といっても、本館は特に何も無いそうです」

「本館は? だとしたら別館にはあるみたいな言い方ね?」

「じゃ、じゃあそこに行く事になったら……」

 千聖の言葉に恐れてるが、すぐにフォローを入れる。

「大丈夫よ。別館には入れない様に鎖で縛ってあったし、そもそも別館には踏み入れない事を条件に撮影の許可を貰ったんだから、使う機会なんて無いわ」

「そ、そっか良かった~」

 胸をなでおろす彩がふとバルコニーへの窓を見ると、パジャマ姿の少女が一人立っていた。

「?」

 彩と目が合うと白い歯を見せる。

「ね、ねぇ……」

 それに寒気を感じた彩は迷わず二人に伝えようとする。

「どうしましたか?」

「あの子……」

 彩が指差した先には誰もいなかった。

「あれ?」

「外の景色がどうしたの?」

「あ、あれさっきまで女の子がいたんだけど……」

「う~ん……そこで揺れるカーテンが人に見えたんじゃないんですか?」

「彩ちゃん、怯え過ぎよ。怖がれば怖がるほど、些細な物が恐ろしく見えてもっと怖がる、負のスパイラルになってしまうのだがら、もっと毅然として」

「本当なのに……」

 

 

 

 場所は変わり、長いテーブルに天井にはシャンデリア、部屋の一角には暖炉が設置された食堂での撮影。

 そのシーンは主人公が推理で犯人を追い詰めるシーンだ。

「……以上の事から犯人を絞り出す事が出来ます!」

「……」

 真剣に演技に取り組む千聖にそれを見守る麻弥、彩はネタバレNGという事で外の部屋で待機している。

「そこから導き出された答え、すなわち……」

 ミシッ……ミシッ……。

「東洋人形、いや……」

 ミシッ……ミシッ……。

「犯人は……」

 ブツッ! 

「アン……」

 その時、天井につり下がっていたシャンデリアが切れ、テーブル上に落ちるとけたたましい音と共に粉々に砕けた。

 さらにそれを合図に室内で地震が起き、小道具が倒れ、突風が発生し始める。

「わあああああ⁉」

「うわあああ!」

「どうしたの⁉」

 そのアクシデントにキャスト、スタッフ一同が悲鳴を上げると彩が飛び込んできた。

「どうしたの⁉」

 彩が見たのは、異常事態が起きている現場。首をせわしなく動かして細かく確認しようとする。

 そして、一人を見つけて呟く。

「あの子……!」

 パジャマ姿の女の子だ。

 白い歯をチラつかせながら、右手を暖炉にかざす。暖炉の傍には千聖だ。

「千聖ちゃん!」

 迷わず走り出し、千聖の襟を掴むと思いっきり後ろに引っ張る。

「きゃあ⁉」

 二人揃って尻もちを着くと同時に暖炉から炎が放射され、千聖があの場にいたら火だるまになっていただろう。

「……⁉」

 千聖もそれを考えたのか、声を失う。

「近くのドアから出るんだ!」

「彩さん! 千聖さん! 立てますか⁉」

「え、ええ」

「急ぎましょう!」

 監督の一声で、皆急ぎ足で出て行くのだった。

「麻弥ちゃん、一体何があったの?」

「分かりません……。シャンデリアが落ちてから何が何やらで……」

 彩にはさっきの火が殺意を持って動いていた事に疑問を抱いている。

「彩さん? 彩さん? 聞いてますか?」

「あ! ゴメンね、それで千聖ちゃんは大丈夫なの⁉」

「え、ええ……彩ちゃんさっきはありがとう」

 その時、彩のスマホから連絡が入り、彩はそれを確認する。

『彩先輩! 着きました、どこで待ちましょうか?』

 それを見た彩は急いで返信をした。

「千聖ちゃんがエクスードに命を狙われいるのかもしれない! だから、お屋敷の周りを見回って!」

『分かりました! あ、それとですね……』

 香澄から続けて文面が送られる。

『友希那先輩はライブ、こころんはお家の用事で遅くなるそうです』

「分かった、わざわざ呼んでもらったのにごめんね」

『いえいえ、音撃戦隊ですから! ここは任せて下さい!』

 

 

 

「ここは任せて下さい! ……っと」

 屋敷外で固まっていた香澄、蘭、ましろ。

「彩さん何て?」

「辺りを見回って欲しいって」

「あの香澄さん?」

「何?」

「コドウの力でエクスードの場所とかは、分からないんですか?」

 ましろの考えで、香澄は内のポップに声を掛ける。

「ポップ、エクスードの気配は感じる?」

『……いや、何も感じないな。どう言う事だ?』

「え?」

『そもそも、今回の相手はエクスードなのか? とにかく、警戒を強めるように』

「分かった」

「ポップは何て?」

「分からないって、だからみんなで力を合わせて探そう!」

「分かった」

「は、はい!」

 捜索を始めた三人はふと、ある場所に着く。

「こ、ここって……」

 見上げる三人の前には、門は鎖でがんじがらめで縛られ、家屋の壁には苔やツタが生い茂り、窓ガラスもいくつか割れた廃墟が佇む。

「お、お化け屋敷みたいですね……」

「二人共あれ!」

 蘭が指差す方を向くと、何かの影が窓に映る。

 少なくとも二足歩行しているが形が人では無い影も香澄らに気づいたのか逃げる様に消えた。

「今のってエクスード?」

「かもしれないね」

「えっ……じゃあ……」

 改めて屋敷の外観を見つめる。

「入るの? ここに?」

「ひぃ……」

「い、行こう! 二人共!」

 香澄の号令を受けて三人は震える体を押さえて塀をよじ登り屋敷へと入った行った。

 エクスード相手には問題無い三人でも霊には全く耐性が無いのだ。

 屋敷の扉には何故か鍵がかかっておらず、簡単に入る事が出来た。

 入って玄関、靴を脱ぐスペースなのだが、廃墟であるここでは必要無く三人は土足で廊下に入って行く。

「あ、あのさ」

「何?」

「ふ、二人共……その……」

 蘭は恐る恐る聞く。

「動きづらいんだけど……」

 蘭の腕を握りしめて離さない香澄とましろに問うが二人の答えは一緒だった。

「だって~……すごく怖くて……」

「あの、蘭さん。守ってください……」

「え? あ、ああ! わ、分かった!」

 蘭も今すぐにでも逃げ出したい心境だったが、同級生と後輩の前で醜態を晒せなかったのか、先頭になる事を宣言してしまった。

 館内はとてつもなく荒れており、一歩歩く度に床がきしむ音が鳴り、聞こえるのはそれと吐息だけだ。

 そんな三人の前に半透明な影が現れた。

「出たああああああ!」

「ヴェアアアアアアア⁉」

「うわあああああ!」

 腰を抜かす二人にましろは蘭を掴んでいた腕から手を離すと逃げ出した。

 しかし、その姿をよく見ると二人から恐怖が消えていく。

「アイツは……!」

「ですの……ですの……」

「シロクロ⁉」

 一行の前に現れたのは、倒したはずのでのシロクロだったのだ。

「エクスードなら!」

「それも前倒した奴なら」

「「勝てる!」」

『スター!』

『サンセット!』

 頭に三角巾を付けたその姿に二人はDバレットを出して構える。

「音撃チェンジ!」

 一瞬で姿を変え武器を手にすると、Dバレットを装填。必殺の準備に入る。

「はああああ!」

 二つの衝撃波がシロクロに直撃するが、全くダメージが入っていない。

「ウソッ⁉」

「効いてない⁉」

「私は……」

 それだけ言うと二人の目の前から消える。

「ひぃ⁉」

 香澄は背中を触られた感覚が襲い即座に後ろを向く。

「ひゃあ⁉」

 蘭には誰かに足を掴まれる感覚が襲い足を見ると、左足首に手形が残っていた。

 止めに上部から寒気を感じ、二人はゆっくりと上を見る。

「幽霊なんですの」

「きゃあああああああああああああああああ!」

 一方、一人逃げ出したましろは玄関に立ち、扉を開こうとしていた。

「どうして……どうして開かないの⁉」

 ドアノブを握り、必死に押し引きするがビクともしない。

 その時、香澄達の悲鳴が聞こえ、恐怖からより一層ドアを叩き始める。

「出して! 出してぇ!」

 ギシィ……。

 床の軋む音が聞こえる。けれど、それは生者のものではない。

「嫌あああああああああああああああああああ!」

 

 

 

「撮影、中止になっちゃいましたね」

「ドラマは……やっぱり延期なのかな?」

「いえ、後はスタジオである程度再現して撮影をするそうよ」

「だったら、あそこでやる必要あったのかな……?」

「監督がリアリティに拘る方でしたからね、いわくつきの場所で撮りたかったのでしょう」

 一方、千聖と麻弥は電車に乗って花咲川へ帰ろうとしていた。

『まもなく、列車が停車します~』

 アナウンスと共に電車が走って来て止まると、ドアが開かれる。

「彩ちゃん、本当に残るの?」

「うん、ちょっと忘れ物しちゃって……」

「けれど、一人で行く必要はないんじゃない?」

「ううん、千聖ちゃん達はすぐにでも帰るべきだよ」

 勿論これは二人と別れて、香澄達と合流する為の嘘だ。

「あれほどの現象が起きたんです。見つけたらすぐに戻って来てくださいね!」

『まもなく電車が発車します。黄色い線までお下がりください』

「分かった、それじゃあね!」

 そう言うとドアが閉まり電車が動き出す。

 スピードを上げて走っていき、ホームに残ったのは彩一人だけだ。

 走り去る電車を見送った彩は早速、駅前に出て香澄達に連絡を送る。

 しかし、連絡は一向に来ない。代わりにある人物から連絡が入った。

『そろそろ着くわ』

「友希那ちゃん?」

 その時、空から一機のヘリコプターが飛んできて、彩の頭上で滞空するとドアが開く。

「とうっ!」

 上空10mはあるであろう高さから、誰かを抱きかかえた人物が着地したのだ。

「こ、こころちゃん⁉」

「私もいるわよ」

 落ちてきたのはこころ、抱えられていたのは友希那。

 予想外の登場に驚きを隠せていないが、こころは説明を始める。

「用事が終わったから黒服さんに頼んでここまで連れてきてもらったの!」

「私も連れてきてもらったわ。後、もう下ろして頂戴」

「あら? あたしはもっと友希那を持っていたかったわ!」

 こころは友希那を下ろすと、友希那は彩に近づきながら聞き出す。

「それじゃあ丸山さん、今起きている事を教えてもらえないかしら?」

「うん、まずはね……」

 

 

 

「大体分かったわ」

 彩は自分の周りで起きた事、香澄達と合流予定の事を説明した。

「それで、戸山さん達から連絡は来ていないの?」

「うん……」

「ねえ彩! 本館に行きましょう!」

「弦巻さん、丸山さんの話を聞いていたの? 今、本館に行くのは危険よ」

「彩があったのはきっと幽霊よ! あたし、幽霊を見た事ないの! お友達になってくれるかもしれないわ!」

「こ、こころちゃん……」

「丸山さん、本館以外に思い当たる場所はない?」

「う~んと……別館があるけれど……」

「戸山さん達に何て連絡したの?」

「本館の周りを見ててって」

「本館の周りに何があるの?」

「別館……あ」

 友希那の問答で自分の言葉足らずで香澄が別館に入ってしまった可能性が脳裏をよぎる。

「ゆ、友希那ちゃんどうしよ~!」

「落ち着いて、私達も別館に行きましょう。話はそれからよ」

「その前に本館に行きましょう!」

「弦巻さんだから……」

 話を聞かないこころに頭を抱える友希那。

「あそこの子もあたし達を招待したいみたい!」

 二人はこころが指さす方を見るが、誰もいない。

「弦巻さん? 一体どうしたの?」

「あ! 待って!」

 そう叫ぶとこころは走り出す。

「こころちゃん!」

「待ちなさい!」

 二人はその後を追うのだった。

 

 

 

こころの後を追い、本館に来てしまった二人。

問題の食堂は誰も片付けておらず荒れたままだ。

「幽霊さーん! 遊びに来たわよ!」

部屋に入ったこころは元気よく叫ぶが返答は全くあらず、その後ろから友希那と彩が声を掛ける。

「全く……遊んでいる暇は無いのよ」

「こころちゃん、そろそろ別館に行かない?」

「でも、まだ幽霊さんに会ってないわ!」

食堂をうろつき出すこころに友希那は呆れつつ聞く。

「いる訳ないでしょう。……それにてもかなり荒れてるわね。本当に人の手だとは思えないわ」

「こころちゃんの言う通りなのかな……」

「けれど、私達には思い当たる怪しい相手が一人いる。分かる?」

「……エクスード!」

友希那の台詞に一つの答えを出した彩だったのだが。

「あ! 幽霊さん!」

「え⁉」

こころが指差す方には例の女の子が立っていた。

「……」

「貴女、一体何者なの?」

「ゆ、友希那ちゃん!」

全く臆さずに近づいていく友希那に彩は止めるがそれを聞かずに進んで行く。

友希那は燃えカスが残る暖炉を横切ろうとした時、彩が叫んだ。

「危ない!」

彩の言葉通り暖炉が突如、燃え上がり炎が友希那に襲いかかった。

「きゃあ⁉」

驚いて尻もちをついてしまうが、座ったままで女の子に問う。

「……どうゆうつもりなの?」

 

 

「ふ、二人共逃げよう!」

彩は二人の腕を掴むと引きづって出て行く。

「ご、ごめんね!」

女の子に頭を下げながら。

「……」

その子は顔を一切動かさず出て行く姿を見ているだけだった。

 

 

 

「今回はエクスードの霊が相手という事になるのだけど、どうやって対策を立てればいいものか……」

本館から出て別館へ向かう三人、友希那は既にエクスード絡みだと読んでおり歩きつつその対策を考えていた。

「エクスードなんていたかしら?」

「さっきの彼女よ、仮に違ったとしてもエクスードが絡んでいると思えないわ」

「あたしはあの子とお話したいわ!」

「こころちゃん、今はダメだよ。あの子凄く興奮していたし」

「幽霊が物を動かすのはよく聞くけれど、あれには殺意しか感じなかったわ」

「あの子もきっと何かを守りたいのよ! あたしはそう思うわ!」

「守りたい? 一体何を?」

「二人共、あれ」

こころと友希那が、彩の指さす方を見ると廃墟と化している別館が佇む。

「あれね」

「あたし、先に行ってる!」

こころは塀を軽々越えて二人置いて館内と消えていき

「待ちなさい!」

「一人じゃ危ないよ!」

「丸山さん、下がって」

友希那と彩はこころを追う為、彩を後ろに下げブルーローズを抜く。

「はぁ!」

ブルーローズを振り下ろし、門を縛っていた鎖を真っ二つにして門を自由にさせる。

「行きましょう」

 

 

 

「~~~~~~~~~」

その頃、花咲川付近の丘では一体のエクスードが正座で念仏を唱えていた。

「破!」

袈裟を着た黒猫のエクスードの掛け声と共に空に小さな穴を生成すると、そこから大量の霊が飛び出していき街の方へと向かって行く。

「見つけた!」

そこへレイヤがオーロラを侍らせて駆け付けてギターアックスを構える。

「オーロラ、あれは?」

「黒猫型エクスード、イマジン・コウレイ。降霊術を使いこなす事が出来る」

「アンタがRASブラックか」

「だったら?」

「俺が呼んだ霊、倒しに行かなくてもいいのか?」

「……」

「しかも、先兵として全国に音撃戦隊が葬った同胞を送った。どうする?」

イマジンの言葉にレイヤは悩むが、オーロラがそれを壊す。

「イマジンを倒せば霊も消滅するよ」

「あ! お前!」

「そっちの方が効率的!」

『スダレ!』

レイヤはDバレットを出してギターアックスに装填し叫んだ。

「RaiseYourHands!」

姿を変えたレイヤは単身で戦いに挑んでいくのだった。

 

 

 

レイヤが交戦中、友希那達も別館に入り、玄関を見渡していた。

「昼なのに何だか暗いね。それに湿っぽいし」

「気のせいよ」

「幽霊さーん! どこなのー!」

ゴト

「音?」

近くにある衣装棚から物音がして友希那は早足で近づき、取っ手を掴む。

「友希那ちゃん! そんな警戒もしないで……!」

彩が言い切る前に友希那は躊躇いなくそれを開いた。

「ああああああああああああああああああああああああああああああ!」

「あああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

館内に響くのは二人分の絶叫、彩と棚の中の彼女のだ。

「ましろじゃない! かくれんぼしているの?」

「ああああああああああああ……あえ?」

耳を押さえている友希那が一言。

「私よ」

「ゆ……友希那さ~ん……」

味方だと安堵してましろは友希那に抱き付く、そのままの体勢で友希那は聞き出す。

「倉田さん、戸山さん達と一緒だったのでしょう? 二人はどこなの?」

「……幽霊が出てきて、逃げてしまって……」

「二人とはぐれたと……」

「すいません……」

「いえ、倉田さんが見つかっただけでも十分よ。二人共簡単に倒れるほど弱くはないし」

「ねえ、ましろ!」

「は、はい⁉」

こころはましろの言葉に夢中で手を掴んで聞き出す。

ポピパの楽曲と言えば?(採用されたものがフォーム名になります)

  • STAR BEAT!~ホシノコドウ~
  • 二重の虹(ダブル レインボウ)
  • キズナミュージック♪
  • Returns
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